クローゼットがない部屋の収納|出したままの冬服を日差しと埃から守る

**クローゼットがない部屋で冬服を守るなら、先に測るのは、晴れた日の昼前後に窓から床のどこまで日が届いているかです。**その帯の中にある服から覆い、帯の外の服は出したままにします。
クローゼットがない部屋では、服はハンガーラックや棚、箱に入れて、部屋の中に出したまま置くことになります。扉の中にしまえない分、服は部屋の光と空気にそのままさらされます。そのとき服が傷む原因は、大きく分けて2つしかありません。日差しによる色あせと、上を向いた面に積もる埃です。
秋冬はこの2つが同時に強くなります。日が低くなって部屋の奥まで日が差し込むうえに、暖房で空気が動いて、細かい埃が舞いやすくなるからです。夏のあいだは何も問題がなかった置き場所が、気づくと日焼けの当たる場所に変わっていることがあります。
この記事では、自分の部屋を測って、どの服をどれだけ覆うかを決めます。メジャーを手元に用意して、晴れた日の昼前後に読み進めてください。
服を置く壁をどこにするかはクローゼットがない部屋|服を置ける壁は4つの条件で1面に絞れるに、壁の幅で置き方を決める方法は部屋をクローゼットにするにまとめてあります。この記事は、置く壁が決まったあと、その前で服をどう守るかだけを扱います。
結論:覆う服は、日の帯と着る頻度の2つで決まる
先に答えを置いておきます。
- 晴れた日の昼前後に、窓から床に日が落ちている範囲を測る。これを日の帯と呼ぶ
- 日の帯の中にある服は、着る頻度に関係なく、日が当たる面を覆う
- 日の帯の外にある服は、週2回以上着るなら出したまま、それより少ないなら上の面だけ覆う
- 窓から30cm以内には、どんな服も置かない
覆うといっても、服を全部包むわけではありません。日が当たる面と、埃が積もる上の面だけです。下と後ろは開けて、空気を通します。全部を包むと、今度は湿気がこもります。
クローゼットがない部屋で、服が傷む2つの原因
扉の中にしまっている服と、部屋に出したままの服では、傷み方が違います。扉の中の服が傷む原因は、湿気と虫が中心です。部屋に出したままの服は、それに加えて、光と埃に毎日さらされています。
日差しによる色あせ
服の色は、日の光に含まれる紫外線と、光の熱で少しずつ抜けていきます。一度当たっただけで分かるほど変わることはありませんが、同じ場所に同じ向きで何週間も置いていると、日が当たっている面だけ色が変わります。
困るのは、色あせが片側だけに出ることです。ハンガーに掛けた上着なら、窓に向いた肩と袖の外側だけが変わります。たたんで重ねたニットなら、いちばん上の1枚の、窓側の端だけが変わります。全体が均一に変わるならまだ目立ちませんが、片側だけだと、着たときに左右で色が違って見えます。
上を向いた面に積もる埃
部屋の中の埃は、空気の流れに乗って舞い上がり、動きが止まったところで落ちてきます。落ちる先は、上を向いた面です。ハンガーに掛けた服なら肩の上、たたんで重ねた服ならいちばん上の面です。
肩の上に積もった埃は、払えば取れるように見えますが、ウールのような毛足のある素材だと、繊維の奥に入り込みます。そのまま着ると、肩のあたりだけが白っぽくくすんで見えるようになります。濃い色の服ほど目立ちます。
秋冬は、日が部屋の奥まで入る
夏のあいだ、日は高い角度から差し込むので、窓際の床に少し落ちるだけです。部屋の奥まで日が届くことはほとんどありません。ところが秋が深まると、日の角度が下がって、部屋の奥まで日が入るようになります。
目安として、冬の昼前後の日は、窓の上端の高さのおよそ1.5倍から2倍の奥行きまで床に届きます。窓の上端が床から2mの高さにあるなら、窓から3mから4mほどの床まで日が当たることがあります。夏の同じ時間なら、窓から50cmほどしか届かないこともあるので、その差はかなり大きいものです。
この目安は、住んでいる地域や窓の向き、ひさしやベランダの有無によって変わります。だからこそ、自分の部屋で実際に測るのがいちばん確かです。
日の帯を測る
晴れた日の昼前後、11時から13時のあいだに、窓から床に日が落ちている範囲を確かめます。測り方は次の通りです。
- 窓の下の壁に、メジャーの端を当てる
- 床に落ちている日の、窓からいちばん遠い端まで、まっすぐ測る
- その距離を、窓の幅いっぱいに広げた帯を、日の帯とする
南向きの窓なら、昼前後がいちばん奥まで届きます。東向きの窓は朝、西向きの窓は夕方に奥まで届くので、その時間に測ってください。窓が2つある部屋なら、それぞれの窓で測ります。
日の帯は、季節が進むにつれて少しずつ奥へ伸びていきます。秋の初めに測ったら、冬の入り口にもう一度測ると、どれくらい伸びたかが分かります。
曇りの日や、昼に家にいない人の測り方
晴れた日の昼前後に家にいられない人もいるはずです。その場合は、窓の上端の高さを測って、その1.5倍から2倍を日の帯の目安にしてください。窓の上端が床から1.8mなら、2.7mから3.6mまでが日の帯です。ひさしやベランダの屋根が窓の上に張り出しているなら、張り出している長さの分だけ、日の帯は窓側に縮みます。
この目安で置き場所を決めておいて、休日に晴れたときに一度だけ実際の日の端を確かめると、目安とのずれが分かります。ずれが50cm以内なら、目安のままで構いません。それより大きくずれていたら、実際に見た位置に合わせて置き場所を直してください。
壁に届く日も見落とさない
床だけでなく、壁にも日が当たることがあります。窓の正面の壁に、冬の昼前後に日が当たっているなら、その壁の前に掛けた服は、床に置いた服よりも高い位置で日を受けます。ハンガーに掛けた上着の肩や胸のあたりに、ちょうど日が当たる高さになることもあります。床の帯を測るときに、正面の壁のどの高さまで日が届いているかも、一緒に見ておいてください。
日の帯の中にある服、外にある服
日の帯を測ったら、今服を置いている場所と重ねます。ハンガーラックや棚が、日の帯の中にあるのか、外にあるのか、端にかかっているのかを確かめます。
日の帯の中にある服は、着る頻度にかかわらず、日が当たる面を覆う必要があります。毎日着る服でも、着ていない時間のほうが長いからです。1日に家にいる時間のうち、日が当たる数時間ずっと同じ向きで置かれていれば、それだけで色あせは進みます。
日の帯の外にある服は、日差しの心配はほとんどありません。気にするのは埃だけです。
覆う量の決め方
| 置き場所 | 週2回以上着る服 | 週1回以下の服 |
|---|---|---|
| 日の帯の中 | 日が当たる面を覆う | 日が当たる面と上の面を覆う |
| 日の帯の外 | 出したまま | 上の面だけ覆う |
この表で大事なのは、着る頻度の境目を週2回に置いていることです。週2回以上着る服は、着るたびに手に取って、埃を払う機会があります。肩の埃がたまる前に、自然に落ちていきます。週1回以下の服は、手に取るまでの間に埃が積もるので、上の面を覆っておく必要があります。
掛ける服の覆い方
ハンガーラックに掛けた服を覆うときは、服を1着ずつカバーに入れるのではなく、ラック全体の前と上を覆う方法がおすすめです。1着ずつ包むと、着るたびにカバーを外す手間がかかり、続かなくなります。
前面を布で覆う
日の帯の中にラックがあるなら、日が当たる面に布を下げます。窓に向いている面がラックの前面なら前に、側面なら側面に下げます。布の長さは、いちばん長い服の裾が隠れるくらいにします。床まで届かせる必要はありません。床から10〜20cm空けておくと、下から空気が入ります。
布は、綿や麻のような通気のよいものを選びます。色は、日の光を通しにくい生成りや薄い灰色が扱いやすいです。白い薄手の布は光を通しやすいので、日の帯の中では効き目が弱くなります。
上の面を覆う
埃を防ぐために上の面を覆うときは、ラックの上に布を1枚かけるだけで十分です。布の端は、服の肩より10cmほど下まで垂らすと、横から入る埃も防げます。上だけ覆って前と後ろを開けておけば、湿気がこもる心配はほとんどありません。
布を選ぶときに確かめること
覆いに使う布は、新しく買わなくても、手持ちのシーツや大判の布で足ります。選ぶときに確かめるのは3つです。1つ目は、窓にかざしたときに向こうがどれくらい透けるか。手のひらを布の後ろに置いて、手の形がはっきり見えるなら、日の帯の中では光を通しすぎます。2つ目は、布の表面が毛羽立っていないか。毛羽の多い布は、それ自体が埃を出します。3つ目は、洗えるかどうか。2週間に一度は洗うので、家で洗える綿や麻が扱いやすいです。
大きさは、ラックの幅より左右に10cmずつ広く、高さはいちばん長い服の裾が隠れるくらいが目安です。幅が足りないと、端の服だけ日が当たってしまいます。
覆いを続けるための工夫
覆いは、かけたり外したりが面倒になると続きません。前面の布は、ラックの上の横棒に洗濯ばさみかクリップで留めておき、服を取るときは片側だけめくれるようにしておくと、手間が少なくなります。毎日着る服は布の外側、つまりめくらなくても手が届く端に掛けておくと、布をめくる回数そのものが減ります。
上の面の布は、ラックの上に乗せるだけにしておき、留めないほうが扱いやすいです。2週間に一度の手入れのときに、そのまま持ち上げて外に出せます。
どちらとも取れるとき:日の帯の端にかかるラック
ラックの一部だけが日の帯にかかっている場合は、少し迷います。日の帯の端から30cm以内にラックの端があるなら、日の帯の中として扱ってください。日の帯は季節が進むと奥へ伸びるので、今は端にかかっているだけでも、冬の入り口にはラック全体にかかっていることがあります。
日の帯の端から30cm以上離れているなら、外として扱って構いません。ただし、冬の入り口にもう一度測って、帯が伸びてきていないかを確かめてください。
もうひとつの選択肢は、ラックの中で服の並びを変えることです。日の帯に近い側に、色の淡い服や、着る頻度が低くて覆っておける服を置き、遠い側に濃い色の服や毎日着る服を置きます。こうすると、ラック全体を覆わなくても、守りたい服を日から遠ざけられます。
たたむ服の置き方
ニットやスウェットのように、掛けずにたたむ服は、棚や箱に重ねて置くことが多いはずです。たたんだ服で気をつけるのは、いちばん上の1枚の上面と、日が当たる側の端です。
扉や蓋のある箱に入れる
いちばん確かなのは、扉や蓋のある家具や箱に入れることです。中に入れてしまえば、日も埃も入りません。ただし、蓋をしっかり閉める箱は湿気がこもりやすいので、乾燥剤を入れるか、2週間に一度蓋を開けて空気を入れ替えてください。
蓋のない棚に重ねる
蓋のない棚に重ねるなら、いちばん上に布を1枚かけます。日の帯の中にある棚なら、日が当たる側の端も布で隠れるように、布を少し大きめにします。いちばん上に、着る頻度の低い服や淡い色の服を置いておくと、下の服が守られます。
重ねる枚数は、4〜5枚までにしてください。それ以上重ねると、下の服を取り出すときに上の服が崩れて、たたみ直す手間が増えます。崩れた服は表面の毛羽が立ちやすく、埃もつきやすくなります。
濃い色の冬服ほど、日焼けが目立つ
冬服は、黒、紺、濃い茶、深い緑のような濃い色が多くなります。濃い色の服は、色が抜けたときの差が目立ちやすいので、日の帯の中に置くときは特に気をつけてください。
濃い色のウールが日焼けすると、赤っぽく、あるいは白っぽく変わります。黒が赤茶色に、紺が紫がかった色に変わることもあります。日が当たっていた面と、当たっていなかった面の差がはっきり出るので、着たときに左右で色が違うように見えます。
淡い色の服も日焼けはしますが、もともと明るいので、変化に気づきにくいです。白やベージュの服は、色が抜けるよりも、黄ばみとして出ることが多いです。
置く順番の目安
日の帯の中に服を置かざるをえないときは、次の順番で窓から遠い側に置きます。
- 黒・紺・濃い茶などの濃い色のウール
- 濃い色の綿や化学繊維
- 淡い色のウールやニット
- 淡い色の綿や化学繊維
窓に近い側に4、遠い側に1を置くと、日焼けの影響をいちばん小さくできます。
素材ごとの、日と埃の受けやすさ
同じ場所に置いていても、素材によって日焼けのしやすさと埃のつきやすさは違います。冬服に多い素材ごとに、どちらを気にすればいいかを分けておきます。
ウールとウールに近い起毛素材
ウールのコートやニットは、日焼けも埃も受けやすい素材です。毛足があるので、表面に埃が絡みやすく、払っても奥に残ります。日に当たると、毛先から色が抜けて、表面が白っぽく見えるようになります。ウールの服は、日の帯の外に置くことを優先してください。どうしても帯の中に置くなら、日が当たる面と上の面の両方を覆います。
細い糸で編んだ柔らかいニット
細い糸で編んだ柔らかいニットは、ウールよりもさらに日焼けが目立ちやすいです。糸が細い分、色の抜け方が早く、しかも表面がなめらかなので、色の差がはっきり出ます。たたんで箱に入れておくのがいちばん安心です。
綿のスウェットやシャツ
綿は、ウールに比べると埃が絡みにくい素材です。表面が平らなので、払えば埃は落ちます。日焼けはしますが、洗濯を繰り返すうちに色が少しずつ落ちていくのが普通なので、日焼けだけが目立つということは少なめです。日の帯の端に置くなら、綿の服を窓側にするのが向いています。
ナイロンやポリエステルの中綿入りの上着
化学繊維の中綿入りの上着は、日焼けで色が変わるだけでなく、表面の生地が日に当たって固くなることがあります。光沢のある生地ほど、日が当たった面と当たっていない面の差がつやの違いとして出ます。かさばるので、ラックの端にまとめて掛けがちですが、その端が窓側なら、反対側に移してください。
合成皮革の小物やかばん
服と一緒にラックに掛けている合成皮革のかばんは、日が当たると表面が乾いてひび割れやすくなります。服より先に傷むことがあるので、日の帯の中には置かないでください。
日の帯の外がほとんど残らない部屋
部屋が狭かったり、窓が大きかったりすると、冬の昼前後には床のほとんどに日が届いて、日の帯の外がほとんど残らないことがあります。
6畳の部屋で考える
たとえば、南向きの掃き出し窓がある6畳の部屋を考えます。窓の上端が床から約2mだとすると、冬の昼前後には窓から3m以上の奥まで日が届くことがあります。6畳の部屋の奥行きはおよそ3.6mなので、奥の壁際の60cmほどしか日の帯の外が残りません。
この場合、日の帯の外に置けるのは、奥の壁際の幅60cm以内のものだけです。奥行きの浅い棚や、薄型のハンガーラックなら、奥の壁にぴったり寄せて置けます。奥行き50cm以上のラックを置くと、手前の部分が日の帯にかかってしまいます。
窓と同じ面の壁を使う
もうひとつの方法は、窓と同じ面の壁、つまり窓の左右の壁際を使うことです。窓の真横は、窓から入った光が斜めにしか届かないので、日が直接当たりにくい場所です。窓の左右に30cm以上の壁があるなら、そこに奥行きの浅い棚を置いて、たたむ服を入れることができます。
ただし、窓のすぐ横は結露の影響を受けやすい場所でもあります。窓枠から30cm以上離して置くことを守ってください。
時間で分ける
日の帯の外がほとんど残らないなら、場所ではなく時間で分ける方法もあります。日の帯が服に届くのは、南向きの窓なら昼前後の数時間だけです。その時間だけカーテンを閉めるか、ラック全体に布をかけておきます。朝晩は布を外して、空気を通します。在宅の人なら、昼に一度カーテンを閉めるだけなので、手間はそれほどかかりません。
暖房の季節は、風の通り道に埃が集まる
秋冬になると、エアコンや暖房器具を使い始めます。暖房の風は部屋の空気を動かすので、床や家具の上の埃も一緒に舞い上がります。舞い上がった埃は、風の流れが弱まるところで落ちてきます。
風の通り道を確かめる
エアコンの暖房をつけて、風の向きを確かめてください。ティッシュを1枚持って、部屋のあちこちで揺れ方を見ると、風がどこを通っているか分かります。ティッシュが大きく揺れる場所が風の通り道で、揺れが急に弱まる場所が埃の落ちる場所です。
ハンガーラックが、風の通り道の終わりにあるなら、肩の上に埃が積もりやすくなります。ラックを風の通り道から外すか、上の面を必ず覆ってください。
暖房の風が直接当たる場所
暖房の風が直接服に当たる場所も避けてください。温かい風が当たり続けると、ウールの服は乾きすぎて、毛が縮れたり、静電気で埃を引き寄せやすくなったりします。足元に置く暖房器具の近くも同じです。暖房器具から1m以内には、服を置かないようにしてください。
加湿器との距離
冬は乾燥対策で加湿器を使う人も多いはずです。加湿器の近くに服を置くと、湿気を吸って重くなり、乾くまでにかびや虫の原因になります。加湿器の吹き出し口から1m以上離して服を置いてください。乾燥と湿気の両方に気を配るのは大変ですが、暖房と加湿器のどちらからも1m離しておけば、ほとんどの心配は避けられます。
窓際の結露と湿気
秋冬の窓際は、日差しだけでなく、結露にも気をつけてください。外が冷えて部屋を暖めると、窓ガラスや窓枠に水滴がつきます。その水滴は、近くに置いた服に湿気として移ります。
窓から30cm以内には、服を置かないようにしてください。ハンガーラックを窓際に置いていると、窓に近い服の裾や袖が窓ガラスに触れて、水滴を吸ってしまうことがあります。濡れたウールは乾くまでに時間がかかり、そのあいだに虫やかびの原因になります。
朝起きたら、窓の水滴を拭き取る習慣をつけると、部屋全体の湿気も減ります。湿気が気になる場合は、防虫剤や乾燥剤の置き方も見直してください。防虫剤の置き方はクローゼットの防虫剤にまとめています。
窓の位置を変えられない部屋
賃貸の部屋や、家具の配置が限られている部屋では、日の帯の外にラックを置けないこともあります。そういうときは、窓のほうで光を調整します。
カーテンの使い方
日中に部屋を空けるなら、出かける前にレースのカーテンを閉めておくだけで、床に届く光はかなり弱まります。レースだけでは足りないと感じるなら、厚手のカーテンを半分だけ閉めて、ラックのある側だけ光を遮ります。
在宅の時間が長い人は、日の帯が服に届く時間帯だけカーテンを閉めるという方法もあります。南向きの窓なら、昼前後の数時間です。それ以外の時間は開けておいても、服への影響は小さくなります。
窓に貼るもの
窓に貼る遮光や紫外線を減らすシートを使う方法もあります。ただし、賃貸の部屋では貼る前に、はがせるものかどうかを確かめてください。シートを貼ると部屋全体が少し暗くなるので、ラックのある側の窓の一部だけに貼るのも一つの方法です。
毎日の手順:着た服を戻す場所
クローゼットがない部屋で服を守るには、毎日の戻し方も大切です。着た服をそのまま椅子の背やベッドの上に置いておくと、その場所が日の帯の中なら、知らないうちに日焼けが進みます。
着た服は、その日のうちにラックか棚に戻してください。すぐに戻せないなら、日の帯の外に一時置き場を決めておきます。一時置き場が決まっているだけで、服が部屋のあちこちに散らばらず、日焼けや埃を防げます。
上着は、帰ってきたらブラシで表面の埃を落としてからラックに掛けます。外の埃を部屋に持ち込まないだけで、ラックに積もる埃の量が減ります。厚手のコートの掛け方はコート収納は厚みと肩幅で決めるにまとめています。
覆いの布の手入れ
覆いに使っている布にも、埃がたまります。2週間に一度、布を外して外ではたくか、洗濯してください。布を外したついでに、服の肩の埃も払っておくと、それだけで1か月分の埃の積もり方が変わります。
季節が変わったら、日の帯を測り直す
日の帯は、季節によって伸びたり縮んだりします。秋の初めに測った帯は、冬の入り口にはもっと奥まで伸びています。冬の終わりから春にかけては、少しずつ窓のほうへ戻っていきます。
秋の初めと、冬の入り口と、春の初めの3回、日の帯を測り直してください。帯が伸びたら、覆う服を増やします。帯が縮んだら、覆いを外す服を増やします。覆いを外せる時期には、布を外して服に風を通すと、湿気がこもらずに済みます。
測り直すのは面倒に感じるかもしれませんが、晴れた日の昼前後に、床に落ちている日の端を見るだけです。メジャーで測るのは最初の1回だけでも構いません。2回目からは、床の目印、たとえばフローリングの継ぎ目や家具の脚の位置を覚えておけば、目で見るだけで帯の伸び縮みが分かります。
よくある迷い
窓のない部屋なら、日差しは気にしなくていいですか
窓のない部屋なら、日差しの心配はほとんどありません。気にするのは埃と湿気です。窓のない部屋は空気が動きにくいので、湿気がこもりやすくなります。覆いの布は上の面だけにして、前と後ろは開けておいてください。
すでに片側だけ色が変わってしまった服はどうすればいいですか
一度抜けた色は、家で元に戻すのは難しいです。片側だけ色が変わった上着は、変わった側が体の内側、つまり腕や脇のほうにくるように着ることはできませんが、ストールや手持ちの小物で、変わった面を少しでも隠すことはできます。それより大切なのは、同じ置き方を続けないことです。色が変わった服を見つけたら、同じラックに掛かっているほかの服も、同じ向きで日が当たっていないかを確かめてください。1着だけ変わっているように見えても、隣の服も少しずつ変わり始めていることがあります。
同居している家族の服も同じ部屋に置いています
家族の服も同じラックや棚に置いているなら、日の帯の内と外を、持ち主ごとではなく服ごとに分けてください。持ち主ごとにラックの左右を分けていると、片方の人の服だけが窓側に集まって、その人の服ばかり色が変わることがあります。濃い色の服を窓から遠い側にまとめ、持ち主の区別は、ハンガーの色や棚の段で付けると、日焼けの偏りを防げます。
家族の中で着る頻度が違う場合も、同じ表で決められます。毎日着る通勤の上着は出したまま、週末にしか着ない上着は上の面を覆う。持ち主に関係なく、着る頻度と日の帯の2つだけで決めておけば、家族の誰が服を戻しても置き方が崩れません。
照明の光でも色あせしますか
部屋の照明でも色あせはしますが、日差しに比べるとかなり弱いです。照明の真下に何か月も同じ服を置いておくと、少しずつ変わることはありますが、日の帯の中に置くほどの心配はいりません。
覆いの布がかえって部屋を散らかって見せます
布の色を、部屋の壁やカーテンの色にそろえると、目立ちにくくなります。白い壁の部屋なら、生成りや薄い灰色の布が溶け込みます。布の端をラックの枠に沿ってまっすぐ垂らすと、ただかけているよりも整って見えます。
ラックをもう1台増やすべきでしょうか
ラックを増やす前に、今の服を日の帯の外に寄せられないかを考えてください。置き場所が足りないのではなく、日の帯の中に置かざるをえない服が多いだけなら、並び替えと覆いで解決することがあります。服の量そのものを見直したいなら、クローゼットの下の収納の考え方も参考になります。
今日やること
最後に、今日のうちにできることだけを書いておきます。
- 晴れていたら、昼前後に窓から床に日が落ちている範囲を見る
- その範囲に、ハンガーラックや棚、たたんだ服が入っていないかを確かめる
- 入っていたら、濃い色の服だけでも窓から遠い側に移す
これだけで、冬のあいだの色あせはかなり防げます。覆いの布を用意するのは、そのあとで構いません。クローゼットがない部屋でも、日の帯さえ分かっていれば、服を出したままにしておける場所と、守らなければいけない場所がはっきりします。
よくある問い
- Q. クローゼットがない部屋で、冬服はどこに置けばいいですか
- まず窓から床に日が落ちる範囲を確かめてください。晴れた日の昼前後に、床のどこまで日が当たっているかを見て、そこから窓までの帯を日の帯とします。冬服はこの帯の外に置くのが基本です。帯の外に置けない場合は、日が当たる面だけ布で覆います。部屋の広さによっては、帯の外がほとんど残らないこともあります。その場合は、窓に近い側に着る頻度の低い服を覆って置き、奥に毎日着る服を出したまま置くと、色あせの心配を減らせます。
- Q. 服に布をかけると、湿気がこもりませんか
- 布で全体を包むと、湿気がこもりやすくなります。覆うのは日が当たる面と、埃が積もる上の面だけにしてください。下と後ろは開けておくと、空気が通ります。布は通気のよい綿や麻を選び、ビニールのカバーは長く使わないほうが安心です。冬は窓際で結露が出やすいので、窓から30cm以内には服を置かないでください。覆いの布は2週間に一度外して、風を通してからかけ直すと、湿気がたまりにくくなります。
- Q. 黒や紺の服は日焼けしやすいのですか
- 濃い色の服は、色が抜けたときの差が目立ちやすいです。淡い色の服も日焼けはしますが、もともと明るいので変化に気づきにくいのです。黒や紺、濃い茶のウールは、肩の上や袖の外側など日が当たる面だけが赤っぽく、または白っぽく変わって、内側との差がはっきり出ます。濃い色の冬服は、日の帯の外に置くか、日の当たる面を必ず覆うようにしてください。
- Q. ハンガーラックを窓のない壁に置けば大丈夫ですか
- 窓のない壁でも、窓の正面にある壁なら、冬は日が届くことがあります。冬の日は低い角度で差し込むので、窓の反対側の壁の下のほうまで届く部屋もあります。窓と同じ面の壁、つまり窓の左右に置くと、日は直接当たりにくくなります。どの壁がいいかは、晴れた日の昼前後に、実際に床と壁のどこまで日が届いているかを見て決めるのがいちばん確かです。
— メグラシ編集部





