折りたたみクローゼットの選び方|畳んだあとの厚みを立てて置ける隙間があるかで決まる

季節の変わり目だけ服が増えるから、そのあいだだけ掛ける場所がほしい。折りたたみクローゼットを探し始めるとき、たいていはこういう状況だと思います。
ところが、置いてみると畳まれないまま1年がたつ、ということがよく起きます。
畳めない理由は、道具の側にはありません。畳む機能はちゃんと付いています。足りていないのは、畳んだあとにそれを置く場所のほうです。
この記事は、買う前に家の側を測る順番で書きました。
結論|畳めるかどうかではなく、畳んだ厚みを立てて置ける隙間があるか
折りたたみクローゼットを選ぶとき、多くの人が見るのは、畳めるかどうかと、何着入るかです。
けれど、実際に畳まれるかどうかを決めているのは別のところにあります。畳んだあとの厚みを、立てて置ける隙間が家にあるかどうか。
畳んだものは、平らに寝かせて置くと、その上に別のものが乗ります。乗った時点で、出すのに片付けが必要になり、次の季節には出てきません。だから立てて置ける場所が要ります。
そして立てて置くには、厚みより少し広い隙間が必要です。この幅が家のどこかに見つかるなら、折りたたむ形は機能します。見つからないなら、畳む機能は付いていないものと同じ扱いになります。
📋 早見表|形ごとの厚みと、必要な隙間
| 畳み方 | 畳んだ厚み | 必要な隙間 | 置き場所の数 |
|---|---|---|---|
| 骨ごと畳む(パイプを抜かない) | 8〜12cm | 11〜15cm | 1か所 |
| パイプを抜いて布だけ畳む | 布3〜5cm | 布は6〜8cm | 2か所 |
| 同上・パイプの束 | 直径6〜8cm | 長さ80〜100cmが立つ高さ | 上と別 |
| 天板や棚板が付く形 | 板1枚2〜3cm | 板の枚数ぶん加算 | 1か所 |
厚みに足している3cmは、出し入れのときに手が入る分です。この余裕がないと、抜き差しのたびに引っかかります。
買う前に測る3か所
家の側を測るのは3か所だけです。巻尺があれば5分で終わります。
- 立てたときに渡す床の幅と奥行き|置きたい場所に、実際の寸法ぶんの床が空いているか
- 畳んだものを差す隙間の幅|候補の場所で、いちばん狭いところを測る
- その隙間の高さ|畳んだ長さが立つかどうか
3つ目が見落とされやすいところです。畳んだものは、幅と厚みが合っていても、長さが天井や棚板に当たれば立ちません。骨ごと畳む形は、畳んでも高さが元の8割ほど残ります。高さ180cmのものなら、畳んでも145cm前後です。
隙間の高さが150cmに届かない場合は、パイプを抜いて布だけを畳む形を選んでください。布だけなら畳んだ長さを自由に変えられます。
判定①|年に何回畳むかで、中に入れていいものが変わる
先に決めるのは、道具ではなく回数のほうです。
- 年0回(畳む予定がない)|掛けるものに制限はありません。立てたまま使う道具として選んでください
- 年1回(衣替えのときだけ)|移す先が空いている量まで
- 年2回以上(来客や帰省でも畳む)|一度腕に掛けて運べる量、10〜12着まで
年2回以上の欄の数字は、往復の回数から出しています。腕に掛けて一度に運べるのは、薄手なら15着ほど、厚手が混ざると10着前後です。ここを超えると往復が2回になります。
往復が2回以上になった作業は、次の機会には見送られます。上限を決めているのは掛けられる量ではなく、一度で運び終わる量のほうです。
判定②|畳む作業の大半は、中身を出す時間
畳む作業そのものは、骨を折り、布をたたんで、1分ほどで終わります。時間がかかっているのはその前です。
中身を移す先が決まっている場合、30着で3分前後。1着あたり4秒で腕へ移し、まとめて運んで、骨を畳む。この流れで終わります。
移す先が決まっていない場合、同じ作業が15分以上になります。増えているのは作業時間ではなく、どこへ置くか考える時間のほうです。
だから、買う前に移す先を1か所だけ決めておいてください。押し入れの一段でも、別のクローゼットのパイプの端30cmでも構いません。決まっていること自体が効きます。
判定③|隙間を探す順番
必要な幅は11〜15cmです。家の中でこの幅を探すとき、見る順番があります。
- 家具と壁のあいだ|冷蔵庫や本棚の横に10cm前後あくことがあります
- クローゼットの内側の側面|掛けた服の端から壁までに残っている幅
- 扉の裏側|開いたときに壁と扉のあいだにできる帯
- ベッドや棚の下|ここだけは寝かせて置く場所なので、上に物が乗らないかを先に見る
上の3つが見つからず、4つ目しか残らない場合は、畳む前提を外して考えたほうが早いこともあります。立てたまま使い続ける道具として選び直すと、判断する場所が重さと光のほうに移ります。
隙間が見つかったら、その場所に一度、同じ厚みのものを差してみてください。厚手の掛け布団を畳んだものでも、段ボールを重ねたものでも構いません。手が入るか、抜くときに引っかからないか。ここで引っかかる隙間は、実物でも引っかかります。
もうひとつ、隙間の床がどうなっているかも見てください。畳んだ布の下端が直接床に触れる場所だと、掃除のたびに動かすことになります。動かす手間が毎週かかる場所は、置き場として続きません。
秋に決めると、回数が1回で済む
畳む回数が年1回で済むなら、その1回は衣替えに重ねるのがいちばん手数が少なくなります。
秋は、夏のあいだ掛けていた薄手が一斉に抜けて、中身がいちばん軽くなる時期です。厚手はまだ出していないので、運ぶ量が年間で最も少なくなります。
このタイミングで一度畳んでみると、実際に何分かかるか、隙間に入るかが分かります。試すのは、増える前です。畳めるかどうかは、いちばん中身が少ない日に確かめておくと、あとで迷いません。
冬に中身が増えてから初めて畳もうとすると、運ぶ量が倍になり、そこで見送りになります。
秋にもうひとつ都合がいいのは、掛けていたものの状態が見えることです。夏のあいだ同じ場所に掛かっていたものは、肩の当たり方や表面の様子に差が出ています。全部を一度外す日は、その差を見る日にもなります。
畳んでみて15分以上かかった場合は、道具ではなく量のほうを見直してください。次の季節は、掛ける枚数を判定①の上限まで減らして始めると、同じ作業が3分で終わります。
立てたまま使う道具との使い分け
畳む前提を外してよい場合もあります。次のどれかに当てはまるなら、折りたためる形にこだわらなくて構いません。
- 掛けているものを週に1回以上着ている
- 置いている場所が、通り道から見えない面にある
- 隙間が11cm確保できない
このとき見る場所は、掛けた重さと、日の当たる帯に移ります。掛けられる量の計算や、パイプが下がったときの手当ては、立てたまま使う形の記事のほうに置いてあります。
逆に、次のどれかに当てはまるなら、畳める形を選ぶ意味があります。使うのが年の半分以下である、来客のときに視界から消したい、住まいが変わる予定がある。このうちひとつでも当てはまるなら、隙間を先に測る価値があります。
判断の順番としては、まず年に何回畳むかを決め、次に隙間を測り、最後に道具を見ます。道具から見ると、畳めると書いてあるものが全部候補になってしまい、絞れません。
よくある行き違い
「畳めるものを選べば、狭い部屋でも置ける」と言われます。置けるかどうかは立てたときの床面積で決まるので、畳めることとは別の話です。畳む機能が効くのは、使わない時期がはっきりある場合だけです。
「大は小を兼ねるので、幅の広いものを選ぶとよい」と言われます。幅が広いと、畳んだときの面積も一緒に大きくなります。畳んだ状態が隙間に入らなくなる境目は、幅よりも高さの側に出やすいので、置き場所の天井までの高さを先に見てください。
「使わないときは畳んでしまえばいい」と考えがちです。中身を出す先が決まっていない場合、この一文が15分の作業になります。畳む前提で選ぶなら、移し先を1か所決めるところまでが選ぶ作業に含まれます。
まとめ
- 畳まれるかどうかは、道具ではなく家の側で決まる
- 必要な隙間は、畳んだ厚みに3cmを足した幅
- 骨ごと畳む形は8〜12cm、パイプを抜く形は置き場が2か所に分かれる
- 年2回以上畳むなら、中身は一度で運べる10〜12着まで
- 畳む時間の大半は中身を移す時間。移す先を1か所先に決める
- 試すなら、中身がいちばん軽い秋のうちに
装いに活かすなら
掛ける場所を増やすと、手持ちの見え方が変わります。今まで畳んでしまっていたものが掛かると、朝に目に入る枚数が増え、組み合わせが増えたように感じられます。
一方で、畳んでしまう時期が来ると、その枚数は一度視界から消えます。消えるものと残るものを自分で分けておくと、次の季節に何を足すかが決めやすくなります。分け方に迷うときは、スタイリストが顧客プロフィールと在庫情報を踏まえて選定する形もあります。
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よくある問い
- Q. 折りたたみクローゼットと簡易クローゼットは、何が違いますか
- 形としてはほとんど同じもので、違うのは前提のほうです。簡易クローゼットは立てたまま使い続けることを前提にしていて、掛けた重さと日の当たり方が判断の中心になります。折りたたみクローゼットは、使わない時期に畳んでしまうことを前提にした呼び方です。だから見る場所が変わります。畳んだあとの厚み、それを置く隙間、中身を移す先。この3つが決まっていない場合、畳む機能は付いていても使われず、結局は立てたままの簡易クローゼットと同じ扱いになります。
- Q. 畳んだあと、どれくらいの隙間があれば置けますか
- 畳んだ厚みに3cmを足した幅を用意してください。パイプを抜かずに骨ごと畳む形は8〜12cmになるので、必要な隙間は11〜15cmです。パイプを抜いて布だけを畳む形は、布が3〜5cm、パイプの束が直径6〜8cmで長さ80〜100cm。この場合は置き場が2か所に分かれます。足した3cmは、出し入れのときに手が入る分です。ぴったりの幅に押し込む形にすると、抜き差しのたびに引っかかり、数回で出さなくなります。
- Q. 中に何を掛けておけばいいですか
- 年に何回畳むかで決まります。0回、つまり畳む予定がないなら、掛けるものに制限はありません。年1回、衣替えのときだけ畳むなら、移す先が空いている量まで。年2回以上畳むなら、一度腕に掛けて運べる量、つまり10〜12着までに収めてください。この上限を超えると、畳む作業が一度で終わらなくなります。往復が2回以上になった時点で、次からは畳まれなくなると考えて構いません。
- Q. 畳むのに、どれくらい時間がかかりますか
- 中身を移す先が決まっていれば、30着で3分前後です。掛かっているものを腕に移すのに1着あたり4秒ほど、骨を畳むのが1分。ところが移す先が決まっていないと、同じ作業が15分以上になります。増えているのは畳む時間ではなく、置き場所を探して迷う時間のほうです。だから畳めるかどうかの判断は、道具の側ではなく家の側にあります。買う前に移す先を1か所決めておくと、この差が出ません。
— メグラシ編集部





