ヘアピンは波打つ側を地肌に向けて差す|すくう毛は5mm、2本目は30〜45度で交差させる

ヘアピンが抜けるのは、留める場所が悪いからではありません。
決めているのは3つです。波打つ側をどちらに向けたか、何ミリすくったか、2本目を何度でぶつけたか。
この3つが合っていれば、どこに差しても抜けません。合っていなければ、どこに差しても抜けます。
順番は、向き、量、角度です。この順に確かめてください。
📋 早見表|3つのどれが外れると、どう抜けるか
この表は答えではありません。抜け方から原因を切り分けるための道具です。
| 状態 | 波の向き | すくう量 | 交差角度 | 起きること |
|---|---|---|---|---|
| 留まる | 地肌側 | 5mm以内 | 30〜45度 | そのまま保つ |
| 向きが逆 | 外側 | ー | ー | すぐすべって落ちる |
| 量が多い | ー | 5mm超 | ー | 脚が開いて数時間で浮く |
| 量が少ない | ー | 1mm未満 | ー | 差した毛ごと抜ける |
| 平行に並べた | ー | ー | 0度 | 2本とも同じ向きに抜ける |
抜けたピンを手に取って、脚が開いているかを見れば、量の問題かどうかはすぐ分かります。
確かめるのは3つ。所要20秒
用意するのはピンだけです。差す前に、手元で3つを確かめます。
- 波打っている側と平らな側を、指でなでて確かめる
- すくう毛の量を、指の腹で5ミリぶんに区切る
- 2本目を差す向きを、1本目に対して斜めに決める
この3つを決めてから手を上げます。上げてから考えると、腕が疲れて、量も角度も雑になります。
①向き|波打つ側を地肌に向ける
ヘアピンは2本の脚のうち、片方が波打っていて、もう片方が平らです。この2本は役割が違います。
波の山と山のあいだが、毛をつかむ部分です。だから波の側を、毛の根元がある側、つまり地肌に向けます。平らな側は上から押さえる役なので、外側を向きます。
逆に差すと、波が上を向いて毛の表面をなでるだけになります。押さえる力がどこにも生まれないので、動いた瞬間にすべって落ちます。抜ける原因のいちばん多いのがこれです。
見分け方は簡単です。ピンを指ではさんで横になでると、ざらつく側と、なめらかな側があります。ざらつくほうが波の側です。目で見なくても分かるので、鏡のない場所でも確かめられます。
差し込むときは、まず先端を地肌に軽く当てて、そこから地肌に沿わせるように押し込みます。地肌から離して押し込むと、髪の表面だけをすくって止まります。先が地肌に触れる感触があるかどうかが、留まるかどうかの分かれ目です。
②量|1本ですくうのは5mmまで
指の腹で毛を横になでたとき、指先の幅の3分の1くらいが5ミリです。この量までなら、ピンの2本の脚は閉じたまま毛をはさみます。
それ以上をすくうと、脚が押し開かれます。開いたピンは、閉じようとする力を失っているので、はさむのではなく、ただ毛の中に置かれている状態になります。その場では留まって見えて、数時間後に浮いてきます。
- 5mm以内 … 脚が閉じたままはさむ
- 5〜10mm … 脚が開き、数時間で浮く
- 10mm以上 … 差した直後から動く
- 1mm未満 … その毛ごと抜ける
多く留めたいときは、1本でたくさんすくうのではなく、5ミリずつを複数本に分けます。合計の量は同じでも、脚が開いていないぶん、持ち方がまったく違います。
使ったピンを抜いたとき、脚がもとより開いていたら、その1本はもう同じ力では留まりません。開いた脚は指で戻せますが、金属は一度曲がると同じところで曲がりやすくなります。開いてしまったピンは、あまり力の要らない場所に回してください。
③角度|2本目は30〜45度でぶつける
2本目は、1本目に対して30〜45度の角度でぶつけます。1本目の中ほどを、2本目が横切る形です。
こうすると、2本のピンが互いを押さえ合います。片方が緩んでも、もう片方が上から押さえているので、抜けきりません。
平行に並べて差すと、2本とも同じ向きの力を受けます。同じ向きに抜けるので、本数を増やした意味がなくなります。本数ではなく、向きの違いが持ちをつくっています。
直角にする必要はありません。直角だと重なる部分が1点になり、押さえ合う面が減ります。30〜45度なら、2本が数ミリぶん並走してから交差するので、面で押さえ合えます。
本数の上限は、1か所につき3本
3本までは、互いに角度を変えて入れられます。4本目からは、先に入っている3本のどれかが押し出されます。
留まらないときに本数を足したくなりますが、たいていは向きか量が合っていません。3本入れても留まらないなら、いったん全部抜いて、波の向きと5ミリの量を確かめ直してください。差し直すほうが速く終わります。
抜くときは、差した向きと逆にまっすぐ引きます。ねじって抜くと、まわりの毛を巻き込みます。
3本を使うときの配置にも決まりがあります。1本目を基準にして、2本目を右に30〜45度、3本目を左に30〜45度。この形にすると、3本が中心で1点を囲むので、どの向きの力にも1本は必ず逆らいます。3本とも同じ側へ倒すと、囲みができず、束が反対側へ回ります。
3本入れる場所は、束の中心ではなく、中心から1センチずらした位置です。中心に集めると、そこだけが厚くなって、外から見たときに小さなふくらみが出ます。1センチずらすと、束の面の中に隠れます。
場所より先に、支える向きを決める
留める場所の話は、向き・量・角度が決まったあとに来ます。場所が決めているのは、どの向きの力を止めるかです。
束が下へ落ちるのを止めたいなら、束の上側に差します。束が横へ回るのを止めたいなら、束の横に差します。落ちるのと回るのは別の動きなので、片方だけ止めても、もう片方は残ります。
どちらが起きているかは、朝と夕方の写真を見比べると分かります。位置が下がっていれば落ちる動き、向きが変わっていれば回る動きです。同じ「崩れた」でも、止める場所が違います。
後頭部のいちばん出ている位置より上に差したピンは、束の重さを真下から受け続けます。同じ本数でも、頂点かそのすぐ下に差したほうが、重さが後ろへ逃げるので長く持ちます。場所で迷ったら、頂点のすぐ下を選んでください。
ピンを見せない差し方、見せる差し方
見せたくないときは、差し込む向きを毛流れと同じにします。毛流れに沿って入れると、ピンの上に毛が乗るので、外から見えません。
見せる場合は、毛流れと交差する向きに入れます。交差させると、ピンの本体が毛の上に出ます。この場合も、波の側は地肌に向けたままです。見せるかどうかは差す向きの話で、波の向きの話ではありません。
見せる差し方をするときは、左右で本数と角度をそろえてください。片側だけ本数が違うと、正面から見たときに顔の横で情報の量が変わります。
見せる場合の間隔は、1センチずつ空けると読み取りやすくなります。詰めて並べると1本の太い線に見え、離しすぎると本数が数えられません。1センチ間隔なら、離れた場所からでも並んでいることが分かります。
束を留めるとき|ねじってから差す
束をそのまま留めると、束の中で毛が動くので、ピンが少しずつ位置を変えます。
差す前に束を1回ねじってください。ねじると束の断面が丸くなり、中の毛が互いを押さえます。押さえ合っている束は、外から1本差すだけで止まります。
ねじる回数は1回です。2回以上ねじると束が細くなり、5ミリをすくうつもりが束ごとすくうことになります。
ねじった束にピンを差すときは、ねじれの向きと逆にピンを入れてください。ねじれと同じ向きに入れると、束がほどけようとする力とピンの向きがそろってしまい、ほどけながらピンも一緒に出てきます。逆向きに入れると、ほどけようとする力がピンに受け止められて、そこで止まります。
束の太さにも上限があります。ねじった束の直径が指2本ぶんを超えると、ピン1本では中心まで届きません。届かないピンは表面だけをつかむので、束の中がずれ続けます。太い束は2つに分けて、それぞれを別に留めるほうが確実です。
ピンが足りない日、ゴムで代わりになるか
ピンとゴムは役割が違うので、そのまま置き換えられません。ゴムは束を横から締める道具で、位置を固定する力はほとんどありません。ピンは位置を止める道具で、束を締める力はありません。
だから、ピンが足りない日にゴムだけで作ると、束はまとまりますが、まとまったまま下へ移動します。逆にピンだけで作ると、位置は動きませんが、束の中の毛が少しずつ抜けてきます。
どちらか1つしかない日は、形のほうを変えてください。ゴムしかないなら、位置が動いても成立する形、つまり低い位置で結ぶ形にします。ピンしかないなら、束をねじって面で支える形にして、ゴムの役割をねじりに置き換えます。道具が足りないときに足すのは本数ではなく、形の側です。
どちらとも取れるとき①|すくう量が5mmちょうど
境目ぴったりのときは、差してから脚のあたりを指で軽く押してみてください。押したときに脚が開く感触があるなら、量が多い側です。
開かないなら、そのままで足ります。この確認は差した直後にしかできません。時間がたつと、どちらも「なんとなく留まっている」状態に見えます。
迷ったら少ないほうに寄せてください。5ミリを4ミリにしても持ちは落ちません。6ミリにすると落ちます。
どちらとも取れるとき②|髪がすべって差せない
洗った翌朝や、細い髪の日は、ピンが毛をつかむ前にすべります。
このときは、差す場所の毛を少しだけ湿らせて、乾かしてから差してください。乾かすと毛の表面の向きがそろい、ピン同士が押さえ合う面ができます。
それでもすべるなら、ピンを差す前に、その場所の毛を根元から軽く逆立てておきます。逆立てた毛は互いに絡むので、5ミリの中に入る毛の数が増えます。量は同じままで、つかむ力だけが上がります。
どちらとも取れるとき③|留まるのに頭皮が痛い
痛みが出るのは、量が少なすぎるか、地肌に対して立てすぎているかのどちらかです。
量が少ないと、少ない毛に力が集中します。5ミリまで増やすと、同じ力が広がって痛みが減ります。
立てすぎている場合は、差し込む角度を寝かせてください。地肌に対して15度くらいまで寝かせると、先端が地肌を押さずに、毛の根元だけをすくいます。
まとめ
ヘアピンが留まるかどうかは、差す前に決まっています。
波打っている側を地肌に向ける。1本ですくうのは5ミリまで。2本目は1本目に30〜45度でぶつける。この3つがそろっていれば、場所を選びません。
抜けたときは、まず抜いたピンの脚を見てください。開いていれば量、開いていなければ向きか角度です。本数を足す前に、ここを確かめると早く終わります。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. ヘアピンはどちら側を上にして差すのですか
- 波打っている側を地肌に向けます。ヘアピンは2本の脚のうち片方が波打っていて、もう片方が平らです。波の山と山のあいだが毛をつかむ部分なので、そこを地肌の側、つまり毛の根元がある側に向けます。平らな側は上から押さえる役です。逆に差すと、波が上を向いて毛の表面をなでるだけになり、押さえる力がどこにも生まれません。抜ける原因のいちばん多いのがこれです。
- Q. 1本でどれくらいの毛をすくえばいいですか
- 5ミリまでです。指の腹で毛を横になでたとき、指先の幅の3分の1くらいが目安になります。それ以上をすくうと、ピンの2本の脚が押し開かれて、閉じる力が抜けます。開いたピンは、その場では留まって見えて、数時間後に浮いてきます。多く留めたいときは、1本でたくさんすくうのではなく、5ミリずつを複数本に分けてください。
- Q. 2本目はどこに差せばいいですか
- 1本目に対して30〜45度の角度でぶつけます。1本目の中ほどを2本目が横切る形です。2本のピンが互いを押さえ合うので、片方が緩んでももう片方が残ります。平行に並べて差すと、2本とも同じ向きの力で抜けるので、本数を増やした意味がなくなります。角度は直角にしなくて構いません。直角だと重なる部分が1点になり、押さえ合う面が減ります。
- Q. 何本まで使っていいですか
- 1か所につき3本までです。4本目からは、先に入っている3本のどれかが押し出されます。留まらないときに本数を足すのは、たいてい向きかすくう量が合っていないためで、本数では解決しません。3本入れても留まらないなら、いったん全部抜いて、波の向きと5ミリの量を確かめ直してください。差し直すほうが速く終わります。
- Q. 差した直後は留まるのに、時間がたつと浮いてきます
- すくった量が多すぎるか、地肌まで届いていないかのどちらかです。まず量を確かめてください。抜いたピンの脚が、もとより開いていたら量が多すぎます。脚が開いていないのに浮くなら、地肌まで届いていません。差すときに、ピンの先が地肌に軽く触れる感触があるかを確かめます。触れないまま止まっているものは、髪の表面だけをすくっています。
— メグラシ編集部




