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コートの収納|厚みと肩幅で、掛ける場所とハンガーを決める

メグラシ編集部//読了 20分
厚手のウールコートを肩の厚い木製ハンガーに掛け、肩先の位置を手で合わせているところ

**コートを掛ける場所は、前身頃の厚みで決まります。ハンガーは、肩幅で決まります。**クローゼットがコートでぎゅうぎゅうになる、肩にハンガーの跡がつく、取り出すたびに隣の服まで引っ張られる。こうした困りごとの大半は、この2つが合っていないところから起きています。

この記事では、手持ちのコートを1着ずつ、厚み・肩幅・着丈・重さの4つで測り、どこに、どのハンガーで掛けるかを決める手順を書きます。測るのに必要なのは、定規かメジャー、キッチンスケールか体重計くらいです。今夜1着だけ測って掛け直すだけでも、明日の朝の取り出しやすさが変わります。

クローゼット全体の、吊る服と畳む服の分け方は衣類収納クローゼット|吊る服と畳む服を、パイプ1mの着数で分けるにまとめています。この記事は、その中でも場所を取りやすく、型くずれもしやすいコートだけに絞った話です。

結論:厚みで場所を、肩幅でハンガーを決める

コートの収納でいちばん大事なのは、2つの数を合わせることです。1つは、そのコートがパイプの上でどれだけ横幅を取るか。もう1つは、そのコートの肩幅に対して、ハンガーの幅が合っているか。

1つ目の横幅は、コートの厚みでほぼ決まります。薄手のコートは、隣の服と少し触れる程度に詰めても型くずれしません。厚手のウールやダウンは、詰めると表面がつぶれ、取り出すたびに隣と擦れて毛羽立ちます。厚みに合わせて、1着ごとに使ってよい幅をあらかじめ割り当てておくと、詰めすぎを防げます。

2つ目のハンガーの幅は、コートの肩の形を保てるかどうかを決めます。ハンガーが肩幅より長すぎると、肩の先がぽこっと持ち上がり、袖の付け根に跡がつきます。短すぎると、肩が内側に落ちて、肩先にハンガーの端の跡が残ります。ちょうどいい幅のハンガーに掛けるだけで、コートの形は驚くほど保たれます。

この2つが合ったうえで、着丈と重さを見ます。着丈は、その下に何を置けるかを決め、重さは、ハンガーの肩にどれだけ厚みが必要かを決めます。順番は、厚み、肩幅、重さ、着丈です。

測るもの4つ:今夜5分で、1着ずつ

まず、手持ちのコートを全部ベッドの上に並べてください。秋の薄手から真冬の厚手まで、今季着る予定のものを全部です。1着ずつ、次の4つを測ってメモします。

1つ目は厚みです。前身頃の端、ボタンが並んでいるあたりを、親指と人差し指でつまみます。つまんだ指の間の厚みを定規で測ってください。表地と裏地が重なった1枚分の厚みです。目安として、3mm未満なら薄手、3〜6mmなら中厚、6mm以上なら厚手と考えます。ダウンや中綿のコートは、つまむとつぶれるので、平らに置いたときの、身頃のいちばん膨らんだところの高さを測ります。

2つ目は肩幅です。コートを平らに置き、左右の肩の縫い目、つまり袖が付いているところの端から端までを、まっすぐ測ります。肩の縫い目がはっきりしないデザインは、後の章で扱います。

3つ目は着丈です。後ろの襟の付け根から、裾までをまっすぐ測ります。ロングコートの場合は、メジャーを持つ手が足りないので、床に広げて測ると楽です。

4つ目は重さです。キッチンスケールに載るなら、そのまま量ります。載らなければ、体重計にコートを持って乗り、自分の体重を引いてください。だいたいの数で十分です。

測るときのこつを、いくつか書いておきます。厚みは、ボタンを留めた状態ではなく、外して前身頃を1枚にした状態で測ってください。留めたまま測ると、2枚分の厚みになってしまいます。肩幅は、コートを平らに置いたら、肩のあたりのしわを手で軽くなでて伸ばしてから測ります。しわが寄ったまま測ると、実際より1〜2cm短く出ることがあります。

着丈は、襟の付け根の、背中の真ん中の縫い目がある位置から測るのが基本です。フードが付いている場合は、フードの付け根から測ってください。重さは、ポケットの中のものを全部出してから量ります。手袋や鍵が入ったままだと、そのぶん重く出てしまい、ハンガーの選び方がずれます。

ポケットを空にしたついでに、裏地のほつれやボタンのゆるみも見ておくと、着る季節が始まってから慌てずに済みます。測る時間は、収納の準備であると同時に、今季のコートの状態を確かめる時間にもなります。

4つの数を、コートの名前と一緒に1行ずつメモしておきます。「黒いウール・厚み7mm・肩幅42cm・着丈105cm・1.6kg」のように並べると、後の手順がすべてこのメモで進められます。

厚みで、パイプの幅を割り当てる

厚みが測れたら、1着ごとに、パイプの上で使ってよい幅を割り当てます。目安は次の通りです。

厚み例1着に割り当てる幅
3mm未満の薄手裏地なしのスプリング系、薄いトレンチ4〜5cm
3〜6mmの中厚裏地付きのウール混、ステンカラー6〜7cm
6mm以上の厚手厚いウール、毛足のある生地8〜10cm
ダウン・中綿ふくらみのあるもの12〜15cm

この幅は、コートの厚みそのものではなく、ハンガーの厚みと、取り出すときに手を入れる余裕を含んだ数です。実際にパイプの上で、メジャーを当てて区切ってみると、思ったより場所を取ることに気づくはずです。

割り当てた幅より詰めて掛けると、コート同士が押し合います。押し合ったコートは、表面がつぶれ、前身頃に縦の折り目が残ります。特に毛足のある生地は、一度寝てしまった毛並みが戻りにくいので、割り当てた幅を守ってください。

逆に、幅をとりすぎる必要もありません。薄手のコートに10cmも空けると、その分ほかのコートの場所が足りなくなります。厚みに合わせて差をつけることで、限られたパイプを無駄なく使えます。

肩幅で、ハンガーの幅を決める

次に、ハンガーです。ハンガーの幅は、コートの肩幅より2〜3cm短いものを選びます。ハンガーの端が、コートの肩の縫い目の少し内側で止まる状態が理想です。

確かめ方は簡単です。コートをハンガーに掛けて、正面から肩先を見てください。肩の縫い目の外側に、ハンガーの端が出っ張っていたら長すぎます。袖の付け根にぽこっと膨らみができているのも、長すぎる印です。反対に、肩の縫い目より3cm以上内側でハンガーが終わっていて、肩先が下に垂れているなら短すぎます。

家にあるハンガーの幅を、一度全部測ってみてください。同じように見えるハンガーでも、幅が5cm以上違うことがあります。クリーニングから戻ってきたときに付いてくる細いハンガーは、軽い服を一時的に掛けるためのもので、コートの重さには向きません。

コートの肩幅とハンガーの幅をメモの横に並べたら、合わないものを入れ替えます。肩幅40cmのコートなら37〜38cm前後、肩幅44cmのコートなら41〜42cm前後のハンガーが目安です。ちょうどいいハンガーが足りなければ、まず厚手で重いコートから優先して合わせてください。薄手の軽いコートは、多少幅がずれても型くずれが出にくいからです。

ハンガーの幅をそろえると、もう1つよいことがあります。ハンガーが肩幅より長すぎると、その分だけ横に張り出して、隣のコートとの間を押し広げます。幅を合わせ直すだけで、パイプの上に1〜2着分の余裕が生まれることがよくあります。ハンガーのそろえ方そのものは、クローゼットのハンガーの掛け替えでも詳しく扱っています。

重さで、ハンガーの肩の厚みを決める

幅が合っていても、ハンガーの肩の部分が薄いと、重いコートは肩の一点に重さが集まり、跡がつきます。重さに合わせて、ハンガーの肩の厚みを選んでください。

目安として、1kg未満の軽いコートなら、肩の厚みが1〜2cmのハンガーでも問題ありません。1〜1.5kgのコートは、肩の厚みが2〜3cmあると安心です。1.5kgを超える重いコートは、肩の厚みが4cm前後ある、肩の部分がしっかり張り出したハンガーを使ってください。

肩に厚みのあるハンガーは、重さを肩の広い範囲に分けて受け止めます。人の肩に近い形で支えるので、コートの肩のふくらみも保たれます。とくに肩に芯が入ったきちんとした形のコートは、薄いハンガーに掛け続けると、肩の芯が少しずつ下に引っ張られて形が変わってしまいます。

一方で、肩の厚いハンガーは、それだけで場所を取ります。だから、厚手で重いコートにだけ使い、薄手の軽いコートには薄めのハンガーを使う、と使い分けるのが現実的です。先ほどの厚みの表で、厚手に8〜10cmを割り当てたのは、この肩の厚いハンガーの分も含んでいるからです。

素材は、表面が滑りにくいものを選んでください。つるつるしたハンガーは、重いコートだと少しずつずれて、片方の肩だけが下がります。ずれやすい場合は、肩の部分に滑り止めの布を巻くだけでも変わります。

着丈で、下に置けるものを決める

着丈は、コートの下に何を置けるかを決めます。測っておいた着丈に、ハンガーのフックから肩までの高さ、だいたい10〜15cmを足した数が、パイプから下に必要な長さです。

たとえば着丈105cmのコートなら、パイプから120cm前後下までがコートの範囲になります。その下に収納ケースを置くなら、ケースの上面と裾の間に5cm以上の空きを残してください。裾がケースに触れたまま置いておくと、裾に折り癖がつき、出し入れのたびに擦れます。

クローゼットの中で、パイプの下の高さがいちばん深い場所をロングコートに、浅い場所をショート丈のコートに割り当てると、下の空間を無駄なく使えます。ショート丈のコートの下には、畳んだニットのケースや、バッグを置く棚が入ります。バッグの置き方はカバン収納 吊り下げ|持ち手の形と重さで、掛ける場所を決めるも参考になります。

ロングコートを何着か持っている場合は、まとめて1か所に並べると、下の空間が使えない区画が1つにまとまり、ほかの区画を広く使えます。ロングとショートを交互に並べてしまうと、下にケースを置ける区画がばらばらになって、結局どこにも置けなくなります。

全部の幅を足して、パイプに収まるか確かめる

ここまでで、1着ごとに割り当てる幅が決まりました。メモの幅を全部足して、コートに使えるパイプの長さと比べてください。

たとえば、薄手1着、中厚2着、厚手1着、ダウン1着なら、5+7+7+9+13で、合計41cmです。コートにパイプを40cmしか割けないなら、1cmはみ出します。数字で比べると、どこで無理が出ているかがはっきりします。

収まらないときの選び方は3つです。1つ目は、いま着ない季節の端にあるコートを、別の場所に回すこと。秋の初めなら真冬のダウンを、冬の盛りなら秋口の薄手を、別のクローゼットや上の段に移します。2つ目は、毎日着る1着を玄関に回すこと。これは後の章で扱います。3つ目は、ほかの服の場所をコートに譲ること。ブラウスやシャツなど畳める服を引き出しに移せば、コートの場所が増えます。

足した数がパイプの長さにちょうど収まる場合も、2〜3cmは余裕を残しておくと、取り出すときに隣を引っ張らずに済みます。ぴったり収まるのは、詰まっているのと同じだと考えてください。

家族のコートが同じパイプに並んでいる場合は、自分の分だけでなく、全員の分を同じやり方で足してください。体の大きい家族のコートは肩幅も厚みも大きく、1着で自分のコート2着分の幅を取ることがあります。誰のコートがどれだけ場所を使っているかが数字で見えると、話し合いで場所を分けるときにも揉めにくくなります。

コートの区画は、扉の開き方と明るさで選ぶ

幅が収まるとわかったら、次はパイプのどこにコートをまとめるかです。同じクローゼットの中でも、コートに向いている場所と、向いていない場所があります。

まず、扉の開き方を見てください。両開きの扉なら、片方の扉だけを開けたときに手が届く範囲に、いちばんよく着るコートを置きます。引き戸なら、ふだん開けている側の端です。朝の支度のときに、両方の扉を全部開けなくても取り出せる位置にあるかどうかで、コートを着るまでの手間が変わります。

次に、明るさです。クローゼットの奥や角は、昼でも暗くなりがちです。黒や紺、濃い茶色のコートが暗い場所に並ぶと、どれがどれか見分けにくくなり、取り出すたびに何着か引き出して確かめることになります。濃い色のコートは、扉に近い明るい場所に置き、明るい色のコートを奥に回すと、暗い場所でも見分けやすくなります。

それから、壁との距離です。外壁に面したクローゼットの壁ぎわは、冬になると冷えて、湿気がこもりやすくなります。コートを壁に押し付けるように掛けると、背中の部分に湿気が移ることがあります。壁ぎわの1着だけは、壁から5cmほど離して掛けてください。間に何も置けない場合でも、ハンガーの向きをそろえて、背中側を壁に向けないようにするだけで違います。

こうして場所を選んでおくと、厚みと肩幅で決めた割り当てが、毎日の動きの中で崩れにくくなります。取り出しやすい場所にあるコートは、元の場所に戻すのも楽だからです。

着た日のコートは、すぐ戻さない

コートの収納で見落とされがちなのが、着たあとの扱いです。着て帰ってきたコートを、そのままクローゼットに戻すと、体の熱と外の湿気を含んだまま、ほかの服の間に入ることになります。

着た日のコートは、半日ほどクローゼットの外に掛けておいてください。帰宅後から翌朝まで、または朝帰ってきたなら夕方まで。部屋の中の、風が通る場所に、ハンガーごと掛けておきます。カーテンレールに掛けるのは、窓の結露がコートに移ることがあるので避けたほうが安心です。

クローゼットに戻す前に、ブラシを上から下へ軽くかけます。とくに肩と背中の上半分は、ほこりがたまりやすい場所です。ブラシをかけると、表面の毛並みが整い、次に着るときの見た目も変わります。

外に掛けておくあいだは、ボタンを上から2つほど留めておくと、前身頃が左右に開かず、肩から前にかけての形がそろったまま湿気が抜けます。ポケットに手袋やハンカチが入っていたら、このときに出してください。入れたままだと、ポケットの口がその形に伸び、コートを掛けたときに片側だけが下がって見えます。

翌朝もう一度着る予定なら、クローゼットに戻さずに、そのまま外に掛けておいてかまいません。ただし、同じコートを3日以上続けて着る場合は、1日だけほかのコートと交代させるか、少なくとも一晩はクローゼットの外でゆっくり休ませる時間をとってください。毎日着続けると、肩や肘に体の形が残りやすくなります。休ませる日をはさむと、生地がゆっくり元の形に戻ります。

クリーニングから戻ってきたコートにかかっている薄いビニールのカバーは、外してから収納してください。ビニールは湿気を閉じ込めやすく、クローゼットの中で長く被せたままにしておくと、においや変色の原因になることがあります。ほこりよけが必要なら、通気のよい布のカバーに替えます。

玄関に掛けるか、クローゼットに戻すか

毎日着るコートを、毎回クローゼットに出し入れするのは手間がかかります。玄関に掛ける場所があるなら、毎日着る1着だけは玄関に掛けておく、というのは理にかなった選び方です。

ただし、玄関に掛けるときにも、ハンガーを使ってください。コートの襟の内側にある掛け紐だけで吊るすと、重いコートは首まわりの一点に重さがかかり、襟ぐりが伸びたり、後ろの襟が下に引っ張られたりします。玄関のフックにハンガーごと掛けられるなら、それがいちばん安心です。

玄関に置くのは、毎日着る1着だけに絞ってください。2着、3着と増えると、重なり合って空気が通らず、玄関がコートで狭くなります。週に1〜2回しか着ないコートは、クローゼットに戻しましょう。

迷うのは、週に3〜4回着るコートです。この場合は、玄関に掛けるか、クローゼットの手前の取り出しやすい場所に置くかを、玄関の広さで決めてください。玄関に掛けたときにコートの裾が床から10cm以上離れていて、靴の出し入れの邪魔にならないなら玄関に。そうでなければ、クローゼットのいちばん手前に割り当てます。

玄関に掛けっぱなしのコートも、週に一度はブラシをかけて、一晩クローゼットに戻す日をつくってください。玄関は外の空気に近く、砂ぼこりもたまりやすい場所です。ずっと同じ場所に掛けておくと、片方の肩にだけ光が当たって、色が変わることもあります。

ダウン・中綿のコートは、ふくらみを守る

ダウンや中綿のコートは、ほかのコートと扱いが少し違います。大事なのは、ふくらみを守ることです。ふくらみが空気をためて暖かさをつくっているので、つぶれたままにしておくと、着たときの暖かさにも影響します。

着る季節のあいだは、ハンガーに掛けて、両隣と間隔をあけてください。表の通り、1着に12〜15cmを割り当てるのはそのためです。両隣のコートに押されてつぶれた状態が続くと、ふくらみがかたよって戻りにくくなります。

ダウンのコートは軽いので、ハンガーの肩の厚みはそれほど必要ありません。ただし、表地がつるつるしている場合が多いので、滑り止めのあるハンガーを使ってください。滑りやすいハンガーだと、気づかないうちに床に落ちていることがあります。

着ない季節に入るときは、ゆったりした箱に軽く畳んで入れてもかまいません。ただ、長いあいだ強く押しつぶしたままにすると、ふくらみが戻りにくくなることがあります。収納する前には、しっかり乾いていることを確かめ、箱の中に詰め込みすぎないようにしてください。次の季節に取り出したら、ハンガーに掛けて半日ほど置き、手で軽くたたいて空気を含ませてから着ます。

どちらとも取れるとき(1):厚みや肩幅が境目にある

測ってみると、厚みがちょうど3mmや6mmで、どちらの区分にも入りそうなコートが出てきます。肩幅も、手持ちのハンガー2本のちょうど間で、どちらに掛けるか迷うことがあります。

厚みが境目にあるときは、重さで決めてください。境目の厚みで、重さが1.5kgを超えるなら厚い側に、1kgに届かないなら薄い側に入れます。重いコートは、それだけハンガーの肩も厚くなり、場所を取るからです。重さも中くらいなら、表面の生地を見ます。毛足があって、押されると毛並みが寝てしまう生地なら厚い側、表面がつるっとして押されても跡が残りにくい生地なら薄い側です。

肩幅が2本のハンガーの間にあるときは、短いほうを選んでください。長すぎるハンガーは肩先の形を崩し、袖の付け根に跡を残しますが、少し短いハンガーなら、肩先が少し下がる程度で済みます。短いほうに掛けて肩先が垂れて見えるなら、肩の端に薄いタオルを1枚巻いて、厚みを足すと形が保てます。

重さが境目の1.5kg前後にあって、ハンガーの肩の厚みも迷う場合は、厚いほうを選んでください。肩の厚いハンガーに軽めのコートを掛けても、場所を少し多く取るだけで、コートが傷むことはありません。薄いハンガーに重めのコートを掛けると、肩に跡が残り、戻すのに手間がかかります。迷ったときは、取り返しがつきやすいほうを選ぶ、と覚えておくと判断が速くなります。

厚みも肩幅も境目で、しかもパイプの幅が足りない、ということもあります。その場合は、着る回数で決めてください。週に2回以上着るコートは、正しい幅とハンガーで手前に置き、月に数回しか着ないコートは、少し詰め気味に奥へ置きます。よく着るコートほど、出し入れのたびに擦れたり引っかかったりする回数が多いので、余裕を持たせる価値が高いからです。

境目のコートは、1週間ほどその場所とハンガーで掛けてみて、取り出したときの肩と前身頃の様子を見てください。肩に跡がなく、前身頃に縦の折り目がついていなければ、その割り当てで合っています。どちらかが出ていたら、もう一方の区分やハンガーに移します。

どちらとも取れるとき(2):肩が落ちた形、フード付き、長すぎる丈

肩の縫い目が腕の途中まで落ちているコートは、縫い目どうしの距離をそのまま肩幅にすると、ハンガーが長くなりすぎます。この形のコートは、平らに置いたときに、首の付け根から自然に下に折れ曲がる位置、つまり体の肩先が当たるあたりを左右で測ってください。その幅から2〜3cm短いハンガーを選びます。縫い目の位置にハンガーの端を合わせようとすると、袖が横に張り出して、隣のコートを押してしまいます。

フードの付いたコートは、フードの重さで後ろの襟が引っ張られます。とくに厚手のフードや、毛足のある飾りがついたフードは、ハンガーに掛けたまま垂らしておくと、首の後ろが下に伸びてきます。フードは、前に折り返してハンガーの上に乗せるか、軽く丸めてコートの内側に入れておくと、首まわりの形が保てます。

着丈が長くて、クローゼットのどこに掛けても裾が床やケースに触れてしまうコートは、いくつかの方法から選んでください。1つは、パイプの高い区画がある別のクローゼットに移すこと。2つ目は、裾から30cmほどを、ハンガーの下の横棒に一度だけ折り掛けること。折り目がつきにくいように、横棒に薄いタオルを巻いてから掛けます。3つ目は、玄関や寝室など、天井に近い高さのフックがある場所に掛けること。どの方法も、裾を床に触れさせないことがいちばんの目的です。

濡れた日のコートは、乾かしてから戻す

雨や雪の日に着たコートは、そのまま掛けておくだけでは乾きにくく、クローゼットに戻すと湿気をほかの服に移してしまいます。濡れた日は、収納の前に乾かす手順をはさんでください。

まず、玄関で表面の水気をタオルで押さえて吸い取ります。こすると表面の毛並みが乱れるので、押さえるだけにしてください。次に、肩の厚いハンガーに掛けて、形を整えます。濡れたコートは重くなっているので、薄いハンガーに掛けると、乾くまでのあいだに肩が伸びてしまいます。

干す場所は、風が通る室内の日陰です。暖房器具の真上や近くで急いで乾かすと、生地が縮んだり、硬くなったりすることがあります。時間はかかっても、自然に乾かすほうがコートの形は保たれます。

乾いたかどうかは、脇の下と、裾の折り返しの内側を触って確かめてください。この2か所は、表面が乾いてもいちばん最後まで湿っている場所です。両方が乾いていたら、ブラシをかけて、クローゼットの割り当てた場所に戻します。

秋から冬へ:場所を譲る順番を決めておく

コートの季節は、秋の薄手から始まり、冬の厚手へと移っていきます。そのあいだ、クローゼットの中のコートの並びも、少しずつ入れ替えていくと、毎朝取り出しやすくなります。

秋の初めは、薄手のコートを手前に、厚手とダウンを奥に置きます。朝晩が冷え込んで中厚のコートを着る日が増えてきたら、中厚を手前に移し、薄手を一つ奥に下げます。冬の盛りに厚手とダウンが中心になったら、それらを手前に、秋の薄手はいちばん奥か、別の場所に移します。

入れ替えの合図は、気温より、どのコートを手に取った回数で決めるのが簡単です。1週間のうち、同じコートを3回以上着たら、それを手前に移す。逆に、2週間手に取らなかったコートは、一つ奥に下げる。この決まりにしておくと、季節の移り変わりに合わせて、自然に並びが整っていきます。

奥に下げるときには、その場所に割り当てた幅が足りているかも確かめてください。手前は取り出しやすいように少し余裕を持たせ、奥は割り当てた幅ぎりぎりで並べても、出し入れの回数が少ないので問題ありません。

季節が終わってコートをしまうときは、ブラシをかけ、ポケットの中を空にし、汚れがあれば手入れをしてから、通気のよいカバーをかけて奥に移します。次の季節の初めに取り出したとき、すぐに着られる状態で迎えられます。

まとめ:今夜は1着だけ測って、掛け直す

コートの収納は、全部を一度に片付けようとすると大仕事になります。けれど、やることを分けると、1着ずつで進められます。厚みでパイプの幅を割り当て、肩幅でハンガーの幅を決め、重さでハンガーの肩の厚みを、着丈で下に置けるものを決める。

今夜やることは1つだけです。いちばん重くて、いちばん形を崩したくないコートを1着選び、厚み、肩幅、着丈、重さの4つを測ってメモしてください。そして、肩幅より2〜3cm短く、肩に厚みのあるハンガーに掛け直し、割り当てた幅を空けてパイプに戻します。

1着がきちんと掛かると、隣のコートとの間の詰まりも、取り出すときの引っかかりも減ります。翌朝その1着を手に取ったとき、肩の形がそのまま保たれていることを確かめられたら、次の1着に進んでください。全部のコートを掛け直し終わるころには、クローゼットの前で迷う時間も、コートを着たときの肩の落ち着かなさも、ずいぶん小さくなっているはずです。

よくある問い

Q. コートはクローゼットに何着まで掛けられますか
着数ではなく幅で考えてください。薄手は1着4〜5cm、ウールの中厚から厚手は7〜8cm、ダウンや中綿は12〜15cmが目安です。手持ちのコートの幅を足して、コートに使えるパイプの長さに収まるかを確かめます。収まらない分は、玄関や別の場所に回すか、季節の前後で入れ替えます。
Q. コートの肩にハンガーの跡がついてしまいます
ハンガーの幅が肩幅より長すぎるか、肩の部分が薄すぎることが多いです。ハンガーの端が、コートの肩の縫い目より少し内側で止まる幅を選び、重いコートには肩に厚みのあるハンガーを使ってください。跡がついてしまった場合は、正しいハンガーに掛け替えて、蒸気を軽く当ててから一晩置くと戻りやすくなります。
Q. ダウンコートは畳んで収納してもいいですか
着る季節のあいだは、ふくらみを保つために、間隔をあけて掛けておくのがおすすめです。着ない季節に入るときは、ゆったりした箱に軽く畳んで入れてもかまいません。ただ、長いあいだ強く押しつぶしたままにすると、ふくらみが戻りにくくなることがあるので、詰め込みすぎないようにしてください。
Q. 玄関にコートを掛けっぱなしにしてもいいですか
毎日着る1着なら、玄関に掛けておくのは理にかなっています。ただし、襟の内側の掛け紐だけで吊るすと、重いコートは首まわりが伸びやすくなります。玄関でもハンガーに掛け、週に一度はブラシをかけて、クローゼットに戻す日をつくってください。

— メグラシ編集部

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