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部屋をクローゼットにする|壁の幅で、I型・二列・L型を決める

メグラシ編集部//読了 14分
部屋の壁に沿って付けた木のパイプで、コートとカーディガンのハンガーを手でずらす女性の横顔と手元

**衣装部屋にしたい部屋の、壁から壁までの内側の幅を、いま測ってみてください。**ラックや棚を選ぶのは、その数字が出てからです。

部屋をクローゼットにするとき、多くの人は先にラックを買います。けれど、ラックが入るかどうかと、ラックを置いたあとに人が通れるかどうかは別の話です。**掛ける側に60cm、畳む側に40cm、人が通るのに60cm。**この3つの数字を部屋の幅から引いて、残りがあるかどうかで、置き方の型は自動的に決まります。

部屋の中に服を置ける壁を1面に絞る方法はクローゼットがない部屋|服を置ける壁は、4つの条件で1面に絞れるに、もともとあるウォークインクローゼットの中を整える方法はウォークインクローゼット収納|先に測るのは奥行き、次に手が届く帯にまとめてあります。この記事は、空いている部屋を1つ丸ごと、あるいは半分を衣装部屋にする場合の、型の決め方を扱います。

結論:部屋の幅から「60cm」を何回引けるかで、置き方が決まる

あなたの部屋に入る置き方の型は、内側の幅でほぼ決まります。

幅が170cmに届かない部屋は、片側の壁だけに服を掛けるI型になります。190cm以上あれば、両側の壁に掛ける二列が入ります。そのあいだの170〜190cmは、片側を掛ける列、反対側を浅い棚にする組み方です。さらに奥の壁にも余裕があれば、角を使うL型や、三方を使うコの字型が候補に入ります。

二列の最小は180cmです。これは、掛ける列60cm、通路60cm、もう1つの掛ける列60cmを足したものです。ただし、通路が60cmぎりぎりだと、しゃがむたびに背中が反対側の服に当たります。そのため、二列を勧めるのは10cmの余裕を足した190cmからにしています。掛ける列の60cmは、ハンガーにかけた服の肩幅に、前後の余裕を足した奥行きです。通路の60cmは、人が1人、横向きにならずに歩ける最小の幅です。

この3つの数字を覚えておけば、部屋の幅を測った時点で、何が入るかがわかります。ラックや棚を選ぶのは、型が決まってからにしてください。型を決める前に棚を買うと、棚の奥行きに合わせて通路が削られ、使いにくい部屋になります。

先に測るのは3つ:内側の幅・奥行き・窓とドアの位置

測るのは、部屋の内側の幅、奥行き、そして窓とドアの位置の3つです。

内側の幅は、壁の表面から反対側の壁の表面までを、床から1mほどの高さで測ります。床の近くは巾木という出っ張りがあり、数センチ短く出ることがあるからです。天井近くも、エアコンや照明の出っ張りで測りにくいので、腰の高さで測るのがいちばん正確です。

奥行きは、ドアのある壁から、向かいの壁までです。L型やコの字型を考えるときに使います。

窓とドアは、位置と大きさを測ります。窓は床からの高さと幅、ドアは開いたときに部屋の内側へどこまで入ってくるか。ドアが内開きなら、ドアの幅のぶんの扇形の範囲には何も置けません。

測った数字は、方眼紙か、ノートに簡単な四角を描いて書き込んでください。部屋を上から見た図に、窓とドアの位置を書き入れるだけで、使える壁と使えない壁がひと目でわかります。

「何畳」より、実際の内側の幅で考える

部屋の広さを畳の数で考えると、型の判断を間違えやすくなります。同じ4.5畳でも、建物によって畳の大きさが違い、内側の幅が20cm近く変わることがあるからです。20cmの差は、通路が通るか通らないかを分ける差です。

必ず、メジャーで実際の内側の幅を測ってください。

図には、コンセントと照明の位置も描き込む

幅と窓とドアを描いたら、コンセントと天井の照明の位置も書き足してください。どちらも、あとから動かしにくいものです。

コンセントの前にラックを置くと、除湿機やアイロンを使うたびに、服をよけてプラグを差すことになります。衣装部屋では、除湿機を使う日がとくに秋冬に増えるので、コンセントが1つは通路側から手の届く位置に残るように、列の位置を決めます。

照明は、天井の真ん中に1つだけという部屋が多くあります。この場合、壁際に掛けた服には自分の体の影が落ち、色が見分けにくくなります。紺と黒、濃いグレーと黒のように、似た暗い色の服を選び分けるのが難しくなるので、掛ける列の上に小さな照明を足すか、色を確かめるときだけ窓の近くへ持っていく、と決めておいてください。窓のそばに服を持っていって確かめる場所を作るなら、その前は何も置かずに空けておきます。

掛ける側60cm、畳む側40cm、通路60cm──この3つの数字

型を決める3つの数字を、もう少し詳しく見ておきます。

掛ける側の60cmは、ハンガーにかけた服が壁に当たらず、前に出すぎない奥行きです。シャツやブラウスなら55cmでも収まりますが、秋冬のコートやニットを肩の厚いハンガーにかけると、60cmは必要になります。

畳む側の40cmは、たたんだ服を棚や引き出しに入れるときの奥行きです。ニットやカットソーをたたむと、おおむね幅30cm前後、奥行き25〜30cmになります。40cmあれば、手前に指を入れる余裕が残ります。

通路の60cmは最小の幅です。服を選びながら歩くだけなら60cmで足りますが、しゃがんで下の段を見る、引き出しを手前に引く、という動きが入るなら75cmはほしいところです。引き出しを引いたうえで、その前に人がしゃがむなら90cm近く必要になります。

部屋の内側の幅入る型残る通路
120〜170cmI型(片側だけ掛ける)60〜110cm
170〜190cm片側を掛ける・片側を畳む70〜90cm
190〜240cm二列(両側に掛ける)70〜120cm
240cm以上二列+奥の壁(L型・コの字)奥の壁に何を置くかで決まる

表は、幅ごとにどの型が候補になるかの軸です。実際には、窓とドアの位置で使える壁が減るので、ここから外れる部屋も多くあります。その判断は、次の節から順に書きます。

幅が170cmに届かないなら片側だけ(I型)

内側の幅が170cmに届かない部屋は、片側の壁だけに服を掛けてください。両側に掛ける列を作ると、通路が50cmを切り、服を選ぶたびに反対側の服に体が当たります。

I型は、1列なので服の総量は限られますが、そのぶん通路が広く、着替えの場所としても使えます。掛ける列の反対側の壁には、奥行きの浅い鏡や、脱いだ服を一時的に掛けるフックを付けると、部屋の使い勝手が上がります。

どちらの壁を掛ける側にするかは、窓とドアで決まります。窓のある壁は日焼けの心配があるので、掛ける側にはしません。ドアの開く範囲がかかる壁も、ドアに服が当たるので避けます。残った壁が1面しかなければ、迷う必要はありません。

使える壁が2面残ったら、ドアから見て奥の壁を選ぶ

窓とドアを外しても、掛けられる壁が2面残ることがあります。そのときは、ドアから入って正面か、奥に向かって伸びる壁を選んでください。

ドアのすぐ横の壁に服を掛けると、部屋に入った瞬間に服が目の前に迫り、出入りのたびに肩や鞄が服に触れます。奥に向かって伸びる壁なら、入ったあとに服の列を横に見ながら歩けるので、全体を見渡しやすくなります。服を見渡せることは、衣装部屋にしたいちばんの理由のはずなので、ここは優先して選んでください。

幅が190cm以上なら両側(二列)

内側の幅が190cm以上あれば、両側の壁に服を掛ける二列が入ります。60cm+60cm+60cmで180cmなので、190cmあれば通路は70cmになり、しゃがむ動きも無理なくできます。

二列の部屋では、片側を上着とパンツ、反対側をシャツやブラウスやワンピースのように、丈で分けると使いやすくなります。丈の長い服をまとめた側は、下に箱を置けないので、パイプの高さを上げて長い服専用にします。丈の短い服の側は、パイプを2段にするか、下に引き出しを置けます。

2人で1部屋を使うなら、1人1列に分けるのがいちばん簡単です。取り違えがなくなり、それぞれが自分の列だけを整えればよくなります。

二列の通路の突き当たりに何を置くか

二列にすると、通路の突き当たり、つまり奥の壁の前に、通路と同じ幅の空間が残ります。ここに服を掛けると角ができるので、服ではなく、全身が映る鏡か、低い棚を置いてください。

鏡を置くと、部屋に入ってまっすぐ進んだ先で、選んだ服を合わせて確かめられます。着替える場所と確かめる場所が同じ部屋にそろうので、服を持って別の部屋の鏡まで往復しなくて済みます。低い棚を置くなら、高さは腰より下に抑えてください。腰より高い棚を突き当たりに置くと、部屋が奥で行き止まりのように見え、狭く感じます。

幅が240cmを超えるならL型かコの字、角は箱の場所

内側の幅が240cmを超え、奥の壁にも余裕があるなら、奥の壁にも服を置くL型やコの字型が候補に入ります。

ここで注意したいのが、2つの列がぶつかる角です。掛ける列どうしが角で交わると、60cm×60cmの四角い範囲に、どちらの列からも手が届かない場所ができます。ここに服を掛けると、取り出すたびに手前の服をよけなければならず、結局使わなくなります。

角の60cm四方は、服を掛ける場所ではなく、箱や季節の小物を置く場所と割り切ってください。下に季節外の箱を積み、上には帽子やバッグを置くと、角の空間を無駄にせずに済みます。

コの字型は、三方を囲むぶん服の量は増えますが、角が2つできます。服の量が二列で足りるなら、無理にコの字にせず、奥の壁は鏡や棚にして、掛ける列は二列に留めるほうが使いやすくなります。

角に箱を積むときの高さと、中身の決め方

L型やコの字型で生まれた角には箱を置くと書きましたが、積み方にも決まりを作っておくと、角が物置きになるのを防げます。

箱は、自分の胸の高さまでに抑えてください。それより高く積むと、下の箱を出すたびに上の箱を全部降ろすことになり、結局どの箱も開けなくなります。胸の高さまでなら、上の箱を1つ横に置くだけで下の箱に手が届きます。

中身は、季節外の服か、年に数回しか使わない礼服や小物に限ります。ふだん使うものを角に入れると、毎回箱を動かすことになるからです。箱の側面には、中身を書いたラベルを貼ります。向きは通路から見える面にしてください。角の箱は奥まっていて中が見えにくいので、ラベルがないと何が入っているかを忘れます。秋冬の始まりに一度、春の始まりに一度、角の箱を全部開けて中身を入れ替える日を決めておくと、角の箱が使われないまま積み重なることもありません。

どちらとも取れる幅(170〜190cm):片側を浅くする

いちばん迷うのが、内側の幅が170〜190cmの部屋です。I型にすると片側の壁が余り、二列にすると通路が60cmを切りそうになる。この幅のときは、片側だけを浅くしてください。

具体的には、片側を掛ける列(60cm)、反対側をたたむ棚や引き出し(40cm)にします。60cm+40cmで100cmなので、170cmの部屋でも通路は70cm残ります。二列ほど服は掛けられませんが、たたむ服をまとめて置けるので、服の総量はI型よりずっと増えます。

この組み方で大切なのは、浅い側に何を置くかです。引き出しを置くなら、引き出しを引いたときに通路がふさがらないかを確かめてください。40cmの引き出しを全部引くと、通路にさらに40cmほど出てきます。通路が70cmなら、引いた引き出しの前に30cmしか残らず、しゃがめません。浅い側に引き出しを置くなら、通路は75cm以上必要です。

通路が75cmに届かないなら、浅い側は引き出しではなく、扉のない棚にしてください。棚なら引き出す動きがないので、通路は60cmでも使えます。

どちらを浅くするか

浅くする側は、窓のある壁か、ドアに近い壁にします。窓のある壁は、掛けた服が日焼けしやすいので、掛ける列には向きません。たたむ棚なら、服が重なっているぶん日に当たるのは表面だけで、布をかけておけば日焼けも防げます。ドアに近い壁を浅くすると、部屋に入ったときに圧迫感が少なくなります。

服の量から逆算する:パイプは何cm要るか

型が決まったら、掛ける列の長さが服の量に足りるかを確かめます。部屋の幅だけでなく、手持ちの服の量からも逆算してください。

ハンガーにかけた服が、パイプの上で占める幅のおおよその目安は、シャツやブラウスが1着3cm、ニットやカーディガンが5cm、ジャケットが6cm、秋冬のコートが8〜10cmです。掛けたい服を種類ごとに数え、この目安をかけて足すと、必要なパイプの長さが出ます。

たとえば、シャツ20着で60cm、ニット10着で50cm、ジャケット5着で30cm、コート4着で40cm。合計180cmです。これに、服を取り出すときにずらすための余裕を2割足すと、およそ216cmになります。片側の壁の長さが200cmなら、I型では足りず、パイプを2段にするか、二列にする必要があります。

服の量が多すぎるときは、型ではなく服を減らす

必要なパイプの長さが、二列にしても足りない場合があります。そのときは、型を無理に広げる前に、服の量を見直してください。部屋の角や通路まで服で埋めると、取り出しにくい服が増え、結局着ない服が増えるだけです。

服を手放す判断に迷うときは、役割で分けて考える方法が参考になります。服の断捨離を役割で分ける記事を見てから、もう一度パイプの長さを計算してください。手放す服が決まると、二列で足りるのか、I型でも足りるのかが変わります。

たたむ服の量も数えておく

掛ける服だけでなく、たたむ服の量も数えておくと、浅い棚や引き出しをどれだけ置けばよいかがわかります。

たたんだニットやカットソーは、1枚の厚みがおおむね3〜5cmです。棚の1段に重ねるのは、高さ25cm前後、枚数にして5〜6枚までにしてください。それ以上重ねると、下の服を取り出すときに上の服が崩れます。たとえば、たたむ服が30枚なら、5〜6枚ずつで6段前後が必要です。幅60cmの棚なら、1段に2列並べられるので、3段で収まります。

下着や靴下、小物は、引き出しか箱に分けてください。これらは数が多く、棚に直接置くと散らばります。引き出し1つにつき1種類と決めておくと、どこに何があるかを覚えなくても済みます。

秋冬の服で高さが変わる:コートの下に何cm空けるか

掛ける列の高さは、何を掛けるかで変わります。とくに秋冬のコートを掛ける列は、ほかの列と同じ高さにすると、裾が床につきます。

パイプの下に必要な高さの目安は、シャツやブラウスで90cm、ジャケットで100cm、ワンピースで120cm、膝下丈のコートで130cm前後です。これにハンガーの高さ10cmほどを足した位置にパイプを付けます。長いコートを掛ける列は、パイプの高さを床から160〜170cmにしてください。

短い服だけの列は、パイプを2段にすると、同じ長さで倍の服が掛けられます。上の段を床から170cm前後、下の段を80cm前後にすると、上下ともシャツやブラウスが収まります。上の段は手が届きにくくなるので、着る回数の少ない服を上にします。

季節で入れ替えるなら、前と奥を入れ替える

衣装部屋があると、季節ごとに服を箱へしまう衣替えをしなくて済みます。かわりに、列の中で前と奥、手前の列と奥の列を入れ替えてください。

秋冬はコートとニットを入口に近い列の手前に、春夏の服は奥の列か列の奥側に寄せます。入れ替えにかかるのは、服をハンガーごと移動するだけなので、箱から出し入れするより時間がかからず、服にシワも付きません。

窓のある壁と外に面した壁:冬の結露と日焼け

部屋をクローゼットにするとき、いちばん見落としやすいのが、窓と外壁です。

外に面した壁は、冬になると室内側の表面が冷えます。冷えた壁の表面には、部屋の空気に含まれた湿気が集まり、結露します。服がこの壁にぴったり付いていると、壁の湿気を布が吸い、カビの原因になります。外に面した壁に服を掛けるなら、壁から10cm以上離してください。パイプを壁から少し離して付けるか、ラックを壁から離して置きます。

窓は、昼の日差しで服を日焼けさせます。窓の正面に掛けた服は、肩の部分だけ色が抜けることがあります。窓のある壁に服を掛けるのは避け、どうしても掛けるなら、遮光のカーテンを付けて、昼は閉めておいてください。冬は窓そのものも結露するので、窓の下に服や箱を置くのも避けます。

部屋の空気を動かす

衣装部屋は、人が長くいる部屋ではないので、空気がこもりやすくなります。1日に一度はドアを開け、できれば窓も少し開けて、空気を入れ替えてください。湿度計を1つ置いて、湿度が60%を超える日が続くなら、除湿機を入れます。

壁を全部服で埋めないことも、空気を動かすのに役立ちます。1面だけでも何も置かない壁を残すと、部屋の中で空気が回りやすくなります。

ドアの開く向きと、引き出しの開く向き

型を決めるときに、ドアと引き出しの開く向きも確かめておきます。

ドアが内開きなら、開いたドアが当たる範囲には服を掛けられません。ドアの幅が80cmなら、ドアの付いている壁から80cmの範囲は、床に何も置かない場所になります。ドアを外開きか引き戸に変えられるなら、それだけで使える壁が増えますが、変えられない場合は、その範囲を最初から図から外してください。

引き出しは、引いたときに通路にどこまで出てくるかを確かめます。前の節で書いたとおり、40cmの引き出しを引くと、通路にさらに40cmほど出ます。引き出しの前には、引き出しの奥行きと、しゃがむための40〜50cmを足した幅が必要です。

引き出しを2つ向かい合わせに置くのは避けてください。両方を同時に引くことはなくても、片方を引いたまま反対側を見る動きがあると、体の置き場がなくなります。

部屋を半分だけクローゼットにする場合

部屋を丸ごと衣装部屋にできず、半分を別の用途、たとえば寝室や書斎として使い続ける場合もあります。

この場合は、部屋を奥と手前で分けるより、壁1面か2面を服の側と決めるほうが使いやすくなります。服の側を決めたら、その前に低い棚やカーテンを置いて、視線を区切ってください。寝室として使う側から服が見えなくなるだけで、部屋が落ち着きます。

半分だけを衣装部屋にするときも、通路の60cmは同じです。服の前に60cm、寝室側の家具との間に空けてください。ベッドの横に服を掛ける場合は、ベッドに座ったまま服に手が届くかどうかで、使い勝手が変わります。手が届く距離なら便利ですが、寝ている頭の近くに服が来ると、ほこりが気になる人もいます。服の列は、ベッドの足元側の壁に寄せるのがおすすめです。

クローゼットのない部屋で、服を置く壁を1面に絞る方法はクローゼットがない部屋の記事でも詳しく扱っています。

賃貸で壁に穴を開けられないとき

賃貸の部屋では、壁にパイプや棚受けを取り付けられないことが多くあります。その場合は、床に置くラックか、床と天井で突っ張るポールを使います。

床置きのラックは、移動できるのが利点です。季節で前後を入れ替えたり、部屋の使い方が変わったときに置き直したりできます。キャスター付きのものは、通路を掃除するときにも動かせて便利ですが、服を掛けたまま動かすと倒れることがあるので、動かすときは服を半分ほど外してください。

突っ張り式のポールは、天井の強度が足りない場所では、服の重みで少しずつ緩みます。天井を指で押して、沈まない場所を選んでください。壁際や梁の下は、天井の中心より丈夫なことが多い場所です。

どちらの場合も、耐荷重に余裕を持たせることが大切です。秋冬のコートは、1着でシャツ数枚分の重さがあります。コートを掛ける列は、ほかの列より丈夫なラックにするか、掛ける着数を減らしてください。

外壁から離すのは、賃貸でも同じ

床置きのラックは、壁にぴったり付けて置きがちですが、外に面した壁の前に置くなら、10cm以上離してください。結露は、賃貸でも持ち家でも同じように起こります。退去のときに壁のカビが見つかると、修繕の負担がかかることもあるので、最初から離して置くのが安心です。

作ったあと3週間で見直す場所

衣装部屋は、作った直後が完成ではありません。3週間ほど使ってみると、手が届きにくい場所、通りにくい場所が見えてきます。

見直すのは次の3つです。1つ目は、3週間で一度も手を伸ばさなかった場所。そこに置いた服は、着る回数が少ない服か、取り出しにくい場所に置いた服です。取り出しにくいのが原因なら、置き場所を変えます。2つ目は、服を選ぶたびに体が当たる場所。通路が狭いか、引き出しが通路をふさいでいます。3つ目は、湿気やにおいがこもる場所。外壁に近すぎるか、空気が動いていません。

この3つを直すと、部屋をクローゼットにした意味がはっきりします。服を選ぶのにかかる時間が短くなり、持っている服を全部見渡せるようになります。

見直しで型そのものを変えるとき

3週間使って、通路で体が当たる回数が多いと感じたら、置き場所の微調整ではなく、型を1段階戻すことを考えてください。二列で窮屈なら、片側を浅い棚にする組み方に戻す。片側を浅くしても窮屈なら、I型に戻す。

型を戻すと、掛けられる服は減ります。けれど、窮屈な部屋は毎日の小さな不便が積み重なり、結局その部屋を使わず、別の部屋に服を置くようになりがちです。掛けられる量が減ったぶん、手放す服を決めるか、季節外の服を箱にまとめて角に積むかで調整してください。服の量に部屋を合わせるより、部屋の通りやすさに服の量を合わせるほうが、衣装部屋は長く使えます。

見直したあとも、通路は最後まで空ける

見直しの3週間が過ぎても、通路に何も置かないことは守ってください。床に1つ箱を置くと、その隣にもう1つ置くのは簡単です。通路が60cmから40cmになると、服を選ぶのが急に面倒になり、部屋全体が使われなくなっていきます。

床に置きたくなるものは、たいてい「あとで片付けるもの」です。クリーニングから戻った服、買ってきたばかりの服、洗濯を待つ服。こうしたものの行き先を、最初から決めておいてください。クリーニングから戻った服は、袋を外して入口に近い列の端に掛ける。買ってきた服は、その日のうちに値札を外して自分の列に入れる。洗濯を待つ服は、衣装部屋に入れず、洗濯機の近くに置く。行き先が決まっていれば、通路に置く理由がなくなります。

家族と使う衣装部屋:誰の服をどこに置くか

衣装部屋を家族で使う場合は、置き場所の決め方がもう1つ加わります。

大人2人なら、前に書いたとおり1人1列が基本です。そのうえで、朝の支度の時間が重なる人どうしは、列を向かい合わせにしないでください。向かい合わせの列の前に2人が同時に立つと、通路に背中合わせで並ぶことになり、60〜70cmの通路では体がぶつかります。時間が重なるなら、片方を入口側、もう片方を奥側というように、列の前後で分けます。

子どもの服を同じ部屋に置くなら、子どもの手が届く高さに、子どもの服をまとめます。パイプの下段を床から80cm前後にしておくと、小学生くらいなら自分で取り出せます。上の段は大人の服にして、子どもには触らないでほしい服を置きます。

家族それぞれの列の端に、その人専用のフックを1つ付けておくと、脱いだ服や翌日の服を一時的に掛ける場所になります。この一時置きがないと、脱いだ服が通路や角に積まれ、せっかくの通路がふさがります。

ウォークインクローゼットの棚の段数や、残る通路の幅で置ける服を決める方法はウォークインクローゼットの棚|残る通路の幅で、置ける服が変わるにまとめています。衣装部屋の中に棚を入れるときにも、同じ考え方が使えます。また、もともとあるクローゼットの下の空間の使い方はクローゼットの下の空間の収納を参考にしてください。

まとめ:ラックを買う前に、幅から3つの数字を引く

部屋をクローゼットにするとき、最初に決めるのは置き方の型です。内側の幅を測り、掛ける側60cm、畳む側40cm、通路60cmを引いて、残りを見ます。

幅が170cmに届かなければ片側だけのI型。170〜190cmなら、片側を掛ける列、反対側を浅い棚にする。190cm以上なら両側に掛ける二列。240cmを超えて奥の壁にも余裕があればL型やコの字型ですが、角の60cm四方は服を掛けずに箱を置く場所にします。

型が決まったら、服の量からパイプの長さを逆算し、秋冬のコートを掛ける列は高さを上げます。外に面した壁からは10cm以上離し、窓の正面には服を掛けない。ドアと引き出しの開く範囲を図から外す。3週間使ったら、手の届かない場所と体の当たる場所を見直す。

ラックや棚を選ぶのは、この順番がすんでからです。そうすれば、買ったのに入らない、入ったのに通れない、という失敗を避けられます。

よくある問い

Q. 4.5畳の部屋はクローゼットにできますか
できます。4.5畳の内側の幅はおおむね250〜270cmなので、両側に掛ける列を作っても通路が残ります。ただし、ドアの位置と窓の位置で使える壁が減ります。ドアが部屋の角にあるなら、ドアの開く側の壁は使えず、残りの3面のうち2面を使う二列か、L型になります。窓が1面を占めているなら、その壁には服を掛けず、窓の反対側と横の壁を使ってください。まず内側の幅を測り、ドアと窓の位置を紙に描いてから型を決めると、買ったラックが入らないという失敗を防げます。
Q. 6畳を全部クローゼットにするのはもったいないでしょうか
服の量によります。1人分の服なら、6畳の部屋の2面に掛ける列を作れば、ほとんどの場合は足ります。残りの面と中央を空けておけば、着替えや荷物置き、アイロンがけの場所として使えます。全部の壁を埋めるより、使わない壁を1面残すほうが、部屋の空気が動いて湿気がこもりにくくなります。2人分の服を入れるなら、2面ずつを1人に割り当てると、取り違えがなくなります。部屋を半分だけクローゼットにして、残りを別の用途に使う組み方もこの記事の後半で扱っています。
Q. 衣装部屋にすると服がカビないか心配です
閉め切った部屋に服を詰めると、湿気がこもりやすくなります。とくに秋冬は、外に面した壁や窓が冷えて、そこに室内の湿気が集まり結露します。服を外壁から10cm以上離して掛ける、窓の正面には服を置かない、ドアを開けておく時間を毎日作る、の3つを守ると、カビの心配はかなり減ります。湿度計を1つ置いて、60%を超える日が続くなら除湿機を入れてください。押し入れと違い、部屋は空気の量が多いぶん、換気さえできていれば湿気は抜けやすい場所です。
Q. 賃貸で壁にパイプを取り付けられません
床に置くラックか、床と天井で突っ張るポールを使います。床置きのラックは移動できるのが利点で、季節によって前後を入れ替えることもできます。突っ張り式は、天井の強度が足りない場所では緩みやすいので、天井の梁や壁際の、押して沈まない場所を選んでください。どちらの場合も、掛ける服の量に対して耐荷重に余裕のあるものを選ぶこと。秋冬のコートは1着で薄手の服の数倍の重さになるので、コートを掛ける列は、ほかの列より丈夫なものにしてください。

— メグラシ編集部

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壁面収納をクローゼット代わりに使うときは、棚の数より先に、壁の高さを自分の体の3つの位置で割ります。冬のコート・ニット・季節外の服をどの段に置くかを、腰と目と伸ばした指先の高さで決める方法をまとめました。

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パンツの丈つめ|何cm詰めるかは秋冬の靴と生地の縮みで決める

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パンツの丈つめ|何cm詰めるかは秋冬の靴と生地の縮みで決める

パンツの丈つめで失敗しやすいのは、詰める長さを裾の余りだけで決めてしまうことです。秋冬にいちばん履く靴を履いた状態で止める位置を決め、ウールやコーデュロイは洗ったあとの縮みのぶんを残して詰める長さを出します。

メグラシ編集部/読了 16分
垢抜けたい|まず変えるのは、人にいちばん長く見られる1着

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垢抜けたい|まず変えるのは、人にいちばん長く見られる1着

垢抜けたいと思ったとき、髪も服もメイクも一度に変えようとすると、どれも中途半端で終わりがちです。先に変えるのは、あなたが人前にいる時間のうち、いちばん長く見られている1着だけ。秋冬はそれが上着になる人がほとんどです。1着ごとの人前の時間の数え方、上着と内側が同じくらい見られる人の決め方、古く見える4か所の確かめ方、買い替えずに直す順番まで。自分の1週間を書き出さないと答えが出ない形でまとめました。

メグラシ編集部/読了 20分
クローゼット収納キャスター付き|引き出す床の幅と中身の重さで選ぶ

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クローゼット収納キャスター付き|引き出す床の幅と中身の重さで選ぶ

キャスター付きの収納をクローゼットに入れていいかは、扉の下の段差、引き出す前に取れる床の幅、中に入れる服の重さの3つで決まります。秋冬のニットや上着で重くなったときに動かなくならない選び方と、どちらとも取れるときの決め方をまとめました。

メグラシ編集部/読了 22分

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