洋服の断捨離|減らす枚数は、パイプの有効幅から逆算する

洋服の断捨離で最初にやるのは、一枚を持ち上げることではありません。メジャーを当てることです。
途中で止まるのは、迷いが強いからではありません。どこまで減らせば終わるのかが分からないからです。終わりの位置が見えない作業は、必ず途中で止まります。
この記事は一枚ごとの判定をしません。先に総量の上限を計算し、超過分の枚数だけを確定させます。一枚ずつの迷いの外し方は服の断捨離|迷う一枚は「戻した回数」で決めるに分けてあります。手放したあとの行き先は服の手放し方|買取・フリマ・寄付・回収の使い分けです。
上限は、掛けられる幅から出る
計算に必要なのは3つです。
- パイプの有効幅|端から端まで、実際に掛けられる長さ
- 余白5cm|指を入れるための最小の空き
- 一着あたりの厚み|素材で変わる
式は1つだけです。
(有効幅 − 5cm)÷ 一着の厚み = その区画の上限
有効幅100cm、中厚が中心なら、95を4で割っておよそ23着。これがその区画で持てる数です。上限が出れば、減らす枚数は引き算になります。
一着の厚みは、素材で3つに分かれる
同じ枚数でも、内訳が変われば入る数は倍近く変わります。
| 厚みの帯 | あてはまるもの | 一着の目安 |
|---|---|---|
| 薄い | シャツ、ブラウス、薄手のカットソー | 2cm |
| 中厚 | ニット、パーカ、ジャケット | 4cm |
| 厚い | 中綿入り、丈の長いコート | 7cm |
区画ごとに帯が違うなら、区画ごとに計算します。混ぜて平均を取ると、厚いものが多い区画で必ず溢れます。平均は現実に存在しない一着です。
余白5cmは、指のための空き
5cmは飾りではありません。手が入る最小の幅です。びっしり掛かった状態で一着を抜くと、両隣を巻き込みます。巻き込めば掛け直しが増え、掛け直しが面倒になれば、掛けずに椅子や床へ置くようになります。
測り方は簡単です。端に立って、ハンガーの間に手のひらを縦に差し込む。入らないなら超過、20cm以上余っているならその区画には余裕があるということです。余裕のある区画には、他の区画から移せます。
たたむ側は、一山の高さで同じことをする
掛けない服も同じ計算をします。使うのは幅ではなく高さです。
その段の内寸の高さから、指2本ぶんおよそ3cmを引きます。残りを、たたんだ一枚の厚みで割る。たたんだシャツはおよそ3cm、厚手のニットは6〜7cmです。
たたむ側で見落としやすいのが、折り方によって数字が変わるという点です。同じ服でも、三つ折りと四つ折りでは厚みが変わります。だから計算の前に、折り方を1つに決めてください。決めずに測ると、その日の一山の高さでしか当たりません。
もう1つ、たたむ側の上限には8割という条件が加わります。段の高さいっぱいまで積むと、上から2枚目を抜くときに崩れます。計算で出た数字の8割を、実際の上限としてください。段の間隔の決め方はクローゼットの棚|段の間隔は「いちばん高い一山」で決まるにあります。
超過分が出たら、候補は2倍出す
上限が23着で、いま28着。手放す対象は5着です。ここで候補をちょうど5着に絞ると、逃げ場がなくなって手が止まります。候補は超過分の2倍、10着出してください。そこから5着を選びます。
候補の並べ方は、買った日でも値段でもありません。直近3か月で、一度手に取ってから掛け戻した回数です。掛け戻した回数が多い服は、着ようとしたのに着なかった服です。着ていない服の中でも、この種類はいちばん判定が早く出ます。
回数を思い出そうとすると当たりません。今日から数えてください。数え方は1つで、掛け戻すときだけハンガーの向きを逆にする。向きが変わっている服が、戻した服です。
3か月待てないなら、4週間で数えて2回以上を候補にしてください。月2回のペースは、3か月で6回に相当します。数える期間を短くすると誤差は増えますが、数えないよりは確実に当たります。
候補を並べたあと、10着から5着を選ぶ段では、同じ役割が2着以上あるかどうかを先に見ます。同じ役割で2着あるなら、戻した回数の多いほうから出す。役割が1つしかない服は、回数が多くても残す候補です。その役割が0着になると、翌週に同じものを買い足すことになります。
超過が出ないのに片づかないとき
上限を下回っているのに散らかっている場合、減らす話ではありません。順番に数えます。
- 掛かっていない服が家のどこにあるか|椅子の背、ベッドの上、かごの中、取り込んだままの分
- それを全部戻したら、上限を超えるか|超えるなら計算は合っています
- 戻しても超えないか|量ではなく、戻す動線の問題です
3つ目に当たったなら、見るのは掛けるまでの動作です。ハンガーを取りに行く、扉を開ける、他の服をどける。この数が3を超えていないか。多いなら、動作を減らすほうが減量より速く効きます。
動作を減らす手は決まっています。空のハンガーを掛ける場所に常備する。取りに行く動作が消えます。扉を開けたままにする時間帯を作る。朝と夜だけでも、開ける動作が消えます。掛ける区画の余白を10cmにする。5cmは最小なので、戻しにくいなら少し広く取る。
この3つで戻らないなら、そこで初めて量の話です。動作を先に見るのは、減らしても戻らない場合があるからです。量を減らしたのに散らかる状態は、減らした本人がいちばん納得しにくい結果になります。
どちらとも取れるとき①|季節外の服を数に入れるか
数えるのは、いまその区画に掛かっているものだけです。別の場所へ仕舞ってある季節外の服は、その区画の上限には入りません。
ただし年に2回、入れ替えの日に同じ計算をやり直してください。冬の区画は厚みが7cmなので、同じ幅でも上限が半分近くまで落ちます。**夏に23着入っていた場所へ、冬は13着しか入りません。**入れ替えの日に溢れるのは、量が増えたからではなく、厚みが変わったからです。
どちらとも取れるとき②|手放せない服が超過分より多いとき
候補10着のうち、8着が手放せないと感じることがあります。ここで無理に決めても続きません。
**期限を持つ場所を1つ作ってください。**上限の外に、決めないための区画を用意します。決めるのは3つです。
- 広さの上限|1区画ぶん。増えたら、増えた数だけ古いものを出す
- 期限|季節を2つまたぐ、およそ6か月後の日付
- 期限の日にやること|中を見ずに外へ出すか、もう一度掛け直すかのどちらか
**先送りは、場所と期限が決まっていれば手順です。**決めていない先送りだけが、部屋を狭くします。
期限の日にやることは、1つに絞っておきます。**中を見ずに外へ出すか、もう一度掛け直すか。**その場で一枚ずつ判定し直すと、半年前と同じところで止まります。半年触らなかったという事実そのものが判定材料なので、開けないほうが決まります。
もう一度掛け直す選択をした場合は、**次の期限を決めてから戻してください。**期限のない復帰は、保留の外に出たように見えて、実際には判定を消しただけです。2度目の期限は3か月にします。2度戻した服は、3度目もたいてい戻ります。
どちらとも取れるとき③|家族と共用しているパイプ
共用のパイプでは、上限を1つにすると必ず取り合いになります。計算は幅を分けてからします。
まず幅を分け、それぞれの区画で余白5cmを確保する。分け方は人数割りではなく、掛ける服の厚みの合計で決めます。厚いものが多い人の区画を広く取る。均等に分けると、厚い側だけが毎年溢れます。
上限に達したあとの運用
上限は、減らし終わった日で終わりません。ここから運用に変わります。
**一着入れたら、一着出す。**出すのは、新しく買ったものと同じ役割の服です。同じ役割が2着以上あるなら、掛け戻した回数の多いほうを出します。
役割が重ならない服を買ったときだけ、上限そのものを見直します。ただし見直す前に測ってください。余白が5cmを下回っているなら、買う前に出す順番です。
一日で終わらせない、区切り方
上限が出ても、作業そのものは体力を使います。**途中で止まると、床に出したまま数日が過ぎます。**止まらない量に切っておくのが確実です。
切り方は区画です。パイプ1本ぶん、あるいは棚1段ぶんを1回とします。1区画の所要はおよそ30〜45分。1日に2区画までにしてください。3区画目に入ると、判断が雑になり、あとで戻したくなる決定が増えます。
順番にも向き不向きがあります。いちばん詰まっている区画から始めないでください。詰まっている区画は判断が難しい服が集まっている場所なので、最初にそこへ入ると手が止まります。始めるのは、いちばん余裕のある区画です。そこで数え方と判断の速さに慣れてから、詰まった区画へ移ります。
そして、出したものを床に置かない。ベッドの上や椅子に置くと、寝る時間までに片づけざるを得なくなります。床は期限がないので、翌日まで残ります。
数字が出たあと、気持ちが追いつかないとき
計算では5着でも、実際に手を動かすと重く感じることがあります。この差は個人差ではなく、判断の種類が変わったからです。総量の計算は算数ですが、一枚を選ぶのは記憶を伴います。
そこで、間に1段はさみます。今日は候補を出すだけにして、決めるのを翌日にする。候補10着を選んで別の場所に掛け、24時間置きます。翌日にもう一度見ると、そのうち何着かは迷わなくなっています。一晩で変わるのは服ではなく、見ている側の状態です。
それでも決まらないなら、超過分を一度に処理しません。5着のうち2着だけを今日決め、残りは次の区画の日に回します。上限を守り切ることより、作業が続くことのほうが結果に効きます。
買う前に、上限を確かめる習慣
上限は、片づける日だけの数字ではありません。買う前にも使えます。
出かける前に、余白を測ってください。5cmを下回っているなら、その日は同じ役割の服を増やさない。増やすなら、帰ってから出す一着を先に決めておきます。
判断が難しいのは、役割の重ならない服です。持っていない種類の服は、上限の計算では捉えられません。ここは幅ではなく場面で見ます。その服を着る場面が、次の3か月に何回あるか。0回なら、いま買う理由は上限の外にあります。1回なら、その一度のために区画を1着ぶん空けられるかどうか。場面の回数は、買う前でも数えられる数字です。
2週間で確かめること
減らしたあと、正しかったかどうかを測ります。見るのは見た目ではありません。
2週間、朝に服を探した回数を数えます。探すとは、目当ての一着がすぐ見つからず、掛かっているものを2回以上動かしたことを指します。
- 回数が減った|上限の計算が合っています
- 変わらない|量ではなく、並べ方の問題です。並べ方はハンガーの向きに常識はあるかへ
- 増えた|減らしすぎではなく、役割ごと消えた可能性があります。同じ役割が0着になっていないか確認してください
まとめ
- 上限は**(有効幅 − 5cm)÷ 一着の厚み**。減らす枚数は引き算で出る
- 厚みは薄手2cm・中厚4cm・厚い7cm。区画ごとに計算し、平均を取らない
- 手放す候補は超過分の2倍出す。並べる基準は掛け戻した回数
- 上限を下回っているのに散らかるなら、量ではなく戻す動線を見る
- 上限に達したら一着入れて一着出す。出すのは同じ役割の服
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 服は何着まで持つのが適正ですか
- 人によって違うので、枚数の正解はありません。ただし、あなたの家の適正数は計算で出ます。掛けているパイプの有効幅を測り、そこから余白5cmを引きます。残りを、掛けている服の厚みの平均で割ってください。薄手が中心なら2cm、ニットやシャツが混ざるなら4cm、アウターが多い区画は7cmが目安です。たとえば有効幅100cmで中厚が中心なら、100引く5を4で割って、およそ23着。これがその区画の上限です。たたむ側は同じ手順を一山の高さでやります。数字が出れば、減らす枚数は引き算になります。
- Q. 余白5cmは、何のために必要ですか
- 指を入れるためです。びっしり掛かった状態では、一着を抜くときに両隣を巻き込みます。巻き込めば掛け直しが増え、掛け直しが面倒になると、掛けずに椅子や床へ置くようになります。5cmは、ハンガーの間に手が入る最小の余白です。実際に測るときは、端に立って手のひらを縦に差し込んでみてください。手が入らないなら、上限を超えています。逆に、余白が20cm以上あるなら、その区画にはまだ余裕があるので、他の区画から移せます。
- Q. 何から手放せばいいか分かりません
- この記事の順番では、まず超過分の枚数だけを確定させます。上限が23着で今28着なら、手放す対象は5着です。次に候補を出しますが、買った日や値段では選びません。直近3か月で、一度手に取ってから掛け戻した回数で並べてください。掛け戻した回数が多い服は、着ようとしたのに着なかった服です。回数の多い順に、超過分の2倍を候補に出し、その中から決めます。候補が超過分ぴったりだと逃げ場がなくなり、手が止まります。一枚ごとの判定の細かい基準は、別記事に分けてあります。
- Q. 上限を下回っているのに、クローゼットが片づきません
- 減らす話ではありません。掛かっていない服が家のどこにあるかを数えてください。椅子の背、ベッドの上、洗濯かごの中、乾かしたまま取り込んでいない分。これらを全部戻したときに上限を超えるなら、上限の計算は合っています。戻しても超えないのに散らかるなら、原因は量ではなく戻す動線です。掛けるまでの動作が多すぎないか、掛ける場所が部屋から遠すぎないかを見てください。量の問題と動線の問題は、対処が正反対になります。
- Q. 上限に達したあとは、新しい服を買えませんか
- 買えます。ただし入れ替えになります。一着入れたら一着出す、という運用に切り替えてください。出すのは新しく買ったものと同じ役割の服です。同じ役割が2着以上あるなら、直近3か月で掛け戻した回数が多いほうを出します。役割が重ならない服を買った場合は、上限そのものを見直すことになるので、その区画の余白が5cmを下回っていないかを先に測ってください。下回っているなら、買う前に出す順番です。
— メグラシ編集部




