奥行きのあるクローゼット収納|秋の衣替えは前後2列を入れ替える

**まず、メジャーを持ってクローゼットの扉を開けてください。**内側の壁から扉の枠まで、床の高さで何センチありますか。
その数字が75センチを超えているなら、あなたのクローゼットには、吊るした服の後ろにもう1列ぶんの場所が眠っています。ハンガーに掛けた服が使う奥行きは、厚手のコートでもおよそ60センチ、シャツやニットなら50センチ前後です。残りの15〜30センチが、何も置かれないまま暗がりになっているか、奥に押し込んだ箱が出てこなくなっているか、どちらかのはずです。
奥行きのあるクローゼットは、奥まで手が届くように詰めるより、前後で役割を分けて、季節が変わる日に列ごと入れ替えるほうがうまく回ります。この記事では、奥行きの数字で1列か2列かを決め、奥と手前に何を置くかを分け、秋の衣替えの日に入れ替える手順までを、順番に書きます。
手前からどこまで手が届くかを測って中身を決める方法はクローゼットの奥行きは、深いほど使える量が減る|手前から何センチまで届くかで中身が決まるで扱っています。この記事は、届かない奥を「季節外の置き場」として使い切る方法です。
結論:75センチを超えたら前後2列、衣替えの日に入れ替える
奥行きの内寸で、使い方を3つに分けます。
- 60センチ以下 → 1列で使い切る。吊るす服だけで奥まで埋まる
- 60〜75センチ → 奥に薄い箱を1列、その前に吊るす服
- 75センチ以上 → 前後2列。奥の列に季節外、手前の列に今の季節
奥の列に置くのは、いま着ない季節の服です。手前の列に置くのは、今週から来月までに着る服です。秋の衣替えの日には、手前の夏の服を奥へ、奥の秋冬の服を手前へ、列ごと入れ替えます。
服を1枚ずつ移すのではなく、列ごと動かすのがこのやり方の中心です。奥の服は箱に入っているので、箱ごと手前に引き出し、夏の服を別の箱に詰めて奥へ押し込めば終わります。1枚ずつ判断していると半日かかる衣替えが、30分ほどで済みます。
まず3か所を測る|奥行き・パイプの位置・扉の開口幅
測るのは次の3か所です。メモ用紙に、それぞれの数字を書いてください。
- 内寸の奥行き。 奥の壁から、扉の枠の内側まで。床の高さと、パイプの高さの2か所で測ります。幅木や配管で床のほうが浅いことがあるので、小さいほうを使います
- パイプの位置。 奥の壁から、パイプの中心まで。ここがわかると、吊るした服の後ろに何センチ残るかが出ます
- 扉の開口幅。 扉を全開にしたとき、手を入れられる左右の幅。引き戸なら、片側を開けたときの幅を測ります
3つの数字がそろったら、次の引き算をしてください。
奥の空き = パイプの位置 − 30センチ
ハンガーの肩幅はおよそ40〜45センチで、パイプを中心に前後へ半分ずつ、20〜23センチほど広がります。厚手のコートは肩まわりがふくらむので、後ろ側に30センチ見ておくと安全です。パイプが奥の壁から55センチの位置にあれば、奥の空きは25センチ。ここが、奥の列に使える厚みです。
測るときは、3つの出っ張りを見落とさないでください。1つ目は扉の枠の内側の出っ張りで、開き戸なら蝶番の側に2〜3センチ張り出していることがあります。2つ目は床の敷居や段差で、箱を引き出すときに引っかかります。3つ目は奥の壁の下にある幅木で、床の高さでは奥行きが1〜2センチ浅くなります。どれも小さな数字ですが、箱の厚みをぎりぎりで選ぶと、この数センチで入らなくなります。
もう1つ、天井近くの高さでも奥行きを測っておくと、上の棚の使い方を決めるときに役立ちます。古い住まいでは、上の棚だけ奥行きが浅く作られていることがあるからです。床・パイプ・上の棚の3つの高さで奥行きを書いておけば、あとから箱を買い足すときにも迷いません。
境目は75センチと60センチ|奥行きで1列か2列かを決める
奥行きと、置き方の関係を表にしておきます。答えを決めるのではなく、境目がどこにあるかを確かめるための表です。
| 内寸の奥行き | 奥の空き(目安) | 置き方 | 奥に入る箱の厚み |
|---|---|---|---|
| 55〜60センチ | ほぼ無し | 1列。吊るすだけ | 置かない |
| 60〜75センチ | 5〜20センチ | 奥に薄い箱を1列 | 15センチ前後 |
| 75〜90センチ | 20〜35センチ | 前後2列 | 25〜30センチ |
| 90センチ以上 | 35センチ以上 | 前後2列+奥の床に引き出せる箱 | 30センチ以上 |
境目の75センチは、厚さ25センチ以上の箱が奥に置けるかどうかで決まっています。25センチあれば、ニットを立てて入れたときに、たたんだ1枚の幅がそのまま収まります。これより薄い箱だと、ニットを寝かせて積むことになり、下の服が取り出しにくくなります。
90センチ以上ある場合は、押入れを転用したクローゼットや、もとは物入れだった場所であることが多いです。奥の空きが大きいので、奥の列にさらにキャスターつきの箱を置き、手前に引き出せるようにすると使い切れます。
パイプが奥寄りか手前寄りかで、空く場所が変わる
同じ奥行きでも、パイプがどこについているかで、使える場所が変わります。
- パイプが奥行きの真ん中あたり(奥の壁から40〜50センチ)→ 奥にも手前にも少しずつ空きができる。奥に薄い箱、手前の床に低い箱
- パイプが手前寄り(奥の壁から55センチ以上)→ 奥にまとまった空きができる。前後2列にしやすい
- パイプが奥寄り(奥の壁から35センチ以下)→ 手前に空きができる。奥の列ではなく、手前の床に箱を置く
パイプが奥寄りについているクローゼットは、もとは奥行きの浅い使い方を想定していることが多いです。この場合、奥に何かを置こうとすると、吊るした服の裾の下にもぐり込ませることになり、出し入れのたびに服をよけなければなりません。手前の床に、背の低い箱を置くほうが向いています。
パイプの位置を動かせる造りなら、手前寄りに付け替えるのも1つの方法です。ただし、手前に寄せすぎると扉が閉まらなくなるので、扉の枠からパイプの中心まで、最低でも25センチは残してください。
奥の列に置くもの|季節外の服を、箱で、立てて
奥の列は、衣替えの日まで開けない場所です。ここに置くものは次の3つの条件で選びます。
- 次の衣替えまで着ない服。 迷う服は手前に置く。奥に入れたものを途中で取り出すと、手前の列を崩すことになる
- たためる服。 ニット、Tシャツ、薄手のカットソー、パンツ。たたむとしわになる服やコートは、奥には向かない
- 箱に入る量。 箱からはみ出すものは、奥に入れない
箱の中では、服を立てて入れてください。寝かせて積むと、下の服を取るために上の服を全部出すことになります。立てて入れると、上から見て全部の服の色と柄が見えるので、衣替えのときに何が入っているかがすぐわかります。
箱は、すべて同じ幅と高さにそろえると、奥の列がきれいに収まります。同じ幅の箱を1種類決めてそろえる考え方はクローゼット収納の揃え方|同じ幅の箱を1種類だけ決めるに書いています。奥の列は特に、高さがばらばらだと手前の服の裾が引っかかるので、そろえる効果が大きい場所です。
箱の素材は、奥の列ではふたつきで、少し通気のあるものを選んでください。奥は半年開けないので、ふたが無いとほこりが積もり、まったく通気の無い箱だと湿気がこもります。布の箱は軽くて引き出しやすい反面、重ねると形が崩れやすいので、奥の列では重ねずに1段で並べます。硬い素材の箱は重ねられますが、重くなるので、奥から引き出すときに取っ手があるものにしてください。
入れる前には、服を必ず洗っておきます。汗や皮脂が残ったまま半年しまうと、次に出したときに黄ばみや匂いになっていることがあります。とくに秋に奥へ入れる夏の服は、着た回数が少なくても一度洗い、完全に乾かしてから箱に入れてください。乾ききっていない服を奥に入れると、箱の中で湿気がこもります。
手前の列に置くもの|今週着る服は、扉の開口幅の中に
手前の列は、毎朝開ける場所です。ここに置く服は、扉を開けたときに、体を動かさずに手が届く範囲に収めます。
扉の開口幅が90センチなら、手前の列に吊るす服は、その90センチの幅の中に入る量までにします。開口幅の外、つまり扉の裏に隠れる左右の端に吊るした服は、取るたびに体をひねって手を伸ばすことになり、だんだん着なくなります。
左右の端は、手前の列の中でも「今月はあまり着ない服」の置き場にしてください。たとえば秋なら、まだ早い厚手のコートを端に、毎日のように着るカーディガンや薄手のジャケットを真ん中に置きます。冬が深まったら、端と真ん中を入れ替えます。
手前の列に吊るす服の量そのものを、パイプの長さと服の厚みから決める方法はワードローブ収納|秋冬の厚手はパイプの長さを服の厚みで割って決めるで扱っています。
秋の衣替え当日の手順|奥と手前を入れ替える30分
入れ替えの日は、次の順番で進めてください。順番を守ると、途中で床が服だらけになりません。
- 奥の箱を、すべて手前の床に引き出す。 手前の夏の服はまだ吊るしたまま。箱を出すために、吊るした服を片側に寄せる
- 空いた奥の場所を、乾いた布で拭く。 半年閉めていた場所なので、ほこりがたまっている。拭いたら扉を開けたまま10分ほど風を通す
- 夏の服を、ハンガーから外して空の箱に立てて入れる。 外しながら、この夏に一度も着なかった服を別の袋に分ける
- 夏の服の箱を、奥に押し込む。 奥の列が埋まったら、扉の内側に中身の一覧を貼る
- 引き出した秋冬の箱から、吊るす服を出してハンガーに掛ける。 掛けたら手前の列へ。箱に残ったニットやカットソーは、手前の床か引き出しに移す
- 空になった箱を、奥の列か別の場所にしまう。 次の衣替えで夏の服を出したあと、ここに冬の服を入れる
所要時間は、手前の列に吊るす服が30着前後なら、拭き掃除を含めて30分から40分ほどです。夏の服を1枚ずつ「残すか手放すか」で悩みはじめると時間が延びるので、迷った服は袋に入れて、判断は別の日にしてください。
当日の前に、2つだけ準備しておくと手が止まりません。1つは、夏の服をすべて洗って乾かしておくことです。入れ替えの日に洗濯から始めると、乾くまで奥の列に入れられず、手前の床に箱が並んだまま1日が終わります。もう1つは、空の箱を1つ多めに用意しておくことです。夏の服は秋冬の服より薄いので、同じ箱の数で足りるように見えますが、帽子やサンダルの袋などの小物が意外に場所をとります。
入れ替えが終わったら、奥から出した秋冬の服を、ハンガーに掛けたまま半日ほど扉を開けて風を通してください。半年たたんでいた服には、折りじわと、しまっていたときの匂いが残っています。風を通すだけで、翌朝に着るときの気持ちがずいぶん違います。
入れ替えの合図|朝の最低気温で決める
いつ入れ替えるかを決めておかないと、「まだ暑い日もあるから」と先延ばしになります。合図は、日付ではなく朝の気温で置いてください。
- 秋の入れ替え:朝の最低気温が15度を下回る日が、3日続いたら
- 春の入れ替え:朝の最低気温が12度を上回る日が、5日続いたら
秋は、最低気温が15度を切るころから、朝に羽織りが必要になります。3日続けば一時的な冷え込みではないと判断できます。春は、寒の戻りがあるので、秋より少し長めに5日を見ます。
入れ替えの前の週は、手前の列の左右の端に、次の季節の服を2〜3着だけ先に出しておくと、急に冷えた日にも困りません。衣替えの時期そのものの決め方は衣替えのタイミングや秋の衣替えの手順も参考にしてください。
秋冬の厚手は、手前の列の幅を食う
秋に入れ替えたあと、手前の列が急に窮屈になることがあります。夏の服と秋冬の服では、1着が使うパイプの幅がまったく違うからです。
目安として、ハンガーに掛けた1着がパイプを使う幅は、薄手のシャツやブラウスで2〜3センチ、ニットのカーディガンで4〜5センチ、ジャケットで5〜6センチ、厚手のコートで8〜10センチほどです。夏に30着吊るしていた列に、秋冬の服を同じ30着吊るすことはできません。
入れ替えの前に、秋冬の吊るす服を数えて、次の計算をしてください。
手前の列に吊るせる量 = 扉の開口幅 ÷ 1着あたりの幅
開口幅90センチの列にコートを吊るすなら、9着から11着が上限です。入りきらない分は、奥の列に吊るさずに、玄関のコート掛けや、別の部屋に回します。奥の列にコートを押し込むと、次の衣替えの日まで取り出せず、急に必要になった日に手前の列を全部崩すことになります。
どちらとも取れるとき|奥行き65〜75センチの中途半端な帯
いちばん迷うのが、奥行きが65〜75センチのクローゼットです。2列にするには少し足りず、1列にすると奥が余ります。この帯では、次の2つから選んでください。
選び方A|奥に薄い箱を1列、その前にパイプ。 奥の空きが10〜20センチあれば、厚さ15センチ前後の箱が入ります。ここには、季節外のなかでも薄い服だけを入れます。秋冬に入れ替えたあとなら、夏のTシャツ、薄いブラウス、麻のパンツ。厚手のニットは入らないので、春に入れ替えたあとは、奥の箱には薄手のカットソーや春先のストールなど、冬物の中でも薄いものだけを入れ、厚手のニットは上の棚に回します。
選び方B|パイプの下を2段に分け、手前の床に箱。 奥は使わず、吊るす服の丈を短いものと長いものに分け、短い服の下の床に、手前から引き出せる箱を置きます。奥行きよりも高さを使う方法です。
どちらにするかは、季節外の服のうち、薄い服がどれくらいあるかで決めます。季節外の服をたたんで積み、薄い服だけで高さが40センチを超えるなら、選び方Aで奥に入ります。40センチに届かないなら、奥の箱が半分空いたままになるので、選び方Bのほうが無駄がありません。
もう1つ迷うのは、パイプの高さです。パイプが床から170センチ以上の高い位置にあると、長いコートを吊るしても下に30センチ以上の空きができ、選び方Bが使いやすくなります。150センチ前後と低い位置なら、下の空きが少ないので、選び方Aのほうが向いています。
具体的な数字で考えてみます。奥行き70センチ、パイプが奥の壁から45センチの位置にあるクローゼットなら、奥の空きは45 − 30 = 15センチです。季節外の薄い服をたたんで積むと高さ50センチになったとします。40センチを超えているので、選び方Aで、厚さ15センチの箱を奥に1列並べれば収まります。同じクローゼットでも、薄い服の高さが30センチしか無ければ、奥の箱は半分以上が空きになります。その場合は選び方Bにして、奥はあえて空けておき、風の通り道にしたほうがクローゼット全体に湿気がこもりにくくなります。
奥を空けておくのは、もったいないことではありません。奥行きが中途半端なクローゼットでは、詰めて使い切るより、手前で迷わずに取れることを優先したほうが、毎日の出し入れは楽になります。
引き戸のクローゼットは、前後より左右で分ける
ここまでの話は、扉を全開にできる開き戸や、折れ戸のクローゼットを前提にしています。引き戸の場合は、少し考え方が変わります。
引き戸は、片側を開けると反対側が閉じます。前後2列にすると、奥の列の箱を引き出すときに、反対側の扉の裏にある箱が取れません。衣替えの日に、扉を何度も開け閉めすることになります。
引き戸のクローゼットは、前後ではなく左右で季節を分けるほうが出し入れが楽です。
- 左半分:今の季節の服(毎朝開けるほう)
- 右半分:季節外の服(衣替えの日まで開けないほう)
衣替えの日は、左右を入れ替えます。左の吊るす服を右へ、右の箱を左へ。奥行きが深い場合は、季節外の右半分だけを前後2列にし、今の季節の左半分は1列にして奥まで手が届くようにしておくと、両方の利点が使えます。
左右どちらを今の季節にするかは、部屋の入口からクローゼットに向かったとき、先に手が届くほうを選んでください。毎朝、体の向きを変えずに開けられる側です。
扉が3枚の引き戸の場合は、真ん中の1枚ぶんを今の季節、左右の2枚ぶんを季節外にすると使いやすくなります。真ん中は、左右どちらの扉を動かしても開けられるので、毎朝の出し入れに向いています。左右の端は、扉を2枚重ねないと開かないので、衣替えの日まで開けない場所にしてしまいます。衣替えの日は、真ん中の吊るす服と、左右の箱の中身を入れ替えます。
奥の列を忘れない仕組み|中身の一覧を扉の内側に
奥に入れた服は、見えなくなるので忘れます。忘れると、似た服を買い足したり、衣替えの日に「こんな服を持っていたのか」と驚いたりします。
これを防ぐには、奥の箱の中身を、手前から見える場所に書いておくのがいちばん効きます。書く場所は箱の正面ではなく、扉の内側にしてください。箱の正面に書くと、手前に吊るした服に隠れて見えません。
一覧に書くのは、細かい品名ではなく、次の程度で十分です。
- 箱の位置(奥の左、奥の真ん中、奥の右)
- 中の服の種類と枚数(「半袖Tシャツ8、薄手ブラウス4、麻パンツ2」のように)
- 入れた日
衣替えのたびに書き直すと、自分が持っている服の量を年に2回確かめる機会にもなります。季節外の服が去年より増えていたら、次の買い物の前に一覧を見直してください。
上の棚と床の奥も、同じ考え方で使う
奥行きのあるクローゼットは、上の棚と床も奥まで深くなっています。ここも、前後で役割を分けると使いやすくなります。
上の棚は、手前に今の季節の小物(ストール、手袋、帽子)、奥に季節外の小物や、年に数回しか使わないもの(喪服用の小物、旅行用のバッグ)を置きます。踏み台なしで手が届くのは、手前から30センチ前後までです。奥のものは、取っ手のついた箱に入れておくと、踏み台に乗ったときに引き寄せられます。上の棚の使い方はクローゼットのハンガーパイプにも書いています。
床の奥は、キャスターのついた箱を置くと、奥まで使い切れます。キャスターがあれば、手前の吊るす服の下を通して引き出せるので、奥に入れても出てこなくなりません。床に置く箱は、高さを吊るした服の裾より10センチ低くしてください。裾が箱に当たると、出し入れのたびに服がこすれて傷みます。
引き出しの深さで中身を決める考え方はクローゼットのチェスト|引き出しの深さで、入るものが決まるを参考にしてください。
やってはいけない置き方|奥に吊るして、手前に箱
奥行きのあるクローゼットで、よく見かけるのに出し入れがいちばん大変なのが、奥に吊るす服、手前の床に箱という置き方です。
この置き方だと、毎朝服を取るたびに、手前の箱をまたぐか、どかすことになります。箱が重いと、だんだん奥の服を取るのが面倒になり、手前の箱の上に服を仮置きするようになります。クローゼットの中が散らかっていくいちばん多い流れです。
ほかにも、次の置き方は避けてください。
- 奥の列にコートを吊るす。 季節外のコートでも、急に必要になる日がある。取り出すために手前の列を全部崩すことになる
- 奥に、ふたのない箱を置く。 半年のあいだに、ほこりが服に積もる。奥の箱は必ずふたつきにする
- 奥と手前で箱の高さを変える。 手前が低く奥が高いと、奥の箱が手前の箱に引っかかって出てこない
- 奥の箱を壁にぴったりつける。 奥の壁は外壁に面していることが多く、冬は冷えて結露しやすい。箱は壁から5センチほど離す
奥行きのあるクローゼットは、奥ほど空気が動かず、湿気がこもりやすい場所です。とくに外壁に面したクローゼットでは、冬に奥の壁が冷えて、箱の裏側が湿っていることがあります。箱を壁から少し離し、床に直接置かずにすのこを1枚敷くと、空気の通り道ができます。晴れた日には、月に1回でいいので扉を開けたまま1時間ほど置き、奥まで風を入れてください。季節外の服を半年あずける場所なので、ここを乾いた状態に保つことが、次の衣替えの日に気持ちよく服を出せるかどうかを決めます。
入れ替えから1週間で見直す
衣替えの日に入れ替えが終わっても、1週間はそのまま様子を見てください。毎朝服を取るときに、次の3つを確かめます。
- 手前の列から、体をひねらずに服が取れているか
- 奥の箱から、何かを取り出したくなったことがあったか
- 手前の床や、箱の上に、服を仮置きしていないか
2で「取り出したくなった」服があれば、それは奥ではなく手前に置くべき服でした。1週間後に、その服だけ手前に移してください。3で仮置きが増えていれば、手前の列の量が多すぎます。開口幅の計算に戻って、吊るす量を減らします。
見直しのときは、手前の列の服を1着ずつ確かめる必要はありません。見るのは、扉を開けた瞬間の手前の列の端から端までです。ハンガーどうしのすき間に指が1本入るなら、量はちょうどいい状態です。指が入らないほど詰まっていると、1着を取るたびに両隣の服が一緒に引っぱられ、肩の形が崩れていきます。秋冬の厚手は、夏の服よりもこの詰まりが早く起きるので、入れ替えの直後よりも、1週間たって着た服を戻すようになってからのほうが、量の多さに気づきやすくなります。
戻しきれない服が出てきたら、それは手前の列ではなく、奥の列か、別の場所に回す服です。迷ったら、この1週間で一度も手に取らなかった服から順に、奥の箱へ移してください。手前の列は、今の季節にいちばんよく着る服だけが並んでいる状態がいちばん使いやすく、奥の列はその控えとして、次の季節まで静かに待たせておけば十分です。
1週間たって、どれにも当てはまらなければ、その入れ替えは成功です。次の入れ替えは、春に最低気温が12度を上回る日が5日続いたときです。奥行きのあるクローゼットを「奥が使えない場所」から「季節を待たせておく場所」に変えると、毎朝開ける手前の列は、いつも今の季節の服だけで整っています。
まとめ|奥行きの数字で列を決め、季節で列ごと入れ替える
- 内寸の奥行きが75センチを超えたら前後2列、60〜75センチなら奥に薄い箱、60センチ以下なら1列
- 奥の空きは「パイプの位置 − 30センチ」で出す
- 奥の列には季節外のたためる服を、ふたつきの同じ幅の箱に立てて入れる
- 手前の列は、扉の開口幅の中に収まる量だけ吊るす。秋冬は1着の幅が広がるので数を減らす
- 入れ替えの合図は、秋は最低気温15度を下回る日が3日、春は12度を上回る日が5日
- 引き戸のクローゼットは、前後ではなく左右で季節を分ける
まずはメジャーで3か所を測って、奥の空きが何センチあるかを出してみてください。その数字が、奥の列を作れるかどうかの答えになります。
よくある問い
- Q. 奥行きが70センチくらいで、2列にするには少し足りません
- 65〜75センチは中途半端な帯です。この場合は、奥に厚さ15センチ前後の薄い箱を1列だけ置き、その前にパイプの服を吊るします。箱には季節外のなかでも薄い服、たとえば秋冬なら夏のTシャツや薄いブラウスを入れてください。厚手の季節外は、上の棚か別の場所に回します。
- Q. 奥に入れた服を忘れてしまいます
- 奥の箱の中身を、手前から見える場所に書いておくのがいちばん効きます。箱の正面ではなく、扉の内側に中身の一覧を貼ってください。衣替えのたびに書き直すと、何を持っているかを年2回確かめる機会にもなります。
- Q. 衣替えをしない人でも、2列にする意味はありますか
- あります。季節で分けない場合は、奥を「月に1回も着ない服」、手前を「週に1回以上着る服」に分けてください。冠婚葬祭の服や、年に数回の行事の服を奥に寄せるだけで、手前の列が軽くなり、毎朝の出し入れが楽になります。
- Q. 奥に吊るすパイプをもう1本つけるのはどうですか
- 奥にもパイプをつけると、手前の服をよけないと奥の服が取れません。奥のパイプは、手前の服を全部外す衣替えの日にしか使えない場所になります。それでよければ使えますが、普段に出し入れする可能性がある服は、引き出せる箱に入れたほうが手間が少なく済みます。
— メグラシ編集部





