メグラシ
編集部から

服の断捨離|役割ごとの枚数から決める手順

メグラシ編集部//読了 10分
棚にたたんだニットが役割ごとに積まれ、かごに分けた分がまとめてあるクローゼットの様子

捨てられないのは、意志が弱いからではありません。決める順番が決まっていないまま、1枚ずつ「これは捨てるか」と聞かれているからです。

「1年着ていない服は捨てる」。この基準は広く知られています。それでも毎月2万回以上、服の断捨離という言葉が検索されている。基準を知らないのではなく、基準を当てはめる手前で止まっている人がそれだけいる、ということです。

先に結論を置きます。この記事は、減らすことを目的にしません。目的は朝に決めることを減らすことです。だから判断の単位を「何枚残すか」ではなく、「どの役割を何枚で回すか」に置き換えます。

「1年着ていない服は捨てる」で手が止まる理由

理由は2つあります。

1つは、1年という窓が長すぎて、記憶だけでは答えられないことです。去年の10月に何を着ていたかは、たいてい思い出せません。答えられない問いを立てると、そこで手が止まります。

もう1つのほうが大きくて、この基準は1枚ずつにしか効かないことです。1枚を手に取って「1年着たか」と聞くと、答えは「たぶん着た」「着ていないけれど、着る機会がなかっただけ」に散ります。1枚単位の問いには比べる相手がいないので、どちらとも取れる答えは、いつでも残す側に倒れます。

服は1枚ずつ買われますが、使われるときは違います。同じ持ち場を、何枚かで交代しながら回している。だったら、比べる相手を並べてから聞くほうが早いです。

数える①|直近12か月で袖を通した回数

まず、記憶ではなく痕跡で数えます。

スマートフォンの写真フォルダを、季節ごとにさかのぼるのがいちばん早いです。去年の秋、冬、今年の春、夏。人と会った日の写真には、たいてい何を着ていたかが写っています。あとは、洗濯のときに何度も見た顔ぶれを思い出せば足ります。

数えるのは正確な回数ではなく、0回/1〜2回/3回以上の3段階だけです。このうち0回の服が何枚あるかを、紙に書いてください。 全体の3割を超えているなら、多いのは枚数ではなく、役割の偏りのほうです。同じ役割の服ばかりを買っていて、生活の中で実際に起きる日のうち一部しかカバーできていない状態です。

数える②|同じ役割の服が何枚あるか

ここが今日の中心です。

数えるとき、「白いシャツが5枚」という数え方をしないでください。数えるのは「人に会う日に、上半身を整える役割の服が5枚」という単位です。アイテム名で数えると、同じ役割を別のアイテムで持っていることに気づけません。襟のあるシャツと、きれいめのカットソーと、薄手のニットが、同じ日に同じ仕事をしているなら、それは同じ役割の3枚です。

役割ごとに数えて、多いほうから3つと、少ないほうから3つを書き出します。この2つの差が、そのまま今日の作業量になります。

数える③|直す前提で置いている服の年数

「丈を詰めよう」「ボタンを付け替えよう」と思ったまま置いてある服が、たいてい何枚かあります。それを置いた日から、何年経っているかを数えてください。

1シーズン以内なら、それは予定です。2シーズンを超えているなら、予定ではなく保留です。保留と予定は見た目が同じなので、年数で分けるしかありません。

直すという選択は、手放すために使うものではなく、着続けるために使うものです(お直しでできること・できないこと)。年数を数えて2シーズンを超えていたなら、直したい気持ちのほうが先に薄れていた、というだけのことです。

「役割」とは、その服が引き受けている仕事のこと

役割はアイテム名ではありません。同じカーディガンでも、冷房の効いた室内で体温を足すためのものと、人に会う日に上半身の輪郭を整えるためのものは、別の役割です。前者は畳んで持ち歩く前提で選ばれ、後者は掛けておく前提で選ばれます。

自分の生活で実際に起きている仕事を、6つ前後で書き出します。目安として、よくある形を並べておきます。

役割その服がしている仕事よく入るもの
体温を足す朝と昼の気温差、冷房の効いた場所を埋める羽織もの、薄手のニット
一枚で成立させる上下の組み合わせを考えずに出かけられるワンピース、上下そろいのもの
上半身を整える人に会う日の印象を受け持つ襟のある服、きれいめのトップス
下半身を決める立つ・座る・歩くの動きを受けるパンツ、スカート
汚れても構わない手を動かす日、家の中で過ごす日部屋で着る服、作業の服
一段上げる場が改まる日に、格を足すジャケット、改まった場に出せる一式

自分の言葉に置き換えて構いません。むしろ、置き換えたほうがいいです。「打ち合わせの日の上」「送り迎えの日の下」のように、朝に思い浮かべる言葉のままにしておくと、後の手順で迷いません。

書き出してみると、偏りが枚数として見えます。一段上げる役割が2枚あれば足りるのに8枚ある、というような偏りです。断捨離で減らすべきなのは、この「同じ役割の中の余り」であって、全体の枚数ではありません。

手順①|全部出す

並べ替えるだけが目的なら、全部を出す必要はありません(服の整理の仕方)。ただし今回は手放す判断をするので、全部出したほうが結果的に速いです。

理由は比べるためです。クローゼットに残したまま判断すると、比べる相手が奥に隠れていて視界に入りません。手前の服だけで判断が終わり、奥の服は判断されないまま残ります。全部出す作業は、その全員を同じ土俵に上げるためのものです。

時間の目安は、30〜40枚で1時間ほど。100枚を超えるなら日を分けてください。出す場所は、床でもベッドでも構いませんが、作業が終わるまで塞がっていても困らない場所にします。途中で片づけたくなると、全部を元に戻して終わります。

手順②|役割の山に分ける

広げた服を1枚ずつ手に取って、書き出した役割の山に置いていきます。

ここで「残す」「捨てる」「迷う」の3つの山はつくらないでください。 この段階では、まだ捨てる判断をしません。つくるのは役割の山だけです。山が10を超えたら細かすぎるので、近いものを統合して6〜8に収めます。

1枚が2つの役割を持つことがあります。その場合は、直近12か月で多かったほうの山へ置いてください。両方に置きたくなりますが、置き場所が2つある服は、後で線を引くときに二重に数えられます。

どの役割にも入らない服が、必ず何枚か出ます。それは失敗ではなく情報です。今の生活のどの日にも当てはまらない、というだけのことなので、脇によけておいて、後の節でまとめて扱います。

手順③|役割ごとに、回す枚数を決める

枚数は好みではなく、逆算できます。見るのは2つ、週にその役割の日が何回来るかと、着てから次に着られる状態に戻るまでの日数です。

役割の例週に来る回数戻るまでの日数回す枚数の目安
上半身を整える4回2〜3日4〜5枚
一枚で成立させる2回2日2〜3枚
体温を足す5回毎回は洗わない2〜3枚
汚れても構わない3回1日2枚
一段上げる月に1回以下その都度1〜2枚

戻るまでの日数は、洗濯機を回す間隔ではなく、乾いて畳み終わるまでの実際の日数で見てください。室内干しが中心の季節は、ここが1日ずれるだけで必要枚数が変わります。

そのうえで、余白を1枚だけ足します。予定が重なる週、洗濯が回らない週が必ずあるからです。ただし足すのは、いちばん多く回る役割の1つだけにしてください。全部の役割に1枚ずつ足すと、元の枚数に戻ります。

決めた枚数は紙に書いてください。頭の中に置いたままだと、手を動かしているうちに増えます。

同じ役割の中だけで比べて、線を引く

1枚ずつ聞く方法と、いちばん違うのがここです。

役割の山を1つ選んで、その中身を1列に並べます。並べる順番は次の通りです。

  1. 直近12か月で袖を通した回数が多い順
  2. 同数のものは、洗ったあとの状態で並べ直す(毛玉、襟と袖口のよれ、色あせ)
  3. それでも同数なら、他の役割の服と組み合わせやすい順

並べ終わったら、決めておいた枚数のところに線を引きます。線から下が、今回手放す候補です。

「どれも捨てられない」ではなく「5枚のうち上から3枚」を選ぶ形にすると、手が動きます。 聞かれている中身は同じでも、選ぶ作業のほうが、捨てる作業より軽いからです。

ひとつだけ注意があります。線から下に、いちばん状態のいい服が来ることがあります。着ていないから傷んでいない、という服です。これは残す理由になりません。傷んでいないという事実より、12か月着なかったという事実のほうが、情報として新しいです。

手順④|迷った服だけ、最後にまとめて見る

役割の山に入らなかった服と、線から下に来たのに手が止まった服。ここまで来て残っているのは、たいてい理由が服の外側にある服です。

まとめて1つの箱に入れないでください。理由の違うものを同じ箱に入れると、いちばん重い理由に全部が引きずられて、判断だけが先送りされます。次の4つに分けてから、それぞれ別の見方で扱います。

迷う理由見分け方見るところ
高かった手に取ると値段が先に浮かぶ払った額ではなく、これから着る回数
思い出がある服より、その日の場面が浮かぶ残したいのが服か、記録か
今の体に沿っていない着られるが、動くと引っぱられる/余る服のどこが合っていないか
人からもらった贈った人の顔が浮かぶ関係が服に乗っているかどうか

迷う服①|高かった服

値段は、すでに払い終わっています。手放しても戻らないし、持ち続けても戻りません。だから「元を取る」という考え方は、この判断には使えません。

代わりに、これから先の回数を見ます。この先12か月で何回着るかを、具体的な場面をつけて言ってみてください。 0回か1回しか出てこないなら、値段はもう判断材料から外れています。3回以上の場面が言えるなら、それは高かった服ではなく、よく着る服です。

場面が出てこないけれど手も動かない、という状態なら、役割の列のいちばん手前に3か月だけ戻してください。値段を回収する方法は着ることしかないので、実地で試すのがいちばん早いです。3か月で袖を通さなければ、答えは出ています。

もう1つ。高い服ほど、役割が狭いことがあります。合わせる相手が限られていて、その1枚のために別の服を買い足している場合、金額はまだ増え続けています。数えるのは買った額ではなく、その1枚を着るために動いている総額のほうです。

迷う服②|思い出のある服

手放さなくて構いません。着る予定のない服を持ち続けることを、片づけられていない状態として扱う必要はありません。服は道具であると同時に、記録でもあります。

ただし、置き場所だけは移してください。毎日開ける場所から、年に1〜2回しか開けない場所へ。毎日開ける場所に置いたままだと、朝に毎回それが目に入って、毎回小さく判断することになります。判断の回数を減らすのが目的なので、ここは効きます。

上限は、枚数ではなく場所で決めます。この引き出し1段、この箱1つ。上限の中に入るものは、理由を説明しなくていいことにする。上限を決めておくと、「思い出」という言葉が、決められないもの全部を吸い込む逃げ場になりません。

見分け方をひとつ。その服を最後に着た日のことを、人に説明してみてください。話が服の話にならず、その日の話になるなら、残したいのは記録のほうです。記録なら写真が1枚あれば残りますし、写真は場所を取りません。逆に、生地の手ざわりや袖を通したときの感じまで話に出てくるなら、それは服として残す理由があります。

迷う服③|今の体に沿っていない服

「痩せたら着る」という前提を、この記事では採りません。条件を体のほうに置くと、判断が服から離れてしまい、クローゼットの前に立つこと自体が重くなるからです。

見るのは服です。今の体で実際に着てみて、どこが合っていないかを言葉にしてください。肩の位置、身幅、丈、袖丈、ウエストの位置。 このうち丈と袖丈は直せることが多く、肩の位置と身幅は直しにくく、ウエストの位置は服の設計そのものなので、直すというより別の服の話になります。

直せる範囲だったら、いつ直すかを日付で決めます。日付が決まらないなら、それは直す予定ではなく保留です(数える③で年数を数えたのは、このためです)。

直せない範囲だったら、その服は今の生活に合っていない、というだけのことです。体が変わったのではなく、服が今の体に追いついていない。体は季節でも1日の中でも動きますし、年単位でも動きます。ある一時点の寸法に合わせた服を持ち続けると、合っている期間のほうがどうしても短くなります。

体が動いている途中の時期なら、手放すよりいったん保留するほうが妥当です。この時期の持ち方は借りると買うの使い分けにまとめています。

迷う服④|人からもらった服

手に取ったときに浮かぶのが服ではなく、贈ってくれた人の顔なので、判断が重くなります。

分けて考えてください。贈り物は、受け取って、お礼を言った時点で役目を終えています。その後にその服がどこにあるかは、贈った人との関係とは別の話です。贈った人が見たいのは、掛かっている光景ではなく、着ている姿のほうです。

だから判断の順序は、他の服と同じで構いません。役割の列に入るかどうかだけを見る。入るなら残し、入らないなら毎日開ける場所から移す。関係は、服の置き場所では変わりません。

それでも手が止まるなら、期限をつけて手前に置いてください。3か月着なければ、答えは出ています。着なかった理由を後から探すと、たいてい「サイズが少しだけ違う」「合わせる相手がいない」といった、服の側の具体が出てきます。

手放したあとの行き先は、始める前に決めておく

行き先を決めずに始めると、手放すと決めた服が床に積まれたまま週末が終わり、翌週には元のクローゼットに戻ります。判断が終わった服に、次の置き場所がないからです。

一般的な選択肢は4つです。人に譲る、買い取ってもらう、寄付や店頭での回収に出す、資源回収や処分に出す。どれを選ぶかは、1枚あたりに何分かけられるかでほぼ決まります(服の手放し方)。

始める前にやることは2つだけです。袋を4枚用意して、それぞれに行き先を書いておくこと。そして、出す日をカレンダーに先に書いておくこと。日付のない袋は、開ける理由が発生しないので、そのまま部屋の一部になります。

人に渡せる状態かどうかは、自分の基準ではなく、受け取る側の基準で見てください。目安は、その状態のまま人に手渡して平気かどうかです。

まとめ

  • 捨てられないのは基準を知らないからではなく、1枚ずつ聞かれているから。比べる相手を並べてから聞く
  • 先に3つ数える。直近12か月で袖を通した回数、同じ役割の服の枚数、直す前提で置いている服の年数
  • 判断の単位は「何枚残すか」ではなく「どの役割を何枚で回すか」。枚数は洗って戻るまでの日数から逆算できる
  • 迷う服は箱にまとめない。高かった・思い出・体に沿っていない・もらった、で見るところが違う

減った枚数は、成果ではありません。翌朝クローゼットを開けて、目が止まる回数が減っていれば成功です。そこまで来ていれば、次の衣替えは仕舞う量が減っているぶん、かなり軽くなります(秋の衣替えの手順)。

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— メグラシ編集部

よくある問い

Q. 「1年着ていない服は捨てる」で判断できないのは、なぜですか
1枚ずつ聞かれているからです。1枚を手に取って「1年着たか」と尋ねると、答えは「たぶん着た」「着ていないけれど機会がなかっただけ」に散ります。1枚単位の問いには比べる相手がいないので、どちらとも取れる答えはいつでも残す側に倒れます。服は1枚ずつ買われますが、使われるときは同じ持ち場を何枚かで交代しながら回っています。だから、同じ持ち場のものを並べてから聞くほうが速いです。5枚を並べて「上から3枚」を選ぶ形にすると、同じことを聞かれていても手が動きます。捨てる作業より、選ぶ作業のほうが軽いからです。
Q. 何枚まで減らすのが正解ですか
全体の枚数に正解はありません。決めるのは役割ごとの枚数です。週にその役割の日が何回来るかと、着てから次に着られる状態に戻るまでの日数がわかれば、必要な枚数は逆算できます。週に4回ある役割で、洗って戻るまでに2〜3日かかるなら4〜5枚。月に1回以下の役割なら1〜2枚。この計算をすると、全体では多いのにある役割だけ足りていない、という状態がよく見つかります。総量を目標にすると、足りていない役割まで一緒に削ってしまい、次の月に買い足すことになります。
Q. 高かった服が捨てられません
値段はすでに払い終わっているので、手放しても戻らず、持ち続けても戻りません。「元を取る」という考え方はこの判断には使えないので、代わりにこれから先の回数を見てください。この先12か月で何回着るかを、具体的な場面つきで言ってみる。0回か1回しか出てこないなら、値段はもう判断材料から外れています。3回以上言えるなら、それは高かった服ではなく、よく着る服です。数字が出てこないときは、いちばん手前に3か月だけ置いてください。実際に袖を通すかどうかで答えが出ます。
Q. 「痩せたら着る」と思って残している服は、どうすればいいですか
体のほうを条件にしないでください。条件を体に置くと、判断が服から離れて、クローゼットの前に立つこと自体が重くなります。見るのは服です。今の体で着てみて、どこが合っていないかを言葉にします。肩の位置、身幅、丈、袖丈、ウエストの位置。このうち丈と袖丈は直せることが多く、肩の位置と身幅は直しにくく、ウエストの位置は服の設計そのものです。直せる範囲なら、いつ直すかを日付で決めてください。日付が決まらないなら、それは直す予定ではなく保留です。直せない範囲なら、服が今の体に追いついていないというだけのことです。
Q. 全部出す時間がありません。少しずつでもできますか
できます。分けるのは日ではなく役割にしてください。今日は「体温を足す役割」だけ、次は「上半身を整える役割」だけ、という区切り方です。日で区切ると、前回どこまでやったかを思い出すところから始まるので、2回目が重くなります。役割で区切れば、その役割の服だけを集めて並べ、線を引いて、終わりです。1つの役割はたいてい20〜30分で片づきます。衣替えの前に2つの役割だけ済ませておくと、仕舞う量がその分だけ減ります。
Q. 手放すと決めたのに、いつまでも部屋に置いたままになります
行き先を決める前に手放す判断をしているからです。判断が終わった服には次の置き場所がないので、いちばん近い床に置かれ、翌週には元のクローゼットへ戻ります。始める前に袋を用意して、それぞれに行き先を書いてください。人に譲る、買い取ってもらう、寄付や店頭での回収に出す、資源回収や処分に出す。この4つのどれかに全部が入ります。あわせて、出す日をカレンダーに先に書いてください。日付のない袋は開ける理由が発生しないので、そのまま部屋の一部になります。

— メグラシ編集部

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