ボブのヘアアレンジ|あご先から毛先まで何cmかで、その日できる型が決まる

「ボブは短いからまとまらない」のところで止まっています
手順のとおりにやったのに、途中で毛先が抜けた。ゴムには通ったのに、昼過ぎには後ろが落ちてきている。それで「ボブだからできない」と結論を出して、そのまま下ろして出かける。ボブのヘアアレンジの相談は、たいていこの形で来ます。
ただ、できる人とできない人がいるのではありません。同じ人でも、切った直後の月とその3か月後では、成立する型が入れ替わっています。 変わったのは手順ではなく長さです。
この記事は、型の名前を並べません。あご先から毛先までが何cmかを先に測って、今日成立する型だけに絞ります。そのうえで、場面ごと・顔立ちごとの細かい判断は、それぞれの記事へ渡します。
結論:あご先から毛先まで何cmかで、その日できる型が決まる
ボブと呼ばれる長さの幅は、思っているより広いです。あご先より上で終わる長さも、鎖骨に届く長さも、どちらもボブと呼ばれます。その差はおよそ10cmあり、10cmは型の成否をまるごと入れ替えるのに十分な距離です。
判断はひとつだけです。あご先を0として、毛先が何cm下にあるか。 これで、結ぶ・ねじる・留める・巻くのうち、どれが今日成立するかが決まります。
- 毛先があご先より上 ── 留めると巻くの2つ。結ぶとねじるは成立しません
- あご先とほぼ同じ高さ ── 半分だけ結ぶが加わります
- あご先から3〜6cm下 ── 4つとも成立します。いちばん幅のある帯です
- 7cm以上下(鎖骨に近い) ── 結んだあとの折り返しと丸めまで届きます
成立しない型は、練習してもうまくなりません。手が悪いのではなく、長さが足りていないだけだからです。
測るのは1つ。鏡の前で20秒です
メジャーは要りません。人差し指の幅がおよそ1.5cm、指を3本そろえた幅がおよそ4.5cm、4本でおよそ6cmとして数えます。
あごを引かず、目線を水平にして、横を向いた状態で測ります。基準はあご先のいちばん前に出ている点です。そこから真下に指をおろし、髪のいちばん下の毛先まで指が何本入るかを数えてください。
注意が2つあります。ひとつは、後ろの髪ではなく顔の横の毛先で測ること。前下がりに切ってある場合、後ろは短く前は長いので、後ろで測ると帯を1つ読み違えます。もうひとつは、乾いた状態で測ることです。濡れている髪は自重で1〜2cm下がります。
左右で長さが違う場合は、短いほうの側で判定してください。 長いほうに合わせると、短い側だけが途中で抜けます。
早見表|4つの長さ帯と、成立する型
あご先を0とし、下向きを正として読みます。
| 長さ帯 | 結ぶ | ねじる | 留める | 巻く |
|---|---|---|---|---|
| あご先より上 | 成立しない | 成立しない | 主役になる | 毛先の向きだけ |
| あご先とほぼ同じ(0〜2cm) | 半分だけなら | 顔の横の1束だけ | 成立する | 角度が出る |
| あご下3〜6cm | 一つに結べる | 両サイドを後ろで合わせられる | 成立する | 丸みが出る |
| 7cm以上・鎖骨まで | 折り返し・丸めまで | 後ろで交差できる | 成立する | 2段に分けられる |
表の見方はひとつです。自分の帯の行だけを読み、上の行にある型は今日は考えないでください。
いちばん迷いが出るのはあご下3〜6cmの帯です。ここは4つとも成立するぶん、選択肢が多くて決まりません。この帯にいる日は、道具の数から先に絞るほうが速く進みます。手元にゴムしかない朝とコテまで出せる朝では、同じ帯でも結論が変わるからです。使う道具の数から決める考え方にその順番をまとめてあります。
型①|結ぶ
結ぶが成立するのは、あご先とほぼ同じ高さから下の帯です。
あご先と同じ高さの帯では、全部を後ろで1つにまとめると耳の横から必ず抜けます。この帯は半分だけ結ぶ側に寄せてください。耳の上端から上の髪だけを、全体の4分の1から3分の1の量で取り、細いゴムで2周だけ巻きます。3周目まで巻くと根元が引きつれて浮きが出ます。
あご下3〜6cmの帯からは、全部を1つにまとめられます。ここで結果を分けるのは、ゴムから出た毛先の長さです。3cm未満ならそのまま出しておくのが形として落ち着き、3〜7cmなら折り返して内側へ差し込め、7cm以上なら巻き込んで丸められます。飛び出しをなくそうとせず、出た長さに合わせて次の一手を選んでください。 残り丈ごとの手順は結んだあとゴムから出た長さで決めるに分けてあります。
結んだときに入りきらず落ちてくる毛は、ボブでは必ず出ます。問題はその毛の長さのほうで、落ちた毛の先が耳たぶの下端を越えていれば顔の横に細い線が下りて結び目とつながって見え、越えないと横へ跳ねます。越えないときの直し方は落ちてくる毛の長さで見るに3つ並べてあります。
型②|ねじる
ねじるが成立するかは、毛束を1回転させてもまだ手に残る長さがあるかで決まります。目安は、束の根元から毛先まで指4本(約6cm)です。
あご先より上の帯では、ねじった時点で毛先が手から抜けます。ここは考えなくて構いません。あご先とほぼ同じ高さの帯では、顔の横の1束だけがぎりぎり成立します。こめかみの前の幅1cmほどの束を取り、後ろ向きに2回ねじって耳の後ろで留めてください。幅3cm以上の太い束を取ると、ねじり目がほどけて面に戻ります。
あご下3〜6cmの帯からは、左右の束を後ろで合わせられます。両サイドから同じ量を取り、それぞれ後ろ向きに2回ずつねじって、後頭部の中央で留め具1つにまとめます。ここで大事なのは、左右でねじる回数をそろえることです。片方だけ3回ねじると、その側だけ束が短くなって中心が横へずれます。
7cm以上ある帯では、左右の束を交差させて反対側へ回せます。交差させた分だけ後ろに横の線が1本増えるので、首もとが開いている日に向きます。
型③|留める
留めるは、どの帯でも成立します。あご先より上の帯では、これが主役になります。
留め具を入れる向きには決まりがあります。毛束の根元をひとつまみし、地肌に対しておよそ45度で差し込み、差し込んだあと反対方向へひねって固定してください。まっすぐ差すと、数時間で同じ角度のまま抜け落ちます。
留める場所は、顔の横から先に決めます。先にうなじを留めてから顔まわりへ進むと、うなじの毛を引いた分だけ顔の横の量が変わり、やり直しになります。顔まわりを先に留め、最後にうなじで全体を見てください。
幅の広い留め具を使う日は、留め具の縦幅とその日の首もとの関係も見ます。留め具の縦幅が、留めた位置から首もとの布の上端までの距離より長いと、下端が布に当たって押し上げられます。この測り方は留め具の縦幅と首もとの距離にあります。
正面から耳がどれだけ見えるかも、留める位置で決まります。0割・5割・10割のどれを選ぶかで毛先の向きまで変わるので、迷う日は耳が何割見えているかで決めるの3段階から先に選んでください。
型④|巻く
巻くも、どの帯でも成立します。ただし帯によって、出せるものが違います。
あご先より上の帯で出せるのは、丸みではなく向きです。毛先から2〜3cmだけを挟み、外へ半回転させるか内へ半回転させるか。この角度が、そのまま顔まわりの輪郭になります。短い帯ほど毛先が顔の近くにあるので、角度の差がまっすぐ印象に出ます。向きの決め方は毛先を外に流すか内に入れるかに角度で整理してあります。
あご下3〜6cmの帯からは、丸みが出せます。毛先から3〜4cmを挟んで内へ半回転させると、毛先が輪郭に沿って収まります。カール1個の直径が3cm以下なら動きが強く出て、4cm以上なら自然な丸みに近づきます。巻いてから2〜3時間で直径は1cmほど広がるので、夕方まで持たせたい日はそのぶんを見込んで始めてください。直径ごとの差は巻く方向とカールの直径にまとめてあります。
7cm以上の帯では、上下2段に分けて別の向きに巻けます。ここまで来ると、ボブというより長さのある髪と同じ扱いになります。
崩れる原因は3つだけです
夕方に鏡を見て崩れているとき、原因は3つに分かれます。3つとも対処が逆向きなので、先に切り分けてください。
①|毛先が軽い
毛束の先端を指でつまんで、指1本分の厚みがあるかを見ます。厚みが足りない場合、ゴムや留め具に触れている面そのものが少ないので、いくら強く留めても抜けます。
この場合に効くのは、留める力ではなく束の取り方です。留める直前に、束を一度下へ軽く引いてから位置を決めてください。引かずに留めると、根元側のゆるみが残ったまま固定されて、そのゆるみのぶんだけ夕方に下がります。毛先の厚みは切り方でも変わるので、切りそろえた面が残っているかどうかは毛先の厚みで見る考え方が参考になります。
②|束の量が足りない
束ごとずり下がっている場合は、量の不足です。束の直径が細いと、留め具の掛かりが浅くなります。
直し方は2つです。ひとつは取る範囲を広げること。もうひとつは、逆に1本を2本に分けることです。同じ量でも左右2本に分ければ1本あたりの直径は半分になり、留め具1つが受け持つ重さも半分になります。1本で足りないときに力を足すより、2本に割るほうが確実に止まります。
③|留める位置が高い
留めた直後から浮いてくる場合は、位置です。ボブの長さでは、束の重さに対して支えられる高さに上限があります。目安は耳の穴の高さで、それより上に留めると、束の自重で根元が引かれて数十分で下がります。
位置を1cm下げるだけで止まることがほとんどです。下げても形が気に入らない日は、留めるのをやめて巻くへ切り替えてください。 高さで解決しようとするかぎり、同じところへ戻ります。
場面ごとの入口
同じ帯にいても、その日の予定で優先するものが変わります。
- 式や席のある日 ── 毛先が肩に触れるかどうかが先に決まります。触れなければそのままで一日持ちます。毛先が肩に触れるかで分ける
- 顔立ちの側から決めたい日 ── 顔の縦横と首の余白、その日の襟で成立する型を出せます。襟と4つの数字で決める
- 手元の道具が少ない日 ── できることの上限が道具の数で決まります。道具の数から逆算する
- 首もとの形から決めたい日 ── 服の側から整理すると早いことがあります。ネックラインの種類12種
秋の装いとのつながり
9月の後半から、同じ髪型が急に決まらなくなることがあります。髪の側に原因を探しても、たいてい見つかりません。変わったのは首もとに入ってきた布の上端です。
夏のあいだ、ボブの毛先は何にも触れずに落ちていました。薄手の編み地やタートルを着始めると、布の上端が耳たぶの下端から4〜8cm下まで上がり、毛先がちょうどその上に乗ります。乗った毛先は、うなずくたびに同じ位置で押し戻されて、半日ぶんで輪郭の線が二重になります。
逃げ道は2つです。束の下端を布の上端より上へ出すか、毛先を布より6cm以上下まで流しきるか。あご先より上の帯にいる場合、下へ流しきるのは成立しないので、顔の横へ前に出して首もとから外すほうが現実的です。首もとの段階ごとの早見表は秋のヘアアレンジにあります。
よくある行き違い
「ボブは短いからアレンジが限られる」と言われがちですが、限っているのは長さではなく帯の選び違いです。 あご下3〜6cmの帯は、結ぶ・ねじる・留める・巻くの4つが全部成立します。限られているように感じるのは、成立しない帯の型を試しているときです。
「短い毛先が飛び出すのは失敗」という言い方も、半分しか当たっていません。ボブの長さで結べば、毛先は必ずゴムから出ます。出た長さが3cm未満なら、そのまま出しておくのが形として落ち着きます。隠そうとして折り込むほうが、かえって束が割れて見えます。
「留め具を増やせば止まる」も、この場面では空振りします。同じ場所に3本重ねても、押さえている点は1つのままです。増やす前に、毛先の厚み・束の量・留める高さの3つを切り分けてください。
「切ったら同じアレンジができなくなった」は、切ったこと自体の問題ではありません。2〜4cm短くなって帯をまたいだだけなので、切ったあとに一度測り直せば、その帯の型へ移れます。
装いに活かすなら
髪の位置が決まると、首もとに置ける線の数が決まります。逆も同じで、その日の服の首もとが高ければ、髪が置ける場所は先に狭まっています。朝は服を決めてから髪を決めると、やり直しの回数が減ります。
レンタルのサービスでも、顧客プロフィールと在庫情報を踏まえて選定されたものが届きます。届いた服の首もとがどこまで上がっているかを袖を通す前に一度指で押さえておくと、その日の髪の判断がそこで終わります。
関連記事
- 秋のヘアアレンジ — 首もとの布の上端と束の下端の距離
- ボブのヘアアレンジ|襟と4つの数字で決める — 顔立ちと首の余白から
- ボブのヘアアレンジ|使う道具の数で決める — 手元の道具から逆算する
- ショートボブのヘアアレンジ|毛先の角度で決める — 外に流すか内に入れるか
- ボブのまとめ髪|ゴムから出た毛先の長さで決める — 残り丈ごとの手順
— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. ボブでも一つに結べますか。結ぶと毛先が飛び出してしまいます。
- あご先から毛先まで3cm以上下にあれば、一つに結ぶこと自体は成立します。飛び出すのは失敗ではなく、この長さでは必ず起きることです。ゴムから出た毛先が3cm未満ならそのまま出しておくのが形として落ち着き、3cm以上あれば折り返して内側へ差し込めます。飛び出しをなくそうとするより、出た長さに合わせて次の一手を選ぶほうが早く決まります。
- Q. 同じやり方なのに、美容室に行ったあとだけアレンジが決まらなくなります。
- 切った直後は毛先までの長さが2〜4cm短くなっているので、それまで成立していた型が帯をまたいで外れています。あご先から毛先までが6cmあった状態と3cmになった状態では、ねじれる回数も、ゴムから出る毛先の長さも変わります。技術が落ちたわけではないので、切ったあとに一度だけ測り直して、今日の帯に合う型へ寄せてください。
- Q. 留めてもすぐ落ちてきます。留め具を増やせば止まりますか。
- 増やす前に原因を分けてください。落ちる理由は3つあり、対処が互いに逆です。毛先だけがすべって抜けるなら束の取り方、束ごとずり下がるなら量の不足、留めた直後から浮くなら位置が高すぎることが原因です。同じ場所に留め具を重ねても押さえている点は1つのままなので、位置を直してから、足りなければ離れた2か所に1本ずつ入れるほうが止まります。
- Q. 秋になってから、夏と同じアレンジが夕方まで残りません。
- 髪ではなく首もとが上がったことで結果が変わっています。薄手の編み地やタートルを着始めると、布の上端が耳たぶの下端から4〜8cm下まで上がり、束の下端がちょうどその上に乗ります。乗った毛先はうなずくたびに同じ位置で押し戻されるので、半日ぶんで輪郭が二重になります。束の下端を布の上端より上へ出すか、逆に布より6cm以上下まで流しきるか、どちらかへ寄せてください。
— メグラシ編集部





