ニット帽が似合う髪型|帽子の下端と、髪がいちばん広がる点を縦に10cm離す

ニット帽を出したのに、鏡の中がしっくりこない
朝の空気が変わって、棚の奥から去年のニット帽を出した。被ってみたら、思っていた姿と違う。この時期にいちばん多いのが、この行き違いです。
似合わないのは帽子のせいだと思いがちですが、9月半ばのご相談は、ほとんどが髪の側で止まっています。夏のあいだ、髪は帽子の下に入る前提で整えられていませんでした。帽子は変えていないのに見え方が変わるのは、髪の広がっている位置が夏とは別の意味を持ち始めたからです。
この記事では、帽子の形の話はしません。同じ帽子を被ったまま、髪の側だけで動かせるところを扱います。帽子そのものの寸法、つまり編み目の太さや余り丈をどう読むかはニット帽の流行は編み目の太さとトップの余り丈で読むにまとめてあります。
結論:帽子の下端と、髪がいちばん広がる点を縦に10cm離す
ニット帽を被ると、頭の上半分の幅と厚みが布で固定されます。そこに幅の山がひとつできる。問題は、髪の広がりがもうひとつの山を、その真下に作ってしまうことです。
山が上下にくっつくと、頭と顔まわりがひとつの塊になり、全体が上へ寄って見えます。離れていれば、上は帽子、下は髪と、二段に分かれて見えます。
目安は10cmです。帽子の下端、つまり布が頭に触れている縁の線から下へ10cm。多くの方で、これはおおよそ顎先の高さにあたります。人差し指の幅がおよそ1.5cmなので、指を縦に7本ぶん、手のひらの幅に指1本を足したくらいだと考えてください。
10cm以上下に広がりの頂点があれば成立し、5cm以内なら上下がつながって見えます。
長さ別|外に出す量と、広がりを置く高さ
自分の髪が10cmを作れるかどうかは、長さで決まります。鏡の前で、帽子を被った状態の縁の位置から毛先までを測ってください。
| 帽子の下端から毛先まで | 外に出す量 | 広がりを置く高さ | その日の手立て |
|---|---|---|---|
| 8cm未満 | 出さずに内側へ | 作らない | 耳の前に細い束を1本だけ落とす |
| 8〜12cm | 後ろだけ出す | 顎先の高さ | 顔の横は入れて、後ろに流す |
| 12〜20cm | 全部出す | 鎖骨の高さ | 毛先だけ外へ向けて動きを置く |
| 20cm以上 | 出すか、低い位置でまとめる | 胸の高さ | 片側へ寄せて前に落とす |
いちばん扱いにくいのが8cm未満の帯です。出しても広がりの山を作れる長さがないので、縁のすぐ下で毛が横に張り出し、上下がつながります。この長さは、内側へ入れて縦の線だけ残すほうが収まります。
内側へ入れるときは、縁と頭のあいだに押し込まないでください。厚みができて、その一点だけ縁が持ち上がります。縁の内側に沿って上へ逃がすと、外から見た縁の線がまっすぐ残ります。逆に8cmより長い方は、入りきらない毛を無理に押し込んだ日ほど、脱いだときに広がります。
顔の横に落とす毛は、本数ではなく1束の太さで見る
顔の横へ落とす毛は、広がりの山とは別に考えます。ここは量ではなく太さです。
- 鉛筆より細い束 — 縦の線として読まれる。長さが足りない日でも成立する
- 指1本より太い束 — 面として読まれる。縁のすぐ下に幅が出る
短い方ほど、細いほうを選んでください。1本か2本で足ります。3本以上落とすと、束のあいだが埋まって面になります。
引き出す量にも上限があります。縁の内側から引き出すのは指1本ぶん、1.5cmまで。それ以上引くと縁の内側の髪が全体に前へ動いて、後ろまで一緒に引かれます。
被る前の1分|根元の向きを、被る向きと逆に置いておく
ニット帽は前から後ろへ被ります。そのとき布は根元を後ろへ倒しながら通っていきます。
ですから、被る前に根元を後ろから前へ向けて起こしておくと、倒された根元が真横ではなく斜めで止まります。斜めで止まった根元は、脱いだあとに指で戻せます。真後ろまで倒れた根元は戻りません。
やることは1つです。乾かし終わりに頭を少し下げて、後ろから前へ手ぐしを2、3回入れてから被る。朝に髪を乾かさない日は、生え際に手を当てて前へ押し戻すだけでも違います。
分け目も同じ考え方です。縁の線と分け目が交差した一点は割れやすいので、被る前にいつもの位置から1cmずらしておいてください。
潰れは止められない。どこで受けるかを先に決める
トップの根元は必ず潰れます。布が直接触れていて、そこに帽子の重さが乗るからです。止めようとするより、膨らみを担当させる場所をトップから移しておくほうが早く済みます。
移す先は耳の後ろからえり足です。この範囲は帽子の縁より下にあり、布が乗りません。
- 被る前に、耳の後ろの髪だけを指で起こして根元に空気を入れる
- 後ろでまとめる日は、いつもより1つ低い位置に置く
- えり足の毛は、外へ向けず下へ流しておく
この形にしておくと、脱いだときにトップが平らでも、後ろに厚みが残っているので全体が沈みません。逆に、トップだけ立ち上げて後ろを平らにした髪型で被ると、脱いだ瞬間に立ち上げた場所から順に失われます。被っているあいだ、髪は半分しか見えていません。脱いだあとの見え方で決めてください。
なお、束の根元そのものが押し出されて位置が動く話は、留め方ではなく距離の問題です。そちらは帽子の日のヘアアレンジで、縁の線から何cm離すかという形で扱っています。
眼鏡の脚と、帽子の縁と、髪の順番
耳の上では、3つのものが重なります。眼鏡の脚、髪、帽子の縁。この順番を決めておかないと、脱ぐたびに全部が一緒に動きます。
順番は、下から眼鏡の脚、その上に髪、いちばん外に帽子の縁です。
髪を脚の下に挟んでしまうと、帽子を脱ぐときに髪ごと眼鏡が持ち上がり、耳の上に線が残ります。帽子を被る前にいったん眼鏡を外し、脚を髪の外側へ出してからかけ直すと、自然にこの順番になります。
深く被る日は、縁が耳の上端より下まで下りて脚と直接当たります。眼鏡を毎日使う方は、縁が耳の上端より上で止まる深さを探しておくほうが、一日を通して楽です。
襟が立つ日は、広がりを後ろではなく前へ移す
顔まわりで重なるものは、もうひとつあります。上着の襟です。
襟が立っている日に髪の広がりを後ろへ置くと、広がりが襟の中へ入ります。入った髪は襟に押されて外へ張り出し、ちょうど帽子の下端の近くで幅が出ます。上下がつながる形に戻ってしまう経路が、これです。
襟が立つ日は、広がりを前へ移してください。片側へ寄せて肩の前に落とすと、襟の外側に出るので押されません。首元に巻くものがある日も同じです。巻いたものの上へ髪を出すか、完全に中へ入れるか、どちらかにしてください。半分だけ中に入った状態がいちばん動きます。
襟の形と巻き方の組み合わせは、マフラーの巻き方は襟の形で決まるにまとめてあります。
この時期は、脱いでいる時間のほうが長い
9月半ばから10月にかけては、外は帽子がほしいのに、室内はまだ暖かい。一日のうちで被っている時間より、脱いでいる時間のほうが長くなります。
| その日の脱ぐ回数 | 選ぶ被り方 | 髪の側でやること |
|---|---|---|
| 0〜1回 | 好きな深さでよい | 通常どおり |
| 2〜3回 | 浅め | 分け目を縁の線から外す |
| 4回以上 | 浅め、目の詰まった編み地 | 広がりを後ろではなく前に置く |
回数が増えるほど、髪の側でできることは減ります。何度も被り直す日は、朝に作り込んだ形を保つのではなく、最初から作り込まない髪型で出るほうが一日を通して安定します。
被り始めの時期は、深く被る形より浅く被る形のほうが扱いやすくなります。深さと折り返し幅そのものの決め方はビーニーコーデにあります。
よくある行き違い
「まとめてしまえば崩れない」
まとめた髪は崩れにくいのですが、まとめる位置が高いと帽子の内側で束が縁を押し上げます。押し上げられた帽子は浮いて、後ろから見ると縁が斜めになります。
被る日にまとめるなら、低い位置です。耳の下で結べば、束は帽子の外側に出るので干渉しません。
「似合わないのは頭の形のせい」
頭の形が関係しないわけではありませんが、順番が逆です。頭の形は変えられませんが、髪の広がる位置は今日変えられます。変えられるほうを先に試してから、変えられないほうの話にしてください。
頭の横幅が張っていると感じる方は、帽子が乗る高さと髪の段の関係が効きます。そちらはハチ張りで毛量が多い人の髪型で、耳の上端に立てた線を基準に整理しています。
「前髪は出したほうがやわらかく見える」
出す量によります。前髪を全部出すと、縁の線のすぐ下に横一本の線ができて、帽子と顔のあいだが詰まります。
数センチだけ出して、あいだを空けるほうが額の面が残ります。厚みのある前髪は縁の下で厚みが半分ほどになり、戻るまでに時間がかかります。脱ぐ予定のある日は、被る前に縁の線より上へ逃がし、生え際から3cm以上奥で留めておくほうが確実です。
装いに活かすなら
被り始めの時期は、上半身の分量がまだ軽いので、頭まわりの厚みだけが先に出ます。髪の広がりを顎先より下へ落としておくと、薄い羽織の日でもつり合いが取れます。
上着が厚くなる時期に入ったら、広がりの高さをもう一段下げて鎖骨から胸の高さへ移してください。同じ帽子を長く使う方ほど、髪の側で季節に合わせるほうが手数が少なくて済みます。
まとめ
- 決めているのは帽子の形ではなく、髪がいちばん外へ広がる点の高さ
- 帽子の下端から下へ10cm、おおよそ顎先より下に広がりを置くと、上下に分かれて見える
- 下端から毛先まで8cm未満なら、出さずに内側へ入れて細い束を1本だけ残す
- 潰れるのはトップ。被る日は膨らみの担当を耳の後ろからえり足へ移しておく
- 耳の上の順番は、下から眼鏡の脚、髪、帽子の縁
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- ビーニーコーデ — 眉からの被り位置と折り返し幅
- ハチ張りで毛量が多い人の髪型 — 耳の上端に立てた線で見る
- マフラーの巻き方は襟の形で決まる — 顔まわりで重なるものの順番
— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. ニット帽が似合わないのは、頭の形のせいですか
- 頭の形より、髪のいちばん広い位置のほうが効いています。帽子を被ると頭の上半分の幅が布で固定されるので、そのすぐ下に髪の広がりが来ると、頭と顔まわりがひとつの塊になって上に寄って見えます。帽子の下端から10cmほど下、おおよそ顎先より下に広がりが落ちていれば、同じ帽子でも見え方が変わります。まず髪の側を動かしてから、帽子の形を疑ってください。
- Q. 髪は外に出したほうがいいですか、全部入れたほうがいいですか
- 長さで決まります。毛先が帽子の下端から8cm以内で終わる長さなら、少し出すより全部内側へ入れて、顔の横に落とす毛だけを残すほうが収まります。下端から10cm以上下まで届く長さなら、外へ出して広がりを下のほうに置けます。中途半端に出した毛は縁の高さで折れて、脱いだあとも折れ目が残ります。
- Q. 被ったあとのぺたんこは、どうすれば防げますか
- 防ぐより、潰れる場所を先に決めておくほうが現実的です。布が触れているトップの根元は必ず潰れます。ですから被る日は、膨らみを担当させる場所をトップではなく耳の後ろからえり足へ移しておいてください。被る前に根元を後ろから前へ向けて起こしておくと、潰れたあとでも指で戻せる余地が残ります。
- Q. 眼鏡をかける日は、髪をどこへ置けばいいですか
- 耳の上で重なる3つの順番を先に決めてください。下から眼鏡の脚、その上に髪、いちばん外に帽子の縁、の順です。髪を脚の下に挟むと、脱ぐときに髪ごと眼鏡が動いて、耳の上に線が残ります。帽子を被る前に眼鏡を外し、脚を髪の外に出してからかけ直すと、この順番になります。
— メグラシ編集部





