クローゼットがない部屋|服を置ける壁は、4つの条件で1面に絞れる

造り付けの収納がない部屋で服をどうするか。買うものより先に決めることがあります。
どの壁に置くか、です。
壁が決まらないうちに収納用品を買うと、置き場所が何度も動きます。窓際に置いてみて、暗いから移して、通路が狭いからまた移す。そのたびに中身を出して入れ直すことになります。
壁は4つの条件で絞れます。連続した幅、前に残る通路、日と湿気、そして見える面かどうか。この4つを当てると、たいてい1面に決まります。
クローゼットがない部屋は、置く場所より先に「壁の1面」を選びます
なぜ壁から決めるのか。理由は、壁の条件は動かせないからです。
収納用品は、あとからいくらでも替えられます。幅も、高さも、掛けるか畳むかも選べます。
けれど壁は動きません。窓の位置も、扉の開く向きも、部屋の形も変わりません。動かせないほうを先に確定させると、動かせるほうは自然に決まります。
先に測る|連続して空いている壁の幅
部屋を一周して、各面の「連続して空いている幅」を測ってください。
連続して、というところが大事です。 家具のあいだに30cmずつ空いていても、それは30cmの隙間が2つあるだけで、60cmの壁ではありません。
そして、次の3つを引いてください。
1つ、家具が接している幅。 動かせない家具はそのまま引きます。
2つ、扉が開く軌道。 開き戸なら、開いたときに扉が通る扇形の範囲です。ここに物を置くと、扉が開かなくなります。
3つ、窓の下端が低い場合、その幅。 窓の前に高いものは置けません。
引いたあとに残った幅が、有効幅です。
条件①|有効幅|連続して90cm取れるか
有効幅の境目は90cmです。
90cm以上あれば、服を掛けて並べられます。 上に着るものが10着前後、掛かる計算になります。
90cm未満なら、掛ける前提を外してください。 掛けるには短すぎて、掛けたとしても隣と重なって選べません。この場合は、畳んで積む、あるいは立てて差す形に切り替えます。
置き方を変えると、必要な条件そのものが変わります。畳む形なら必要なのは幅ではなく奥行きと高さになるので、候補になる面が入れ替わります。
幅が取れないことを問題として扱わず、置き方の側を変えてください。
条件②|奥行き|前に通路として60cm残るか
次に、その面の前に何cm残るかを測ります。
必要なのは60cmです。 人が正面を向いて立ち、服を1着取り出して振り向く。これに必要な最小限がこの幅です。
60cmを切ると、出し入れのたびに体をひねることになります。ひねる動作が必要になると、だんだん手前のものしか取らなくなります。奥のものが使われなくなるのは、しまい方ではなく通路の問題です。
測るときの注意が1つあります。引き出しや扉のあるものを置く予定なら、それを開けた状態で60cm残るかを測ってください。 開ける前の寸法で計算すると、必ず足りなくなります。
条件③|日と湿気|窓から1m、外壁側の面
3つ目は、その面が置かれている環境です。
窓から1m以内の帯。 日が差し込む範囲です。ここに長く置く服を置くと、置きっぱなしの一枚に影響が出ます。窓の向きによって時間帯は変わりますが、1mという距離は目安として使えます。
外壁側の面。 外気との温度差が出る面です。冬に壁が冷えると、そこに接している面に水分が集まります。壁にぴったり付けて置くと、背面が乾きにくくなります。
外壁側しか使えない場合は、壁から5cm離して置いてください。 空気が通れば、条件はかなり緩みます。
窓際しか空いていない場合は、その面を「今週着る服の場所」にします。 回転の速い服なら、置きっぱなしになりません。長く置くものは、部屋の中でいちばん日の当たらない場所へ回します。
条件④|視界に入る割合|部屋のどこから見えるか
造り付けの収納がない部屋では、服は部屋の一部として見えます。扉がないので、隠れません。
だから、その面が部屋のどこから見えるかも条件に入ります。
確かめ方は簡単です。部屋の中でいちばん長く過ごす場所に座って、そこから各面を見てください。正面に来る面、視界の端に入る面、振り向かないと見えない面。この3つに分かれます。
振り向かないと見えない面が、いちばん条件が緩みます。 逆に、正面に来る面を選ぶなら、後述する揃え方まで込みで考えることになります。
4つを合わせて、1面に絞る
4つの条件を、各面に当ててください。
全部満たす面が1つあれば、そこで決まりです。 迷う必要はありません。
複数の面が全部満たす場合は、有効幅の広いほうを選んでください。 幅は後から増やせません。
全部満たす面がない場合は、次の順で妥協します。外していい順は、視界、日と湿気、通路、有効幅の順です。 視界はいちばん後から手当てできます。有効幅はいちばん手当てが難しい条件です。
早見表|4条件と、外れたときの逃がし方
| 条件 | 境目 | 外れたときの逃がし方 |
|---|---|---|
| 有効幅 | 90cm | 掛けるのをやめて、畳む・立てるへ |
| 前の通路 | 60cm | 奥行きの浅いものに替える |
| 窓からの距離 | 1m | その面は回転の速い服だけに使う |
| 外壁側 | 壁から5cm | 壁から離して空気を通す |
| 視界 | 正面に来るか | 丈と色を揃えて見えるまま整える |
表は条件と対処の対応です。どの面がどの行に当たるかは、部屋を測らないと出ません。
選んだ面に何を置くかは、掛ける丈から決まる
面が決まったら、その面に何を置くかを決めます。ここで見るのは高さです。
長い服を掛けるなら、床から150cm前後の高さに掛ける場所が要ります。 その下は空きますが、その空きに何を置くかで置き方が変わります。
上に着るものだけなら、床から100cm前後で足ります。 下に空く高さが増えるので、そこに積む場所を作れます。
面の高さを最後まで使い切る必要はありません。手が届く高さは、床から180cmまでです。 それより上は、季節が終わったものを箱で置く場所として考えてください。
見えている前提で整える|丈と色を揃える2つの手
隠せない面を選んだ場合、隠すより揃えるほうが早いです。揃えるのは2つだけです。
1つ、丈。 掛けたときの下端が揃うように並べます。いちばん長いものを端に寄せて、そこから短いものへ順に並べる。下端の線が階段状になって、視界が落ち着きます。長短をばらばらに掛けると、下端が上下してそこだけが目に入ります。
2つ、色。 明るい順か、暗い順に並べます。どちらでも構いませんが、途中で明暗が入れ替わらないようにしてください。
この2つだけで、同じ量の服でも見え方が変わります。 覆いをかけるかどうかは、そのあとで決めて構いません。
どちらとも取れるとき①|候補が2面残った
2面が同じくらいの条件で残ることがあります。
このときは、脱ぐ場所からの歩数で決めてください。 帰ってきて上着を脱ぐ場所、部屋着に着替える場所。そこから何歩かを数えます。
歩数が少ないほうを選んでください。置き場所が遠いと、途中に置かれるようになります。途中に置かれた服は、そのまま積み上がります。
歩数が同じなら、朝に光が入るほうを選んでください。 朝、服を選ぶ時間に手元が明るいかどうかは、毎日効きます。
どちらとも取れるとき②|どの面も条件を1つ落とす
全部満たす面がない部屋は、珍しくありません。
このときは、落とす条件を1つに固定してください。 2つ以上落とす面は選ばないほうがいいです。
そして、落とした条件に応じた手当てを最初からやります。通路が55cmしか取れないなら、奥行きの浅いものを選ぶ。窓から80cmなら、その面は回転の速い服だけに使う。先に手当てを決めてから置けば、あとで動かさずに済みます。
条件を落とすこと自体は問題ではありません。落としたことを忘れて、あとから「なぜ使いにくいのか」と探すことのほうが手間になります。
2週間で確かめること
置き終えたら、2週間だけ数えてください。
数えるのは1つ。戻せなかった回数です。 脱いだ服を、その面に戻せなかった日が何回あったか。
3回を超えるなら、通路か歩数のどちらかが足りていません。5回を超えるなら、面そのものを選び直す価値があります。
戻せているなら、その面で正解です。あとは中身の入れ替えだけで回ります。
季節が入れ替わる時期|同じ面で回すか、分けるか
造り付けの収納がない部屋では、季節をまたぐ服の置き場所が問題になります。
選んだ面が1つしかないなら、季節を分けないでください。 1面しかない部屋で入れ替えを行うと、外した側の行き先が部屋のどこかになります。結局、床か、家具の上に置かれます。
代わりに、同じ面の中で高さを分けてください。 手が届く帯(床から100〜180cm)に今の季節のもの、その上と下に季節の外のものを置きます。入れ替えは、上下を差し替えるだけで済みます。
面が2つ取れるなら、分けても構いません。 ただし、2つ目の面は条件を1つ落としている場合が多いので、そちらに置くのは季節の外のもの、と決めておきます。日が当たる面、通路が狭い面は、出し入れの少ない服のほうが合います。
入れ替えの時期に、置いてある量が面の幅を超えていることに気づくことがあります。そのときは、面を増やす前に、掛けるのをやめられるものがないかを見てください。 畳めば、同じ幅に入る量が変わります。
まとめ|壁が決まれば、置くものは決まる
造り付けの収納がない部屋では、買うものより先に壁を決めます。
連続した有効幅が90cm取れるか。前に通路が60cm残るか。窓から1m以内、外壁側ではないか。部屋のどこから見える面か。
この4つを当てれば、たいてい1面に絞れます。 そこから先は、その面の寸法に入るものを選ぶだけです。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. クローゼットがない部屋では、まず何を買えばよいですか。
- 買う前に、置く壁を決めてください。順番が逆になると、置き場所が何度も動きます。壁を決めるには4つ測ります。家具と扉の軌道を引いたあとに連続して残っている幅、その前に通路として60cm残るか、窓や外壁との位置関係、そして部屋のどこから見える面か。この4つを当てて1面に絞ってから、その面の幅と高さに合うものを選ぶ順番が確実です。
- Q. 連続した壁がどこにも90cm取れません。どうすればよいですか。
- 掛ける前提を外してください。90cmは、服を掛けて並べるために必要な最小限の幅です。これが取れない部屋では、掛けるのではなく畳んで積む、あるいは立てて差す形に切り替えます。畳む形なら、必要なのは幅ではなく奥行きと高さになるので、候補になる場所が変わります。壁の条件が変われば、置き方の側を変えるのが早いです。
- Q. 窓際しか空いていない場合はどうすればよいですか。
- 窓から1m以内の帯には、長く置く服を置かないでください。日が当たる時間が長い面ほど、置きっぱなしの服に影響が出ます。窓際しか空いていない場合は、その面を「今週着る服の場所」にして、長く置くものは別の場所へ回します。回す先は、部屋の中でいちばん日の当たらない面か、箱に入れて低い位置です。窓際は回転の速い服のためだけに使います。
- Q. 部屋が1室で、服が見えてしまうのが気になります。
- 隠すより、見えている前提で揃えるほうが早いです。揃えるのは2つだけで、掛けたときの丈と、色の並びです。丈は長いものを端に寄せて、短いものへ順に並べると、下端の線が階段状になって落ち着きます。色は明るい順か暗い順に並べます。この2つを揃えるだけで、同じ量の服でも見え方が変わります。覆いをかけるかどうかは、そのあとで決めて構いません。
- Q. 服を置く面の前に、どのくらい空間が必要ですか。
- 通路として60cmです。人が正面を向いて立ち、服を1着取り出して振り向くのに必要な最小限がこの幅になります。60cmを切ると、出し入れのたびに体をひねることになり、だんだん手前のものしか取らなくなります。引き出しや扉のあるものを置く場合は、それを開けた状態で60cm残るかを測ってください。開ける前の寸法で計算すると、必ず足りなくなります。
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