クローゼットハンガーパイプ|受けの間隔と太さは、掛ける服の重さで選ぶ

**ハンガーパイプは、掛ける服の重さを1mあたりで出してから選びます。**シャツ中心で受けの間隔が90cm以内なら19mm、コートを含むなら25mm、冬物をまとめて掛けるなら32mm。受けのあいだが90cmを超えるか、1mあたり15kgを超えるなら、真ん中にもう1つ受けを足してください。
パイプを替えるとき、多くの人が最初に気にするのは長さです。けれど、長さはクローゼットの内側の幅で決まっていて、選ぶ余地はほとんどありません。選べるのは、受けをいくつ付けるか、太さ、材質の3つで、そのどれもが、パイプに何kgかかるかで決まります。
この記事では、まず掛ける服の重さを1mあたりで出し、いまのパイプのたわみを測ります。そこから受けの間隔、太さ、材質、取り付ける位置を順に決めます。クローゼット全体の幅や高さの割り振りは壁面クローゼットに、1着あたり何cm使っているかは狭いクローゼットの収納に分けてあります。
結論:重さ、受けの間隔、太さ、材質の順で決める
| 順番 | 決めること | 決め手 |
|---|---|---|
| 1 | 1mあたりの重さ | 掛ける服とハンガーの重さを足して、パイプの長さで割る |
| 2 | 受けの間隔 | 90cmまでなら両端だけ。超えたら真ん中にもう1つ |
| 3 | 太さ | 1mあたり10kgまで19mm、20kgまで25mm、それより重いなら32mm |
| 4 | 材質 | 滑らせたいか、止めたいか。湿気が多いか |
| 5 | 取り付ける位置 | 奥の壁から、上の棚から、床から |
**順番を逆にすると、太さだけ立派で受けが足りないパイプになります。**太いパイプでも、受けのあいだが長すぎれば真ん中は下がります。反対に、細いパイプでも、受けを1つ足せば、多くの家庭の服の重さには耐えられます。
表の数字は、ねじで留める一般的な金属のパイプを前提にした目安です。製品に耐荷重が書かれているときは、そちらを優先し、その7割ほどまでで使うと余裕が残ります。
パイプまわりの部品|パイプと、両端の受けと、真ん中の受け
ハンガーパイプは、パイプそのものと、それを支える受けでできています。替えるときも足すときも、どの部品を動かすのかを先に分けておきます。
| 部品 | 役目 | 形 |
|---|---|---|
| パイプ | ハンガーを掛ける棒 | 丸い断面。太さはmmで表す |
| 端の受け(ソケット) | パイプの両端を壁に留める | 片側は差し込む形、もう片側は上から落とし込む形が多い |
| 真ん中の受け | パイプの途中を下から支える | 上の棚板から吊る形と、奥の壁から出す形 |
| 吊り下げ金具 | 天井や棚板からパイプを吊る | 壁に下地がないときに使う |
| 留め具(ねじ) | 受けを壁や棚に留める | 下地の種類で選ぶ |
**端の受けの片側が「落とし込み」になっているのは、パイプを外して交換できるようにするためです。**パイプを替えるだけなら、受けはそのまま使えることが多いので、まず落とし込み側からパイプを持ち上げて外してみてください。
測る①|掛ける服の重さを、1mあたりで出す
パイプにかかる重さは、服の重さとハンガーの重さを足したものです。冬物を掛けるつもりなら、冬物の数で計算します。
| 掛けるもの | 1着の重さの目安 | ハンガーを足すと |
|---|---|---|
| シャツ・ブラウス | 約0.2kg | 細いハンガーで約0.3kg |
| ニット(掛ける場合) | 約0.4kg | 約0.5kg |
| ワンピース | 約0.4kg | 約0.5kg |
| ジャケット | 約0.8kg | 肩の厚いハンガーで約1.1kg |
| ウールのコート | 約1.5kg | 木のハンガーで約2kg |
| ダウン | 約1kg | 約1.3kg |
| スーツの上下 | 約1.2kg | 約1.6kg |
ハンガーは、細い樹脂やアルミのものが1本0.05〜0.1kg、肩の厚い木のものは0.3〜0.5kgほどあります。**重さを出したら、パイプの長さ(m)で割ってください。**それが1mあたりの重さで、この記事の判断はすべてこの数字を使います。
| 例 | 掛けるもの | 合計 | パイプ1.2mで割ると |
|---|---|---|---|
| シャツ中心 | シャツ20着、ジャケット3着 | 約9kg | 1mあたり約7.5kg |
| 通勤の服が中心 | シャツ10着、ワンピース5着、ジャケット5着、コート2着 | 約15kg | 1mあたり約12.5kg |
| 冬物を集める | コート5着、ダウン2着、ジャケット6着 | 約19kg | 1mあたり約16kg |
| 家族2人分 | 通勤の服2人分 | 約30kg | 1mあたり約25kg |
測る②|いまのパイプのたわみを、糸で測る
いまのパイプが重さに耐えられているかは、目で見るより、糸を張ると分かります。
| 手順 | すること |
|---|---|
| 1 | パイプの両端の受けの近くに、糸を巻いて結ぶ |
| 2 | 糸をまっすぐ張る |
| 3 | 真ん中で、糸とパイプの上の面のすき間を定規で測る |
| 4 | 服を全部外して、もう一度測る |
| 真ん中のすき間 | 読み方 | すること |
|---|---|---|
| 2mm以下 | 重さに耐えている | そのまま使う |
| 3〜5mm | 重さに対して支えがぎりぎり | 重い服を両端へ寄せる |
| 5mmを超える | 支えが足りない | 真ん中に受けを足すか、太いパイプに替える |
| 服を外しても戻らない | パイプが曲がっている | パイプを替える |
**服を全部外しても糸とのすき間が戻らないなら、パイプそのものが曲がっています。**受けを足しても、曲がった形のまま支えることになるので、パイプを新しくしてから受けを足してください。
受けの間隔|90cmを超えたら、真ん中にもう1つ
パイプは、受けと受けのあいだが長いほど、真ん中が下がりやすくなります。受けの間隔は、パイプの太さよりも大きく効きます。
| 受けの間隔 | 1mあたり10kgまで | 1mあたり15kgまで | 1mあたり15kgを超える |
|---|---|---|---|
| 60cm以内 | 両端だけ | 両端だけ | 両端だけ(太さを上げる) |
| 60〜90cm | 両端だけ | 両端だけ(25mm以上) | 真ん中に1つ |
| 90〜120cm | 真ん中に1つ | 真ん中に1つ | 真ん中に1つ(32mm) |
| 120〜180cm | 真ん中に1つ | 2つ(60cmおき) | 2つ以上 |
| 180cmを超える | 2つ以上 | 60cmおき | 60cmおき |
**迷ったら、受けのあいだを90cm以内にしてください。**クローゼットの幅が1.8mあれば、真ん中に1つ足すだけで、受けの間隔は90cmずつになります。真ん中の受けは、ハンガーを左右に滑らせるときに引っかかる場所になるので、季節で分ける境目や、家族で分ける境目に置くと、使い勝手が落ちません。
真ん中の受けには、上の棚板から吊る形と、奥の壁から腕を出す形があります。上に棚板があるクローゼットなら、棚板から吊る形のほうが、奥の壁の下地を探さずに済みます。ただし、吊る形はパイプの上側をまたぐので、ハンガーを滑らせるときにフックが当たります。奥の壁から出す形はパイプの下側を支えるので、フックは引っかからずに通りますが、奥の壁に下地が要ります。
太さ|19mm・25mm・32mmの違い
ハンガーパイプの太さは、19mm、25mm、32mmあたりがよく使われます。太さが上がるほど曲がりにくくなりますが、受けもその太さに合ったものが要ります。
| 太さ | 向いている重さ | 向いている使い方 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 16mm前後 | 1mあたり5kgまで | 子ども服、小物を吊る | 大人の服には細い |
| 19mm | 1mあたり10kgまで | シャツ・ブラウス中心 | 受けの間隔は90cmまで |
| 25mm | 1mあたり20kgまで | 通勤の服・ジャケット・コート | いちばん使いやすい太さ |
| 32mm | 1mあたり20kgを超える | 冬物をまとめて掛ける、家族で使う | ハンガーのフックが入るか確かめる |
**ひとりで使うクローゼットで、コートも掛けるなら25mmが基準です。**32mmは、冬物をまとめて掛ける場所や、家族の服を1本に掛けるパイプに向いています。太さを上げるときは、端の受けも同じ太さ用に替えてください。19mm用の受けに25mmのパイプは入りません。
いまのパイプの太さが分からないときは、パイプに紙を1周巻いて印をつけ、広げた長さを3.14で割ると、太さが出ます。6cmなら約19mm、8cmなら約25mm、10cmなら約32mmです。受けを替えずにパイプだけ替えるつもりなら、この数字と同じ太さを選んでください。
材質|滑りと、重さへの強さと、湿気
パイプの材質は、ハンガーの滑り方と、湿気への強さで選びます。
| 材質 | ハンガーの滑り | 重さへの強さ | 湿気 |
|---|---|---|---|
| ステンレス | よく滑る。音が出やすい | 強い | さびにくい |
| めっきをした鉄 | よく滑る | 強い | 傷がつくとさびる |
| アルミ | よく滑る | 同じ太さなら鉄より弱い | さびにくい |
| 樹脂で覆った鉄 | ほどよく止まる。音が静か | 強い | さびにくい |
| 木 | やわらかく止まる。音が静か | 太ければ強い | 塗装のないものは反りやすい |
**ハンガーを左右に滑らせて選ぶ人は、ステンレスかめっきの鉄が向いています。**掛けた服が勝手に片側へ寄っていく、ハンガーどうしがぶつかる音が気になる、という人は、樹脂で覆ったものか木のものを選んでください。湿気の多いクローゼットでは、めっきの傷からさびが出て、服に色が移ることがあります。外壁側の壁に付けるなら、ステンレスか樹脂で覆ったものを選びます。
よく滑るパイプは便利な反面、扉を開け閉めした振動や、1着を取り出したはずみで、ほかのハンガーが端へ流れていくことがあります。季節や種類ごとに区切って掛けたい人は、区切りの位置に真ん中の受けを置くか、パイプに付ける小さな仕切りを使うと、流れが止まります。
ハンガーのフックが入るか
太いパイプにしたら、手持ちのハンガーが掛からなかった、ということがあります。替える前に、ハンガーのフックを測ってください。
| 測ること | 方法 | 掛けられる目安 |
|---|---|---|
| フックの内側の幅 | フックの開いた口のいちばん狭いところ | パイプの太さより5mm以上広い |
| フックの深さ | フックの内側の上から下まで | パイプの太さより深い |
| フックの回り方 | 回転するか、固定か | 固定のものは、パイプの向きに合うか |
| ハンガーの種類 | フックの内側の幅の傾向 | 合わせやすい太さ |
|---|---|---|
| 細い樹脂・アルミ | 狭いものが多い | 19〜25mm |
| 肩の厚い樹脂 | 中くらい | 25mm |
| 木のハンガー | 広いものが多い | 25〜32mm |
| 針金のハンガー | 狭い | 19mm |
**手持ちのハンガーのうち、いちばんフックの狭いものが基準です。**それが入らない太さを選ぶと、そのハンガーだけ別の場所に掛けることになります。ハンガーごと替えるつもりがあるなら、パイプの太さを先に決めて、それに合うハンガーをそろえます。ハンガーの掛け替えはクローゼットハンガーにまとめてあります。
奥の壁からの距離|パイプの中心をどこに置くか
パイプを奥の壁に近づけすぎると、掛けた服の後ろ半分が壁に当たり、しわや擦れが出ます。離しすぎると、前の扉に服が当たります。
| クローゼットの奥行き | 奥の壁からパイプの中心まで | 起きやすいこと |
|---|---|---|
| 45cm | 22〜23cm(ちょうど真ん中) | 肩の広い服は、前後どちらかに当たる |
| 55cm | 27〜28cm | 多くの服が前後に当たらずに掛かる |
| 60cm以上 | 30cm前後 | 手前に空きができる。扉の内側に小物を掛けられる |
**目安は、奥行きの真ん中か、ハンガーの肩幅の半分に3cm足した距離です。**ハンガーの肩幅が44cmなら、22cmに3cmを足して25cm以上、奥の壁から離します。奥行きが45cmしかないクローゼットで、肩幅の広いコートを掛けるなら、パイプを真ん中に置き、コートは扉に近い端にまとめます。
上の棚との隙間|フックを持ち上げて外せるか
パイプのすぐ上に棚板があるクローゼットでは、棚とパイプのあいだが狭いと、ハンガーを持ち上げて外せなくなります。
| 棚板の下からパイプの上の面まで | ハンガーの出し入れ |
|---|---|
| 3cm以下 | フックが棚に当たり、持ち上げられない |
| 4〜5cm | 細いハンガーなら外せる。厚いフックは当たる |
| 6〜8cm | ほとんどのハンガーが外せる |
| 10cm以上 | 余裕があるが、パイプの位置が下がるぶん服の下の空きが減る |
**棚板の下からパイプの上の面まで、6cm前後あけてください。**フックを持ち上げて外すのに、フックの高さより少し大きいすき間が要るからです。いまのクローゼットで棚とパイプが近すぎる場合、受けを付け直すより、パイプの真ん中に受けを足すときに、少し下げた高さに付け直すほうが手間が少なく済みます。
高さ|1段か2段か
パイプの高さは、掛ける服の丈で決まります。1段にするか、上下2段にするかで、同じ幅でも掛けられる枚数が変わります。
| 段 | パイプの高さの目安 | 向いている服 |
|---|---|---|
| 1段 | 床から170〜180cm | コート、ワンピースなど丈の長い服 |
| 2段の上 | 床から180〜190cm | ジャケット、シャツ |
| 2段の下 | 床から90〜100cm | シャツ、スカート、たたんだパンツ |
**2段にするのは、丈の短い服がパイプの半分以上を占めているときです。**下の段は、床から服の裾まで5cm以上あくように高さを決めます。2段にすると、上の段は背伸びをしないと届かない高さになることがあります。上の段のパイプは、ふだん使う人が腕を伸ばして、手首が無理なくパイプの上に届く高さを上限にしてください。届かない高さに付けると、上の段だけ服が掛けっぱなしになり、季節が変わっても入れ替わらなくなります。幅と高さの割り振り全体は壁面クローゼットにくわしく置いてあります。
取り付ける壁|下地があるかを先に探す
パイプの受けは、壁の中の下地にねじで留めます。石膏ボードだけの場所にねじを打つと、重さでねじが抜けることがあります。
| 壁の中 | 見つけ方 | 留め方 |
|---|---|---|
| 木の柱や桟(下地) | 下地を探す道具を当てる。叩いて音が詰まる場所 | 木ねじで留める |
| 合板が入っている | 針を刺して手ごたえがある | 木ねじで留める |
| 石膏ボードだけ | 叩くと軽く響く。針がすっと入る | 専用の留め具を使い、重いものは避ける |
| 棚板の下 | 棚板の厚みがある | 吊り下げ金具で棚板から吊る |
**片側の壁に下地が見つからないときは、棚板から吊る受けを使うか、真ん中に受けを足して重さを分けます。**クローゼットの左右の壁には、多くの場合、パイプを付けるための下地が入っています。元の受けが付いていた高さと位置には、下地がある可能性が高いので、同じ高さに付け直すのがいちばん確かです。
賃貸で、壁に穴を開けないとき
賃貸のクローゼットで、パイプを足したり位置を変えたりしたいときは、穴を開けない方法を選びます。
| 方法 | しくみ | 掛けられる重さの考え方 |
|---|---|---|
| 左右の壁に突っ張る | パイプの両端で壁を押す | 製品の耐荷重の半分ほどを目安に |
| 床と天井に柱を2本突っ張る | 柱にパイプを渡す | 柱の耐荷重を見る。重いものは下の段へ |
| 元のパイプから2段目を吊る | 元のパイプに金具を掛ける | 元のパイプにかかる重さが増える |
| 棚板に挟んで留める | 棚板を挟む金具から吊る | 棚板の強さで決まる |
**穴を開けない方法は、ねじで留めた元のパイプより、掛けられる重さが小さくなります。**重いコートやダウンは、元のパイプに残し、足したほうにはシャツや軽い服を掛ける、と分けてください。突っ張る面に、壁や天井の板の継ぎ目が来ないことも確かめます。
突っ張り棒で代えるとき
元のパイプが外れていたり、パイプのない場所に掛けたいときに、突っ張り棒で代えることがあります。突っ張り棒は、壁を押す力だけで止まっているので、重さの限度を先に決めておきます。
| 確かめること | 目安 |
|---|---|
| 掛ける重さ | 表示の耐荷重の半分まで |
| 突っ張る壁 | 両側とも硬い壁。石膏ボードは押す力でへこむことがある |
| 長さ | 伸ばしきらず、伸ばせる長さの8割までで使う |
| 位置 | 両端が同じ高さになっているか |
| 重い服の置き方 | 両端に寄せる。真ん中に集めない |
**突っ張り棒は、伸ばしきった長さで使うほど弱くなります。**同じ幅に使うなら、伸ばせる長さに余裕のあるものを選んでください。掛けているうちに少しずつ下がってくるので、衣替えのたびに、両端の高さがそろっているかを見直します。
伸縮するパイプ
ねじで留めるパイプのなかにも、長さを伸び縮みさせられるものがあります。太いパイプに細いパイプが差し込まれた形です。
| 見るところ | 起きやすいこと | 使い方 |
|---|---|---|
| 太い管と細い管の継ぎ目 | 継ぎ目で段差ができ、ハンガーが引っかかる | 継ぎ目を端の受けの近くに寄せる |
| 細い管の部分 | 太い管より曲がりやすい | 重い服を細い側に集めない |
| 伸ばした長さ | 伸ばすほど継ぎ目に力がかかる | 伸ばせる長さの8割までで使う |
**伸縮するパイプは、継ぎ目を端の受けの近くに置くと、段差の引っかかりと曲がりを両方減らせます。**幅にぴったり合う長さが手に入るなら、継ぎ目のないパイプを切って使うほうが、ハンガーはなめらかに滑ります。
吊り下げて足す2段目
元のパイプに金具を掛けて、その下にもう1本パイプを吊る方法があります。穴を開けずに2段にできますが、2段目の重さはすべて元のパイプにかかります。
| 確かめること | 目安 |
|---|---|
| 元のパイプのたわみ | 2段目を吊る前に糸で測り、2mm以下か |
| 吊る位置 | 元のパイプの受けの近く |
| 2段目に掛ける服 | シャツやスカートなど軽いもの |
| 合計の重さ | 上下を足して、元のパイプの1mあたりの重さが15kgを超えない |
**2段目を吊ったら、もう一度元のパイプのたわみを測ってください。**上の段に掛けていた服と、下の段の服の重さが、すべて元のパイプにかかります。5mmを超えて下がるなら、2段目の服を減らすか、元のパイプの真ん中に受けを足します。
パイプを切って長さを合わせる
新しいパイプは、クローゼットの内側の幅に合わせて切って使うことが多くあります。
| 手順 | すること |
|---|---|
| 1 | 左右の受けの、パイプが入る底から底までを測る |
| 2 | そこから、落とし込み側の遊びとして5mmほど引く |
| 3 | パイプに印をつけ、パイプ用の切る道具で切る |
| 4 | 切り口のばりを、やすりで落とす |
| 5 | 受けに入れて、左右に動きすぎないかを見る |
**切り口のばりは、残すと服を引っかける原因になります。**受けの中に隠れる部分でも、ハンガーを端まで寄せたときに当たることがあるので、指でなでて引っかかりがなくなるまで落としてください。
交換の合図
パイプは、見た目に異常がなくても、替えたほうがいい時期があります。
| 合図 | 確かめ方 | すること |
|---|---|---|
| 服を外してもたわみが戻らない | 糸で測る | パイプを替える |
| さびや表面のはがれ | 白い布でなでる | 服に色が移る前に替える |
| ハンガーが滑らなくなった | 空のハンガーを端から端まで動かす | 表面を拭くか、替える |
| 受けがぐらつく | パイプを手で上下に揺する | ねじを締め直すか、位置を変えて付け直す |
| 掛ける服の重さが変わった | 1mあたりの重さを出し直す | 太さや受けの数を見直す |
**受けのぐらつきは、パイプの曲がりより先に直してください。**受けが動くと、パイプの片側が下がり、ハンガーが一方へ寄っていきます。左右の受けの高さがずれていないかは、パイプの上に水平を測る道具か、水を少し入れたペットボトルを横にして置くと分かります。ねじ穴が広がって締まらない場合は、少し位置をずらして、下地のある場所に付け直します。
秋の衣替えで、コートを戻す前に
10月は、夏のあいだ別の場所にしまっていたコートやジャケットを、パイプに戻す時期です。1年でいちばんパイプに重さが加わる日なので、戻す前に確かめておきます。
| 確かめること | 方法 | 目安 |
|---|---|---|
| 1mあたりの重さ | 戻す冬物を足して計算し直す | 15kgを超えたら受けを足す |
| たわみ | 冬物を戻す前に糸で測る | 2mm以下か |
| 重い服の位置 | どこに掛けるか決めておく | 端の受けか、真ん中の受けの近く |
| 受けのねじ | 指で揺すってみる | ぐらつかないか |
**冬物を戻したら、1週間後にもう一度たわみを測ってください。**掛けた直後より、数日たってから下がってくることがあります。5mmを超えていたら、重い服を受けの近くに寄せるか、一部を別の場所へ移します。
掛け方で、重さを分ける
パイプや受けを替えなくても、掛け方で重さのかかり方は変わります。
| 掛け方 | 効き方 |
|---|---|
| 重い服を受けの近くに掛ける | 真ん中のたわみが減る |
| 真ん中には軽い服を掛ける | 真ん中にかかる重さが減る |
| 重いハンガーを軽いものに替える | 1着あたり0.2〜0.4kg減る |
| 季節外の重い服を別の場所へ | 1mあたりの重さそのものが減る |
**いちばん手軽なのは、コートとダウンを端の受けの近くへ寄せることです。**左右どちらの端に寄せるかは、扉を開けたときに手の届きやすい側にすると、重い服の出し入れで奥まで手を伸ばさずに済みます。受けのすぐそばは、重さをそのまま壁に逃がせる場所です。真ん中にはシャツやスカートのような軽いものを集めると、同じパイプでもたわみが小さくなります。
どちらとも取れるとき①|受けのあいだが90cm前後
受けのあいだが85〜100cmで、真ん中に受けを足すかどうか迷う幅です。
| 判断の材料 | 両端だけでいく | 真ん中に足す |
|---|---|---|
| 1mあたりの重さ | 10kg以下 | 10kgを超える |
| パイプの太さ | 25mm以上 | 19mm |
| たわみ | 2mm以下 | 3mm以上 |
| 冬物を掛けるか | 掛けない | 掛ける |
**右の列が2つ以上当てはまるなら、真ん中に受けを足してください。**真ん中の受けは、ハンガーを滑らせるときに一度持ち上げる手間が増えますが、季節や家族の境目に置けば、ふだんはそこをまたがずに済みます。
どちらとも取れるとき②|下地が片側にしかない
左の壁には下地があるのに、右の壁は石膏ボードだけ、ということがあります。
| 手 | すること |
|---|---|
| 右側を棚板から吊る | 棚板の下に吊り下げ金具を付けて、パイプの右端を支える |
| 右側の受けを専用の留め具で | 石膏ボード用の留め具を使い、重い服は左に寄せる |
| 真ん中に受けを足す | 右端の負担を減らす |
| パイプを短くする | 下地のある範囲だけにパイプを渡し、残りは棚にする |
**右端を棚板から吊り、重い服を左の下地側に寄せる、という組み合わせがいちばん確かです。**石膏ボード用の留め具だけで右端を支える場合は、右側1/3には軽い服だけを掛けると決めておきます。
どちらとも取れるとき③|木のパイプにしたいが、ハンガーが入らない
音が静かで見た目もやわらかい木のパイプにしたいけれど、手持ちのハンガーのフックが細くて入らない場合です。
| 手 | すること | 向いている人 |
|---|---|---|
| ハンガーを替える | フックの広いハンガーに少しずつ替える | ハンガーをそろえたい人 |
| 細めの木のパイプにする | 25mm前後の木のパイプを選ぶ | 掛ける服が軽い人 |
| 樹脂で覆った鉄にする | 音の静かさは近く、25mmで選べる | 冬物も掛けたい人 |
| 一部だけ木にする | 真ん中の受けで区切り、片側だけ木にする | 見える側だけ木にしたい人 |
**冬物も掛けたいなら、樹脂で覆った鉄のパイプが、木に近い静かさと強さを両方持っています。**木の見た目にこだわる場合は、受けを1つ足して受けの間隔を短くし、細めの木のパイプでも下がらないようにします。
取り付けたあとに確かめること
パイプを替えたり足したりしたら、服を全部掛けたあとに、次の5つを確かめます。
| 確かめること | 方法 | 目安 |
|---|---|---|
| たわみ | 糸を張って真ん中を測る | 2mm以下 |
| 受けのぐらつき | パイプを両手で上下に揺する | 動かない |
| ハンガーの滑り | 空のハンガーを端から端まで動かす | 途中で止まらない |
| 上の棚との隙間 | 厚いハンガーを持ち上げて外す | 棚に当たらない |
| 服の下の空き | いちばん長い服の裾から床まで | 5cm以上 |
1週間たったら、たわみだけもう一度測ってください。掛けた直後に2mm以下でも、1週間で増えていることがあります。
よくある行き違い
**「太いパイプにすれば、受けは両端だけでいい」。**受けのあいだが長ければ、太いパイプでも真ん中は下がります。太さより先に、受けの間隔を決めてください。
**「長さはクローゼットの幅ぴったりに切る」。**落とし込み側に遊びがないと、パイプを外せなくなります。底から底までの長さから5mmほど引いて切ります。
**「突っ張り棒でも、ねじで留めたパイプと同じだけ掛けられる」。**突っ張り棒は壁を押す力だけで止まっています。表示の耐荷重の半分ほどを目安にしてください。
**「たわみは見れば分かる」。**数mmのたわみは目では分かりません。糸を張って、すき間を定規で測ると、はっきり数字で出ます。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. ハンガーパイプの太さは何mmを選べばいいですか
- 掛ける服の重さと、受けの間隔で決めます。シャツやブラウスが中心で、受けの間隔が90cm以内なら19mmで足ります。コートやジャケットを含めて掛けるなら25mm、冬物のコートを何着もまとめて掛ける、または受けの間隔が90cmを少し超えるなら32mmを選びます。太いほど曲がりにくくなりますが、ハンガーのフックが入るかを先に確かめてください。手持ちのハンガーのうち、いちばんフックの細いものが基準になります。
- Q. パイプが真ん中でたわんでいます。替えたほうがいいですか
- まず、パイプの両端に糸を張って、真ん中で糸からパイプまで何mm下がっているかを測ってください。服を全部外しても下がったままなら、パイプそのものが曲がっているので替えどきです。服を外すと戻るなら、パイプは無事で、重さに対して支えが足りていません。その場合は、真ん中に受けを足すか、重い服を両端の受けの近くへ寄せます。たわみが5mmを超えているなら、冬物を戻す前に直しておくと安心です。
- Q. 賃貸でパイプを足したいのですが、壁に穴を開けられません
- 床から天井まで突っ張る柱を2本立てて、そのあいだにパイプを渡す方法か、クローゼットの左右の壁に突っ張る方法があります。どちらも壁に穴を開けずに済みますが、ねじで留めたパイプより掛けられる重さが小さくなります。製品に書かれている耐荷重の半分ほどを目安にして、コートのような重い服は、ねじで留めた元のパイプに残してください。突っ張る面に、天井や壁の板の継ぎ目が来ないかも確かめます。
- Q. 木のパイプにしたいのですが、注意することはありますか
- 木のパイプは太く、表面にやわらかい摩擦があるので、ハンガーが滑りすぎず、音も静かです。気をつけるのは、太さとフックの相性です。木のパイプは30mm以上の太さのものが多く、細いフックのハンガーは入らないことがあります。手持ちのハンガーのフックの内側の幅を測り、パイプの太さより5mm以上広いかを確かめてください。また、湿気の多いクローゼットでは、塗装のある木のパイプを選ぶと、反りや汚れがつきにくくなります。
— メグラシ編集部





