一人暮らしの服の収納|先に決めるのは、一度着た服を置く場所

一人暮らしの部屋で服が散らかっているとき、足りていないのは収納ではありません。一度着て、まだ洗わない服の行き先が決まっていないだけです。
確かめ方は簡単です。いま床・椅子の背・ベッドの上に出ている服を、2つに分けてください。**これから着る服(洗ってある)**と、**一度着た服(まだ洗っていない)**の2つです。
一度着た服が半分を超えていたら、収納を買い足しても部屋は変わりません。洗っていない服は、引き出しにも箱にも入れられないからです。
散らかるのは「しまう場所」ではなく「途中」がないから
服には3つの状態があります。洗ってある、一度着た、洗濯待ち。このうち収納が用意されているのは、たいてい1つ目と3つ目だけです。
クローゼットは洗ってある服の場所。洗濯かごは洗濯待ちの場所。真ん中の「一度着た」だけが、行き先を持っていません。
行き先がないものは、いちばん近い水平面に置かれます。それが椅子の背であり、ベッドの端であり、床です。ここに置かれた服は、翌日にはもう1枚重なり、3日で山になります。
山になった時点で、下の服は取り出せなくなります。取り出せない服は着られません。「同じ服ばかり着ている」の多くは、好みの問題ではなく、この山の順番の問題です。
中間置き場の幅は、1週間で回る枚数から出す
作るのは大きな設備ではありません。必要なのは、一度着た服だけを置く、専用の幅です。
幅の出し方は1つです。1週間のあいだに着て、その週のうちには洗わない枚数を数え、厚みを掛けます。
| 服の種類 | 1着の厚み | 週に出る枚数の目安 | 必要な幅 |
|---|---|---|---|
| 薄手のトップス | 2cm | 0〜2枚 | 0〜4cm |
| 中厚のトップス・ニット | 4cm | 2〜3枚 | 8〜12cm |
| ボトムス | 3cm | 2〜3本 | 6〜9cm |
| 上着・羽織もの | 7cm | 1〜2枚 | 7〜14cm |
合計すると、多くの場合25〜40cmに収まります。パイプなら手のひら3つぶん、フックなら3〜5個ぶんです。
この数字より広く取らないでください。 広く取ると、そこが第二のクローゼットになります。第二のクローゼットができると、服はそこから動かなくなり、洗われないまま何週間も留まります。
脱ぐ場所から定位置まで、3歩を超えたら戻らない
幅が決まったら、次は位置です。位置は好みではなく、歩数で決まります。
帰宅して上着を脱ぐ場所から、中間置き場まで、実際に歩いて数えてください。 3歩以内なら、ほぼ毎日戻せます。4歩を超えると、疲れている日に戻らなくなります。
3歩というのは根拠のある数字ではなく、境目の目安です。大事なのは、あなたの部屋で数えることです。数えると、たいてい「脱ぐ場所」と「置き場所」が部屋の反対側にあることが分かります。
歩数が縮められないなら、動かすのは自分ではなく置き場です。中間置き場は、クローゼットの中にある必要がありません。 脱ぐ場所の側に作って構いません。
もう1つの目安は、置くまでの動作の数です。掛けるだけなら1動作。扉を開けてから掛けるなら2動作。動作が2つを超えると、戻す率は目に見えて落ちます。
中間置き場に置いていいのは、2種類だけ
幅と位置が決まったら、中身を絞ります。ここが緩むと、置き場はすぐ物置になります。
置いていいのは次の2つだけです。一度着て、次も数日以内に着る服。 そして、汗をかいていないので、すぐには洗わない上着や羽織もの。
置いてはいけないものも決めておきます。洗うと決めた服は洗濯かごへ。今シーズンもう着ない服はクローゼットへ。「どちらか分からない服」を置いた瞬間、置き場は判断の先送り場所に変わります。
判断に迷ったときの基準を1つだけ持ってください。その服を、明日そのまま着られるか。 着られるなら中間置き場、着られないなら洗濯かごです。においや汚れの話ではなく、自分が着る気になるかどうかで決めて構いません。
クローゼットが1つしかない家では、季節を分けない
一人暮らしの多くは、収納が1か所です。この条件では、季節ものを奥や上へ上げるやり方が不利に働きます。
上げた服は、下ろす動作が1つ増えます。動作が1つ増えるだけで、その服は一季節ぶん使われないことがあります。春先に薄手の羽織を上から下ろせないまま、寒い日用の服で通してしまうのは、よくある行き止まりです。
だから、同じ1本のパイプに通年で掛けてください。入れ替えるのは服そのものではなく、掛ける順番です。いま着る季節のものを手前へ、そうでないものを奥へ。移動距離は数十cmで済みます。
それでも幅が足りないときだけ、外へ出します。外へ出す候補は、着る頻度ではなく、畳んでも形が戻るかどうかで選んでください。畳んで一晩置き、広げて戻るものだけが外へ出せます。
見えている服が、そのまま着る服になる
中間置き場を作ると、副産物が出ます。クローゼットの手前が空きます。
椅子の背に3着積んでいるあいだ、朝の視界に入る服はその3着だけでした。山がなくなると、視界にはクローゼットの手前10〜15着が入ります。選べる幅が、そのまま5倍近くになります。
ここで枚数を増やす必要はありません。持っている服のうち、目に入る枚数が増えるだけで、着る服の種類は広がります。
逆にいえば、朝いちばんに目に入る位置に何を置くかは、そのまま着る回数を決めます。中間置き場が視界のいちばん手前にあると、着回っている数着だけが毎朝繰り返されます。中間置き場は、視線の正面ではなく、少し横に外して作ってください。
床に置かないための、いちばん小さい設備
必要なのは、幅25〜40cmぶんの掛ける場所です。形は3つに分かれます。
短いパイプを1本渡せるなら、それがいちばん確実です。掛ける・取るが1動作で済み、服の形も崩れません。
壁にフックを並べる形は、動作は1つのままですが、掛かるのは肩の丈が短いものに限られます。丈の長いものを掛けると裾が床につき、結局床置きと同じになります。フックの高さは、いちばん長い服の丈+10cmを床から確保してください。
椅子や台の上に置く形は、いちばん手軽ですが、重ねた瞬間に山になります。 どうしてもこの形にするなら、置いていい枚数を数で決めてください。3枚までなら山になりません。4枚目からは順番が見えなくなります。
玄関で脱ぐ上着だけは、別に扱う
帰宅して最初に脱ぐのは上着です。この一枚だけは、部屋の中間置き場とは別に考えてください。
理由は2つあります。外の湿りや冷たさを持ち込んでいること。そして、掛ける動作が玄関で完結すること。
玄関の側に掛ける場所が1つあれば、上着はそこで止まります。止まらないと、上着は部屋の中間置き場へ入り、そこの幅を1着あたり7cm使います。上着2枚で14cm、置き場の3分の1です。
玄関に掛ける場所が取れない場合は、部屋の中間置き場の端を上着専用にしてください。 端に寄せるのは、上着が厚くて隣を押すからです。中央に掛けると、両隣の薄手が押し出されます。
どちらとも取れるとき①|洗うか迷う一枚
いちばん多いのがこれです。1回着た、汚れてはいない、でも次に着る日は決まっていない。
このときは、中間置き場に置いたうえで、3日という期限を付けてください。 3日のあいだに着なければ、洗濯かごへ回します。
期限を付けない服は、置き場に残り続けます。残り続ける服が2枚を超えると、置き場の幅は実質的に半分になり、本来置くべき服が床へ戻ります。
期限を確かめる方法は、印を1つ足すだけで足ります。ハンガーの向きを逆にする、フックの端に寄せる。何でも構いませんが、あとから見て「いつ置いたか」が分かる印を1つにしてください。2つ以上の印を使うと、印そのものの意味を忘れます。
どちらとも取れるとき②|部屋が一室で、来客がある
一室しかない部屋では、中間置き場が生活の視界に入ります。見えて困る場合は、そこにだけ目隠しを付けます。
判断の分かれ目は、片手で開けられるかどうかです。 布を横に引く、扉を片手で開く。この形なら動作は1つのままなので、戻す率は落ちません。
被せる形、持ち上げる形、たたんで外す形は避けてください。動作が2つに増えます。動作が2つになった中間置き場は、数日で使われなくなり、服は床に戻ります。
来客のたびに閉めきる運用でも構いません。ただし、閉めたまま翌日を迎えないことだけ決めておいてください。閉じたままの中間置き場は、そのまま忘れられます。
どちらとも取れるとき③|中間置き場が、いつも満杯
満杯が続くと、幅を広げたくなります。ここは踏みとどまってください。
3日続けて満杯なら、原因は幅ではなく洗濯の回転です。 一度着た服が出ていく先は洗濯かごしかないので、洗う日が来なければ、中間置き場は必ず溢れます。
確かめ方は、洗濯かごの中身を見ることです。かごも満杯なら、回転が止まっています。かごが空なのに中間置き場が満杯なら、洗う判断ができていないだけです。前者は洗う日を1日増やす、後者は3日の期限を決める。手が別々になります。
幅を広げていいのは、洗濯が週2回以上回っていて、それでも溢れる場合だけです。この場合は、着ている枚数そのものが多いので、掛ける側の幅も足りていないはずです。
洗濯の回転が、置き場の広さを決めている
中間置き場の幅は、洗濯の間隔で変わります。同じ枚数を着ていても、洗う頻度が違えば必要な幅は倍近く変わります。
週に2回洗う人なら、滞留するのは3〜4日ぶんです。週に1回なら6〜7日ぶん。同じ生活でも、必要な幅は倍になります。
だから、置き場が足りないと感じたときの選択肢は2つあります。幅を増やすか、洗う回数を増やすか。部屋が狭いほど、後者のほうが効きます。 幅は増やせませんが、洗う日は動かせるからです。
洗う回数を増やせない事情があるなら、着る枚数の側を調整します。一度着たら洗う服(下に着るもの)と、数回着てから洗う服(上に着るもの)の比率を変えるだけで、滞留量は変わります。
増やす前に、1週間だけ数えること
中間置き場を作ったら、1週間だけ数えてください。数えるのは1つ、その日のうちに置き場へ戻せなかった回数です。
指で数えるだけで構いません。1週間で2回以内なら、その置き場は続きます。3回を超えるなら、原因は歩数か動作の数です。幅ではありません。
歩数を測り直して4歩以上なら、置き場を脱ぐ場所の側へ動かします。3歩以内なのに戻せていないなら、掛けるまでの動作が2つ以上あるはずです。扉や目隠しを片手で開ける形に変えてください。
数える理由は、作った直後がいちばん調子よく見えるからです。片づけた翌日は、誰でも戻せます。 続くかどうかは、疲れている日に分かります。1週間あれば、必ずその日が入ります。
まとめ
一人暮らしの服の収納で最初に決めるのは、しまう場所ではなく、一度着てまだ洗わない服の置き場です。
幅は1週間で滞留する枚数と厚みから出し、多くの場合25〜40cm。位置は脱ぐ場所から3歩以内、掛けるまでの動作は1つ。置いていいのは、次も数日以内に着る服と、すぐには洗わない上着だけ。迷った一枚には3日の期限を付けます。
満杯が3日続いたら、疑うのは幅ではなく洗濯の回転です。そして中間置き場ができると、クローゼットの手前が空き、朝の視界に入る服の枚数が増えます。着る服の幅は、持っている枚数ではなく、見えている枚数で決まります。
関連記事
- 狭いクローゼットの収納|1着あたり何cmで上限が出る
- クローゼット内の収納|扉の開き方と死角の位置
- 洋服の断捨離|減らす枚数をパイプの幅から逆算する
- 最低限そろえる服|枚数ではなく役割で決める
- ハンガーの向き|揃えると見えてくるもの
— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 一人暮らしで服が入りきりません。収納を買い足すべきですか
- 買い足す前に、床や椅子に出ている服が「これから着る服」なのか「一度着た服」なのかを分けてください。出ているものの半分以上が一度着た服なら、足りないのは収納量ではなく、一度着た服の置き場です。この場合に引き出しや箱を足しても、洗っていない服はそこへは入らないので、床の量は変わりません。逆に、出ているものがほとんど新しく洗った服なら、そのときは掛ける幅か畳む場所が本当に足りていません。分けるのに必要な時間は5分ほどです。
- Q. 中間置き場は、どれくらいの幅があればいいですか
- 1週間のあいだに着て、その週のうちには洗わない枚数を数え、その服の厚みを掛けます。薄手なら1着2cm、中厚なら4cm、上着なら7cmが目安です。多くの一人暮らしでは、この合計が25〜40cmに収まります。これはパイプなら手のひら3つぶん、フックなら3〜5個ぶんの幅です。広く取りすぎると、そこが第二のクローゼットになって服が滞留するので、出した数字より広くしないでください。狭くて溢れるときは、幅ではなく洗濯の回転を先に疑ってください。
- Q. 部屋が一室しかなく、来客のときに服が見えてしまいます
- 見えて困るのは中間置き場だけなので、そこにだけ目隠しを付けてください。判断の分かれ目は、目隠しを片手で開けられるかどうかです。片手で開けられるなら、掛ける動作は1つのままなので戻す率は落ちません。両手が必要な形、たとえば持ち上げてから被せるようなものにすると、動作が2つに増え、数日で使われなくなります。閉め切りにするのではなく、来客の直前だけ閉じる運用が現実的です。
- Q. 結局いつも同じ服ばかり着てしまいます
- 着ている服が、椅子の背やベッドの上に出ている服と一致しているかを確かめてください。一致しているなら、選んでいるのではなく、目に入ったものを取っているだけです。この状態は中間置き場を作ると変わります。一度着た服が1か所にまとまると、クローゼットの側が見えるようになり、朝の視界に入る枚数が増えるからです。ここでも増やす必要はありません。見える枚数が増えるだけで、着る服の種類は自然に広がります。
- Q. 季節ものは、どこかにしまい込むべきですか
- 収納が1か所しかない一人暮らしでは、しまい込まないほうが有利です。奥や上に上げた服は、下ろす手間が1つ増えるだけで一季節ぶん使われないことがあります。同じ1本のパイプに通年で掛け、掛ける順番だけを季節で入れ替えてください。どうしても幅が足りない場合に限って外へ出しますが、そのときも外へ出すのは、畳んでも形が戻るものだけにします。形が戻らないものを外へ出すと、次に着る日に使えない状態で出てきます。
— メグラシ編集部





