ぽっちゃりのコーデ|厚みの出る場所・縦の線・生地の3つで決まる

ぽっちゃりのコーデは、厚みの出る場所(上半身・お腹まわり・下半身・全体)で打ち手を変え、体の前に縦の線を1本通し、ハリと落ち感のある生地を選ぶ、この3つで決まります。どれも体そのものではなく服の側で整えられるので、今日の手持ちの服から始められます。
まず揃えるのは5点です。前を開けて着る長めの羽織り、Vあきのとろみブラウス、濃い色のストレートパンツ、落ち感のあるミディ丈スカート、甲の浅い靴。この5点があれば、4つの型のどれでも、平日も休日も、縦の線と生地の落ち感を毎日つくれます。
同じ「ぽっちゃり」でも、厚みが出る場所が違うと効く手が正反対になります。胸の下で切り替える服は、お腹まわりに厚みが出る人には似合いますが、上半身に厚みが出る人には胸を強調します。だから最初に自分の型を決め、そのあとで縦の線と生地を当てはめる順番にしてください。この記事では型の見分け方から、アイテム別・季節別・場面別・年代別・身長別の組み方まで、一枚の地図として整理します。
ぽっちゃりのコーデ 早見表
全体を一枚で見ておきます。自分の型の行を見て、3つの決め手のうちどこを強めればよいかを確かめてください。理由はそれぞれの章で説明します。
| 厚みの出る場所 | 縦の線のつくり方 | 生地の選び方 | 逆に働きやすい手 |
|---|---|---|---|
| 上半身(肩・背中・胸) | Vあき+前を開けた羽織り | 上は薄くとろみ、下はハリ | 肩にギャザーやフリルを足す |
| お腹まわり | 前を開けた長めの羽織り | 体から離れて落ちる生地 | 腰の位置で横に切る |
| 下半身(腰・太もも) | 上下を同系色でつなぐ | 下はハリのあるまっすぐな生地 | 裾の細いテーパードパンツ |
| 全体 | 首元・羽織り・パンツの線を重ねる | 全身を中くらいの厚みでそろえる | 大きすぎるサイズで包む |
表の右の列は「その型では逆に働きやすい手」です。どれも別の型の人には似合う手なので、手放す必要はありません。自分の型ではどの場面で使うかを決めておけば、手持ちの服をそのまま生かせます。
自分の厚みの出る場所を見分ける ── 4つの型
見分け方は2つあります。1つは、手持ちのシャツのボタンを全部留めて、両腕をまっすぐ前に伸ばす方法です。最初に引っ張られる場所が、あなたの厚みの出る場所です。背中や胸のボタンが引かれるなら上半身、おへその前のボタンの間が開くならお腹まわりです。
もう1つは、ストレートのパンツをはいて椅子に座る方法です。腰まわりや太ももの前がきつく、上半身は余裕があるなら下半身です。シャツでもパンツでも、どこか一か所だけがきついわけではなく、全体に同じくらいの余裕のなさを感じるなら全体の型と考えます。
| 確かめ方 | 最初にきつくなる場所 | 型 |
|---|---|---|
| シャツで腕を前へ | 背中・胸・二の腕 | 上半身 |
| シャツで腕を前へ | おへその前のボタンの間 | お腹まわり |
| パンツで椅子に座る | 腰・太ももの前 | 下半身 |
| 両方を試す | どこも同じくらい | 全体 |
どちらとも言えるときは、写真で決めると迷いません。正面と横から全身を撮り、最初に目が止まる場所を見ます。横から見て厚みが出ている場所が、服で整える場所です。型は体重ではなく、厚みの出る順番で決まるものなので、体型が変わっても見分け方は同じです。
縦の線を1本通す ── 1つ目の決め手
縦の線とは、首元から足元まで、視線が上下に流れる道のことです。いちばん簡単なのは、長めの羽織りを前を開けて着ることです。羽織りの左右の前端が2本の線になり、そのあいだの中の色がもう1本の線になります。
縦の線は、羽織りのほかにも作れます。Vあきの首元、前立てのあるシャツ、センタープレスのパンツ、縦に落ちるロングネックレスも同じ働きをします。大事なのは、どこか1か所に太い横の線を置かないことです。腰の位置で終わる短い上着や、お腹の高さで締めるベルトは、視線をそこで止めます。
線の数は1本で足ります。何本も重ねると、かえって情報が多くなって全体が大きく見えることがあります。羽織りで縦を作った日は、柄や切り替えを足さず、中を無地にしておくと線がはっきり通ります。
生地のハリと落ち感 ── 2つ目の決め手
生地は、体から離れてまっすぐ落ちるものと、ほどよいハリで形を保つものの2種類を使い分けます。避けたいのは、薄くて体に張り付く生地です。体の凹凸をそのまま拾うので、どの型でも輪郭が大きく読まれます。

見分け方は、生地を手のひらに乗せて傾けることです。すっと滑って縦のひだができるのが落ち感のある生地、手の形をしばらく保つのがハリのある生地です。とろみのあるブラウスやジョーゼットは前者、ウールのギャバジンや厚手のコットンツイルは後者です。
組み合わせの基本は、上半身に厚みが出る人は上を落ち感・下をハリ、下半身に厚みが出る人は上を少しハリ・下を落ち感にすることです。お腹まわりの人は、お腹の前で布が体に触れずに落ちるかを最優先にします。全体の人は、上下とも中くらいの厚みでそろえると、どこにも重さが偏りません。
型ごとに打ち手を変える ── 3つ目の決め手
3つ目の決め手は、厚みの出る場所によって手を変えることです。同じ助言が型によって正反対に働くので、ここを飛ばすと「試したのに似合わない」が起きます。
| 型 | 視線を集める場所 | 切り替えの位置 | ボリュームを置く場所 |
|---|---|---|---|
| 上半身 | 首元から鎖骨 | 腰より下 | 裾・スカートの広がり |
| お腹まわり | 首元と足首 | 胸のすぐ下 | 肩と裾 |
| 下半身 | 顔まわり・肩 | ウエストの高い位置 | 上半身の首元 |
| 全体 | 首元と手首・足首 | 置かない(無地でつなぐ) | 置かない |
表のとおり、上半身とお腹まわりでは切り替えの位置が逆です。上半身の人が胸の下で切り替えると胸が前に出て見え、お腹まわりの人が腰で切ると視線がお腹の高さに止まります。自分の行だけを見て、それ以外の手は「別の型の人の手」として気にしないでください。
全体の型の人は、どこかを強調するより、首・手首・足首という体のいちばん細い3か所を少しずつ見せるのが効きます。袖を少したくし上げる、首元をVに開ける、パンツの裾をくるぶしにかけるだけで、全身のバランスが軽く整います。
まず揃える5点 ── 手持ちと照らし合わせる
ここまでの3つの決め手を、毎日の服で実行するための5点です。新しく買う前に、手持ちに同じ働きをする服がないかを先に確かめてください。色や形が多少違っても、働きが同じなら代わりになります。

| アイテム | 働き | 選ぶときの目安 |
|---|---|---|
| 長めの羽織り | 前を開けて縦の線を2本つくる | 丈がお尻が隠れる位置より下 |
| Vあきのとろみブラウス | 首元に縦の切れ込みをつくる | 開きが鎖骨の下まで |
| 濃い色のストレートパンツ | 脚をまっすぐの柱にする | 裾幅が太ももの幅とほぼ同じ |
| 落ち感のあるミディ丈スカート | 腰から下を縦のひだでつなぐ | 裾がふくらはぎの細い位置 |
| 甲の浅い靴 | 足の甲を見せて脚を長くつなぐ | かかとは3〜4cm程度まで |
5点のうち、最初に1つだけ選ぶなら羽織りです。羽織りは中に何を着ていても縦の線を足せるので、手持ちのどの服とも組めます。次に足すなら、自分の型でボトムを選びます。上半身・お腹まわりの人はパンツ、下半身の人はスカートから始めると早く効きます。
上半身に厚みが出る人のコーデ
肩・背中・胸に厚みが出る人は、首元に縦の切れ込みを作り、上半身の面を小さく区切ることが軸です。Vネックや前立てのあるシャツを選び、首から鎖骨までを少し見せると、視線が上下に動いて上半身の面が細く分かれます。
トップスは薄手でとろみのある生地にし、ボトムにはハリのあるAラインスカートやワイドパンツを合わせて、裾に広がりを持たせます。上と下のボリュームが近づくと、上半身だけが大きく見えることがなくなります。肩にギャザーやフリル、パフスリーブがあるものは、肩幅がそのまま広がって見えやすいので、使うときは羽織りの下にして端だけ見せる程度にします。
肩の縫い目が肩先にぴったり合うことも大切です。縫い目が腕に落ちると、上半身の外形が四角く大きくなります。ニットなら、ドロップショルダーより、肩線が肩先にあるものを選んでください。
お腹まわりに厚みが出る人のコーデ
お腹まわりに厚みが出る人は、お腹の前で布が体に触れずに落ちることと、腰の高さに横の線を置かないことが軸です。前を開けた長めの羽織りを着て、その下に体から離れて落ちるブラウスを合わせると、お腹の前に縦の線が通ります。

トップスの裾は、パンツに入れずに外に出し、お尻の半分くらいが隠れる長さを選びます。前だけ少し入れる着方は、上半身の厚みが少ない人には効きますが、お腹まわりの人には布の折れ目がお腹の上に来やすいので、まずは外に出すほうから始めてください。
切り替えのある服を選ぶときは、胸のすぐ下で切り替えるものが向いています。重心が上がり、その下の布がお腹の前をまっすぐ落ちます。腰の位置で締めるベルトやウエストリボンは、視線をお腹の高さに集めるので、使うなら羽織りの下で隠れる位置にとどめます。
下半身に厚みが出る人のコーデ
腰や太ももに厚みが出る人は、上半身に視線を集めることと、下半身をハリのあるまっすぐな生地で包むことが軸です。顔まわりに明るい色や小さな飾りを置くと、目線が上にとどまり、下半身の存在感が相対的に軽くなります。
ボトムは、太ももの横の幅から裾までまっすぐ落ちるストレートパンツや、ハリのある生地のAラインスカートが似合います。裾に向かって細くなるテーパードパンツは、太ももと足首の差が大きく見えるので、使うなら丈を長めにして靴の甲にかかるくらいにします。
トップスとボトムを同系色でつなぐと、腰の位置に色の境目ができず、縦の線が途切れません。紺のトップスに紺のパンツ、生成りのニットにベージュのスカートといった組み合わせです。上着の丈は、腰骨より上で終わる短いものか、太ももの半ばより下まである長いものにして、腰のいちばん厚い位置で切らないようにします。
全体にふっくらしている人のコーデ
全体にふっくらしている人は、どこか1か所を強調するより、全身を同じリズムで整えるのが軸です。生地は上下とも中くらいの厚みにそろえ、色は2〜3色にとどめると、まとまりのある印象になります。
効くのは、首・手首・足首の3か所を少しずつ見せることです。首元はVあきかボートネック、袖は手首が見える長さに少したくし上げ、パンツやスカートの裾はくるぶしが見える位置にします。体の細い部分が3か所見えると、全身の輪郭が自然に引き締まって見えます。
大きすぎるサイズで全身を包むのは、いちばん避けたい手です。布が体から大きく離れると、その布の外形がそのまま体の大きさとして読まれます。肩の縫い目が合うサイズを基準にして、身幅のゆとりはこぶし1つ分までにすると、すっきりと似合って見えます。
トップスの選び方
トップスは、首元の形・肩の縫い目・裾の長さの3つで選びます。首元はVネック、スキッパーカラー、浅めのUネックが、どの型でも縦の切れ込みを作れるので使いやすい形です。タートルネックは首から胸までを一枚の面にするので、着るときは長いネックレスや前を開けた羽織りで縦の線を足します。
| 見る場所 | 目安 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 首元 | 鎖骨が少し見える開き | 鏡の前で首を伸ばして見る |
| 肩 | 縫い目が肩先に乗る | 腕を下ろして縫い目の位置を見る |
| 裾 | お尻の半分くらい | 横から鏡で見る |
| 生地 | 手のひらで傾けると落ちる | 店頭や手持ちで生地を傾ける |
オーバーサイズのトップスを着たいときは、余りの出し方で印象が変わります。肩が落ちて身幅も丈も大きいものは全身が大きく見えますが、肩線は合っていて身幅だけにゆとりがあるものは、すっきりしたまま今の空気が出せます。秋のオーバーサイズの着方はオーバーサイズTシャツのぽっちゃりコーデで、余りの出し方を詳しく整理しています。
パンツの選び方
パンツは、脚を1本のまっすぐな柱にできるかで選びます。基本はストレートパンツで、太ももの幅から裾まで同じ幅で落ちるものです。センタープレスがあると、その折り目が縦の線になります。
ワイドパンツは、ハリのある生地で裾まで広がりを保つものを選ぶと、上半身に厚みが出る人の上下のバランスを整えます。とろみのあるワイドパンツは、お腹まわりや下半身の人が歩いたときに脚の形を拾わずに揺れるので、軽く見えます。肩や腰が張っていてバギーパンツが気になる人は、バギーパンツのぽっちゃりコーデで、肩が張る人と腰が張る人で合わせ方を分けています。
色は濃い色から始めるのが確実です。黒のワイドパンツの組み方は、黒のワイドパンツの大きいサイズのコーデで、上に合わせる色と丈の目安をまとめています。ウエストはゴムでも構いませんが、前がフラットで後ろだけゴムのものを選ぶと、お腹の前にギャザーが寄らず、すっきり見えます。
スカートの選び方
スカートは、裾がどこで終わるかと、腰から下の布がどう落ちるかで選びます。裾は、ひざ下からふくらはぎのいちばん細い位置で終わるミディ丈が、どの型でも脚を軽く見せます。ふくらはぎのいちばん太い位置で終わると、視線がそこに止まります。
形は、ハリのあるAラインか、落ち感のあるフレアやプリーツが使いやすいです。下半身に厚みが出る人はハリのあるAラインで腰から下をまっすぐ包み、上半身に厚みが出る人はフレアで裾に広がりを持たせて上下のバランスを取ります。どの形を選ぶか迷うときは、大きいサイズのスカートの選び方で、型ごとの形と丈を比べています。
タイトスカートも着られます。ポイントは、座ったときに腰まわりに横じわが出ない生地の厚さとサイズです。黒のタイトスカートのぽっちゃりコーデで、秋冬の横じわの出る位置と生地の選び方を確かめられます。
ワンピースの選び方
ワンピースは上下がつながっているぶん、縦の線を作りやすいアイテムです。選ぶときは、切り替えの位置と、布が体に触れる場所を確かめます。お腹まわりの人は胸のすぐ下で切り替えるもの、上半身の人は腰より下で切り替えるか切り替えのないもの、下半身の人はウエストの高い位置で切り替えて裾が広がるものが似合います。
全体の人には、切り替えのないシャツワンピースが向いています。前立てのボタンが1本の縦の線になり、前を開けて羽織りとして着ることもできます。ベルトを付けるなら、ウエストのいちばん細い位置より少し上に、細めのものを緩めに巻くと、重心が上がって軽く見えます。
ワンピースの形ごとの選び方は、大きいサイズのワンピースの選び方で、切り替えの位置と丈を型ごとに比べています。冬のニットワンピースは生地が厚いぶん体の凹凸を拾いやすいので、ハイゲージで落ち感のあるものを選び、長めの羽織りを重ねて縦の線を足してください。
アウターと羽織りの選び方
アウターは、前を開けて着たときに縦の線がきれいに出るかで選びます。ステンカラーコートやノーカラーコート、ガウンコートは前を開けても形が崩れにくく、2本の前端がまっすぐ足元に向かって落ちます。丈は、ひざが隠れるくらいの長いものか、腰骨より上で終わる短いもののどちらかにすると、腰のいちばん厚い位置を横に切りません。
ダウンやキルティングのような厚みの出る素材は、キルトの幅が細いもの、縦方向にステッチが入っているものを選ぶと、横の段が目立ちません。肩の縫い目が肩先に合うサイズを基準にし、中に厚手のニットを着る前提で大きくしすぎないことが大切です。
羽織りの選び方と着方は、大きいサイズのアウターの選び方で、コートの種類と丈を型ごとに整理しています。カーディガンは、ひざ上丈のロングカーディガンが1枚あると、春から冬の初めまで長く使えます。
秋のコーデ
秋は、薄手の羽織りを1枚重ねて縦の線を足しやすい季節です。気温の差が大きい日は、とろみのあるブラウスにロングカーディガンやトレンチコートを羽織り、前を開けて着ます。中のブラウスとパンツを同系色でつなぐと、前の開きから見える縦の線が足元まで続きます。

秋のニットは、編み目の細かいハイゲージを基本にします。太い編み目のニットは生地そのものに厚みがあり、体の外形を一段大きくします。着たいときは、太い編みはマフラーや小物にとどめ、体を包むトップスは細かい編み目にすると、季節の空気を出しながら輪郭を整えられます。
秋の素材の厚みと重ね方は、大きいサイズの秋の厚みで、秋の生地の厚みと重ね方を詳しく整理しています。秋の初めは、まだ半袖の上に羽織りを1枚足すくらいで十分です。朝晩が冷える日は、首元に薄手のストールを1枚足すと、羽織りの前を開けたまま暖かさを調整できます。
秋に新しく1枚足すなら、ひざが隠れる丈の薄手のトレンチコートかロングカーディガンです。前を開けて着るだけで縦の線が通り、冬の初めまで中に着るものを替えながら使えます。色は、手持ちのパンツと同系色にすると、前の開きから見える縦の線が切れずに足元まで続きます。
冬のコーデ
冬は重ねる枚数が増えますが、厚みのある服は外側の1枚だけにするのが軸です。中は薄手のハイゲージニットや、とろみのあるブラウスにして、その上に1枚だけ厚みのあるコートやニットのカーディガンを重ねます。こうすると、暖かさを保ったまま、着膨れの原因になる「層の厚み」が増えません。
| 層 | 選ぶもの | 避けたいもの |
|---|---|---|
| いちばん内側 | 薄手の保温インナー | 首元が詰まった厚手のもの |
| 中 | ハイゲージのニット・とろみブラウス | 太い編み目のニット |
| 外 | 前を開けて着るコート | 前を閉じて着る短いダウン |
| 首元 | 薄手のストールを縦に垂らす | 厚いマフラーを何重にも巻く |
マフラーは、首に何重にも巻くと首から胸までが一枚の太い面になります。薄手のストールを首に1回かけて前に縦に垂らすと、その垂れた部分が縦の線になります。重ね着の枚数と見える端の数の考え方は、大きいサイズの重ね着で詳しく比べています。
春夏のコーデ
春夏は、羽織りを脱ぐぶん縦の線が作りにくくなります。代わりに、Vあきの首元、前立てのあるシャツ、センタープレスのパンツなど、服そのものに縦の線があるものを選びます。薄手のシャツを羽織りとして前を開けて着ると、夏でも縦の線が1本足せます。
夏の生地は、肌に張り付かず、汗をかいても体の形を拾わないものを選びます。リネンやコットンでも、ハリのある織りのものは体から離れて立ちます。薄くて伸びるカットソーは涼しい反面、体の凹凸を拾いやすいので、1枚で着るより、上に何か羽織る前提で使います。
夏の生地の選び方は、大きいサイズの夏の生地で、肌に触れる面積と生地の厚さの関係を整理しています。半袖は、袖口が二の腕のいちばん太い位置より少し下で終わる五分袖くらいが、腕をすっきり見せます。
仕事の日のコーデ ── 座る時間が長い日
仕事の日は、座って過ごす時間が長いことを前提に組みます。座ると、お腹まわりと腰まわりに布が寄り、立っているときには出なかった横じわが出ます。前がフラットで後ろだけゴムのパンツ、ハリのある生地のスカートを選ぶと、座っても形が崩れにくくなります。
上は、とろみのあるブラウスに、ノーカラーのジャケットか長めのカーディガンを前を開けて着ます。ジャケットはボタンを留めずに着られる形を選ぶと、座ったときに前が突っ張りません。色は紺やチャコールを中心に、首元に明るい色を1か所置くと、顔まわりが明るく見えます。
きちんとした服が窮屈に感じる人は、ぽっちゃりのきれいめコーデで、きちんと見えて窮屈でない服の見分け方をまとめています。会議や来客のある日は、羽織りをジャケットに替えるだけで、中の服はそのまま使えます。
休日のコーデ ── 動き回る日
休日は、歩く・しゃがむ・荷物を持つなど、体を大きく動かす日です。動いても縦の線と落ち感が崩れない服を選びます。ミディ丈のフレアスカートに、前を少しだけ入れたニット、短めのシャツジャケットを羽織る組み方は、動いても裾が揺れて軽く見えます。

カジュアルな休日でも、全身をゆるい服で包むと、輪郭が大きく見えやすくなります。上か下のどちらか一方をすっきりさせ、もう一方にゆとりを持たせると、楽さとすっきり感を両立できます。足元はスニーカーでもかまいませんが、甲が見える浅めの靴にすると、脚がつながって長く見えます。
写真を撮る予定がある日は、正面より少し斜めに立ち、羽織りの前を開けておくと、縦の線が写真にも残ります。写真での見え方は、ぽっちゃり女子のコーデで、秋服が写真でふくらんで見える原因と直し方を整理しています。
子どもの行事のコーデ ── 立ち続ける日
授業参観や運動会などの子どもの行事は、長く立っていることと、まわりの大人と並んで見られることが特徴です。目立ちすぎず、きちんと見える服を選びつつ、立っている時間が長くても形の崩れない服が向いています。
基本は、前を開けて着る羽織りに、無地のニットやブラウス、濃い色のストレートパンツです。羽織りは、ノーカラーのジャケットか、ハリのある長めのカーディガンにすると、きちんと感が出ます。靴は低めのかかとの甲が浅いものにすると、長く立っていても疲れにくく、脚もすっきり見えます。
授業参観の組み方は、授業参観のぽっちゃりコーデで、羽織りの前を開けた幅と、教室での見え方を詳しく整理しています。
集まりと外食のコーデ
友人との集まりや外食の日は、座って食べる時間が長く、食事のあとにお腹まわりが少しふくらむことも考えて組みます。体から離れて落ちるブラウスやワンピースに、前を開けた羽織りを合わせると、食事のあとも形が変わりません。
座敷で床に座る場合は、スカートより、ゆとりのあるワイドパンツのほうが動きやすく、座ったときに裾を気にせずにすみます。飲み会の場合の組み方は、飲み会のぽっちゃりコーデで、お腹まわりと二の腕のどちらが気になるかで分けて整理しています。
ホテルでのランチのように少しきちんとした場では、とろみのあるブラウスにハリのあるスカート、ノーカラーの羽織りを合わせます。ホテルランチのぽっちゃりコーデでは、楽な形のまま場にふさわしく見せる組み方をまとめています。
年代別の入口
ぽっちゃりのコーデの3つの決め手は、年代を問わず同じです。変わるのは、1週間の過ごし方と、選ぶ生地や形の好みです。年代ごとに詳しい記事があるので、自分の年代から入ってください。
| 年代 | 1週間の過ごし方 | 強めたい決め手 | 詳しく読む |
|---|---|---|---|
| 10代 | 学校・友人との外出 | 縦の線と丈の位置 | 低身長ぽっちゃりの10代 |
| 20代 | 仕事・休日の外出 | 上下のどちらが膨らむか | ぽっちゃりの20代 |
| 30代 | 仕事・子育て | 縦の分割線 | 低身長ぽっちゃりの30代 |
| 40代 | 仕事・行事・休日 | 場面ごとの打ち手 | ぽっちゃりの40代 |
| 50代 | 仕事・式典・旅行 | 首元と生地の落ち感 | ぽっちゃりの50代 |
10代は、丈の位置と濃い色を置く高さで全体のバランスを決めます。低身長ぽっちゃりの10代コーデでは、濃い色を置く高さの目安をまとめています。20代は、上が膨らむか下が膨らむかで、秋冬の丈の選び方が分かれます。ぽっちゃりの20代コーデで、上下の見分け方と丈の目安を整理しています。
30代は、仕事と子育てで服の役割が増える年代です。低身長ぽっちゃりの30代コーデでは、縦の分割線を2本置く位置を具体的に示しています。
40代は、仕事・子どもの行事・休日と、場面ごとに求められる服の空気が大きく変わります。40代のぽっちゃりのコーデでは、座る日・立ち続ける日・動き回る日で、3つの決め手のどこを強めるかを場面別に整理しています。
50代は、首元と生地の落ち感がいっそう効いてくる年代です。式典や旅行など、少し改まった場も増えます。50代のぽっちゃりのコーデでは、首元に視線を集める手と、結婚式・入学式・法事・旅行での組み方をまとめています。
色と柄の選び方
色は、どの色が似合うかより、どこに置くかで考えます。輪郭を締めたい場所に濃い色を、視線を集めたい場所に明るい色を置きます。上半身に厚みが出る人は上を濃く下を明るく、下半身に厚みが出る人は上を明るく下を濃く、という配置です。
| 型 | 濃い色を置く場所 | 明るい色を置く場所 |
|---|---|---|
| 上半身 | トップス・羽織り | スカート・パンツ |
| お腹まわり | 中のブラウスとパンツ | 首元の小物 |
| 下半身 | パンツ・スカート | トップスの首元 |
| 全体 | 全身を同系色の濃い色で | 首元・手首に1か所 |
赤や黄色のような鮮やかな色も着られます。着る場所を、厚みの出ない場所か、縦に細長く見える場所にします。赤ニットのぽっちゃりコーデでは、胸が厚い人と腰が厚い人で赤を着る場所をどう変えるかを整理しています。
柄は、柄の一つひとつが手のひらより小さく、地の色と柄の色の差が小さいものから始めると取り入れやすくなります。縦のストライプは、線の間隔が細かすぎると目がちらつくので、1〜2cm程度の間隔のものが使いやすいです。大きな柄は、体のいちばん厚い場所を避けて、スカーフや小物で取り入れます。
サイズ選びのコツ
サイズは、肩の縫い目で決めるのが基本です。肩の縫い目が肩先にぴったり乗るサイズが、その人に合ったサイズです。身幅に余裕がほしいからと大きなサイズを選ぶと、肩が落ちて上半身の外形がひと回り大きくなります。
肩の縫い目で選んだサイズで、身幅がきついときは、同じサイズでゆとりのある形のものを探します。身幅のゆとりは、こぶし1つ分が目安です。それより少ないと体に張り付き、多いと布が浮いて体が大きく見えます。
丈や袖が余るときは、長さを直します。袖は内側に折り込む、パンツの裾は直しに出す、という具合です。ぽっちゃり150cmの秋コーデでは、サイズを上げて余った丈と袖の直し方を具体的に示しています。パンツは、ウエストではなく、腰とお尻のいちばん厚い位置で選ぶと、全体にゆとりがあってもウエストだけ詰めればよいので、形が崩れにくくなります。
身長が低めの人のコーデ
身長が低めの人は、縦の線を長く見せることと、丈をどこで切るかがいっそう効きます。羽織りは長すぎると服に着られている印象になるので、ひざ上くらいの丈を目安にします。ボトムは、足首が見える丈か、靴の甲にかかる丈にして、ふくらはぎの途中で切らないようにします。
全身を同系色でまとめると、色の境目がないぶん縦に長く見えます。靴もパンツと同じ色にすると、脚がそのまま床までつながります。ワンピースは丈がひざ下からふくらはぎの細い位置で終わるものを選び、長すぎる場合は裾を直します。
150cm前後の人のワンピースは、ぽっちゃり150センチのニットワンピースで、丈の位置と編み目の太さの選び方を整理しています。ブーツを合わせるときは、ブーツの筒の口とスカートの裾のあいだの隙間が狭いほど、脚が長くつながって見えます。
身長が高めの人のコーデ
身長が高めの人は、縦の線がもともと長いぶん、全体が大きく見えすぎないように、適度に横の区切りを入れることが効きます。羽織りは長めのものが似合いますが、全身を1色でまとめると縦に大きく見えることがあるので、トップスとボトムで色を少し変えます。
ボリュームのある服も着こなしやすいのが、身長が高めの人の強みです。ワイドパンツやロングスカートなど、低めの人には難しい長さや広がりも、全体のバランスを崩さずに取り入れられます。ただし、生地が厚く広がりの大きいものを上下に合わせると、全身が大きく読まれるので、どちらか一方はすっきりした形にします。
身長と体型のバランスの取り方は、身長が低めの人と高めの人のバランスで、丈の位置と色の区切りを身長別に比べています。
どちらとも取れるときの決め方
型を見分けても、上半身とお腹まわりの両方に厚みがある、下半身と全体の中間くらい、ということがよくあります。そういうときは、次の順番で決めます。
- 鏡で横から見て、いちばん前に出ている場所を1つ選ぶ。その場所の型の手を優先します
- その型の手が、もう一方の型で逆に働かないかを確かめる。表の「逆に働きやすい手」を見ます
- 逆に働くなら、両方に効く手だけを使う。前を開けた長めの羽織り、肩の縫い目が合うサイズ、落ち感のある生地は、どの型でも効きます
たとえば、上半身とお腹まわりの両方に厚みがある人は、切り替えの位置を胸の下にするか腰より下にするかで迷います。この場合は、切り替えのない服を選び、前を開けた長めの羽織りで縦の線を作ると、どちらの型にも逆に働きません。
それでも迷うときは、手持ちの服で2通りの組み方を作り、写真を撮って比べてください。2枚を並べて、最初に目が止まる場所がより上にあるほうが、似合う組み方です。
季節や体調で、同じ人でも厚みの出方が少し変わることがあります。冬に重ね着をすると上半身に、座る時間が長い時期はお腹まわりに厚みが出やすくなります。型は一度決めたら終わりではなく、季節の変わり目にシャツとパンツでもう一度確かめると、その季節に効く手がはっきりします。
よくある失敗と直し方
ぽっちゃりのコーデでよくある失敗は、3つの決め手のどれかが抜けている場合がほとんどです。どれが抜けているかを見つければ、直すのは1か所で足ります。
| よくある失敗 | 抜けている決め手 | 直し方 |
|---|---|---|
| 大きめのサイズで全身を包む | 生地の落ち感・サイズ | 肩の縫い目で選び直す |
| 短い上着を前を閉じて着る | 縦の線 | 長めの羽織りを前を開けて着る |
| 薄手のリブニットを1枚で着る | 生地のハリ | 上に羽織りを足す |
| 雑誌の手をそのまま真似する | 型ごとの打ち手 | 自分の型の行を見直す |
| 厚手のものを何枚も重ねる | 生地の落ち感 | 厚みは外側の1枚だけにする |
失敗に気づくいちばん早い方法は、出かける前に全身を横から鏡に映すことです。正面からは整って見えても、横から見ると羽織りが後ろに引かれていたり、トップスの裾がお腹の上で止まっていたりします。横からの姿で縦の線が足元まで通っていれば、その日の組み方は大きく外れていません。
いちばん多いのは、「大きめを着れば楽ですっきり見える」という思い込みです。肩の縫い目が腕に落ちると、上半身の外形がそのまま大きく読まれます。楽さはサイズで取るのではなく、生地の落ち感と形で取ると、楽なまますっきり見えます。
目的別に次に読む記事
ここまでで、ぽっちゃりのコーデの全体の地図ができました。ここからは、自分の目的に合わせて、詳しい記事に進んでください。
- 自分の年代から考えたい → 「年代別の入口」の章の各記事
- アイテムから選びたい → 「トップス」「パンツ」「スカート」「ワンピース」「アウター」の章の各記事
- 季節から考えたい → 「秋」「冬」「春夏」の章の各記事
- 場面から考えたい → 「仕事」「休日」「子どもの行事」「集まりと外食」の章の各記事
- 身長から考えたい → 「身長が低めの人」「身長が高めの人」の章の各記事
ギャル系のコーデが好きな人は、ぽっちゃりのギャルコーデで、秋のショート丈と出す場所の選び方を整理しています。どの記事も、この記事の3つの決め手を土台にしているので、自分の型を決めておけば、どこから読んでも迷いません。
よくある問い
- Q. ぽっちゃりのコーデは、何から始めればいいですか?
- 自分の厚みが出る場所を見分けるところからです。手持ちのシャツのボタンを留めて両腕を前に出し、最初に引っ張られるのが背中や胸なら上半身、ボタンのあたりならお腹まわり、座ったときに腰や太ももがきついなら下半身、どこも同じくらいなら全体です。場所が決まったら、前を開けて着られる長めの羽織りを1枚用意すると、どの型でも縦の線が通ります。
- Q. ぽっちゃりでも、体に沿う服を着てもいいですか?
- 着てかまいません。全身を体に沿わせると凹凸がそのまま出ますが、上か下のどちらか一方だけを沿う形にすると、輪郭が締まって見えます。ゆとりのあるトップスにはストレートパンツを、体に沿うニットには落ち感のあるスカートを合わせてください。沿わせる側は、薄手のリブよりハリのある生地にすると凹凸を拾いにくくなります。
- Q. 大きめのサイズを選べば、すっきり見えますか?
- 大きくしすぎると、かえって輪郭がひと回り大きく読まれます。目安は肩の縫い目が肩先に乗るサイズです。そのサイズで丈や袖が余るときは、袖を内側に折る、パンツの裾を直すなど、長さのほうを整えてください。身幅にこぶし1つ分のゆとりがあれば、体に張り付かず、服が浮いて見えることもありません。
- Q. ぽっちゃりに似合う色や柄はありますか?
- 決まった色はありません。輪郭を締めたい場所に紺・チャコール・深い緑などの濃い色を、顔まわりに明るい色を置く、という配置で考えると、好きな色を使えます。柄は、柄の一つひとつが手のひらより小さく、地の色と柄の色の差が小さいものから始めると取り入れやすくなります。
- Q. 秋冬の重ね着で着膨れしないコツはありますか?
- 厚みのある服は外側の1枚だけにして、その前を開けて着ることです。前を閉じると体の幅がそのまま外形になりますが、開ければ中の色で縦の線が1本通ります。中に着るものは薄手のハイゲージニットやとろみのあるブラウスにすると、暖かさを保ったまま輪郭がすっきりします。
— メグラシ編集部





