簡易クローゼット|掛けていい重さと、日の当たる帯で中身が決まる

簡易クローゼットに何を掛けるかは、幅では決まりません。
決まるのは2つです。掛けたものの重さと、その場所に当たる光。
幅がいくら余っていても、重さが上限を超えればパイプは下がります。下がったパイプでは、中央に掛かった服の肩が押し合います。そして日の当たる帯に長く掛けた服は、次に着ようとしたときに色の見え方が変わっていることがあります。
掛かる量ではなく、掛けた服が着られる状態で残るかどうかを先に決めてください。
判定①|耐荷重を、服の枚数に換算する
表示されている耐荷重は、そのままでは使えません。服の重さに換算してください。
| 服の種類 | 1着の目安 | 15kgまでなら |
|---|---|---|
| 薄手のトップス | 0.2kg | 60着 |
| 中厚のトップス・ボトムス | 0.5kg | 24着 |
| ニット・厚手のトップス | 0.8kg | 15着 |
| 上着・羽織もの | 1.5kg | 8着 |
同じ幅でも、中身によって4倍以上変わります。幅で数えても当てになりません。
そして、表示された数字いっぱいまで使わないでください。8割で止めます。 耐荷重15kgなら12kg。残りの2割は、掛けたまま揺れる分と、季節で厚手が増える分です。
判定②|中央のたわみ10mmが、掛け直しの合図
計算より確実なのは、実際に見ることです。
定規を端から端へ渡し、中央との差を測ってください。10mm以上下がっていたら、そのままにしないでください。
10mmは、見た目には気づきにくい下がり方です。けれどこの状態では、中央に掛かった服がわずかに寄り集まり、肩が押し合います。押し合った状態が続くと、肩の位置に線が入ることがあります。
手は3つあります。重いものを支柱の近くへ寄せる。重いものを何着か別の場所へ移す。中央に支えを1本足す。
いちばん早いのは1つ目です。掛け替えるだけなので数分で終わり、たわみは半分近く戻ります。
掛ける位置|端と中央では、同じ重さでも違う
パイプは、支柱に近いほど下がりません。真ん中がいちばん下がります。
だから、重い服は端から30cm以内に寄せてください。 上着や厚手のものが端に並び、薄手のものが中央に来る形です。
見た目の並びとしては不揃いになりますが、掛ける場所を決めるのは見た目ではありません。 中央に重いものを集めた状態は、数か月でパイプの形に残ります。
二段になっている形の場合、上段のほうが下がりやすくなります。上段には薄手を、下段に重いものを。上下で重さを逆にするだけで、たわみは目に見えて減ります。
判定③|窓から1m|日の当たる帯に、何を掛けないか
簡易クローゼットには扉がないので、置き場所の条件がそのまま服に届きます。
窓から1m以内で直射が当たる帯を、長く置く服の場所にしないでください。
この帯に掛けていいのは、数日で入れ替わる服だけです。今週着る服を数着だけ掛け、着たら洗って別の場所へ戻す。この回転があれば、同じ場所でも問題になりにくくなります。
回転しない服、たとえば季節をまたいでそこに掛けたままにする服は、別の場所へ移してください。掛けたまま動かない服ほど、同じ面にだけ光が当たり続けます。
窓との距離が取れない場合は、窓側に一枚布を垂らして直射を切るだけでも帯は狭くなります。服の側を覆うより、光の側を切るほうが手数が少なく済みます。
ほこりは上から来る|天面に一枚
扉がないぶん、ほこりは上から落ちてきます。掛かっている服の肩に、いちばん先に溜まります。
天面に一枚、平らなものを渡してください。 布でも板でも構いません。これだけで、肩に落ちる量ははっきり減ります。
天面を物置にしないでください。物を置くと、その物の隙間からほこりが落ち、しかも取るときに舞います。渡すのは一枚だけです。
側面から入るほこりは、天面ほど多くありません。側面まで覆う必要があるのは、部屋の出入り口の正面に置いている場合だけです。
カバーを閉めるかどうかは、開ける回数で決める
覆いの付いた形では、閉めるかどうかで迷います。判断は開ける回数です。
週に4回以上開けるなら、開けたままのほうが有利です。開閉の動作が1つ減り、通りがかりに服が視界へ入ります。視界に入る枚数が増えると、着る服の種類は広がります。
週に1回程度なら閉めてください。ただし、片手で開けられる形に限ります。 両手が必要な形にすると動作が2つになり、数週間で開けなくなります。
開けなくなったカバーの中は、しまい込んだのと同じ扱いになります。しまい込んだ服は、季節が一巡するまで着られません。
掛けていい服の条件|週に1回以上着るもの
ここまでの判定をまとめると、掛けていい服の条件が1つに絞れます。週に1回以上着る服。
扉がなく、光とほこりが届く場所なので、長く置く服には向きません。逆に、回転する服にとっては、扉がないことがそのまま利点になります。
だから中身は、回転する服だけにしてください。季節をまたいでしまい込む服は、覆いのある場所か、扉のある場所へ回します。
この線を引かないと、簡易クローゼットは「入りきらなかった服の置き場」になります。置き場になった時点で、そこの服は着られなくなります。
乾ききっていない服を、そのまま掛けない
扉のない形でいちばん起きやすいのが、湿った服をそのまま掛けてしまうことです。
判定は手で分かります。服の内側、脇の下と裾の縫い代あたりを触って、周りより冷たければまだ乾いていません。 表面が乾いていても、縫い代は最後まで残ります。
湿ったまま掛けると、隣の服がその湿りを受けます。簡易クローゼットは服と服の間隔が詰まりやすいので、影響は隣の2〜3着まで届きます。
乾ききるまでは、掛ける場所ではなく、間隔を空けられる場所へ。 目安は、掛けたときに隣と手のひら1つぶん空くことです。空かないなら、そこはまだ乾かす場所ではありません。
どちらとも取れるとき①|たわむが、まだ倒れない
5mmから10mmのあいだは、判断が割れます。倒れる気配はないが、確かに下がっている状態です。
このときは、重い服の位置だけを変えてください。 掛け替えるだけなら数分です。掛け替えたあと、もう一度定規を渡して測ります。
5mm以下に戻れば、その配置で続けて構いません。戻らなければ、重さの合計が上限に近づいています。表で換算し直してください。
判断を先送りしないでください。 たわみは、ある日いきなり進みます。10mmから先は、支えを足すか、掛ける量を減らすかしか手がありません。
どちらとも取れるとき②|仮設のつもりが、1年経った
いちばん多い行き止まりがこれです。引っ越しまでのつもりが、そのまま1年。
そのまま使うと決めて構いませんが、1年経った時点で3つを見直してください。
1つ目は、掛かっている服の重さの合計。2つ目は、パイプの中央のたわみ。3つ目は、掛けたまま一度も着ていない服の数です。
3つ目が5着を超えていたら、そこは掛ける場所ではなく置き場になっています。仮設のあいだは中身が回りますが、常設になると回らなくなるのがこの形の弱点です。
常設にすると決めたら、掛ける服に「週に1回以上着る」という条件を付け直してください。条件を付け直さないまま常設にすると、1年で中身が固まります。
どちらとも取れるとき③|置ける場所が窓際しかない
部屋の条件で、窓際以外に置けないこともあります。この場合は、掛ける服の入れ替え速度で対応します。
窓側の端から50cmを「今週の服」の帯にしてください。ここには、数日以内に着る服だけを掛けます。
窓から遠い側には、回転の遅い服を。同じラックの中で、光の当たる側ほど回転が速いという並びにします。
この配り方だと、光の当たる場所に長く留まる服がなくなります。並べ替えだけで済み、道具は要りません。
下の空間の使い方|重いものは低く、手前から
掛けた服の下には、たいてい空間が余ります。ここに箱を置く場合、2つだけ決めてください。
重いものは低く。 高い位置に重いものを置くと、ラック全体が前後に揺れやすくなります。
手前から使う。 奥へ置いたものは、掛かっている服を分けないと取れません。分けるたびに服が動き、掛け直しが増えます。
奥は、年に数回しか出さないものの場所です。服を奥に置かないでください。 服を置くと、着るたびに掛かっている服を分けることになります。
増設より先に、掛ける厚みを見る
足りないと感じたとき、もう1本足したくなります。その前に見るところが1つあります。
掛かっている服の厚みが、季節に合っているか。
厚手が並んでいる時期は、同じ着数でも占める幅が倍近くになります。この時期に足すと、季節が変わったあとに1本が空きます。
空いたラックは、置き場に変わります。置き場になったラックは、二度と掛ける場所に戻りません。
足すかどうかは、いちばん厚い服が掛かっている時期に、それでも溢れているかどうかで判断してください。掛けられる幅そのものの計算は、クローゼット全体で見たほうが早く済みます。
2週間で確かめること
置いたあと、2週間だけ数えてください。数えるのは1つ、そこから取って着た服の種類です。
枚数ではなく種類です。同じ一枚を何度着ても1と数えます。
2週間で5種類以上出ていれば、そのラックは掛ける場所として働いています。2種類以下なら、置き場になりかけています。掛かっている服のうち、週に1回以上着ないものを外してください。
数える理由は、置いた直後がいちばん回るからです。新しく掛けた服は、最初の数日だけ全部が候補になります。 固まるかどうかは、そのあとの10日で分かります。
まとめ
簡易クローゼットの中身は、幅ではなく重さと光で決まります。薄手0.2kg・中厚0.5kg・上着1.5kgで換算し、耐荷重の8割で止める。中央のたわみが10mmを超えたら、重いものを支柱の近くへ寄せる。
窓から1m以内で直射が当たる帯には、長く置く服を掛けない。天面に一枚渡してほこりを止める。カバーは、週4回以上開けるなら開けたまま、それ以下なら片手で開く形で閉める。
そして掛けていい服の条件は1つ、週に1回以上着る服です。扉がないことは、回転する服には有利に働き、しまい込む服には不利に働きます。この線を引かないまま使うと、そこは掛ける場所ではなく置き場になります。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 簡易クローゼットには何着まで掛けられますか
- 着数ではなく重さで考えてください。薄手のトップスを0.2kg、中厚のトップスやボトムスを0.5kg、上着を1.5kgとして合計し、表示されている耐荷重の8割で止めます。耐荷重15kgなら12kgまでです。上着ばかりを掛けると8着で上限に届き、薄手ばかりなら60着掛かる計算になります。同じ幅でも中身によって4倍以上変わるので、幅で数えても当てになりません。掛けたあとは、パイプの中央が下がっていないかを見てください。
- Q. パイプが真ん中で下がってきました。どうすればいいですか
- 定規を端から端へ渡して、中央との差を測ってください。10mm以上下がっているなら、そのままにしないでください。手は3つあります。重いものを支柱の近くへ寄せる、重いものを何着か別の場所へ移す、中央に支えを1本足す。いちばん早いのは1つ目で、掛け替えるだけなので数分で終わります。下がったまま使い続けると、中央に掛かった服の肩が押し合い、肩の位置に線が入ることがあります。
- Q. 窓際にしか置けません。日焼けが心配です
- 窓から1m以内で直射が当たる帯を、長く置く服の場所にしないでください。この帯に掛けていいのは、数日で入れ替わる服だけです。今週着る服を数着だけ掛け、着たら洗って別の場所へ戻す。この回転があれば、同じ場所でも問題になりにくくなります。回転しない服、たとえば季節をまたいでそこに掛けたままにする服は、別の場所へ移してください。窓との距離が取れない場合は、窓側に一枚布を垂らして直射を切るだけでも帯は狭くなります。
- Q. カバーは閉めておくべきですか
- 開ける回数で決めてください。週に4回以上開けるなら、開けたままのほうが有利です。開閉の動作が1つ減り、通りがかりに服が視界へ入るからです。週に1回程度なら閉めてください。閉める場合は、片手で開けられる形にしてください。両手が必要な形にすると動作が2つになり、数週間で開けなくなります。開けなくなったカバーの中は、しまい込んだのと同じ扱いになります。
- Q. 仮設のつもりで置いたのに、1年経ってしまいました
- そのまま使うと決めて構いませんが、1年経った時点で3つを見直してください。1つ目は掛かっている服の重さの合計、2つ目はパイプの中央のたわみ、3つ目は掛けたまま一度も着ていない服の数です。3つ目が5着を超えていたら、そこは掛ける場所ではなく置き場になっています。仮設のあいだは中身が回りますが、常設になると回らなくなるのがこの形の弱点です。常設にすると決めたら、掛ける服の側に「週に1回以上着る」という条件を付けてください。
— メグラシ編集部





