クローゼット収納|掛けるか畳むかは、服が自分で形を保てるかで決まる

片づけた直後のクローゼットは、たしかにきれいです。問題はその先で、2週間ほど経つと、また同じ場所に同じ山ができている。椅子の背、扉の内側のフック、引き出しの上。
ここで多くの方が、収納用品が足りなかったのだと考えます。仕切りを買い足し、吊り下げるものを増やし、それでもまた戻る。
戻る理由は、量ではありません。掛ける服と畳む服の線が引かれていないからです。線がないと、置き場所はその日の気分で決まります。気分で決めたことは、2週間後の自分に引き継がれません。
この記事は、その線の引き方と、線を引いたあとの順番だけを置きます。朝晩が冷えはじめて衣替えを考える今が、いちばんやりやすい時期です。
結論:掛けるか畳むかは、服が自分で形を保てるかで決まる
素材でも、値段でも、しわになりやすさでもありません。
その服を平らな場所に置いて手を離したとき、自分の形を保てるかどうか。
肩の形が残る、襟が立ち上がる、前身頃が浮いて空気を含む。このどれかが起きるなら、掛ける側です。全体がぺたんと平らになり、置いたままの形で動かないなら、畳む側です。
理由は重さの流れ方にあります。形を保てる服は、掛けると自分の重さが肩から裾へ縦に流れます。保てない服を掛けると、重さが肩の細い一点に集まり続け、そこに出っ張りが残ります。編み地の服が掛けるのに向かないと言われるのは、この理由です。
判定は服ごとに10秒で終わります。カバンを同じ考え方で分ける話はクローゼットのカバン収納|自立するかどうかで置き方が分かれるにあります。
決め方①|持っている服を3つに分ける
床でも、ベッドの上でもかまいません。いま掛かっている服と、引き出しに入っている服を全部出して、3つの山を作ります。
- 掛ける|置いて形が残るもの。上着、羽織もの、襟のあるもの、張りのある織りのもの
- 畳む|置いて平らになるもの。編み地のもの、薄手のカットソー、伸びる生地のもの
- 吊るす|服ではないもの。小物、ベルト、帽子など、形がばらばらで棚に並ばないもの
迷う一枚は、畳む側に置いてください。掛ける場所は必ず足りなくなるからです。畳んで一晩置いたあと、広げて30分でしわが落ち着くなら畳む側で問題ありません。落ち着かないなら掛ける側に戻します。
残すか手放すかで手が止まったら、そこで止めて服の断捨離|迷う一枚は「戻した回数」で決めるを先に済ませてください。この記事は、残すと決めた服をどこに置くかの話です。
決め方②|掛ける段の高さを決める
掛ける山ができたら、その中でいちばん長い一枚を選びます。ハンガーに掛けた状態で、肩の位置から裾までを測ってください。
その数字に10cmを足したところが、下の棚板や下段のパイプを置ける上限です。10cmは裾が下に触れないための余白で、ここを削ると、裾が折れ癖のついた状態で半年を過ごします。
このとき大事なのは、丈の近いものを集めることです。長い服と短い服を混ぜて掛けると、いちばん長い一枚に合わせて下の空間が全部死にます。丈でまとめると、短い服の下にまとまった空きが生まれます。
その空きに何を置けるかは、空きの高さで変わります。40cmが境目になる話はクローゼットの下の収納|掛けた服の裾から床までの空きで、置けるものが決まるにまとめています。
歩いて入れるタイプなら、先に測るのは高さより奥行きです。手順はウォークインクローゼット収納|先に測るのは奥行きにあります。
決め方③|畳むものの厚みを数える
畳む山は、枚数ではなく厚みで数えます。実際に畳んで、一枚の厚みを測ってください。
| 畳むもの | 一枚の厚みの目安 | 重ねる枚数 |
|---|---|---|
| 薄手のカットソー | 2cm前後 | 4枚まで |
| 薄手の編み物 | 4cm前後 | 3〜4枚 |
| 厚手の編み物 | 6〜8cm前後 | 3枚まで |
| デニムなど厚い織り | 4〜5cm前後 | 3〜4枚 |
一枚の厚みに重ねる枚数を掛け、手を入れる余白として2cmを足した数字が、引き出しやケースの内寸の高さになります。
順番を逆にして、引き出しの深さに合わせて積むと、余った高さのぶんだけ枚数が増えます。いちばん下の一枚が、半年ぶんの重さを受け続けることになります。深さごとの入れ方はクローゼットのチェスト|引き出しの深さで、入るものが決まるにあります。
棚に直接置くなら、段の間隔は積んだ山のいちばん高いところで決まります。測り方はクローゼットの棚|段の間隔は「いちばん高い一山」で決まるにまとめました。
早見表|服の種類別に、掛ける・畳む・吊るす
手元の服を照らし合わせるための目安です。同じ種類でも、置いて形が残るかどうかで入れ替わることがあります。迷ったら、実際に置いてみたほうが早いです。
| 服の種類 | 置き方 | 理由 |
|---|---|---|
| 上着・ジャケット | 掛ける | 肩の芯が形を保つ。畳むと折り目が肩に出る |
| 羽織もの・コート | 掛ける | 丈が長く、畳むと折り数が増える |
| シャツ・ブラウス | 掛ける | 襟が立つ。畳むと襟元に横の線が残る |
| ワンピース | 掛ける | 縦に長く、掛けると重さが分散する |
| 厚手の編み物 | 畳む | 掛けると肩に重さが集まり、出っ張りが残る |
| 薄手の編み物 | 畳む | 同上。薄くても伸びる方向は同じ |
| 薄手のカットソー | 畳む | 平らになる。掛けると枚数のわりに幅を取る |
| 伸びる生地のもの | 畳む | 縦に伸びたまま戻りにくい |
| デニム・厚い織りの下衣 | どちらでも | 掛ければしわが減り、畳めば幅が空く |
| ベルト・帽子・小物 | 吊るす | 棚に並べると転がる。形がばらばらで積めない |
吊るす側をどこまで増やせるかは、パイプの幅を何cm差し出せるかで決まります。境目はクローゼットの吊り下げ収納|奪うパイプ幅に見合うかで決めるに書きました。
2週間で戻ってしまう原因は、3つに絞れます
片づけが続かないのは、意志の問題ではありません。仕組みのほうに、たいてい次の3つのどれかがあります。
原因1|戻す場所が決まっていない
しまう場所は決めたのに、一度着てまだ洗わない服の行き先を決めていない。これがいちばん多い形です。
洗うものは洗濯かごへ、洗わないものはクローゼットへ戻す。この二択しかないと、どちらでもない服が椅子の背に残ります。残った服の上にまた一枚重なり、3日で山になります。
対策は、中間の置き場所を1か所だけ作ることです。幅はハンガー3〜5本ぶん。ここに入り切らなくなったら洗う、という上限として使います。詳しい作り方は一人暮らしの服の収納|先に決めるのは、一度着た服を置く場所にまとめています。
原因2|一段に2つの意味を入れた
同じ引き出しに部屋着と外出着が混ざっている。同じ棚に今季と来季が並んでいる。この状態だと、1枚取り出すたびに全体を見渡すことになり、見渡すたびに崩れます。
**一段には、意味を1つだけ入れてください。**入り切らないなら、段を増やすのではなく、その段の意味を狭めます。「上に着るもの」ではなく「今月着る上に着るもの」まで絞ると、量のほうが自然に決まります。
原因3|高さが、手の届く範囲を外れた
床から数えて、背伸びしなくても届く上限と、しゃがまなくても届く下限。この二本の線の間が、毎日使える帯です。多くの家では、床から70cm〜150cmあたりに収まります。
この帯の外に置いたものは、数週間で使われなくなります。だから帯の外へ出すのは、年に数回しか触らないものだけです。上の段の使い分けはクローゼットの上の収納|年に何回出すかと、落ちたら痛いかで決めるにあります。
秋の衣替えと、どう重ねるか
9月半ばのいまは、この仕分けをやるのにちょうどいい時期です。夏物と秋冬物が両方手元にあるので、掛ける・畳むの線を、入れ替えと同時に引けるからです。
順番はこうなります。まず3つに分ける。次に、そのうち今月から着るものだけを、手の届く帯に置く。残りを帯の外へ移す。この順にすると、床に全部を出したまま夜になる、という事態を避けられます。
ただし、9月半ばから10月にかけては気温が行き来します。夏物を全部片づけてしまうと、暑い日に出し直すことになります。見えている側の端に10cmほどの混在の帯を作り、2週間だけの一時置きとして扱ってください。
いつ何を入れ替えるかの具体的な日取りは秋の衣替えの手順に、仕舞う前に洗って乾かす工程はニット・ウールの保管と防虫に、入れる箱そのものの選び方は衣替えの収納ケース|中身が見えるかどうかで、来季に開ける回数が変わるにあります。
部分ごとに詰めるなら、こちらから
ここまでが全体の順番です。実際に手を動かす段になると、家ごとの条件で分かれます。自分の状況に近いところから読んでください。
| 困っている場所 | 決め手になる数字 | 記事 |
|---|---|---|
| 幅が足りない | 1着あたり何cmあるか | 狭いクローゼットの収納 |
| 中が見えない・使わない側がある | 同時に見える割合 | クローゼット内の収納 |
| 掛けた服の下が空いている | 裾から床までの空き | クローゼットの下の収納 |
| カバンが倒れる | 空にして立つかどうか | クローゼットのカバン収納 |
| 季節外の置き場所 | 来季に何回開けるか | 衣替えの収納ケース |
よくある行き違い
「まず収納用品を買えば片づく」。買う前に決めることが3つあります。順番を逆にすると、用品の寸法に服を合わせることになり、入らなかったぶんが床に残ります。用品を買うのは、入り切らないものが何枚あるかを数えたあとです。
「掛けたほうが服は傷まない」。これは掛ける側の服にだけ当てはまります。形を保てない服を掛けると、肩の一点に重さが集まり続け、そこに出っ張りが残ります。傷ませないために畳む、という選択があります。
「全部見えるようにすれば着る」。見える枚数には上限があります。視界に30着あると、選ぶのに時間がかかり、結局手前の数着だけを着ることになります。見せるのは今月着るものだけにして、残りは意味を決めて帯の外へ出すほうが、着る枚数は増えます。
ハンガーの向きをそろえる話も、見える枚数と関わります。ハンガーの向きに常識はあるかに3つの流派をまとめました。
装いに活かすなら
置き場所が決まると、朝に開いたときの視界から迷いが減ります。同じ服でも、手前にあるか奥にあるかで、その年に着た回数は変わります。
季節の入れ替わりは、持っている服の傾向が見える時期でもあります。掛ける山と畳む山の比率が偏っていたら、それは手持ちの形の偏りです。次の一枚を選ぶときの手がかりになります。
いろいろ試したい季節に、一定の期間だけ手元の選択肢を広げる方法もあります。顧客プロフィールと在庫情報を踏まえて選定された服が届く仕組みなら、自分では手に取らない形の服を、置き場所を増やさずに試せます。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. クローゼット収納は、何から手をつければいいですか
- 収納用品を買うことからではありません。最初にやるのは、持っている服を掛ける・畳む・吊るすの3つに分けることです。分け方は、平らな場所に置いたときにその服が自分の形を保てるかどうか。肩や襟が立つものは掛ける側、ぺたんと平らになるものは畳む側です。この仕分けが終わってから、掛ける段の高さと、畳む山の厚みを測ります。用品を先に買うと、その用品の寸法に服を合わせることになり、入らなかったぶんが床や椅子の上に残ります。
- Q. 掛けると畳むの、どちらがいい服かをどう見分けますか
- その服を平らな場所に置いて、手を離してください。肩の形が残る、襟が立ち上がる、前身頃が浮く。このどれかが起きるなら掛ける側です。全体がぺたんと平らになり、置いた形のまま動かないなら畳む側です。形を保てる服は、掛けると自分の重さが縦に流れて形が保たれます。保てない服を掛けると、細い一点に重さが集まり、肩の位置に出っ張りが残ります。編み地の服が掛けるのに向かないと言われるのは、この理由です。
- Q. 片づけても2週間で元に戻ってしまいます
- 原因は3つに絞れます。1つ目は、戻す場所が決まっていないこと。しまう場所は決めても、脱いだあとまだ洗わない服の行き先を決めていないと、椅子の背に山ができます。2つ目は、一段に2つの意味を入れたこと。同じ引き出しに部屋着と外出着が混ざると、探すたびに全体を崩すことになります。3つ目は、置いた高さが手の届く範囲を外れたこと。背伸びやしゃがみが必要な場所のものは、数週間で使われなくなります。
- Q. 掛ける段の高さは、どう決めればいいですか
- 服の丈から逆算します。いちばん長い一枚を掛けた状態で、肩の位置から裾までの長さを測ってください。その数字に10cmを足したところが、下の棚板や下段のパイプを置ける上限です。10cmは裾が下に触れないための余白で、ここを削ると裾が折れ癖のついた状態で半年過ごすことになります。丈の近いものだけを集めると、裾の下に連続した空きが生まれます。長い服と短い服を混ぜて掛けると、いちばん長い一枚に合わせて全部の下が使えなくなります。
- Q. 収納用品は、いつ買えばいいですか
- 3つの手順が終わって、入り切らないものが具体的に何枚あるかが分かってからです。順番を逆にすると、用品の寸法のほうが先に決まってしまい、以降の判断が全部そこに縛られます。買う前に測るのは、幅・奥行き・高さの3つ。どれもいちばん狭いところを測ってください。壁のわずかな傾きや、奥の出っ張りがあると、その位置が実際の上限になります。数センチの違いで入らなくなるので、売り場で思い出そうとせず、その場でメモに残します。
— メグラシ編集部




