クローゼットの上の収納|年に何回出すかと、落ちたら痛いかで決める

クローゼットの上の棚に置くものは、入るかどうかでは決めません。決めるのは2つの数字です。
- 年に何回出すか
- 落ちたときに、重いか痛いか
この2つを先に出すと、上に置けるものはかなり少ないと分かります。上棚が使いにくいのは高さのせいに見えますが、実際に効いているのは下ろす瞬間の重さです。
手が届く帯の考え方はクローゼットの棚|段の間隔は「いちばん高い一山」で決まるにあります。ここでは、その帯より上だけを扱います。
軸①|年に何回出すか
頻度で3つに分かれます。
| 年間の回数 | 置く場所 | 例 |
|---|---|---|
| 年4回以上 | 上ではなく、手が届く帯へ | 月に一度以上使うもの |
| 年1〜3回 | 上棚に合う | 季節でまとめて動かすもの |
| 年0回 | 上棚ではない場所を検討 | 何年も開けていない箱 |
年0回の欄が大事です。上棚は家の中で最も取り出しにくい場所の1つなので、そこを一度も開かない箱で埋めると、季節の入れ替えのたびに置き場所が足りなくなります。使わないものを最も使いにくい場所へ、という配り方は一見正しく見えて、季節の作業を毎年止めます。
軸②|片手で下ろせるか
重さの上限は、はかりではなく体で測ります。
**その箱を胸の高さで片手に持ち、5秒静止できるか。**できるなら上に置けます。できないなら、頭より上へ置いた時点で下ろせません。目安としておよそ3kgです。
両手で下ろす動作は、片手より安全に見えて実際は逆です。**両手がふさがると、体を支える手がなくなります。**踏み台の上で少しでもバランスが崩れたとき、つかまる先がない。重いものは床に近い段へ置いてください。
高さに関係なく、上に置かないもの
3つあります。
- 落ちたときに痛いもの|角のある硬いもの、金具のついたもの
- 割れるもの
- 中身が散らばるもの|口の開いた入れ物に入れた細かいもの。傾いた時点で散ります
加えて、湿気を嫌うものも向きません。部屋の中で暖かい空気は上に集まるので、季節によっては上棚が最も温度差の大きい場所になります。仕舞う前の乾かし方と入れ物の選び方はニット・ウールの保管と防虫にあります。
奥行きの深い上棚|前後で頻度を変える
上棚の奥行きが深いと、後ろ側は手前を下ろさないと取れません。つまり後ろは、手前より確実に頻度が低いものである必要があります。
- 手前|年2〜3回
- 後ろ|年1回
同じ頻度のものを前後に置くと、取るたびに手前を全部下ろすことになり、やがて後ろは開かない場所になります。
もう1つの方法があります。**奥行きの半分だけを使うと決めてしまう。**空けておくのは無駄に見えますが、下ろす動作が1回で済むぶん、実際に使える量は増えます。使える量は、入る量とは違います。
崩れない積み方は、3つの決まりだけ
上棚では、下ろす途中で崩れると止められません。積み方の決まりを3つに絞ります。
- 重いものを下に|例外なし
- 積むのは2段まで|3段目は、下2つを年単位で開かなくします
- 手前の面をそろえる|手前が凸凹だと、下ろすとき隣に引っかかります
積んだ状態で、手前から見て奥の箱の角が見えているかを確かめてください。見えていないなら、奥は事実上ない場所になっています。
どちらとも取れるとき①|重くて、頻度も低いもの
冬物のかさばるもののように、重くて年に1〜2回しか使わないものがあります。頻度だけ見れば上棚、重さだけ見れば床。ここで迷います。
答えは重さが勝ちます。頻度は不便で済みますが、重さは落ちます。床に近い場所へ置いてください。
床の置き場所がないなら、分けるという手があります。1つの大きな箱を2つに分け、それぞれを3kg以下にする。下ろす回数は増えますが、片手で下ろせるほうが安全で、結果として作業も早く終わります。
どちらとも取れるとき②|年に1回も開けていない箱
上棚に、何年も開けていない箱があることがあります。今日これを判定しなくて構いません。ただし判定を先送りにする手順は決めます。
箱の外に3つを書きます。
- 次に開ける月
- 何のために開けるのか
- 最後に閉じた日
そして次の衣替えの日に、その箱だけを下ろします。**下ろして、開けずに重さを確かめる。**片手で持てないなら、その場所には向いていません。最後に閉じた日が2年以上前なら、上棚から出す候補です。中身の判定は服の断捨離|迷う一枚は「戻した回数」で決めるの軸で分けられます。
どちらとも取れるとき③|家族と共用する上棚
共用の上棚では、身長の違いがそのまま使いやすさの違いになります。均等に分けると、届きにくい人の側が使われなくなります。
分け方を変えます。上棚は、いちばん背の高い人が担当する場所にしてください。他の人のものも置いてよいですが、下ろすのは担当者という決め方にする。これは不公平に見えて、実際には無理な体勢で下ろす人を減らします。
そのうえで、下ろす日を決めます。季節の入れ替えの日に、全員のぶんを一度に下ろす。個別に頼む形にすると、頼みにくい人のものが上に残り続けます。
下ろすときの姿勢|踏み台の高さで決まる
上棚の事故は、下ろす瞬間ではなく足元で起きます。見るのは踏み台の高さです。
目安は、箱の底が自分の胸から目の高さのあいだに来る位置です。これより低いと、腕を頭より上へ伸ばすことになり、支える力が出ません。これより高いと、体が棚に近すぎて、下ろした箱を胸の前に持ってこられません。
踏み台がないなら、その高さは使わないという判断が要ります。背伸びで届く高さは、届くだけで下ろせる高さではありません。指先で引き出した箱は、傾いた瞬間に止められません。
下ろす前にやることも決めておきます。**箱の位置を、いったん手前へ5cmだけ引く。**引いた状態で重さを確かめ、それから両手ではなく片手で持ち替える。この一手間で、重すぎる箱を持ち上げる前に気づけます。
上棚を、季節の一時置きに使う
上棚には、年に2回だけ有効な使い方があります。季節の入れ替えの一時置きです。
入れ替えの日、下ろした箱をすぐに中身ごと処理しようとすると、床が埋まります。そこで、空になった上棚を、入れ替え作業の作業台代わりに使う。片づけ終わったものから順に上げていくと、床に出ている量が増え続けません。
このとき決めておくのは1つだけです。**その日のうちに、上棚の中身を確定させる。**作業台のまま翌日に持ち越すと、確定しないものが上棚に残ります。上棚に残った未確定のものは、次の季節まで触られません。
一時置きに使ってよいのは、年2回の入れ替えの日だけです。日常の一時置きに使い始めると、踏み台を出す回数が増え、やがて出さずに投げ入れるようになります。
上棚が使えない場合の逃がし方
天井が低い、踏み台を置く場所がない、上棚の奥行きが極端に深い。こうした条件では、上棚を無理に使わないほうが早いことがあります。
代わりの置き場所は3つです。
- 床に近い段|重いものはもともとこちらが向いています
- ベッドの下や、家具の下の空間|高さの制約はありますが、下ろす動作が不要です
- 別の部屋の、頻度の低い場所|年1回のものなら、玄関から遠くても支障がありません
**上棚を空けたままにするのは、無駄ではありません。**使えない場所に無理に詰めると、季節の入れ替えのたびに時間がかかります。空いていれば、入れ替えの日の作業台として使えます。
年に2回、下ろす日を固定する
上棚は、放っておけば触らない場所です。日付で動かします。
衣替えの日を年2回決め、その日に上棚のものを全部下ろす。開けなくて構いません。下ろして、重さと最後に閉じた日を確かめ、また上げる。この作業は箱が4つなら20分ほどで終わります。
見るのは3つです。
- 片手で下ろせない箱があるか|あるなら分ける
- 最後に閉じた日が2年以上前の箱があるか|あるなら中身を確かめる
- 箱が増えていないか|増えているなら、下の段があふれた結果です
**上棚が満杯になるのは、上棚の問題ではありません。**たいてい下の段からあふれた結果です。そのときは総量から見直す順番になります。計算は洋服の断捨離|減らす枚数は、パイプの有効幅から逆算するにあります。
箱の大きさ|大きいほど、開かなくなる
上棚では、箱を大きくするほど下ろす回数が減るように見えます。実際には逆のことが起きます。大きい箱は重くなり、重い箱は下ろされません。
上限は重さから逆算します。片手で持てる重さがおよそ3kgなら、その重さに収まる大きさが箱の上限です。中身が軽いものばかりなら大きい箱でも構いませんが、詰め方によって重さは倍近く変わります。空の箱の大きさではなく、詰めた状態の重さで決めてください。
数にも目安があります。**上棚に置く箱は、片側3つまで。**4つ以上になると、奥のものを出すのに手前を2つ下ろすことになり、作業が1回で終わりません。1回で終わらない配り方は、季節の入れ替えの日に必ず後回しになります。
箱の形は、四角いものが向きます。丸みのあるものや取っ手が飛び出しているものは、隣と噛み合わず、下ろすときに引っかかります。
上棚に置いたものを、年に一度見直す基準
上棚は放っておくと固定されます。見直す基準を、感覚ではなく数字にしておきます。
見るのは3つです。
- 最後に閉じた日から何年経ったか|2年以上なら、中身を確かめる候補
- 箱の数が去年より増えていないか|増えているなら、下の段からあふれた結果です
- 片手で下ろせない箱が増えていないか|増えているなら、詰め方が変わっています
3つのうち、2つ目がいちばん見落とされます。**上棚の箱が増えるのは、上棚の問題ではありません。**下の段で入りきらなかったものが、行き場を求めて上がってきています。ここで上棚を広げると、下の段の問題が見えなくなります。
対処は、上ではなく下から始めます。下の段の総量を見直し、上棚の箱を1つ減らせるかどうか。上棚は、家の中で最後に増やす場所です。
まとめ
- 上に置くのは年1〜3回出すもの。年4回以上なら手が届く帯へ下ろす
- 重さの上限は片手で5秒静止できるか、およそ3kg。両手が要るものは上に置かない
- 痛いもの・割れるもの・散らばるものは、高さや頻度に関係なく上へ置かない
- 奥行きが深いなら手前は年2〜3回、後ろは年1回。同じ頻度を前後に置かない
- 年2回、下ろす日を日付で固定する。開けなくてよい、重さと日付だけ確かめる
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. クローゼットの上の棚には、何を置くのが正解ですか
- 年に何回出すかで決まります。年4回以上出すものは上に向きません。踏み台を出す、両手を上げる、下ろす、戻すという動作が毎回かかるので、季節に一度を超える頻度では負担が上回ります。年1〜3回、つまり衣替えのように季節でまとめて動かすものが上棚に合っています。年に1回も出さないものは、上ではなく別の場所を検討してください。上棚は家の中で最も取り出しにくい場所の1つなので、そこを一度も開かない箱で埋めると、季節の入れ替えのたびに置き場所が足りなくなります。
- Q. どれくらいの重さまで上に置いていいですか
- 片手で下ろせる重さ、およそ3kgまでが目安です。判定は簡単で、その箱を胸の高さで片手に持ち、5秒静止できるかどうか。できないなら、頭より上へ置いたときに下ろせません。両手で下ろす動作は、片手より安全に見えて実際は危険です。両手がふさがると体を支える手がなくなり、踏み台の上で体勢が崩れます。重いものは、床に近い段へ置いてください。重くて頻度の低いもの、たとえば冬物の寝具に近いものは、上棚ではなく床置きの箱が向いています。
- Q. 上棚の奥が使えていません
- 奥行きが深い上棚では、後ろ側は手前を下ろさないと取れません。つまり後ろ側は、手前より確実に頻度の低いものにする必要があります。目安は、手前が年2〜3回、後ろが年1回です。同じ頻度のものを前後に置くと、取るたびに手前を全部下ろすことになり、やがて後ろは開かない場所になります。もう1つの方法は、奥行きの半分だけを使うと決めてしまうことです。使わない奥を空けておくのは無駄に見えますが、下ろす動作が1回で済むぶん、実際に使える量は増えます。
- Q. 上に置いてはいけないものはありますか
- 3つあります。1つ目は、落ちたときに痛いもの。角のある硬いもの、金具のついたものです。2つ目は、割れるもの。3つ目は、中身が散らばるもの。細かいものを入れた口の開いた入れ物は、下ろす途中で傾いた時点で散ります。この3つは、高さや頻度に関係なく上へ置かないでください。加えて、湿気を嫌うものも上には向きません。部屋の中で暖かい空気は上に集まり、季節によっては上棚がいちばん温度差の大きい場所になります。
- Q. 年に一度しか開けない箱の中身を忘れます
- 箱の外に、中身の一覧ではなく、次に開ける日付と目的を書いてください。中身を書くと種類が増えるほど読まなくなりますが、いつ開けるかが書いてあると、その日が来たときに手が伸びます。書くのは3つだけです。次に開ける月、何のために開けるのか、そして最後に閉じた日。最後に閉じた日が2年前になっている箱は、頻度の判定が間違っているので、上棚から出す候補になります。日付は記憶より正確で、季節ごとの入れ替えの判断材料になります。
— メグラシ編集部




