ヘアクリップのアレンジ|留まるかどうかは、束の直径と噛み幅の比で決まる

同じ留め方をしても、落ちる日と落ちない日があります。効いているのは手つきではなく、束の直径をクリップの噛み合わせの幅で割った値です。
この値が0.5以下なら半日もちます。超えると、どんな留め方でも下がります。技術で埋まる差ではありません。
このページで測るのは3つです。噛み幅・束の直径・留める高さ。 所要は1分です。
📋 早見表|測るのは3つ
| 記号 | 測るもの | 目安 |
|---|---|---|
| W | クリップの歯が噛み合っている長さ | 道具ごとに固定 |
| B | 毛束をゆるく握ったときの断面の直径 | 3〜5cm |
| H | 留める位置が耳の上端から何cm上下か | −3〜+5cm |
B ÷ W が0.5以下なら通過。ここが先で、留め方は後です。
結論:留まるかどうかは、比で決まる
クリップは、噛み合っている部分の長さぶんだけ毛を挟んでいます。挟まれていない毛は、束の中で少しずつ滑ります。
滑る毛の割合が半分を超えると、束全体が下へ移動します。 これが半日で下がる仕組みです。だから見るべきは束の太さそのものではなく、噛める長さに対する太さの比になります。
比が0.5以下なら、挟まれている毛のほうが多いので、束は動きません。
測り方|W と B の出し方
W は、クリップを開いたときに歯が噛み合っている部分の長さです。留め具の全長ではありません。全長のうち、実際に毛に当たる部分だけを測ります。
B は、毛束をゆるく握った輪の直径です。強く握ると細く出るので、指の力を抜いてください。親指と人差し指で作った輪がおよそ直径4cmなので、そこを基準に3cm・4cm・5cm以上で数えます。
Wは道具ごとに固定なので、一度測れば覚えておけます。手持ちの道具を全部並べて、Wを書いた紙を一緒に置いておくと、朝に選ぶ時間がなくなります。Wが8cmあれば、Bは4cmまで扱えます。 Wが6cmなら3cmまでです。
Bは、その日の髪の状態で変わります。乾いた直後は膨らんでいるので大きく、時間が経つと落ち着いて小さくなります。測るのは、留める直前にしてください。
比が0.5を超えたときの逃がし方
2つあります。束を2つに分けて2か所で留めるか、噛み幅の長い道具に替えるかです。
分ける場合は、上下ではなく左右に分けてください。 上下に分けると、下の束が上の束の重さを受けるので、下だけが先に落ちます。左右に分ければ、2つの束はそれぞれ独立します。
左右に分けると、Bはおよそ0.7倍になります。5cmだった束は3.5cmになるので、Wが8cmなら比は0.44まで下がります。分けるだけで、道具を替えずに上限の内側へ入ります。
道具を替える場合は、Wの長いものを選びます。同じ見た目でも、歯が噛み合っている長さは道具ごとにかなり違うので、手に取って開いてみてください。見た目の大きさとWは一致しません。
留める高さ|耳の上端を0にする
耳の上端を0として、そこから上下何cmかで数えます。同じ留め方でも、この位置で結果が変わります。
0より上に留めると、顔まわりの毛が上へ集まります。0より下に留めると、首から後頭部にかけての面がひと続きになります。まず0の位置を決めてから、上か下かを選んでください。
耳の上端より上に留めたとき
上へ2〜5cmの範囲です。この範囲では、留めた点より下の毛が扇のように広がるので、後頭部に丸みが出ます。
条件が1つあります。留めた点より上に、毛が3cm以上残っていること。 残りが薄いと、留めた点が頭の輪郭のいちばん上に来てしまい、丸みではなく角になります。
3cm残すには、取る毛の範囲を耳の上端より上に限定します。範囲を広げるほど残りが薄くなるので、Bを大きくしたい気持ちで範囲を広げると、条件のほうが崩れます。BとこのC条件は、逆方向に動きます。
高い位置ほど、留めた点より下の毛が広がります。広がる幅は、留めた高さ1cmにつきおよそ2cmです。広がりすぎると感じたら、1cm下げるだけで2cm狭まります。
耳の上端より下に留めたとき
下へ0〜3cmの範囲です。この範囲では、留めた点の上下がつながって1つの面になります。首の縦が長く見えるのはこの形です。
条件は襟です。襟の上端が留めた点より高いと、面が襟に隠れます。 襟の高い日は、留める位置を耳の上端より上へ動かしてください。
下の位置は、束の重さが真下にかかるので、比の条件が少し厳しくなります。上の位置で0.5だったものが、下では0.45くらいの感覚です。下に留める日は、Bを一段小さく取ると安定します。
首の後ろの毛が短い場合、下の位置では支えが足りません。その場合は、留めた点の下に短い毛が集まらないよう、上から下ろす毛を少し多めに含めてください。
型①|ハーフアップが成立する条件
上半分だけを留める形です。B ÷ W が0.5以下であることに加えて、下ろしている毛の量が、留めた束より多いことが条件になります。
下ろす量のほうが少ないと、留めた束の重さで全体が後ろへ引かれます。目安として、耳の上端より上の毛だけを取れば、この条件は自動的に満たされます。
型②|ねじって留めるが成立する条件
ねじりは1回半までです。2回以上ねじると束の直径が細くなりすぎて、噛み合わせから抜けます。
1回半ねじると、束の断面が丸に戻ります。断面が丸いほど、噛み合わせに当たる面積が増えるので、同じ比でも保持が上がります。朝の時点で束が平たい人は、この型が最も長くもちます。
型③|全部まとめるが成立する条件
B ÷ W が0.4以下であることが条件です。0.5ではありません。全部まとめると束の重さが増えるので、余裕を1段多く取ります。
0.4を超える場合は、上下2段に分けて2か所で留めます。 上の段を先に留め、下の段は上の段の下端から3cm下に留めると、2つの束が干渉しません。
どちらとも取れるとき①|比は通っているのに落ちる
束の中で、長さの違う毛が混ざっている場合です。短い毛は噛み合わせに届かないので、比の計算に入っていても実際には挟まれていません。
留める前に、束を下へ1回引いてください。 引いたときに手のひらから抜けてくる毛が多ければ、その毛は数に入りません。抜けた量を差し引いて比を出し直します。
どちらとも取れるとき②|朝は良いが夕方に下がる
断面の形が変わっています。丸かった束が平たくなると、噛み合わせに当たる面積が減ります。
対処は、留める前に1回ねじって断面を丸に戻すことです。ねじりは1回半まで。 それでも夕方に下がるなら、留める高さを1cm上へ動かしてください。高い位置ほど、重さのかかる方向が真下からずれます。
どちらとも取れるとき③|長さが型の境目にある
束が作れるかどうかで分けます。ゆるく握って輪ができるなら束、できないなら面です。
面のときは比を使わず、指でつまんで持ち上げた毛の厚みが1cm以上あるかで判定します。1cm以上なら表面を留める形が成立し、1cm未満なら留める位置を耳の上端より下へ動かして、下から支える形にします。
輪ができるかどうかの判定は、髪の長さではなく毛先までの距離で決まります。同じ長さでも、層が入っていると毛先が揃わないので、束にすると細くなります。層が多い髪は、束ではなく面として扱うほうが結果が安定します。
伸ばしている途中で、束と面のあいだにいる時期もあります。その場合は、その日の毛先の位置で決めてください。耳の下まで届いていれば束、届いていなければ面です。日によって扱いが変わっても問題ありません。判定は毎朝1回、その日のためだけに行います。
襟が高い日は、留める高さを上げる
襟の上端が耳の上端から何cm下にあるかを測ります。3cm以内なら、留める位置は必ず耳の上端より上へ。
襟と留め具が同じ高さに並ぶと、横線が2本重なります。 2本が近いと束になって太い1本に読まれるので、留めた形そのものが見えなくなります。
まとめ
留まるかどうかは、束の直径 ÷ 噛み幅が0.5以下かどうか。全部まとめる形だけ0.4以下。留める高さは耳の上端を0にして、上か下かを先に決めます。
道具のWは一度測れば変わらないので、覚えるのは1回で済みます。あとは毎朝、束をゆるく握って直径を見るだけです。この1回の確認で、その日もつかどうかが分かります。
夕方に下がるのは毛量ではなく断面の形なので、1回半のねじりで戻せます。
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よくある問い
- Q. クリップが半日ももちません
- 束の直径が噛み幅に対して太すぎます。クリップを開いたときの、歯が噛み合っている部分の長さを測ってください。次に、留めたい毛束をゆるく握って、その断面の直径を測ります。直径を噛み幅で割って0.5以下なら、その組み合わせは持ちます。0.5を超えていたら、束を2つに分けて2か所で留めるか、噛み幅の長いものに替えるかのどちらかです。留め方の技術では埋まりません。
- Q. 束の直径は、どう測りますか
- 毛束をゆるく握って、握った輪の直径を見ます。強く握ると細くなり、実際に留まる太さより小さく出るので、指の力を抜いてください。目安として、親指と人差し指で作った輪が直径4cm前後です。輪に収まって少し余るくらいなら3cm、輪がぴったりなら4cm、輪を広げないと入らないなら5cm以上と数えます。
- Q. 留める高さは、どこを基準にしますか
- 耳の上端を0として、そこから上下何cmかで数えます。0より上に留めると、顔まわりの毛が上へ集まるので、縦の線が上に伸びます。0より下に留めると、首から後頭部にかけての面がひと続きになるので、首の縦が長く見えます。同じ留め方でも、この2cmの違いで結果が変わるので、まず0の位置を決めてください。
- Q. 朝は良いのに、夕方に下がります
- 毛量ではなく、束の断面の形が変わっています。朝は丸い断面だったものが、日中に平たくなると、噛み合わせに当たっている面積が減ります。面積が減ると同じ比でも保持が落ちます。対処は、留める前に束を1回ねじって断面を丸に戻すことです。ねじりは1回半までにしてください。2回以上ねじると、束の直径が細くなりすぎて今度は抜けます。
- Q. 髪が短くて束が作れません
- 束が作れない長さでは、比の判定は使いません。代わりに、留めたい面の厚みで見ます。指でつまんで持ち上げた毛の厚みが1cm以上あれば、表面を留める形が成立します。1cm未満なら、留めた場所が薄く見えるので、留める位置を耳の上端より下へ動かして、下から支える形にしてください。
— メグラシ編集部




