壁面クローゼット|幅と奥行きは、持っている服の丈と枚数から逆算する

**壁面クローゼットをつくる前や借りる前に、手持ちの服を丈で3つに分けて、何枚あるかを数えてください。**掛ける枚数に1着あたりの厚みを掛けると幅が、ハンガーの肩幅に前後の余裕を足すと奥行きが、長い丈の服の枚数で高さの割り振りが決まります。広さは、部屋の壁ではなく、あなたの服が決めます。
壁一面のクローゼットは、たくさん入りそうに見えます。けれども、幅だけ広くて奥行きが足りないと、服を横向きに掛けられません。高さを1段のパイプにすると、短い丈の服の下に大きな空きが残ります。同じ広さでも、服の丈と枚数に合わせて割り振るかどうかで、入る量が倍近く変わることがあります。
この記事は、壁面クローゼットの幅・奥行き・高さ・扉を、手持ちの服から逆算する手順です。扉ごとの死角の扱いはクローゼット内の収納|扉の開き方で、死角の位置が変わるに、狭いクローゼットに入る枚数の上限は狭いクローゼットの収納にまとめてあります。
結論:幅は枚数から、奥行きは肩幅から、高さは丈から決まる
| 決めるもの | 何から出すか | 目安 | 足りないと起きること |
|---|---|---|---|
| パイプの幅 | 掛ける枚数×1着あたりの厚み | 普通の服1着3cm、厚手のコート6cm | 服が押し合ってしわになる |
| 奥行き | ハンガーの肩幅+前後の余裕 | 内寸55〜60cm | 横向きに掛けられない |
| 高さの割り振り | 長い丈と短い丈の枚数 | 長い丈の区画は縦に120cm以上 | 丈の長い服の裾が床に着く |
| 枕棚 | 背伸びせずに手が届く高さ | 床から180〜200cm | 上の段が物置になる |
| 扉 | 前に取れる通路の幅 | 引き戸なら通路60cm、折れ戸なら扉の半分+60cm | 扉が家具に当たる |
5つのうち、あとから変えにくいのは奥行きと扉です。**幅と高さは棚やパイプで割り振り直せますが、奥行きと扉は壁ごと決まります。**つくる前や借りる前には、この2つを先に確かめてください。
先に数える|服を丈で3つに分ける
クローゼットの前に立ち、掛けている服を丈で3つに分けて数えます。畳んでしまっている服は、ここでは数えません。
| 丈の分け方 | 入る服の例 | ハンガーに掛けたときの縦の長さ | 要る縦の空き |
|---|---|---|---|
| 長い丈 | ロングコート・ロングワンピース・長いスカート | 110〜140cm | 120〜150cm |
| 中くらいの丈 | 膝丈のワンピース・膝丈のコート・パンツを二つ折り | 90〜110cm | 100〜120cm |
| 短い丈 | シャツ・ブラウス・ジャケット・短いコート | 60〜80cm | 90〜100cm |
数え終わったら、紙に3つの数字を書いてください。**この3つの数字が、壁面クローゼットのすべての寸法の出発点になります。**家族で使うなら、1人ずつ同じように数えます。
数えるときに迷うのは、パンツです。パンツは二つ折りにしてハンガーに掛けると中くらいの丈、裾をクリップで挟んで吊るすと長い丈になります。今の掛け方のまま数えて、あとで掛け方を変えるかどうかを決めてください。膝丈のコートも、肩から裾までを測って、110cmを超えるなら長い丈の側に入れます。
長い丈の服が少ない人ほど、パイプを上下2段に分けられるので、同じ幅でも多く掛けられます。反対に、ロングコートやロングワンピースが多い人は、2段に分けられる区画が狭くなります。
幅①|掛ける枚数×1着あたりの厚み
パイプの幅は、掛ける服の枚数に、1着あたりの厚みを掛けて出します。1着あたりの厚みは、服の種類によって違います。
| 服の種類 | 1着あたりの厚み | 10着で要る幅 |
|---|---|---|
| 薄手のシャツ・ブラウス | 2cm | 20cm |
| カットソー・薄手のニット | 3cm | 30cm |
| ワンピース・スカート | 3cm | 30cm |
| ジャケット | 4cm | 40cm |
| 厚手のニット(掛ける場合) | 5cm | 50cm |
| 薄手のコート | 5cm | 50cm |
| 厚手のコート・中綿のコート | 6〜8cm | 60〜80cm |
計算した合計に、1〜2割の余りを足してください。**余りがないと、服を取り出すたびに隣の服が引っかかり、戻すときに押し込むことになります。**ハンガーの厚みもこの数字に含まれていますが、厚みのある木のハンガーを使っているなら、1着あたり1cmずつ足します。
たとえば、シャツが15着、ワンピースとスカートが10着、ジャケットが5着、厚手のコートが4着なら、30+30+20+28で108cm。2割を足して、およそ130cmのパイプが要ります。
この130cmは、パイプを1段にしたときの長さです。シャツとジャケットの20着を2段目に回せるなら、上と下で長さを分け合えるので、壁の幅としてはもっと短くて足ります。幅を決めるときは、先に高さの割り振りを考えてから、1段あたりの長さを出すほうが、壁の幅を無駄なく使えます。
幅②|家族で分けるなら、枚数の割合で分ける
壁面クローゼットを家族で使うときは、幅を半分ずつにせず、掛ける枚数の割合で分けてください。
| 分け方 | 起きること | 向く家族 |
|---|---|---|
| 同じ幅で半分ずつ | 服の多い人の側だけが詰まる | 2人の服の枚数がほぼ同じ |
| 枚数の割合で分ける | どちらの側も余りが同じくらいになる | 服の枚数が違う |
| 長い丈の区画だけ共用 | 端の区画を2人で使う | 長い丈の服が2人とも少ない |
| 季節で分ける | 季節ごとに片方の幅が広くなる | 2人とも季節の服が多い |
| 上下で分ける | 上段と下段を1人ずつ | 背の高さが大きく違う |
枚数の割合で分けるときは、それぞれの服の厚みも入れて計算してください。枚数が同じでも、厚手のコートが多い人のほうが幅を使います。1人ずつ、幅①の表で出した合計の長さを比べて、その長さの割合で壁を分けるのがいちばん正確です。
幅を分けたら、境目にしきりを入れるか、ハンガーの色を人ごとに変えておくと、服が混ざりません。長い丈の区画を共用にすると、それぞれの側を短い丈の2段掛けにでき、同じ幅でも掛けられる枚数が増えます。
子どもの服を一緒に入れる場合は、子どもの服は丈が短いので、大人の短い丈の区画の下の段に並べると、子どもが自分で手を伸ばせる高さになります。子どもが成長して丈が伸びたら、その区画を大人の側に戻します。
奥行き|55cmあれば横向きに掛けられる
服をハンガーで横向きに掛けるには、ハンガーの肩幅に、前後の余裕を足した奥行きが要ります。
| 内寸の奥行き | 掛け方 | 起きること |
|---|---|---|
| 60cm以上 | 横向きに掛けられる | 厚手のコートも扉に当たらない |
| 55〜60cm | 横向きに掛けられる | 厚手のコートの袖が扉に触れることがある |
| 50〜55cm | 薄手の服なら横向きに掛けられる | コートは肩が扉か壁に当たる |
| 45〜50cm | 横向きは難しい | 服を少し斜めにして掛ける |
| 45cm以下 | 横向きには掛けられない | 正面向きに掛けるか、棚にする |
大人の服のハンガーは、肩幅が40〜45cmあります。前に扉、奥に壁があるので、肩幅に前後5cmずつを足した55cmが、横向きに掛けるときの最低の奥行きです。厚手のコートは袖が膨らむので、60cmあると扉に当たりません。
奥行きは、扉の内側から奥の壁までを測ります。引き戸の場合は、扉の溝の分だけ内寸が浅くなるので、溝の内側から測ってください。
測るときは、手持ちのハンガーの中でいちばん肩幅の広いものを1本持って行くと確かです。ハンガーをパイプの位置に横向きに当てて、前と奥にそれぞれ指3本ぶんの余りがあれば、そのハンガーに掛けたコートも扉に当たりません。数字だけで迷うときは、実物を当てて見るのがいちばん早い方法です。
奥行きが足りないとき|正面向きに掛ける・棚にする
内寸が45cm以下で、横向きに掛けられない場合は、使い方を変えます。
| 使い方 | 向く服 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 正面向きに掛ける金具 | シャツ・ジャケット | 1本に掛けられるのは5〜8着 |
| 棚にして畳む | ニット・カットソー・パンツ | 棚の間隔は畳んだ高さの2倍まで |
| 引き出しにする | 下着・靴下・小物 | 引き出す長さ分、前に空きが要る |
| 服を斜めに掛ける | 薄手のシャツ | 1着あたりの幅が1.5倍になる |
| フックに掛ける | バッグ・帽子・ストール | 重いものは下の段に |
奥行きが足りない壁面クローゼットは、古い住まいや、押し入れを作り替えた部屋によくあります。反対に、押し入れを作り替えた場合は奥行きが80cm以上あることも多く、そのときは手前にパイプ、奥に季節外の箱を置くと、前後で使い分けられます。
正面向きの金具は、手前の1着しか見えないので、よく着る服ほど手前に掛けてください。奥行きが足りない壁面クローゼットは、掛けるより畳む服を多くしたほうが、全体として多く入ります。
高さ|パイプを1段にするか2段にするか
短い丈の服は、ハンガーに掛けても縦に60〜80cmしかありません。パイプを1段にすると、下に100cm以上の空きが残ります。
| 高さの割り振り | 上のパイプ | 下のパイプ | 向く服 |
|---|---|---|---|
| 1段 | 床から170〜180cm | 無し | 長い丈の服 |
| 2段 | 床から190〜200cm | 床から95〜100cm | 短い丈の服 |
| 1段+下に引き出し | 床から170〜180cm | 無し(下は引き出し) | 中くらいの丈の服 |
| 1段+上に棚2枚 | 床から150〜160cm | 無し | 短い丈の服と、畳む服 |
2段に分けた下の段は、腰から胸の高さに服の肩が来るので、しゃがまずに選べます。上の段は、顔の高さより少し上に服の肩が来ます。毎日着る服を下の段に、週に1〜2回の服を上の段に分けると、朝の出し入れで腕を上げる回数が減ります。
2段に分けるには、クローゼットの内寸の高さが200cm以上要ります。**上の段は、背伸びせずに手が届く高さかを確かめてください。**届かない場合は、上の段にしまう服を季節外のものにして、衣替えのときだけ踏み台を使います。
長い丈の区画は、どちらの端に置くか
長い丈の服を掛ける区画は、壁面クローゼットの端に1つまとめます。真ん中に置くと、左右の2段掛けの区画が分断されて、使いにくくなります。
| 置く場所 | 向くとき |
|---|---|
| 部屋の入口に近い端 | コートを毎日出し入れする |
| 部屋の奥の端 | ロングワンピースなど、たまにしか着ない |
| 窓に近い端 | 日が当たらない場合だけ。当たるなら避ける |
| 家族の境目 | 2人で共用にする |
長い丈の区画の下には、服の裾から床までに空きが少し残ります。ここには、背の低い靴の箱や、平たいバッグを置けます。裾が物に触れない高さかを、実際に掛けてから確かめてください。
**毎日着るコートが長い丈なら、入口に近い端に置くと、朝の出し入れが短くなります。**長い丈の服がほとんどない場合は、端の区画を中くらいの丈の区画にして、膝丈のワンピースや二つ折りのパンツを掛けます。
枕棚|手が届く高さと、置くもの
壁面クローゼットの上には、たいてい枕棚と呼ばれる棚があります。ここに何を置くかで、枕棚が使える場所になるか、物置になるかが決まります。
| 置くもの | 向き | 理由 |
|---|---|---|
| 季節外の服を入れた箱 | 向いている | 年に2回しか出さない |
| 帽子・季節の小物 | 向いている | 軽くて、落としても危なくない |
| バッグ | 軽いものだけ | 重いものは下ろすときに危ない |
| 毎日使うもの | 向かない | 背伸びの回数が増える |
| 重い箱 | 向かない | 下ろすときに落としやすい |
| 中身の見えない箱 | ラベルがあれば使える | 何が入っているか忘れる |
枕棚の高さは、床から180〜200cmがよくある作りです。**背伸びせずに箱の底に手が届かない高さなら、そこには年に2回しか開けないものだけを置いてください。**季節外の服を箱にしまうときの選び方は衣替えの収納ケースにあります。
下の空き|引き出しと箱
パイプを1段にした区画の下には、大きな空きができます。ここは、引き出しや箱を置くのに向いています。
| 下の空きの高さ | 置くもの | 気をつけること |
|---|---|---|
| 100cm以上 | 引き出しを2〜3段重ねる | いちばん上の段を腰の高さに |
| 60〜100cm | 引き出しを1〜2段 | 服の裾が引き出しに触れないか |
| 30〜60cm | 浅い箱・靴の箱 | 服の裾の下に収まるか |
| 30cm以下 | 平たい箱・バッグ | ほこりが入らないようにふたを |
下の空きに引き出しを置くときは、**掛けた服の裾から引き出しの上までに、手のひら1枚ぶんの空きを残してください。**裾が引き出しに乗ると、服にしわがつきます。引き出しの段数の決め方はクローゼットのチェスト|引き出しの深さで、入るものが決まるで扱っています。
扉を選ぶ|引き戸・折れ戸・開き戸・扉なし
壁面クローゼットの扉は、あとから替えるのが難しい場所です。前に取れる通路と、一度にどれだけ開けたいかで選びます。
| 扉 | 一度に開く幅 | 前に張り出す幅 | 向く部屋 |
|---|---|---|---|
| 引き戸 | 全体の半分ほど | 無し | 前にベッドや机が迫っている |
| 折れ戸 | ほぼ全面 | 扉1枚の幅の半分ほど | 前に通路が取れる |
| 開き戸 | 扉1枚ずつ | 扉1枚の幅 | 幅が狭く、扉が2〜4枚 |
| 扉なし・布で仕切る | 全面 | 無し | 中が見えても気にならない |
| 扉なし・開け放し | 全面 | 無し | 服の色や丈をそろえて見せる |
扉の選び方で迷う人の多くは、見た目の好みで決めようとしています。けれども、扉は毎日何回も開け閉めする場所です。朝の支度で何回開けるか、そのとき前にどれだけ立てるかを考えると、選ぶべき扉はたいてい1つに絞れます。
服を一度に見渡して選びたいなら折れ戸か扉なし、前の通路が狭いなら引き戸が向いています。引き戸は、左右の扉が重なる場所がいつも隠れるので、その場所には季節外の服を掛けると無駄がありません。
扉の前に要る通路
扉を選んだら、クローゼットの前にどれだけの空きが要るかを確かめてください。家具を置いたあとで扉が開かないことに気づくと、置き場所を変えるしかなくなります。
| 扉 | 扉の前に要る空き | 立って服を選ぶための空き | 合計 |
|---|---|---|---|
| 引き戸 | 0cm | 60cm | 60cm |
| 折れ戸(扉1枚45cm) | 25cm | 60cm | 85cm |
| 開き戸(扉1枚45cm) | 45cm | 60cm | 105cm |
| 扉なし | 0cm | 60cm | 60cm |
立って服を選ぶための空きは、人が1人立って腕を前に伸ばせる幅です。**ベッドの横にクローゼットがある部屋では、ベッドの端からクローゼットの扉までが60cmあるかを先に測ってください。**足りなければ、引き戸か扉なしを選びます。
靴とバッグの置き場所も、先に決めておく
壁面クローゼットは服のための場所ですが、実際には靴やバッグ、帽子、ストールなども一緒に入れることが多くなります。服だけで寸法を出すと、あとから入れる物の場所が足りなくなります。
| 物 | 置く場所 | 要る空き |
|---|---|---|
| よく使うバッグ | 扉の内側のフック、下の空きの手前 | 1個につき幅20〜30cm |
| たまに使うバッグ | 枕棚、下の空きの奥 | 形が崩れないよう立てて置く |
| 季節の靴 | 下の空きに箱で | 1足につき幅20cm前後 |
| ストール・マフラー | 引き出しか、パイプに掛ける | 1本につき2〜3cm |
| 帽子 | 枕棚 | 重ねずに並べる |
| 手入れの道具 | 扉の内側か、引き出しの1段 | 小さな箱1つ分 |
**靴を下の空きに置くなら、服の裾から床までの空きが40cm以上ある区画を選んでください。**それより低いと、靴の箱を出すたびに服の裾に触れて、しわや汚れの元になります。
物の数を数えるときも、服と同じように、秋の衣替えのあとで数えると、冬のブーツや厚手のストールまで入れた数字になります。
照明とコンセント
壁面クローゼットは奥行きがあるので、部屋の照明だけでは奥の服の色が見分けにくくなります。とくに、紺と黒、灰色と濃い灰色は、暗い場所ではほとんど同じに見えます。
つくるときには、クローゼットの中か、扉の上に照明をつけられるかを確かめてください。つけられない場合は、電池で光る小さな照明を枕棚の下に貼ると、朝の暗い時間でも色が見分けられます。衣類の手入れに使う道具を充電するなら、クローゼットの近くにコンセントがあるかも、打ち合わせのときに一緒に確かめておきます。
湿気|外壁側の面なら、奥に空きを残す
壁面クローゼットが外壁側の面にある場合は、冬に壁が冷えて、奥に湿気がたまりやすくなります。
- 奥の壁から服の肩まで、手のひら1枚ぶんの空きを残す
- 下の空きに置く箱は、壁から離して置く
- 晴れた日に、扉を開けて空気を入れ替える
- 湿気を取る道具は、下の空きの奥に置く
外壁側かどうかは、クローゼットの奥の壁の向こうが外か、別の部屋かで分かります。**外壁側なら、奥行きが60cmあっても、服を奥まで詰めずに55cmまでの位置で掛けてください。**壁を選ぶ段階での考え方はクローゼットがない部屋にまとめてあります。
衣替えの時期に測る理由
壁面クローゼットの寸法を測るなら、秋の衣替えの時期がいちばん向いています。
| 時期 | クローゼットの状態 | 測ったときの数字 |
|---|---|---|
| 春の衣替えのあと | 薄手の服が多い | 少なく出る |
| 夏 | 薄手の服だけ | いちばん少なく出る |
| 秋の衣替えのあと | 厚手のコートとニットが加わる | いちばん多く出る |
| 冬 | 厚手の服が多い | 多く出る |
**秋に冬の服を出したときの枚数と厚みで測っておけば、1年のうちでいちばん詰まる時期に合わせた幅が出ます。**夏に測ると、冬に厚手のコートを掛けたときに幅が足りなくなります。
衣替えの日は、服を全部出して入れ直す日でもあります。数えるだけなら、出した服を丈で3つの山に分けて、山ごとに枚数を数えれば15分ほどで終わります。数え終わったら、その数字を書いた紙をクローゼットの扉の内側に貼っておくと、次の衣替えのときに、服が増えたか減ったかがすぐ分かります。
いまある壁面クローゼットを割り振り直す
すでに壁面クローゼットがある場合も、同じ手順で割り振り直せます。服を丈で3つに分けて数え、今のパイプと棚の配置と比べてください。
| 今の状態 | 割り振り直し方 |
|---|---|
| 全体が1段のパイプで、短い丈の服が多い | 半分を2段にする |
| 長い丈の服が真ん中にある | 端に移して、長い丈の区画を1つにまとめる |
| 奥行きが足りず、服が斜めになっている | 薄手の服を畳んで棚か引き出しに |
| 枕棚に毎日使うものがある | 下の空きか、扉の内側のフックに移す |
| 家族の服が混ざっている | 枚数の割合で幅を分けて、しきりを入れる |
| 下の空きに何も置いていない | 引き出しか箱を置く |
パイプを2段にするには、後から取り付けるパイプや、上のパイプから吊り下げる金具が使えます。棚を足す場合の考え方はクローゼット可動棚で詳しく扱っています。
賃貸の内見で見る5か所
部屋を借りるときに壁面クローゼットがあるなら、内見で次の5か所を測ってください。巻き尺が1本あれば、5分ほどで終わります。
| 見る場所 | 測り方 | 手持ちの服と比べること |
|---|---|---|
| パイプの長さ | 左端から右端まで | 枚数×厚みの合計より長いか |
| 奥行き | 扉の内側から奥の壁まで | 55cm以上あるか |
| パイプの高さ | 床からパイプまで | 長い丈の服の裾が床に着かないか |
| 枕棚の高さ | 床から棚の上まで | 背伸びせずに手が届くか |
| 扉の前の空き | 扉からベッドを置く予定の位置まで | 扉の種類ごとの通路が取れるか |
内見のときに、家から手持ちの長い丈の服の丈を測って、数字をメモしておくと、その場で比べられます。パイプの長さが足りない部屋でも、奥行きが55cm以上あって高さが200cm以上あれば、2段に分けて足りることがあります。
賃貸の場合、パイプを2段にする金具や、突っ張って立てる棚は、壁に穴を開けずに使えるものを選んでください。内見のときに、パイプの取り付け部分がしっかりしているか、手で軽く押して確かめておくと、2段目の金具を吊り下げても大丈夫かが分かります。
リフォームや新築の打ち合わせで伝える数字
壁面クローゼットをつくる打ち合わせでは、「たくさん入るように」と伝えるより、数字で伝えたほうが、思っていたとおりの作りになります。
| 伝える数字 | 出し方 |
|---|---|
| 長い丈・中くらい・短い丈の枚数 | 丈で3つに分けて数えた数字 |
| パイプの長さの合計 | 枚数×厚みの合計に2割を足す |
| 長い丈の区画の幅 | 長い丈の服の枚数×厚み |
| 2段にする区画の幅 | 短い丈の服の枚数×厚み÷2 |
| 奥行きの内寸 | 55〜60cm |
| 枕棚の高さ | 背伸びせずに手が届く高さ |
| 扉の種類 | 前の通路から選んだもの |
打ち合わせの前に、丈で3つに分けた数字と、1着あたりの厚みを掛けた合計を1枚の紙にまとめておくと、話が早く進みます。図面を見ながら、どの壁のどこに長い丈の区画を置くかまで決めておけば、完成してから割り振りに迷うことがありません。
**家族の人数が増える予定や、子どもの服を一時的に入れる予定があるなら、それも数字に入れておいてください。**パイプの長さに1〜2割の余りを残しておくと、数年のうちに服が増えても対応できます。
どちらとも取れるとき①|幅は足りるが、奥行きが45cm
幅は十分あるのに、奥行きが45cmほどしかない壁面クローゼットはよくあります。この場合は、区画ごとに使い方を分けます。
| 区画 | 使い方 |
|---|---|
| 端の区画 | 正面向きの金具で、コートとジャケットを掛ける |
| 真ん中の区画 | 棚を入れて、ニットとパンツを畳む |
| 反対の端の区画 | 引き出しを重ねて、下着と小物を入れる |
横向きに掛けられない分を、畳む服に回すと、幅の広さを活かせます。薄手のシャツだけは、少し斜めにすれば掛けられることもあるので、1着試してから決めてください。
どちらとも取れるとき②|家族2人で使い、服の枚数が大きく違う
2人の服の枚数が大きく違うときは、枚数の割合で幅を分けたうえで、少ない人の側に、共用の物を置きます。
たとえば、1人が60着、もう1人が20着なら、幅を3対1に分けます。少ない人の側の下の空きには、2人で使うバッグや季節の小物を入れた箱を置きます。少ない人の側に共用の物を置くと、多い人が相手の側に服をはみ出させることがなくなります。
どちらとも取れるとき③|扉をつけるか、つけないか迷う
扉をつけるか迷うときは、クローゼットが部屋のどこから見えるかで決めてください。
| 見え方 | 向く扉 |
|---|---|
| 部屋の入口から正面に見える | 扉をつける |
| ベッドから横に見える | 布で仕切る |
| 部屋の奥で、ほとんど見えない | 扉なしでもいい |
| 来客が入る部屋 | 扉をつける |
扉なしにするなら、ハンガーの色と形をそろえ、服を丈の順に並べると、見えていても落ち着いた眺めになります。
2週間で確かめること
壁面クローゼットを割り振り直したり、新しい部屋に服を入れたりしたら、2週間だけ使い方を見てください。数字で決めた割り振りが、暮らしに合っているかが分かります。
| 確かめること | 見方 | 合っていなかったとき |
|---|---|---|
| 朝に服を選ぶ時間 | 扉を開けてから選び終わるまで | よく着る服を扉の開く側へ |
| 押し込んで戻した回数 | 戻すときに隣の服を押したか | 1着あたりの厚みを見直す |
| 背伸びした回数 | 枕棚や上の段に手を伸ばしたか | よく使う物を下の段へ |
| 扉が家具に当たった回数 | 扉を開けるたびに | 家具の位置を変える |
| 床に置いたままの服 | 夜に数える | 掛ける場所が足りない丈を数え直す |
**床に置いたままの服が毎晩出るなら、その服の丈の区画が足りていません。**丈で3つに分けた数字をもう一度見直して、足りない丈の区画を広げてください。
よくある行き違い
**「幅が広いほどたくさん入る」。**奥行きが45cm以下だと、幅が広くても横向きに掛けられず、入る枚数は思ったより少なくなります。幅より先に奥行きを確かめてください。
**「パイプは1段がいちばん使いやすい」。**短い丈の服が多い人は、1段にすると下に大きな空きが残ります。2段に分けると、同じ幅で掛けられる枚数がほぼ倍になります。
**「折れ戸なら全部見渡せるから便利」。**全部見渡せる代わりに、扉が前に張り出します。前にベッドや机がある部屋では、扉が当たって開ききらないことがあります。
**「枕棚は高いほどたくさん置ける」。**手が届かない高さの枕棚は、置いたものを下ろさなくなり、物置になります。背伸びせずに箱の底に手が届く高さかを確かめてください。
装いに活かすなら
壁面クローゼットは、服を丈で3つに分けて数えるところから始まります。秋の衣替えで冬の服を出したら、その日のうちに数えてください。3つの数字と、1着あたりの厚みがあれば、幅・奥行き・高さ・扉のすべてを自分で決められます。
手持ちの服にぴったり合った壁面クローゼットは、服を探す時間が減り、朝の服選びも短くなります。広さに合わせて服を詰めるのではなく、服に合わせて広さを割り振ってください。
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- 衣替えの収納ケース|中身が見えるかどうかで、来季に開ける回数が変わる ── 枕棚に置く箱を選びたい場合
— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 壁面クローゼットの奥行きは何cmあればいいですか
- 服をハンガーで横向きに掛けるなら、内寸で55〜60cmあると安心です。大人の服のハンガーは肩幅が40〜45cmほどあり、前後に5cmずつの余裕がないと、扉に袖が当たったり、奥の壁に肩がこすれたりします。内寸が45cm以下の場合は、横向きには掛けられないので、服を正面に向けて掛ける金具を使うか、棚と引き出しを中心にした使い方にしてください。
- Q. 壁面クローゼットにするとき、扉は引き戸と折れ戸のどちらがいいですか
- 前に通路をどれだけ取れるかで決めてください。引き戸は前に張り出さないので、ベッドや机がクローゼットの前に迫っている部屋に向いています。ただし、一度に開くのは全体の半分ほどです。折れ戸はほぼ全面が開きますが、開けたときに扉が前に張り出すので、扉の幅の半分ほどの通路が必要です。服を一度に見渡して選びたいなら折れ戸、通路が狭いなら引き戸が向いています。
- Q. 家族で1つの壁面クローゼットを使うとき、どう分ければいいですか
- 先に1人ずつ掛ける服の枚数を数えて、枚数の割合で幅を分けてください。同じ幅で半分ずつにすると、服の多い人の側だけが詰まり、少ない人の側が空いたままになります。分けたら、長い丈の服が掛かる区画を2人で共用にして、短い丈の区画をそれぞれに割り当てると、同じ幅でも無駄が少なくなります。
- Q. 壁面クローゼットに扉をつけずにカーテンで仕切ってもいいですか
- かまいません。扉がないと、前に張り出すものが無く、全面を一度に見渡せます。気をつけるのは、中の服が部屋から見えることと、ほこりが入りやすいことです。カーテンや布で仕切るなら、床から少し浮く長さにして、下の空きに置いた箱にふたをしておくと、ほこりが気になりにくくなります。
— メグラシ編集部





