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クローゼットの吊り下げ収納|奪うパイプ幅に見合うかで決める

メグラシ編集部//読了 10分
クローゼットのパイプに吊り下げた棚型の収納と、隣に掛かった服

吊り下げ収納は、空いた空間を使う道具ではありません掛ける幅と引き換えに置く道具です。

パイプに吊るせば、その幅ぶんの服は掛けられなくなります。奪う幅がおよそ10cmなら、中厚の服で2〜3着ぶんの場所が消えます。だから判断は「便利かどうか」ではなく、その2〜3着より、中に入れるものを優先したいかという比較になります。

先に測るのは2つです。吊り下げ収納が奪う幅と、その区画に残るパイプの余白。掛けられる総量の計算は洋服の断捨離|減らす枚数は、パイプの有効幅から逆算するにあります。

奪う幅を、着数に換算する

換算は割り算だけです。中厚の服はハンガーに掛けておよそ4cmを取ります。

奪う幅消える着数(中厚)見合う中身の例
5cm前後1〜2着毎日使う小物、翌日の一式
10cm前後2〜3着週に何度も使うたたみもの
15cm以上4着前後よほど頻度の高いものに限る

**15cm以上を奪う吊り下げ収納は、日常で毎日開けるものにしか見合いません。**年に数回しか触らないものを入れているなら、その区画は服に戻したほうが働きます。

奪う幅は、カタログの寸法では分かりません。吊った状態で、隣の服が押されている幅までが実際に奪う幅です。中身を入れると横に膨らむものが多く、空の状態より2〜3cm広がることがあります。測るのは、必ず中身を入れてからにしてください。

もう1つ見落としやすいのが、開けるときに必要な幅です。前が開く形のものは、開いた扉ぶんの空間が要ります。奥行きが浅くても、開けるたびに隣の服を押しのけるなら、その押しのける幅も奪っていることになります。

吊る前に、その区画の余白を測る

吊る場所を決める前に、その区画がいま何cm余っているかを測ります。手順は1つで、端に立って、ハンガーの間に手のひらを縦に差し込む

  • 入らない|すでに満杯です。吊る前に、掛ける服を減らす順番になります
  • 手のひらは入るが、こぶしは入らない|余白は5〜10cm。吊るなら5cm級のものだけ
  • こぶしが入る|余白は10cm以上。15cm級まで検討できます

満杯の区画に吊ると、押し出された服は必ずどこかへ行きます。多くの場合、隣の区画か、椅子の上です。吊り下げ収納を足した翌週に部屋が散らかるなら、押し出された服の行き先がなかったということです。

棚型とポケット型は、形で分かれる

棚型は、たたんで自立するものに向きます。厚みがあって形が保てるもの、たとえばニットやスウェット、たたんだバッグです。平らに置けるので、編み地のあるものでも癖がつきにくい。

ポケット型は、小さくて薄いものに向きます。小物、靴下、細いもの。ポケットの形がそのまま中身の形になるので、張りのある素材や編み地のあるものを押し込むと、入れた形のまま癖が残ります。

逆にしてはいけない組み合わせは1つだけです。型崩れしやすいものを、ポケット型に押し込まない。

もう1つの違いは、中身が見えるかどうかです。棚型は横から中が見え、置いたものの色や形が分かります。ポケット型は正面から見て、入っているかどうかしか分かりません。つまりポケット型は、中身を覚えていられるものにしか向きません。種類が多いものを入れると、上から順に探すことになります。

選び方に迷ったら、入れる予定のものを1つ手に取り、平らに置けるかどうかを見てください。平らに置けるものは棚型、丸めるか折るしかないものはポケット型です。

縦に伸びる棚型は、下の丈を殺す

棚型は上から下へ伸びます。伸びたぶん、その下に掛けられる服の丈が短くなります。

  • 棚型の下端が床から120cm|下に掛けられるのは、丈の短いものだけ
  • 床から80cm|下はほぼ使えません

丈の長い服が多い区画に吊ると、行き場を失った長い服が他の区画へ移り、そちらが溢れます。吊るなら、短い服だけを集めた区画にしてください。丈で区画を分けていないなら、分けるのが先です。丈を3つに分けて数える手順はウォークインクローゼット収納|先に測るのは奥行きにあります。

たわみは、位置で減らせる

パイプは支点から遠い中央がいちばん下がります。吊り下げ収納を中央に吊るのは、最も不利な置き方です。

やることは1つ。**端へ寄せる。**端は支点に近いので、同じ重さでも下がり方が小さくなります。それでも下がるなら、総重量が上限を超えています。

判定は手でできます。パイプの中央に手を当てて軽く押し、押した力で明らかに動くなら、すでに余裕がありません。上限を超えたパイプは、じわじわではなく、ある日まとめて落ちます。中身を減らすか、吊り下げ収納そのものを外してください。

傾く原因は、重さの偏りかフックのずれ

斜めに傾くときは、2つのどちらかです。

重さの偏り|上が軽く下が重いのは安定しますが、前後に偏ると傾きます。奥側と手前側へ均等に分けてください。

フックの位置ずれ|フックがパイプの上で回っています。内側にすべり止めを一巻き入れるか、両端が固定できる形に替える。

傾いたまま使うと、隣の服が押されて掛け位置がずれ続けます。毎朝2cmずつずれる状態は、片づけでは直りません。

どちらとも取れるとき①|扉が閉まらなくなった

折れ戸や引き戸のクローゼットでは、吊り下げ収納が扉に当たることがあります。ここで中身を減らして解決しようとすると、翌週にはまた当たります。

見るのは手前からの出っ張りです。パイプの中心から扉の内側までの距離を測り、吊り下げ収納の奥行きがそれを超えていないか確かめてください。超えているなら、量では直りません。奥行きの浅いものへ替えるか、扉のない区画へ移します。

扉の開き方で見える範囲がどう変わるかはクローゼット内の収納|扉の開き方で、死角の位置が変わるにまとめました。

どちらとも取れるとき②|空いた区画に、とりあえず吊りたい

区画が空いているとき、吊り下げ収納は埋めやすい選択肢です。けれど埋めた区画は、二度と服に戻りません。

決め方を1つにします。そこに入れるものが、いま家の中で置き場所を持っていないか。持っていないなら吊る意味があります。すでに別の場所に収まっているものを移すだけなら、掛ける幅を失うぶんだけ損です。

どちらとも取れるとき③|季節ものを入れたい

季節の小物を吊り下げ収納に入れると、使わない半年もパイプの幅を占め続けます。ここは頻度で切ります。

  • その季節に週1回以上使う|吊っていい
  • 季節中でも月数回|棚か引き出しへ
  • 季節が終わったら触らない|必ず外す。外さないなら最初から吊らない

外す予定を決めていない吊り下げ収納は、一年中そこにあります。

中に入れるものの重さを、先に決める

吊り下げ収納は、入れられる量と入れていい量が違います。入れられる量は容積で決まりますが、入れていい量はパイプが決めます。

順番は3つです。

  1. その区画のパイプに、いま掛かっている服の総重量を思い浮かべる|中厚の服はおよそ0.4〜0.6kg、厚手はその倍以上
  2. 吊り下げ収納が奪う幅ぶんの服の重さを出す|10cmなら中厚2〜3着ぶん、およそ1.5kg前後
  3. その重さを超えないように中身を決める

つまり、もともと掛かっていた服より重いものを入れない。これを守るとパイプへの負担は増えません。逆に、奪った幅ぶんの服より明らかに重いものを入れると、たわみは中身の量に関係なく進みます。

重さは手で測れます。中身を入れた状態で吊り下げ収納を持ち上げ、片手で胸の高さに5秒保てるか。保てないなら、パイプに掛けるには重すぎます。棚か引き出しへ移してください。

段の数と、実際に使える段

吊り下げ収納は段が多いほど得に見えます。けれど実際に使えるのは、目の高さの前後だけです。

  • 目の高さより上の段|中が見えません。上から手を入れて探すことになります
  • 目の高さの前後2段|見えて、取れます。ここが主力です
  • 腰より下の段|かがめば見えますが、掛かっている服が視界をふさぎます

6段のものを吊っても、日常で機能するのは2〜3段です。残りの段には、月1回以下のものを入れてください。全部の段を日常で使おうとすると、上の段を探す時間が毎朝かかります。

段の数を減らせないなら、上の段には、手触りで分かるものを入れるという手があります。見えなくても、触れば分かるもの。これなら上から手を入れる動作が1回で済みます。

掛ける服との境目に、何を置くか

吊り下げ収納の隣は、いちばん擦れる場所です。出し入れのたびに、隣の服が押されます。

置くものを決めておきます。擦れても差し支えのない服、たとえば家で着るものや、生地の丈夫なものを隣にする。編み地のあるもの、表面に凹凸のあるものを隣に置くと、毎日わずかに擦られ続けます。

もう1つ、隣に丈の長い服を置かない。吊り下げ収納の下端に裾が当たり、掛けるたびに裾を巻き込みます。巻き込んだ裾は、掛かっているあいだずっと折れた状態です。丈で区画を分ける話は、この記事の前半で触れたとおりです。

境目には、空のハンガーを1本挟むという方法もあります。1本ぶんの幅を犠牲にしますが、擦れも巻き込みも止まります。奪う幅が4cm増えることになるので、そこまでの価値があるかは中身次第です。

外すときに、元へ戻せるようにしておく

吊り下げ収納は、外す前提で置くと扱いが楽になります。外しにくい状態にしてしまうと、使っていなくても外れません。

外しにくくなる原因は2つです。中身が別の場所に置けないことと、外したあとの幅が余ることです。前者は、中身の行き先を先に決めておけば解決します。後者は、外したときに詰める服を決めておくことで解決します。

だから吊る日に、2つ書いておいてください。**この中身は、外すならどこへ入れるか。空いた幅には、どの服を掛けるか。**紙一枚で足ります。書いておくと、2週間後の判定が実行できます。書いていないと、判定で不要と出ても外せません。

**外せない道具は、置き場所ではなく固定物になります。**固定物になった時点で、幅の話ができなくなります。

2週間で確かめること

吊ったあと、正しかったかを測ります。見るのは開けた回数です。

2週間、その吊り下げ収納から何かを出した日に印を1つ付けます。

  • 印が8つ以上|幅を奪う価値があります
  • 印が3〜7つ|中身を、より頻度の高いものへ入れ替える
  • 印が2つ以下|外して、服に戻す

同時に、隣の服が押されていないかも見ます。掛け位置が毎日ずれているなら、幅がもう足りていません。足りない幅は、たいてい服のほうが先に諦めます。

まとめ

  • 吊り下げ収納は掛ける幅と引き換え。奪う幅を着数に換算してから決める
  • 奪う幅10cm=中厚2〜3着。その3着より優先したいものだけを入れる
  • 棚型は自立するもの、ポケット型は小さくて薄いもの。型崩れするものを押し込まない
  • たわみは中央から端へ寄せると減る。押して動くパイプは、すでに上限
  • 2週間で出した日の数を数え、2日以下なら外して服に戻す

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— メグラシ編集部

よくある問い

Q. 吊り下げ収納は便利ですか
便利かどうかではなく、何と引き換えかで見てください。吊り下げ収納は空いている空間を使う道具のように見えますが、実際にはパイプの幅を奪います。奪う幅がおよそ10cmなら、中厚の服で2〜3着ぶんの掛け場所が消えるという意味です。つまり判断は、その2〜3着より、中に入れるものを優先したいかどうかの比較になります。入れるのが毎日使う小物なら、たいてい勝ちます。年に数回しか触らないものなら、負けます。便利さは、失う場所と並べて初めて測れます。
Q. 棚型とポケット型は、どちらを選べばいいですか
入れるものの形で分かれます。棚型は、たたんで自立するものに向きます。ニット、スウェット、たたんだバッグなど、ある程度の厚みがあって形が保てるものです。ポケット型は、小さくて薄いもの、たとえば小物や靴下、細いベルトのようなものに向きます。逆にしてはいけない組み合わせが1つあり、型崩れしやすいものをポケット型に押し込むと、入れた形のまま癖がつきます。編み地のあるもの、張りのある素材は棚型に平らに置いてください。
Q. 吊り下げ収納が斜めに傾いてしまいます
重さの偏りか、フックの位置ずれのどちらかです。まず中身を見て、下の段に重いものが集まっていないか確かめてください。上が軽く下が重い状態は安定しますが、前後に偏っていると傾きます。奥側と手前側に均等に分けてください。それでも傾くなら、フックがパイプの上で回っています。フックの内側にすべり止めを一巻き入れるか、両端が固定できる形に替えてください。傾いたまま使うと、隣の服が押されて掛け位置がずれ続けます。
Q. パイプがたわんできました
吊り下げ収納の位置を、パイプの中央から端へ寄せてください。パイプは支点から遠い中央がいちばん下がります。同じ重さでも、端に寄せるだけでたわみは目に見えて減ります。それでも下がるなら、中身の総重量が上限を超えています。判断は数字でできます。パイプの中央に手を当てて軽く押し、押した力で明らかに動くなら、すでに余裕がありません。上限を超えたパイプは、ある日まとめて落ちます。中身を減らすか、吊り下げ収納そのものを外してください。
Q. 丈の長い服がある区画にも吊れますか
向きません。縦に伸びる棚型を吊ると、その下は短い服しか掛けられなくなります。丈の長い服が多い区画に吊ると、行き場を失った長い服が他の区画へ移り、そちらが溢れます。吊るなら、短い服だけを集めた区画にしてください。丈で区画を分けていないなら、先に分けるほうが順番として正しいです。丈を3つに分けて数える方法は、ウォークインクローゼットの記事に置いてあります。

— メグラシ編集部

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