クローゼット収納キャスター付き|引き出す床の幅と中身の重さで選ぶ

**キャスター付きの収納を入れていいのは、扉の下に段差がなく、引き出す床が奥行きより10cm以上広く取れるクローゼットです。**そのうえで、中に入れる服を詰めた状態で、片手で引いて動くこと。この3つがそろわないなら、キャスターはむしろ邪魔になります。
キャスター付きの収納は、クローゼットの奥のものを手前に引き出せるのが一番の良さです。奥行きのある押し入れ型のクローゼットや、下段に手が届きにくい棚では、とても役に立ちます。けれど、置いたあとで「引っかかって出てこない」「重くて動かない」「出したら部屋の通り道をふさぐ」と困る人も少なくありません。
この記事では、キャスター付きを選ぶかどうか、選ぶならどんな大きさにするかを、自分のクローゼットを測って決められるように書いています。カバンの置き方はクローゼットのカバン収納で別にまとめているので、ここでは服を入れる箱と台に絞ります。
結論:キャスター付きにするかは、3つの寸法で決まる
キャスター付きにするか、置くだけの収納にするかは、好みではなく、クローゼットの寸法で決まります。
| 確かめること | キャスター付きが向く | 置くだけの方が向く |
|---|---|---|
| 扉の下の段差・レール | 段差がない、または5mm未満 | 1cm以上の敷居やレールがある |
| 引き出す前の床の幅 | 本体の奥行き+10cm以上 | 奥行きぎりぎりしか取れない |
| 中身を入れた重さ | 片手で引いて動く | 両手で押さないと動かない |
| 引き出す回数 | 週に2回以上 | 衣替えの年2回だけ |
この表は、4つ全部がそろわないとだめ、という表ではありません。左の列に当てはまるものが多いほど、キャスターが役に立ちます。右の列が2つ以上あるなら、キャスターは付けない方が、入る量も使い勝手も上になることが多いです。
測る1|扉の下の段差とレールを、指でなぞって確かめる
最初に確かめるのは、クローゼットの扉の下です。キャスター付きの収納がつまずくのは、ほとんどの場合、ここです。
折れ戸や引き戸のクローゼットには、床に敷居やレールがついていることがあります。高さは数ミリのこともあれば、1cmを超えることもあります。キャスターの小さな車輪は、この段差を乗り越えられません。乗り越えられても、重い中身を入れていると、そのたびにがたんと衝撃がかかって、中の服が崩れます。
確かめ方は簡単です。扉を開けて、床の敷居を指でなぞってください。指先に引っかかる段差があるなら、定規を当てて高さを測ります。
- 段差がない、または5mm未満なら、車輪の大きさを問わずほぼ問題ない
- 5mmから1cmなら、車輪が大きめのものを選ぶか、収納を敷居の内側だけで動かす
- 1cm以上なら、敷居をまたいで引き出すのはあきらめて、敷居の内側に収まる使い方にする
段差があっても、キャスター付きが使えないわけではありません。敷居の内側で、左右に動かすだけの使い方もあります。奥行きは浅くてもいいので、横に滑らせて奥の棚に手を届かせる。そういう使い方なら、段差は関係ありません。
扉の開き方でも、引き出せる範囲が変わる
折れ戸は、開くと扉そのものが手前にたたまれて、床の一部を占めます。そのたたまれた扉の分だけ、引き出せる幅が狭くなります。引き戸は扉が横に動くので床をふさぎませんが、片側ずつしか開かないため、収納を引き出せるのは開いている側だけです。開き戸は、扉の前に扉の幅だけの空きが必要です。
自分のクローゼットの扉がどれかを確かめて、扉を開けた状態で、収納を引き出す場所がどこになるかを先に決めておいてください。扉を全開にしないと引き出せない場所に置くと、毎回の出し入れが面倒になって、結局動かさなくなります。
段差を測るときに、もう一つ見ておくこと
敷居の高さと一緒に、敷居の奥側と手前側で床の高さが同じかどうかも見てください。古い家や、あとからクローゼットを作り付けた部屋では、クローゼットの中の床が部屋の床より少し高かったり、低かったりすることがあります。敷居そのものは低くても、内と外で床の高さがずれていると、引き出すたびに車輪がその差を越えることになります。
確かめるには、敷居をまたぐように定規を床に置いて、両端が浮いていないかを見ます。どちらか片方が浮いているなら、床の高さがずれています。そのずれも、敷居の段差と同じように扱ってください。合わせて1cmを超えるなら、敷居の内側だけで動かす使い方を選んだ方が、中の服も床も傷めずに済みます。
測る2|引き出す前の床に、奥行き+10cmの平らな幅があるか
次に測るのは、クローゼットの前の床です。キャスター付きの収納を手前に引き出すには、本体の奥行きの分だけ、前に空きが必要です。それに加えて、引き出した収納の前に自分が立って、中をのぞき込むための幅がいります。
目安は、本体の奥行きに10cmを足した幅です。奥行き40cmの収納なら、クローゼットの前に50cm以上の平らな床が要ります。
ここで気をつけたいのは、「平らな」床であることです。クローゼットの前に敷物を敷いていると、キャスターがそこで止まります。厚手の敷物や毛足の長いものは、車輪が沈んで動かなくなります。ベッドや机の脚が近くにあると、引き出したときにぶつかります。
確かめ方は、クローゼットの扉を開けて、床にメジャーを伸ばしてみることです。奥行きの分だけ伸ばして、さらに10cm伸ばす。その範囲に何も置かれていなければ、引き出せます。何かがあるなら、それをずらせるかどうかを考えます。
床が狭いときは、引き出す長さを短くする
床の幅が足りないときは、奥行きの浅い収納を選ぶ方法があります。奥行き40cmの箱が入らなくても、30cmの箱なら引き出せることがあります。ただし、奥行きが浅くなると、クローゼットの奥に空きができます。その空きは、季節外の服を入れた箱を奥に置き、手前にキャスター付きの浅い箱を置く、という二重の使い方で埋めることができます。
手前の浅い箱は毎日使うもの、奥の箱は季節の変わり目にだけ出すもの、と分けておけば、手前だけを引き出すことになるので、床の幅は浅い箱の分だけで足ります。
測る3|上の空きと、掛けた服の裾までの距離
クローゼットの下段にキャスター付きの収納を置くなら、上の空きも測ってください。ハンガーパイプに服を掛けているクローゼットでは、掛けた服の裾が、下に置いた収納の上に垂れ下がってきます。
キャスターを付けると、その分だけ収納の高さが上がります。車輪の高さは数センチですが、裾との距離がぎりぎりのときは、その数センチが効いてきます。収納を引き出すたびに、上の服の裾が引っかかってずれる。それが続くと、服の裾にしわや汚れがつきます。
測り方は、いちばん丈の長い服を掛けた状態で、その裾から床までの高さを測ることです。その高さから5cm引いた数字が、下に置ける収納の高さの上限です。
秋冬は、丈の長いコートやワンピースが掛かる季節です。夏の間は問題なかった高さが、衣替えのあとで足りなくなることがあります。収納を選ぶときは、いちばん長いコートを掛けた状態で測ってください。
長い服がある側と、短い服がある側に分ける
上の空きが足りないときは、ハンガーパイプの左右で、長い服と短い服を分けて掛けるのが効きます。長いコートやワンピースは片側に寄せ、シャツや短い上着をもう片側に寄せる。短い服の下には空きができるので、そこにキャスター付きの収納を置きます。
この分け方をすると、キャスター付きの収納は、短い服の側の幅だけに収まる大きさになります。幅を測るときは、パイプ全体ではなく、短い服が掛かる範囲の幅で測ってください。部屋全体の収納の組み方は、部屋をクローゼットにするときの壁の幅の考え方も参考になります。
中身の重さ|秋冬の服は、同じ箱でも重さが倍近くになる
キャスター付きの収納でいちばん見落とされやすいのが、中身の重さです。売り場や届いたばかりのときに空の状態で押すと、驚くほど軽く動きます。けれど、服を詰めたあとでは、まったく別のものになります。
とくに秋冬の服は重くなります。厚手のニット、裏地のある上着、起毛のパンツ。たたむと小さくまとまっても、重さは薄手の服の倍近くになることがあります。夏服を入れていたときは軽く動いていた箱が、衣替えで秋冬の服に入れ替えたとたんに動かなくなる。これはとても多い失敗です。
確かめ方は、入れたい服を紙袋に詰めて、体重計で量ることです。自分が体重計に乗って数字を見て、次に紙袋を持って乗って、差を見ます。その重さが、箱1つに入る重さです。
量るのが面倒なら、目安として、厚手のニットを5枚たたんで重ねたものを片手で持ち上げてみてください。それが、箱の中の1段分くらいの重さです。段が2つ3つと重なれば、その分だけ重くなります。片手で持ち上げるのがつらいと感じる重さを、何段も重ねて転がすことになる。そう考えると、深い箱に秋冬の服を詰めこむと、どれだけ重くなるかが想像しやすくなります。
そのうえで、収納の表示にある耐荷重と比べます。表示の重さぎりぎりまで詰めると、キャスターは急に回りにくくなります。表示の7割くらいまでに抑えておくと、片手で動かせる重さに収まりやすくなります。
片手で引いて動くかが、本当の判定
数字よりも確かなのは、中身を詰めた状態で、実際に片手で引いてみることです。引き出すときは、たいてい片手で取っ手を持ち、もう片方の手で扉を押さえるか、服を取り出します。片手で引いて動かない収納は、毎日の出し入れで使われなくなります。
もう一つ試してほしいのは、引き出したあとに押し戻すときの重さです。引くときは体重をかけて後ろに下がれるので、案外動きます。けれど押し戻すときは、かがんだ姿勢で前に押すことになるので、同じ重さでもずっと重く感じます。引いて動いても、押し戻すのがつらいなら、その重さは毎日続けるには重すぎます。引くと戻すの両方を、片手で無理なくできるかどうか。そこまで確かめておくと、置いたあとで使わなくなることはほとんどありません。
片手で動かないときは、次の順番で見直してください。
- 重いものを下の段に移す。上の段が重いと、引いたときに前に傾きやすい
- 中身を減らして、別の箱に分ける
- 箱を浅いものに替えて、2台に分ける
いちばん効くのは3番目です。深い箱1つに詰めるより、浅い箱2つに分けた方が、1台あたりが軽くなって、どちらも片手で動くようになります。取り出すときも、上から全部をかき分けずに済みます。
キャスターの大きさと床の材質で、動き方が変わる
同じ重さでも、キャスターの大きさと床の材質によって、動き方はずいぶん変わります。
車輪が大きいほど、段差や敷物の上を乗り越えやすくなります。小さい車輪は高さを取らない代わりに、わずかな段差や、床の継ぎ目でも引っかかります。クローゼットの下段で、高さに余裕がないときは小さい車輪を選びたくなりますが、引っかかりやすさも一緒に考えてください。
床の材質ごとの目安は、次の通りです。
- フローリング:よく動く。ただし硬い車輪で重いまま転がすと、跡が残ることがある
- 畳:車輪が沈んで動きにくい。目に沿って動かすと少しましになるが、跡がつきやすい
- 毛足の短い敷物:動くが、重くなると沈む
- 毛足の長い敷物:ほとんど動かない
押し入れ型のクローゼットで、床が板張りなら問題ありません。和室の押し入れで中に畳やござが敷いてあるときは、キャスターはあまり向きません。
床に板を1枚敷いて、動く範囲を決める
床の材質が合わないときや、傷が心配なときは、収納の下に薄い板を1枚敷く方法があります。板の上だけで動かすようにすれば、畳でも敷物の上でも、車輪が沈まずに動きます。
板の大きさは、収納を引き出したときに車輪が乗る範囲だけで足ります。奥行きの分と、引き出す長さの分。それより大きい板を敷くと、今度は板そのものが通り道の段差になります。板の端は、つまずかないように壁際かクローゼットの内側に寄せてください。
ストッパーの位置と数で、止まり方が変わる
キャスターには、車輪を止めるストッパーがついているものと、ついていないものがあります。クローゼットの中で使うなら、ストッパーはあった方が安心です。引き出しを開けたときに、本体ごと手前に動いてしまうのを防げるからです。
ストッパーの数は、4つの車輪のうち2つについているものが多くあります。このとき、ストッパーが前の2つにあるか、後ろの2つにあるかで、使い勝手が変わります。
- 前の2つにある:手前でかがんでストッパーをかけやすい。引き出した状態で止めておける
- 後ろの2つにある:奥に押し込んだ状態で止めやすいが、引き出したときにかけにくい
クローゼットの中で引き出して使うなら、前にストッパーがある方が扱いやすくなります。
ストッパーがないものでも、引き出しのない棚型や、上から開けるふた付きの箱なら、本体が動いて困ることはあまりありません。引き出し式の収納を選ぶときだけ、ストッパーの有無を確かめてください。
ストッパーをかける習慣が続くかどうか
ストッパーは、ついていても使わなければ意味がありません。かがんで足元の小さなレバーを押すのは、毎回となると意外に面倒です。引き出すたびにストッパーを外し、戻すたびにかける。それが続かないなら、ストッパーに頼らない置き方を考えた方が現実的です。
たとえば、収納の奥を壁やクローゼットの奥の板に当てておけば、押し込んだ状態で後ろには動きません。引き出しを開けるときに本体が前に出てくるなら、引き出しを開ける前に、もう片方の手で本体の上を軽く押さえる。それだけでも、本体ごと動くのは防げます。ストッパーをかける手間と、押さえる手間のどちらが自分に続くかで選んでください。
どちらとも取れるとき①|賃貸で、床の傷が心配
賃貸の部屋で、退去のときに床の傷を指摘されないか心配だという相談はよくあります。キャスター付きは便利だけれど、傷が怖くて決められない。
この場合は、傷がつく条件を減らすことから考えます。傷がつきやすいのは、硬い車輪で、重い中身のまま、同じ場所を何度も転がしたときです。逆に言えば、この3つのどれかを外せば、傷はかなり減らせます。
- 車輪の素材が柔らかいものを選ぶ
- 中身を詰めすぎない
- 床に板か敷物を1枚敷いて、その上だけで動かす
いちばん確実なのは、3つ目です。板か敷物を敷けば、車輪が床に直接触れないので、傷の心配はほとんどなくなります。動く範囲も決まるので、思わぬところまで転がって跡がつくこともありません。
それでも心配が残るなら、キャスターを付けない収納を選んで、手前に置く箱を軽いものにする方法もあります。軽い箱なら、両手で持ち上げて出し入れしても負担になりません。キャスターの便利さと、傷の心配のどちらを重く見るかは、引き出す回数で決めてください。週に何度も引き出すなら、板を敷いてキャスターを使う。月に一度くらいなら、キャスターなしで十分です。
どちらとも取れるとき②|奥行きは足りないが、奥のものを取りたい
クローゼットは奥行きがあるのに、前の床が狭くて、奥行きいっぱいの収納を引き出せない。けれど、奥に置いたものは取り出したい。この組み合わせで迷う人も多くいます。
この場合は、奥行きを2つに分けます。クローゼットの奥行きが60cmで、前の床が40cmしか取れないなら、奥に奥行き30cmの置くだけの箱を、手前に奥行き30cmのキャスター付きの箱を置きます。手前の箱を引き出せば、奥の箱に手が届くようになります。
このとき大事なのは、奥の箱と手前の箱で、入れるものを分けることです。
- 手前のキャスター付き:今の季節によく着るもの。週に何度も出し入れするもの
- 奥の置くだけの箱:季節外の服、年に数回しか使わないもの
秋冬なら、手前にはよく着るニットや厚手のインナー、奥には春夏の薄手の服を入れます。衣替えのときに、手前と奥の中身を入れ替えるだけで済みます。
手前の箱を引き出したときに、奥の箱のふたが開けられるかも確かめてください。奥の箱が上から開けるふた付きなら、手前の箱を出したあとの空きで、ふたを持ち上げられる高さがあるかどうか。引き出し式なら、手前の箱を出したあとに、奥の引き出しを開ける奥行きが残るかどうか。ここまで確かめておくと、置いてから困ることがなくなります。
どちらとも取れるとき③|衣替えのときしか動かさない
キャスター付きは便利そうだけれど、よく考えると、収納を動かすのは衣替えのときくらい。そういう人も少なくありません。
引き出す回数が年に数回なら、キャスターは要らないことが多いです。理由は2つあります。1つは、キャスターの分だけ高さを取られて、中に入る量が減ること。もう1つは、キャスター付きは本体が動きやすいので、引き出しを開けるたびに本体ごと揺れて、かえって使いにくいことがあるからです。
ただし、次のどれかに当てはまるなら、年に数回しか動かさなくても、キャスターがあった方が楽です。
- 収納の奥に、掃除のときに手を入れたい
- クローゼットの奥に、季節外の服をしまった箱がある
- 中身を詰めると重く、持ち上げて動かすのがつらい
とくに3つ目は、年齢や体の状態によって変わります。重い箱を持ち上げて動かすのがつらいなら、回数が少なくても、キャスターの価値は大きくなります。
迷ったら、1週間だけ、収納を引き出した回数を数えてみてください。毎日服を取り出すたびに引き出しているなら、それは「動かしている」に入ります。引き出し式の収納の引き出しだけを開けているなら、本体は動かしていないので、キャスターは要りません。
すでにキャスター付きを持っているとき
手元にキャスター付きの収納があって、あまり動かしていないと気づいたときも、すぐに手放す必要はありません。キャスターが外せるものなら外して、置くだけの収納として使えます。高さが数センチ下がるので、上に掛けた服の裾との距離にも余裕が生まれます。
外せないものなら、クローゼットの中ではなく、季節外の服の箱を置く場所や、掃除のときに動かしたい場所に移すのも一つの手です。動かす回数が少なくても、動かすときに重いものほど、キャスターの価値は大きくなります。クローゼットの中で使うか、別の場所で使うか、引き出す回数と中身の重さを見て、置き場所を選び直してください。
何を入れるか|重いものは下、よく使うものは手前の上
キャスター付きの収納に何を入れるかで、動きやすさも使いやすさも変わります。
基本は、重いものを下、軽いものを上です。上の段が重いと、引いたときに重心が高くなって、前に傾きやすくなります。とくに引き出し式で、上の引き出しだけを開けたときに、本体が前に倒れてくることがあります。
秋冬の服で言えば、下の段には厚手のニットや起毛のパンツ、上の段にはインナーや薄手のシャツを入れます。マフラーや手袋のような小物は、軽いので上の段の手前に入れると、出かける前にすぐ取り出せます。
もう一つは、よく使うものほど手前に入れることです。キャスター付きの収納は、引き出せば奥まで見えるとはいえ、毎回いちばん奥まで引き出すのは手間です。週に何度も使うものは手前、たまにしか使わないものは奥。これを決めておくと、半分だけ引き出して用が済むことが増えて、床の幅も少なくて済みます。
服の入れ方で、重さと取り出しやすさが変わる
服を寝かせて重ねていくと、下の服を取り出すたびに上の服を全部持ち上げることになります。キャスター付きの収納でも、取り出すのが面倒になれば、結局開けなくなります。
深めの箱なら、服を丸めるか、立てるようにたたんで並べると、上から見て全部が見えます。取り出すときも、1枚だけを抜けます。重さも、箱の底に均等にかかるので、片側だけが重くなって傾くことが減ります。
立てて並べるときは、箱の幅いっぱいまで詰めずに、手のひら1枚ぶんの隙間を残しておいてください。隙間がないと、1枚抜くたびに両隣の服が一緒に引っぱられて、並びが崩れます。隙間があれば、指を入れて1枚だけをつまみ出せます。秋冬の厚手の服は、たたんだときの厚みが薄手の服の倍以上になることもあるので、夏と同じ枚数を同じ箱に入れようとすると、まず隙間がなくなります。衣替えのときは、入れる枚数を夏より減らす前提で、箱の数を考えておくと慌てずに済みます。
入れ終わったら、箱の中を上から1枚写真に撮っておくのもおすすめです。何がどこにあるかを覚えておかなくても、写真を見れば、どの箱を引き出せばいいかがすぐにわかります。引き出す回数そのものが減るので、キャスターの負担も、床の傷の心配も、少しずつ小さくなっていきます。
クローゼットがない部屋で使うとき
クローゼットのない部屋でも、キャスター付きの収納は役に立ちます。むしろ、部屋に直接置く場合の方が、キャスターの良さが出ることもあります。掃除のたびに動かして、裏や下のほこりを取れるからです。
ただし、部屋に置く場合は、クローゼットの中に置くときとは別に、次のことを確かめてください。
- 壁際に寄せたときに、通り道をふさがないか
- 引き出したときに、ベッドや机とぶつからないか
- ストッパーをかけて、床の上で勝手に動かないか
部屋に置くと、収納は目に入ります。中身が見えるものを選ぶと、部屋が散らかって見えやすくなります。中が見えない箱を選ぶか、上に布を1枚かけるだけでも、部屋の印象は落ち着きます。
部屋に直接置く場合は、日の当たり方も見ておいてください。窓の近くに置くと、日が当たる面だけ色があせたり、中の服が暖まったりします。秋冬は日が低く、部屋の奥まで光が差し込むので、夏には日が当たらなかった場所でも当たるようになることがあります。窓から少し離れた壁際か、日が直接当たらない場所を選ぶと、収納も中の服も長持ちします。クローゼットのない部屋全体の収納の考え方は、クローゼットの下の空間を使う収納も合わせて読んでみてください。
置いてから2週間で確かめること
キャスター付きの収納を置いたら、2週間、ふだん通りに使ってみてください。そのうえで、次のことを確かめます。
- 片手で引き出せているか。両手が要る日が続くなら、中身が重すぎる
- 扉を開けたときに、収納が扉に当たっていないか
- 上に掛けた服の裾が、収納に引っかかっていないか
- 床に跡がついていないか
- 何回引き出したか
最後の回数は、とても大事です。2週間で数回しか引き出していないなら、キャスターは要らなかったのかもしれません。その場合は、キャスターを外して高さを下げるか、置き場所を、もっと奥の季節外の服の場所に移します。
反対に、毎日のように引き出しているなら、キャスター付きにしてよかったということです。そのときは、中身の入れ方を見直して、半分だけ引き出せば用が済むように並べ替えると、もっと楽になります。
秋から冬への衣替えのあとは、とくに重さを確かめてください。夏服のときに軽く動いていた収納でも、秋冬の服に入れ替えると、急に重くなります。衣替えのたびに、片手で動くかどうかをもう一度確かめる。それだけで、動かない収納を抱えてしまうことは防げます。
確かめた結果は、収納の内側にメモを1枚貼っておくと、次の衣替えのときに役立ちます。中身を入れた重さ、片手で動いたかどうか、床に跡がついたかどうか。半年たつと、こうしたことはたいてい忘れてしまいます。前の季節の記録が残っていれば、次に何を入れて、何を別の箱に分ければいいかを、迷わずに決められます。
まとめ
キャスター付きの収納をクローゼットに入れるかどうかは、次の順番で決めます。
- 扉の下の段差を指でなぞって測る。1cm以上なら、敷居の内側だけで使う
- 引き出す前の床に、本体の奥行き+10cmの平らな幅があるかを測る
- いちばん長い服を掛けた状態で、裾から床までの高さを測る。そこから5cm引いた高さが上限
- 入れたい服を紙袋に詰めて量り、耐荷重の7割くらいまでに抑える
- 中身を詰めた状態で、片手で引いて動くかを確かめる
- 週に何回引き出すかを数えて、年に数回ならキャスターなしも考える
キャスター付きは、合う場所に置けば、クローゼットの奥まで使えるようにしてくれます。合わない場所に置くと、ただ高さを取る箱になります。買う前に、自分のクローゼットを3か所だけ測ってみてください。
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よくある問い
- Q. キャスター付きの収納は、クローゼットの中で本当に便利ですか
- 週に何度も引き出して奥のものを取るなら、便利です。奥行きのあるクローゼットの下段で、手前に引き出せば奥まで手が届くようになるからです。反対に、衣替えのときに年2回しか動かさないなら、キャスターの分だけ高さを取られ、入る量が減るので、無い方が向いていることもあります。
- Q. 賃貸で床に傷がつかないか心配です
- 床の材質と、キャスターの車輪の素材の組み合わせで傷のつきやすさが変わります。硬い車輪をフローリングの上で重いまま転がすと、跡が残りやすくなります。心配なときは、収納の下に薄い板か敷物を1枚敷いて、その上だけで動かすようにしてください。動く範囲が決まるので、傷がつく場所も限られます。
- Q. 重くなって動かなくなりました。どうすればいいですか
- 中身を半分出して、重いものを下の段か別の箱に移してください。キャスターは、重さの限界に近づくと急に回りにくくなります。秋冬のニットや厚手の上着は、たたむと小さくても重さがあるので、1つの箱に詰めすぎないことが大事です。それでも重いときは、箱を浅いものに替えて2台に分けると、1台あたりが軽くなります。
- Q. クローゼットがない部屋でも使えますか
- 使えます。むしろクローゼットがない部屋では、掃除のたびに動かせるキャスター付きが役に立ちます。ただし、部屋に置くと目に入るので、引き出す床の幅に加えて、壁際に寄せたときに通り道をふさがないかも確かめてください。
— メグラシ編集部





