秋のヘアアレンジ|首もとの布の上端が上がった分だけ、束を上げて下ろす量を減らす

秋になって決まらなくなったのは、髪の側の変化ではありません
朝、去年と同じようにまとめたのに、昼過ぎに鏡を見ると後ろが平らになっている。特別なことは何もしていないのに、9月の後半から急にこれが起きる。
原因を髪の側に探すと、たいてい見つかりません。変わったのは、首もとに入ってきた布の上端の高さです。 夏のあいだ、髪の下端は何にも触れずに下へ落ちていました。一枚増えた服は、その落ちる途中に横線を一本引きます。
この記事では、秋向きの結び方を並べません。今日着る服の首もとがどこまで上がってきたかを先に測って、髪の下端をその線から外すところだけを扱います。髪の色や質感の話もしません。動かすのは位置と量の2つだけです。
結論:布の上端から髪の下端までを、0以下か6cm以上にする
首もとの布でいちばん高いところに、頭を一周する線があります。この線から髪の下端までの縦の長さを、ここでは乗りしろと呼びます。下向きを正とします。
判定は3つに分かれます。
- 乗りしろが0以下(髪の下端が線より上)── 髪は布に乗らない。動いても位置が戻る
- 乗りしろが0〜6cm ── 毛先が布の上で止まる。うなずくたびに同じ場所で押し戻される
- 乗りしろが6cm以上 ── 毛先が布を越えて下へ流れる。乗っていても止まらない
避けるのは真ん中の帯だけです。 上へ出すか、下へ流しきるか。どちらが正解かは決まっていません。決めるのは、その日の服の首もとの高さです。
秋に急に決まらなくなるのは、この帯が勝手に近づいてくるからです。髪型を変えていなくても、首もとの布が3cm上がれば、乗りしろは3cm短くなります。去年の10月に成立していた高さが、今年の10月にも成立するとはかぎりません。
測るのは2つ。鏡の前で30秒です
指の幅で換算します。人差し指の幅がおよそ1.5cm、指4本でおよそ6cmです。
| 記号 | 測るもの | 何が決まるか |
|---|---|---|
| N | 首もとの布の上端が、耳たぶの下端から何cm下か | 線の高さ。すべての基準 |
| L | その線から髪の下端までの縦の長さ | 乗りしろ。散るかどうか |
Nを先に出します。その日着る服を実際に着て、首もとでいちばん高いところを指で押さえ、耳たぶの下端からの距離を測ってください。前より後ろが高い首もともあるので、後ろ側で測ります。
Lは、まとめたあとの束の下端、下ろしている日は毛先の位置までです。まとめる前に測っても意味がありません。その日作った形で測ってください。
早見表|首もとの段階と、まとめる位置・下ろす量
秋は一直線に寒くなるのではなく、首もとが段階的に上がっていきます。段階ごとに成立する形が入れ替わります。
| 首もとの状態 | Nの帯 | 束の下端を置く場所 | 下ろす量 |
|---|---|---|---|
| 開いた襟・浅いV字 | 12cm以上 | どこでもよい | そのままでよい |
| シャツの襟・浅い丸首 | 8〜12cm | 線より下へ流しきる | 全部下ろしてよい |
| 深い丸首・薄手のハイネック | 4〜8cm | 線の上へ出すほうが確実 | 半分を上げる |
| タートル・折り返しのある首もと | 0〜4cm | 線より上へ出す | 4分の1まで |
| マフラーやストールを一周 | 耳たぶより上 | 耳の上端の高さへ | 顔の横だけ残す |
表のどの行にも、線と同じ高さがありません。そこが避ける帯だからです。
上の2行は乗りしろを長く取れるので、下ろしたままでも成立します。下の3行は、長さのある方でも6cmを稼ぐのが難しくなるので、上へ出す側に寄せてください。
ハイネックの日|布の上に乗った髪は、静かに広がります
薄手のハイネックを着始めると、首もとの上端が耳たぶの下端から4〜8cm下まで上がります。ここが一年でいちばん乗りしろの帯に入りやすい高さです。
乗った状態で起きているのは、崩れではなく反復です。うなずく、振り向く、鞄を持ち替える。そのたびに毛先が布の上で1cmほど前後し、同じ位置に戻らないぶんだけ外へ開いていきます。1回の移動は数ミリでも、半日ぶんの回数が積み上がると輪郭の線が二重になります。
対処は、量のほうが先です。後ろの髪を全部上げなくて構いません。耳の上端より上の髪だけをまとめ、残りを下ろしたままにすると、布の上に残る量が半分になります。半分になれば、開く速さも半分です。
上げる高さに迷うときは、耳たぶの下端を基準にしてください。束の下端がここより上にあれば、多くのハイネックで線を越えます。鏡で後ろを確かめられない日は、両耳の下端から同じ距離に置けば中心が出ます。
マフラーとストールの日|巻く前に決めて、巻いてから直さない
首に一周入る布は、首もとの上端を耳たぶより上まで押し上げます。この日、乗りしろを正の値で成立させるのはほぼ無理です。上へ出す一択になります。
順番が結果を分けます。巻いてから髪を引き出すと、布の内側に残った毛先と、外へ出た毛が別々の向きを持ちます。 外したときに内側の毛だけが折れた形で残るのはこの経路です。
巻く前に、髪の下端を布が一周する線より上へ出しておいてください。長さが足りない日は、無理に全部を上げずに、上半分だけをまとめて残りを顔の横から前へ落とします。前に落とした毛は布の外側にあるので、巻いても挟まれません。
外すときは、頭の上へ引き抜かずに前でほどいてください。この一点だけは、道具も時間も要らずに効きます。布を髪そのものに巻き付けて使う日の折り幅と回数はスカーフのヘアアレンジにまとめてあります。上着を何度も脱ぎ着する冬の場面はクリスマスのヘアアレンジのほうが近いです。
帽子を出し始めた日|上下から挟まれる幅を先に見る
秋は、首もとが上がるのと帽子を出すのがほぼ同時に来ます。このとき束を置ける帯は、上の縁の線と下の布の上端に挟まれて狭くなります。
先に決めるのは下です。帽子の角度は朝の手元で1cm動かせますが、首もとの上端はその日の服が決めてしまいます。動かないほうを先に置いて、残った幅に束を収めてください。
挟まれて中央に置けない日は、耳の後ろあたりへ横に寄せます。中央より左右のほうが、上下の線の間隔が広く残るからです。帽子の縁と束の距離の測り方は帽子の日のヘアアレンジ、編み地の帽子と髪の広がりの関係はニット帽が似合う髪型にあります。
空気が乾く日|位置ではなく、束の本数を動かす
秋が進むと空気の湿りが減り、表面の毛が立ちやすくなります。立つと見た目の直径が増え、朝にぴったり留めた留め具の掛かりが浅くなります。
ここだけは、位置を動かしても止まりません。動かすのは本数です。同じ量の髪でも、左右2本に分ければ1本あたりの直径が半分になり、増えたぶんの余裕が残ります。
立った毛は乗りしろも短くします。毛先が下へ流れずに浮くので、布の上で止まりやすくなるからです。朝に6cm取ったつもりでも、夕方には4cmを割ることがあります。読める日は、朝のうちに1cmか2cm多めに取っておいてください。
表面が立ったときは、上から強く押さえないでください。表面だけが寝て内側の膨らみは残ります。手のひらを軽く当てて、上から下へ一方向になでると輪郭の線が戻ります。
髪の長さごとに、動かせる量が違います
同じ判定でも、選べる逃げ道の数が長さで変わります。
| 長さの目安 | 上へ出せるか | 6cm流しきれるか | 秋の寄せ先 |
|---|---|---|---|
| 肩より上 | 上げきれない日がある | できない | 顔の横へ前に出して、首もとから外す |
| 肩から鎖骨 | 上半分なら出せる | 首もとが低い日だけ | 半分上げて、残りを前へ |
| 鎖骨より下 | 出せる | できる | 首もとの高さで両方から選ぶ |
肩より上の長さは、上へも下へも逃げにくい帯です。この場合は、後ろで解決しようとせず、耳の後ろから前へ持ってくる量を増やしてください。首もとの布の上に残る髪が減れば、それだけで乗りしろの判定から外れます。
鎖骨より下の長さは選択肢が2つあるので、その日の首もとで決められます。Nが8cm以上あるなら下ろしきる、4cm未満なら上げる。あいだの日は、あとから指で下げられる上のほうを選んでください。
よくある行き違い
「秋は低めのまとめ髪が合う」と言われがちですが、首もとが上がった日には当てはまりません。 低い位置が落ち着いて見えるのは、布の上端が8cm以上下にある日、つまり襟が開いている時期の話です。同じ低めでも、9月前半と10月後半では条件が入れ替わります。
「とりあえずまとめれば崩れない」という言い方も、半分しか当たっていません。まとめても束の下端が線の0〜6cm下にあれば、下ろしているときと同じ場所で押し戻されます。まとめたかどうかではなく、下端がどこにあるかで決まります。
「留め具を増やせば止まる」も、この場面では空振りします。押される位置に置いているかぎり、本数を足しても同じところへ戻ります。同じ場所に3本重ねても、押さえている点は1つのままです。位置を先に直してから、足りなければ離れた2か所に1本ずつ入れてください。
装いに活かすなら
秋の装いは、一枚ずつ増えていく過程そのものが特徴です。その日の首もとの高さを先に決めてから髪の位置を決めると、服を変えた日に髪だけが取り残されることがなくなります。
レンタルのサービスでも、顧客プロフィールと在庫情報を踏まえて選定されたものが届きます。届いた服の首もとがどこまで上がっているかを、袖を通す前に一度指で押さえておくと、その日の髪の判断がそこで終わります。
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よくある問い
- Q. 夏と同じまとめ方なのに、秋になってから夕方の形が残りません。
- 髪の側ではなく、首もとの布の上端が上がったことで結果が変わっています。開いた襟の時期は布の上端が耳たぶの下端から12cm以上下にあるので、束や毛先は布に触れずに下へ落ちていました。薄手のハイネックを着始めると上端が4〜8cm下まで上がり、同じ高さでまとめた束の下端がちょうど布の上に乗ります。乗ったままうなずいたり振り向いたりすると、毛先が同じ位置で止まって押し戻されます。まとめ方は変えなくて構いません。束の下端を布の上端より上へ出すか、逆に布より6cm以上下まで流しきるか、どちらかへ寄せてください。
- Q. 秋は低めのまとめ髪が合うと聞きますが、低くすると崩れます。
- 低い位置そのものが悪いのではなく、その日の首もとの高さと合っていないだけです。低い位置が安定するのは、布の上端が耳たぶの下端から8cm以上下にある日、つまり襟が開いている日です。タートルや折り返しのある首もとの日は、低い位置に置いた束の下端が必ず布の上に乗ります。同じ「低め」でも、9月前半と10月後半では成立する条件が違います。朝に首もとの上端を指で押さえてから、高さを決めてください。
- Q. マフラーやストールを巻く日は、髪をどうしておけばいいですか。
- 巻く前に、髪の下端を布が一周する線より上へ出しておいてください。巻いてから髪を引き出すと、布の内側に毛先が残ったまま外側の毛だけが上がるので、内と外で向きの違う束ができます。長さが足りずに上へ出しきれない日は、量のほうを動かします。後ろの髪を全部上げなくてよいので、上半分だけをまとめ、残りを顔の横から前へ落としてください。首に入る布の上に残る髪が減るほど、外したあとの形が戻りやすくなります。
- Q. 空気が乾いてくると表面の毛が立って広がります。まとめ直したほうがいいですか。
- まとめ直す前に、束の本数を見てください。1本にまとめた束は、表面の毛が立つと直径が増えて、留め具の掛かりが浅くなります。同じ髪の量でも左右2本に分けると、1本あたりの直径が半分になるので、増えたぶんの余裕が残ります。表面が立った状態は乗りしろも短くします。毛先が浮いて布の上で止まりやすくなるからです。立った毛を上から強く押さえると表面だけが寝て内側は膨らんだままなので、手のひらを軽く当てて上から下へ一方向になでてください。
- Q. 帽子をかぶる日は、上と下のどちらを先に決めればいいですか。
- 下、つまり首もとの布の上端を先に決めてください。帽子の縁は角度を5度変えれば1cm動きますが、首もとの布の上端はその日の服が決めてしまうので動きません。動かないほうを先に置いて、そこから残った幅の中に束を収めます。首もとが高く、帽子を深くかぶる日は、上下の線に挟まれて束を置ける帯が狭くなります。この日は後ろの中央にこだわらず、耳の後ろあたりへ横に寄せてください。中央より左右のほうが、上下の線の間隔が広く残ります。
— メグラシ編集部





