本棚を服の収納に使う|浅い棚に合わせられる服、合わせられない服

本棚を服の収納に使うとき、棚を服に合わせることはできません。
本棚の寸法は、本のために決まっています。奥行きは20〜30cm、段の高さは25〜30cm。この2つは、たいてい動かせません。
だから、合わせるのは服の側です。載せられる服と載せられない服の線を、先に引いてください。
先に測る3つ|有効奥行き・段の高さ・棚板の幅
測るのは3つだけです。5分で終わります。
有効奥行きは、背板から棚の手前の縁までの実距離。カタログの奥行きより1〜2cm短いのが普通です。
段の高さは、棚板の上面から、上の棚板の下面まで。可動棚なら動かせますが、動かせるのは高さだけで、奥行きは変わりません。
棚板の幅は、たわみに効きます。幅が広いほど中央が下がります。
この3つのうち、服の載る・載らないを決めるのは有効奥行きです。ここから始めます。
奥行き25cmの壁|たたんだ一辺を、奥行き−3cmに収める
判定は1つです。たたんだ服の一辺が、有効奥行きより3cm以上短いこと。
3cmは、手を差し込んで抜き出すための余白です。ぴったりだと、抜くときに服の前が縁に擦れ、戻すときに端が引っかかります。
| 有効奥行き | 収めたい一辺 | 載せられるもの |
|---|---|---|
| 20cm前後 | 17cm以下 | 下に着るもの、靴下、小さくたためる薄手 |
| 25cm前後 | 22cm以下 | 薄手のトップス、ボトムス、夏もの中心 |
| 30cm前後 | 27cm以下 | 中厚のトップスまで。厚手は段の高さ次第 |
| 35cm以上 | 32cm以下 | 棚として扱ってよい。本棚特有の制約が外れる |
はみ出したまま使わないでください。 前にはみ出した服は、通りがかりに肩や袖が触れ、少しずつ前へ押し出されます。数日で床に落ちます。
たたみ幅を変える|三つ折りから四つ折りへ
多くの人が使うたたみ方だと、たたんだ幅は28〜30cmになります。奥行き25cmの棚には入りません。
ここで諦めずに、袖を内側に折り込む回数を1回増やしてください。 幅は22〜24cmに縮み、奥行き25cmの棚に収まります。
ただし、たたむ回数を増やすと厚みが増します。 薄手なら問題ありませんが、厚手のものを同じように折ると、今度は段の高さが足りなくなります。
だからこの手が効くのは、薄手から中厚まで。厚手のものは、たたみ方を変えても本棚には収まりません。 別の場所を用意してください。
段の高さ28cm|積むのは3段まで
たたんだ服を積むとき、上限は3枚です。
4枚目を載せた時点で、下の2枚は上から見えなくなります。見えない服は取り出されず、取り出されない服は着られません。
この上限は段の高さとは関係ありません。段が40cmあっても、5枚積めば下の3枚は見えません。高さは「積める数」を決めますが、「使える数」を決めるのは視界です。
3枚を超える分をどうするか。ここが本棚を使うときの分かれ目になります。
立てて差すと、背表紙のように選べる
3枚を超えたら、積むのをやめて立てて差してください。
たたんだ服を、本を並べるように縦に立てる。端が手前を向くので、一段に入っている全部が一度に見えます。積んだ3枚と、立てた8枚では、選べる枚数が倍以上変わります。
段の高さが28cm前後あれば、たたんだ服はそのまま立ちます。倒れるときは、両端に本を1冊ずつ立てて挟むと止まります。仕切りを買う必要はありません。
立てる形が向かないのは、たたんだときに自立しないほど柔らかいものです。薄い素材のものは、隣に寄りかかって斜めになります。斜めになったら、その段は積む段に戻してください。
合わせられない服|しわが戻らないもの
寸法が合っても、載せてはいけない服があります。畳んでしわが戻らない服です。
判定は一晩でできます。畳んで一晩置き、翌朝広げてみる。折り線が残っていたら、その服は本棚に向きません。掛ける側に残してください。
本棚は棚の高さが低いので、服は必ず折り重なります。掛ける場所より折り線が入りやすく、しかも扉がないぶん、載っている状態が目に入ります。折り線の入った服が目に入ると、その服を選ばなくなります。
迷っている服が何枚もあるなら、まとめて畳んで、翌朝に一度に判定してください。1回で片が付きます。
棚板のたわみ|服は本より軽いが、幅が効く
服は本より軽いので、たわみは起きにくいと思われがちです。実際には、幅の広い棚板は服でも下がります。
確かめ方は、棚板の中央と端に定規を渡して、差を見るだけです。中央が5mm以上下がっていたら、そこには重いものを置かないでください。
たわんだ棚板の上では、立てて差した服が中央へ寄って倒れます。倒れると、また積む形に戻ってしまいます。
対処は2つです。重いものを端へ寄せるか、中央に支えを1本立てるか。支えは、その段に本を数冊まとめて立てるだけでも代わりになります。
扉がないことの効き目|見える棚は着る回数が上がる
本棚には扉がありません。これは、服にとっては不利ではなく有利に働きます。
扉を開ける動作が1つ減ります。そして、通りがかりに服が視界へ入ります。朝の視界に入る枚数が増えると、着る服の種類が広がります。
この効き目を最大にするには、入れる段を選びます。床から80〜150cmが、立ったまま端が見える帯です。
| 段の高さ | 見え方 | 入れるもの |
|---|---|---|
| 150cm超 | 端しか見えない | しまい込むもの。服は向かない |
| 80〜150cm | 全部見える | 週に何度も着る服 |
| 30〜80cm | しゃがめば見える | 週1回程度の服 |
| 30cm未満 | 見下ろすだけ | 服は入れない |
服を入れるのは、真ん中の2つの帯だけです。 上段と最下段は、本や箱に譲ってください。
一段を、明日着る服の場所にする
本棚を服に使うときにいちばん効くのは、一段だけを役割で使い切ることです。
床から100〜130cmあたりの、いちばん見やすい一段を選び、そこを「明日着る服」の場所にしてください。入れるのは1日ぶん、多くても2日ぶんです。
この一段があると、朝に選ぶ場所が1か所に決まります。他の段は在庫の場所になり、選ぶ場所ではなくなります。選ぶ場所が1か所に決まると、朝の迷いは目に見えて短くなります。
入れるものが3日ぶんを超えたら、それはもう「明日の服」ではありません。在庫の段へ戻してください。この段だけは、余白があっても埋めないこと。 埋めた瞬間に、ただの段に戻ります。
本棚をクローゼットの中に入れる場合
本棚そのものをクローゼットの中へ入れる形もあります。この場合、奥行きが浅いぶん、手前に余白が出ます。
手前の余白は、埋めないでください。 ここは、たたんだ服を引き出すための場所です。余白がないと、抜くときに前の縁へ擦れます。
もう1つ確かめるのは、扉との干渉です。折れ戸のクローゼットでは、扉を開けたときに両端15cmほどが手の入りにくい帯になります。その帯の正面に本棚の端が来ていると、端の一列は取り出せません。
端の一列に何を入れるかは、この帯に当たっているかどうかで決めてください。当たっているなら、そこは服ではなく、動かさないものの場所です。
どちらとも取れるとき①|奥行きが30cm前後
30cmは、たたみ方を変えなくても入る一方、余白が広すぎて服が奥へ滑る帯です。
このときは、背板側に何かを立てて、奥行きを25cm前後に詰めてください。 立てるのは本でも、空き箱でも構いません。
奥が余ったままだと、出し入れのたびに服が奥へずれ、手前に空白ができます。空白ができると、そこに別のものが置かれ、やがて服が取り出せなくなります。
奥を詰めると、たたんだ服の端が手前の縁と揃います。端が揃った段は、視線が止まります。 揃っていない段では、何が入っているか分からないまま通り過ぎます。
どちらとも取れるとき②|本と服を同じ棚に混ぜたい
段で分けるなら成立します。同じ段で混ぜると、服の側が必ず負けます。
本は動きません。服は出し入れのたびに動きます。隣に本があると、抜くときに引っかかり、戻すときに角が当たってたたみ直しが増えます。
混ぜるなら、境目に仕切りを1つ入れてください。仕切りがないまま混ぜた段は、2週間で本の側が服の場所へ広がります。
段で分ける場合は、服を80〜150cmの帯に入れます。本は上下へ。この配り方だと、本を取るついでに服が視界へ入るので、着る回数が上がります。
どちらとも取れるとき③|置き場所が窓や暖房に近い
扉がないぶん、置き場所の条件は厳しくなります。避けるのは3つです。
窓から1m以内で直射が当たる棚。暖房の吹き出し口の正面。床から30cm以下の段。
この3つに当たる場所には、長く置く服を入れないでください。当たらない場所であれば、週に一度以上着る服なら、扉がないほうが有利です。
季節をまたいでしまい込む服は、そもそも本棚に向きません。埃を払う手間が、その服を着ない理由になります。 しまい込むものは、扉のある場所か、覆いのある場所へ回してください。
2週間で確かめること
並べ替えたあと、2週間だけ数えてください。数えるのは1つ、その棚から取って着た服の種類です。
枚数ではなく種類です。同じ一枚を何度着ても1と数えます。
2週間で4種類以上出ていれば、その棚は服の置き場として働いています。2種類以下なら、見えていません。段の高さを80〜150cmの帯へ動かすか、積んでいる分を立てて差す形へ変えてください。
「入った」と「使えている」は別です。 入った量は置いた日に分かりますが、使えているかどうかは2週間かかります。
まとめ
本棚を服に使うときは、棚ではなく服を合わせます。たたんだ一辺は有効奥行き−3cm、積むのは3枚まで、それ以上は立てて差す。 しわが戻らない服は載せません。
服を入れる段は床から80〜150cmの帯だけ。上段と最下段は本や箱に譲ります。奥行きが余るなら背板側を詰め、端を手前の縁に揃える。
扉がないことは、週に何度も着る服にとっては有利です。通りがかりに目へ入る棚は、その服を着る回数を確実に上げます。 ただし窓際と暖房の正面だけは外してください。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 本棚を服の収納に使っても大丈夫ですか
- 載せる服を選べば成立します。判定は2つです。1つは寸法で、たたんだ一辺が棚の有効奥行きより3cm以上短いこと。奥行き25cmの棚なら、たたんだ幅を22cm以下にします。もう1つは形で、畳んで一晩置き、翌朝広げてしわが戻ること。この2つを満たす服だけを載せてください。両方を満たさない服を無理に載せると、はみ出して埃をかぶるか、しわが取れないまま着ない服になります。
- Q. 一般的な本棚の奥行きだと、たたんだ服が前にはみ出します
- たたみ方を変えてください。多くの人が使う三つ折りだと、たたんだ幅はおよそ28〜30cmになります。これを四つ折りにすると22〜24cmに収まり、奥行き25cmの棚に入ります。袖を内側に折り込む回数を1回増やすだけです。それでも入らない厚みのものは、その棚には向いていません。たたむ回数を増やすほど厚みは増すので、厚手のものを無理に四つ折りにすると今度は段の高さが足りなくなります。
- Q. 何枚まで積んでいいですか
- 3枚までです。4枚目を載せた時点で、下の2枚は上から見えなくなります。見えない服は取り出されず、取り出されない服は着られません。3枚を超える分は、積むのをやめて立てて差してください。立てて差すと、端が本の背表紙のように並び、一段に入った全部が一度に見えます。段の高さが28cm前後あれば、たたんだ服は倒れずに立ちます。倒れる場合は、両端に本を1冊ずつ立てて挟むと止まります。
- Q. 本と服を同じ棚に混ぜてもいいですか
- 段で分けるなら問題ありません。同じ段で混ぜると、服の側が必ず負けます。本は動かない一方、服は出し入れのたびに動くので、隣に本があると引っかかり、たたみ直しが増えるからです。分けるときは、服を目の高さに近い段へ入れてください。床から80〜150cmの帯が、立ったまま端が見える範囲です。この帯の外に服を入れると、本を取るついでに服が視界へ入ることがなくなり、着る回数が落ちます。
- Q. 扉がないので埃や日焼けが心配です
- 3つの条件で判断してください。窓から1m以内で直射が当たる棚、暖房の吹き出し口の正面、床から30cm以下の段。この3つに当たる場所には、長く置く服を入れないでください。当たらない場所であれば、週に一度以上着る服なら、扉がないほうが有利です。扉を開ける動作が1つ減り、通りがかりに視界へ入るからです。逆に、季節をまたいでしまい込む服は本棚に向きません。埃を払う手間が、その服を着ない理由になります。
— メグラシ編集部





