40代のぽっちゃりコーデ|厚みの出る場所で打ち手が正反対になる

「ぽっちゃり」「40代」「コーデ」と並べて検索するとき、知りたいのは励ましでも、体重の話でもないはずです。明日の朝クローゼットの前で、どっちを手に取ればいいのか。その基準のはずです。
先に答えを書きます。装いの印象を分けているのは体そのものではなく、服の型が体のどこで線を切っているかです。効いている場所は三つしかありません。縦の線、上半身の枠、重心。この三つが整っていれば、体は何も変えなくても輪郭の読まれ方が変わります。
そしてもう一つ、先に決めておくことがあります。**40代で厚みが出る場所は人によって違い、場所が違えば同じ助言が正反対に働きます。**肩と背中に出ている方に「ゆとりのある形」を勧めると外形が外へ出て逆になり、腰まわりに出ている方に「ハイウエスト」を勧めると切り替えが厚い高さを横切って裏目に出る。よく見る助言が効かなかった経験があるなら、方法が悪かったのではなく、宛先が違っただけです。
その証拠として、この記事には12枚の図を置きました。**12枚とも同じ体です。変えているのは服だけです。**それでも並べると、はっきり差がついて見えます。差の出どころは体ではなく、服の型のほうにあるということです。
以下、まず手持ちの服3枚で自分の型を決め、型別の打ち手を一覧にしてから、三つの場所を図で一つずつ確かめます。そのあとサイズ選びの判断、きれいめとの両立、オフィスカジュアル、夏の版、下半身に集中するとき、スカートとワンピース、低身長との重なり、色と柄、骨格タイプ別、つまずいたときの直し方、の順に進みます。必要なところだけ読んでいただいて構いません。
📋 40代のぽっちゃりコーデ 早見表
| 気になっていること | 実際に起きていること | 最初に触る場所 | 目安の数値 |
|---|---|---|---|
| 助言どおりにしても効かない | 厚みの出ている場所と助言の宛先がずれている | まず型を決める | 上部・腕・中央・均等の4つ |
| 上半身がもたついて見える | 肩の縫い目が肩先より外に落ちている | 肩線の位置 | 肩先の骨の上、ずれ1.5cm以内 |
| 全身が一つの塊に見える | 縦の線が1本も通っていない | 前を開けた羽織り | 丈は膝上10cm前後 |
| 胴が横に切れて見える | トップスの裾が胴のいちばん厚い位置で終わっている | トップスの丈 | 腰骨の少し下 |
| 脚が短く見える | 裾がふくらはぎのいちばん太い高さにある | 裾の高さ | 床から23〜38cmを外す |
| 首まわりが詰まって見える | 襟ぐりが縦に抜けていない | 襟ぐりの深さ | 鎖骨中央から5〜8cm |
| 腕の張りが出て見える | 袖口が上腕のいちばん太い高さで終わっている | 袖の終わる位置 | 肩から18〜20cmか30〜44cm |
| 一回り大きく写る | 体に合わせてサイズを上げている | サイズの決め方 | 肩で決め、余りは直す |
| きちんと見えない | 素材のしわ・輪郭の曲線・色数のどれか | 素材と色数 | 全身3色以内 |
| 職場で浮く/だらしなく見える | 職場の許容範囲を決めずに服だけ探している | 来客・上司・出社頻度 | 3点で範囲を先に決める |
まず、自分がどの型かを決める
40代で厚みが出る場所は、人によってまったく違います。肩と背中に出る方、上腕に出る方、腰まわりに出る方、全体に均して出る方。この違いを飛ばして「ぽっちゃり向け」と書かれた助言をそのまま使うと、効かないどころか逆に働くことがあります。
たとえば「ゆとりのある形を選ぶ」。腰まわりに厚みのある方には効きますが、肩と背中に厚みのある方には上半身の外形をさらに外へ出す手になります。「ハイウエストで重心を上げる」も同じで、腰まわりの型では切り替えがいちばん厚い高さを横切ってしまい、そこで横線が立ちます。助言が悪いのではなく、宛先が違うだけです。
だから最初にやるのは、買い物でも体重の話でもなく、自分がどの型かを決めることです。メジャーも体重計も要りません。鏡と、クローゼットにある服だけで足ります。
手持ちの服3枚で判定する
クローゼットにある服が、そのまま測定器になります。3つ答えてください。
- **去年着ていたジャケットか、襟のあるシャツを羽織る。**前を留めて、腕を前にまっすぐ出します。このとき最初に引っ張られる場所はどこか。
- 手持ちのニットかカットソーを着て、鏡の真横に立つ。正面ではなく横から自分を見て、前後にいちばん厚くなっている高さがどこかを目で押さえます。
- 去年の服のうち、最初に「合わなくなった」と感じた一枚を思い出す。それはトップスか、ボトムスか、袖のあるものか。
この3つの答えを、次の表に当てます。
| 1で最初に引っ張られた場所 | 2で前後にいちばん厚い高さ | 3で先に合わなくなった品目 | あなたの型 |
|---|---|---|---|
| 背中の中央・肩甲骨のあいだ | 胸のすぐ下あたり | ジャケット・襟のあるシャツ | 上部型 |
| 脇の下・袖のつけ根 | 胸のすぐ下あたり | 半袖・七分袖のトップス | 腕型 |
| 前立て・脇腹・ウエストボタン | へその高さ前後 | パンツ・スカート | 中央型 |
| どこか特定できない | どこも同じくらい | 上下がほぼ同時期 | 均等型 |
3つがきれいに揃わないこともあります。そのときは2(横から見た厚みの高さ)を優先してください。輪郭として外に出ているのはそこだからです。それでも決まらなければ均等型として読み進めてください。均等型の手は他の型にも害がないように組んであります。
4つの型は、何が違うのか
| 型 | 外形が外へ出ている場所 | 目が最初に測ってしまう寸法 | 効きの中心 |
|---|---|---|---|
| 上部型 | 肩・背中・肩甲骨まわり | 肩の外側から外側までの幅 | 上半身の枠と首元 |
| 腕型 | 上腕・脇のつけ根 | 袖口が終わった高さの腕の幅 | 袖が終わる位置 |
| 中央型 | 腰まわり・胴の中央 | 胴のいちばん厚い高さの幅 | 重心と股上 |
| 均等型 | 全体に均して | 全身の外形そのもの | 縦の線 |
見ていただくと分かるのですが、型が違っても「布をどこで切るか」の話であることは変わりません。変わるのは切る場所と、ゆとりを置く場所の配分だけです。どこかを覆い足す、という手は4つのどの型にも出てきません。
型別|よく効く手と、この型では逆に働く手
ここが本題です。同じ助言が型によって逆を向きます。
| 型 | 最初に替える一点 | よく効く手 | この型では逆に働く手 |
|---|---|---|---|
| 上部型 | 肩線の合ったトップス | 首元を縦にあける/上を静かに、下に落ち感/羽織りは薄手を開けて着る | 上半身にゆとりを足す/肩線の落ちた形/厚手の羽織りを重ねる |
| 腕型 | 袖の終わる位置 | 五分袖か七分袖/脇に空気の入る形/袖ぐりの深い設計 | 上腕に沿う伸縮素材の半袖/中間丈の袖/全身を一段大きくする |
| 中央型 | ボトムスの股上 | 落ちる素材のボトムス/トップスの丈を腰骨の下へ/股上を2cm深く | ハイウエストで切り替えを厚い高さへ/体に沿う素材/腰位置のベルト |
| 均等型 | 前を開けた長い羽織り | 縦の線を1本通す/上下同系色/裾と靴の色をつなげる | 一か所だけの部分対策/上下ともゆるい形/全身を濃色一色で埋める |
「逆に働く手」の列は、どれも他の型では推奨されているものです。だから世の中の助言はぶつかって見えます。ぶつかっているのではなく、宛先が書かれていないだけです。
型別|素材・丈・色の当て方
| 型 | 上半身の素材 | 下半身の素材 | 効く丈 | 色の置き方 |
|---|---|---|---|---|
| 上部型 | ハリがあり体から離れて落ちる | 落ち感のあるもの | トップスは腰骨の少し下 | 上を静かな濃さ、下で明るさを持つ |
| 腕型 | 袖まわりに空気の入る織り | 何でも可 | 袖は肩から30〜44cm | 袖と身頃を同色にして切れ目を減らす |
| 中央型 | 体に沿ってよい(上は細く) | とろみ・落ち感が必須 | トップスは股上より下で終える | 上を明るく、下を濃くしない日をつくる |
| 均等型 | どちらでもよい | 落ち感のあるもの | 羽織りは膝上10cm前後 | 上下を同系色、靴まで色をつなげる |
型別|季節ごとに先に崩れる場所
| 型 | 春・秋 | 夏 | 冬 |
|---|---|---|---|
| 上部型 | 重ね着で上半身の面積が増える | 汗で背中に布が張り付く | コートで肩が一回り外へ出る |
| 腕型 | 羽織りの袖ぐりが浅いと腕が窮屈になる | 半袖の丈が中間に来て止まる | ニットの袖の厚みが腕に足される |
| 中央型 | ボトムスの股上が浅い型に戻る | 薄い生地が腰に沿う | インナーで実寸が増えて股上が足りない |
| 均等型 | 羽織りが薄くなり縦が弱まる | 羽織れず縦が消える | 上下とも厚くなり外形だけ増える |
型が分かったら、以下は「自分の型に関係する節だけ」を読んでいただければ足ります。上部型は次の「上半身の枠」の節、腕型は夏の版の袖の話、中央型は重心の節と下半身の節、均等型は縦の線の節が中心です。
「ぽっちゃりコーデ」と「ぽっちゃりファッション」で探しているものは少し違う
同じ悩みでも、検索するときの言葉は分かれます。「40代女性 ぽっちゃり ファッション」と打つ方と、「ぽっちゃりコーデ 40代」と打つ方では、探しているものが少し違います。
| 使われる言葉 | 探していることが多いもの | この記事で対応する場所 |
|---|---|---|
| ぽっちゃりコーデ | 明日の組み合わせ。今日着るものの正解 | 12枚の比較図と、三つの場所 |
| ぽっちゃりファッション | 何を持てばいいか。買うものと揃え方 | ワードローブの最小構成、アイテム別の寸法 |
| 40代女性 ぽっちゃり | 年齢に合う範囲。若すぎず、老けすぎない線 | 40代でこの二か所が効きやすくなる理由 |
| 40代 大きいサイズ | サイズ表の外にある選び方 | サイズを上げるべきときと、上げてはいけないとき |
| ぽっちゃり 着痩せ | 見え方の原理そのもの | 三つの場所と、覆う方向の限界 |
| 40代 体型カバー | 隠す方法 | 覆うと外形が大きくなる、という考え方の転換 |
この記事は両方を扱います。前半が「今日の組み合わせ」、後半が「何を持つか」です。
12枚を一枚で見比べる
まず全部を並べます。名前を覚えるより、目で差を見てしまうほうが早いからです。
着痩せの効く型・効かない型を一枚で見比べる
12枚とも同じ体です。服だけを変えています。

○ 縦を通す

× 横で切れる

○ 落ちる素材

× 張り付く素材

○ 肩線が合う

× 肩が落ちる

○ 首を出す

× 首が詰まる

○ 細い所で切る

× 太い所で切れる

○ 重心が上がる

× 重心が下がる
整えているのは3か所
縦の線
体を縦に通すか、横で切るか

○ 縦を通す

× 横で切れる

○ 落ちる素材

× 張り付く素材
上半身の枠
肩と首まわりに余白があるか

○ 肩線が合う

× 肩が落ちる

○ 首を出す

× 首が詰まる
重心
切れる位置で重心が上下する

○ 細い所で切る

× 太い所で切れる

○ 重心が上がる

× 重心が下がる
差がついているのは体ではなく、縦の線・上半身の枠・重心の3か所です。
隠す枚数を増やすより、この3か所を1つずつ整えるほうが効きます。
この12枚は、全部同じ体です
もう一度書きます。この12枚は同じ体に、違う型の服を着せた図です。身長も、体の厚みも、肩幅も、12枚すべてで同じです。それでも、並べてみると輪郭の見え方に差が出ます。
ここがこの記事の出発点です。差が体から出ていないのだとしたら、差は服から出ています。つまり直す対象は体ではなく、服の寸法と形のほうだということになります。
「体型が気になる」という言い方をするとき、実際に起きていることは、たいてい「服の型が体に合っていない」です。この言い換えができると、やることが具体的になります。体は変えられませんが、服の型は今日から替えられるからです。
差がついているのは、三つの場所だけ
12枚は3つの家族に分かれています。縦の線(1〜4)、上半身の枠(5〜8)、重心(9〜12)の三つです。それぞれの家族のなかで、効く型と効かない型が2枚ずつ組になっています。
| 家族 | 何を扱っているか | 効く型 | 効かない型 |
|---|---|---|---|
| 縦の線 | 体を縦に通すか、横で切るか | 1・3 | 2・4 |
| 上半身の枠 | 肩と首まわりに余白があるか | 5・7 | 6・8 |
| 重心 | 服がどの高さで切れるか | 9・11 | 10・12 |
見ていただくと分かるのですが、この三つはどれも「布をどこに置くか」ではなく「布をどこで切るか」の話です。覆う面積を増やす方向の話は一つも入っていません。ここが、覆う枚数を足していく考え方といちばん違うところです。
「覆う」を足していくと行き詰まる理由
気になる場所を布で覆う、という方向で組み立てると、どこかで必ず行き詰まります。理由は単純で、覆えば覆うほど布の外形が大きくなるからです。
人が誰かの姿を見て受け取っている情報は、体の実物ではなく、服がつくっている外形の輪郭です。輪郭の外側に布を足せば、輪郭はその分だけ外へ出ます。長い上着を重ね、上からもう一枚羽織り、下も広い形にする。一枚ずつは理屈が通っていても、合計すると外形だけが増えていきます。
だから、この記事では足す方向の話をしません。三つの場所を一つずつ整える、それだけです。原理そのものをもう少し広く知りたい方は着痩せの考え方にまとめてありますので、あわせてどうぞ。
一つめ:縦の線を通す
三つのうち、いちばん効きが分かりやすいのがここです。
長い羽織りを開けて着る/短い上着で横に切る
1は、長い羽織りの前を開けて着ています。羽織りの前端が左右に一本ずつ、肩から裾まで縦に落ちていて、途中でどこにも切れ目がありません。上下も同系色でそろえてあるので、羽織りの内側にも縦がもう一本残ります。
2は、短い濃い色の上着を閉じて着ています。上着の裾が胴のいちばん太い位置で終わっていて、そこで色が大きく変わります。上と下で明るさが違うので、切れ目が線として立ちます。
差は体ではありません。線が縦に走っているか、横に走っているか。それだけです。
なぜ縦の線が効くのか——視線は線に沿って流れる
理屈を書いておきます。人の目は、画面のなかに強い線があると、その線に沿って動きます。縦に長い線が通っていれば、視線は上下に往復します。横に走る線があれば、視線はその線に沿って左右に動きます。
視線が上下に動いているあいだ、目は全体の高さを測っています。左右に動いているあいだは、幅を測っています。同じ姿を見ていても、どちらの線が強いかで、記憶に残る寸法が変わるということです。
もう一つ、線の強さは明るさの差でも決まります。上着と下の色が近ければ、境目があっても線としては弱い。上が濃くて下が明るければ、境目がはっきりした一本の横線になります。2で切れ目が強く見えているのは、丈の位置だけでなく、上下の明るさの差が効いているためです。
だから、縦を通す手は二つあります。線そのものを縦に置くこと(前開きの羽織り、前立て、Vのあき、センタープレス)と、横線を弱めること(上下の色を近づける、境目に強い明暗差をつくらない)。どちらか片方でも変わりますし、両方やると1の状態になります。
素材でも、縦は決まる
線は縫い目や色だけでつくられるものではありません。布が体の上でどう落ちるかも、輪郭の線そのものです。
3は、とろみのある素材のトップスです。布が体のいちばん出ている場所に一点だけ触れて、そこから下へまっすぐ落ちています。落ちた布の外側の線は、途中で膨らんだり凹んだりしません。垂直に近い一本の線になります。
4は、薄手のリブニットです。伸びる素材が体に沿うので、布の外側の線が体の凹凸をそのままなぞります。上がって下がって、また上がる。線が波打つと、そのぶん幅の情報が増えます。
素材で変えられるのはここです。同じ形、同じサイズでも、落ちる素材とはりつく素材では輪郭の線がまったく違います。ポンチ、目の詰まったハイゲージ、タイプライター、とろみのあるレーヨン混。この系統は布が体から離れて落ちます。細リブ、薄手のジャージー、伸びの強いカットソーは、体の形を写します。
面積の小さいところ(袖の一部、インナー、差し色)で使うぶんには問題になりません。上半身の前面のように面積の大きい場所で使うときだけ、素材の系統を意識してください。
縦を通すための、具体的な手
まとめておきます。どれか一つで足ります。
- 前を開けて着られる長めの羽織りを一枚持つ(丈は膝のすぐ下か、ふくらはぎの下)
- 上下を同系色でそろえる(同じ色でなくても、明るさが近ければ効きます)
- 前立てやボタンの列が縦に並ぶトップスを選ぶ
- センタープレスの入ったパンツを選ぶ
- 裾から靴まで色をつなげる(濃いパンツに濃い靴、明るいスカートに肌の色に近い靴)
このうち最後の一つは見落とされがちですが、効きが大きいところです。裾と靴のあいだで色が切り替わると、そこで線が終わってしまいます。つながっていると、縦の線が足元まで続きます。
二つめ:上半身に枠をつくる
二つめは、肩と首まわりです。ここは服の中でいちばん顔に近い場所なので、印象への効きが大きくなります。
肩の縫い目が、肩先に乗っているか
5は、肩の縫い目が肩先の骨の上に乗っています。縫い目から袖が下に落ちるので、肩の角がはっきり出て、上半身の外形が四角い枠になります。
6は、縫い目が肩先より外へ落ちています。落ちた縫い目のところで生地が余り、二の腕のあたりに横向きのしわが溜まっています。肩の角が消えるので、上半身の外形は角のない、丸い塊になります。
同じ体で、この差です。肩は、上半身の輪郭の角を決めている場所だと考えてください。
なぜ肩線が合うと、上半身が整うのか
角がある形と、角がない形では、目が測る基準が変わります。角があると、目は角と角のあいだの距離を測ります。つまり肩幅を測る。角がないと、目は輪郭のいちばん外側を探します。もたついた生地の外側までが、上半身の幅として読まれます。
もう一つ、光の当たり方も変わります。肩の縫い目が肩先に乗っていると、そこから下へ布が自然に落ちるので、面がまっすぐになって光が均一に当たります。縫い目が腕に落ちていると、余った布が段になって、細かい影がいくつも出ます。影はそこに厚みがあるという情報として読まれます。
だから、上半身で最初に見るのは肩です。ここが合っていれば、身幅にゆとりがあっても服は体の上できれいに落ちます。逆に、肩が合っていない服は、他をどれだけ工夫しても輪郭が整いません。
肩の縫い目をわざと落とすデザイン(ドロップショルダー)は、この話の例外ではなく、設計としてそう作られたものです。全体の分量と丈がその前提で組まれているので、通常の肩線の服と同じ感覚で選ぶと余ります。狙って着る場合は、下を細く保って全身の分量を釣り合わせてください。
首元をあける
7は、深いVネックです。首すじと鎖骨が見えていて、あきの部分が縦長の三角形になっています。この三角形が上半身の一番上に空白をつくるので、視線がそこを通って顔まで上がります。
8は、タートルネックです。首が全部覆われているので、あごの下からいきなり上半身の面が始まります。空白がないぶん、顔と上半身がひと続きの面として読まれます。
首元は面積としては小さいのに効きが大きい場所です。理由は、ここが顔のすぐ隣にあるからです。人は相手を見るとき最初に顔を見るので、顔の周辺にある情報がそのまま全体の印象になります。
あきの深さは、鎖骨のくぼみが見える程度が扱いやすい基準です。深くしすぎると今度は上半身の面積が減って、頭が相対的に大きく見えます。襟の形ごとの違いはネックラインの種類に一覧があります。
タートルネックを着たい日は、上に前開きの羽織りを重ねて、羽織りの前端で縦の切れ目をつくると、首元の詰まりが打ち消されます。あるいは、長めのネックレスを胸元まで落として、縦の線を足します。着ないという選択をする必要はありません。
40代でこの二か所が効きやすくなる理由
40代は、体の厚みが出る場所が変わり始める時期です。同じ服を着ているのに印象が変わったと感じるとき、多くの場合、体より先に服の寸法のほうが合わなくなっています。
具体的にいちばん起きているのは、肩です。以前ちょうどよかった服の肩が、いまはわずかに外へ落ちている。数ミリの話でも、そこに生地が余り始めると輪郭がぼやけます。買い足す前に、手持ちの服を着て鏡の横から肩の縫い目を見てみてください。落ちている服が何枚か見つかるはずです。
首元も同じです。年齢とともに顔まわりの印象が変わるので、以前は気にならなかった詰まった襟が重く感じられることがあります。これも体の問題ではなく、服の設計と現在の自分の釣り合いの話です。
三つめ:重心
三つめは、服がどの高さで切れているかという話です。
裾が終わる位置で、脚の太さが決まる
9は、スカートの裾がひざ下の細い位置で終わっています。布が切れたところから下は、脚の細くなっていく部分です。
10は、裾がふくらはぎのいちばん太い位置で終わっています。布が切れたところから下は、そこから細くなっていく部分ですが、切れ目そのものは太い場所にあります。
同じスカートの形で、丈が数センチ違うだけです。それでも脚の見え方が変わります。理由は、目は布が途切れた場所の幅を、その脚の代表的な太さとして受け取るからです。
だから丈の判断は一つだけになります。裾が終わる位置が、脚の細い場所か、太い場所か。細い場所は二つあって、ひざのすぐ下(皿の下で細くなるあたり)と、ふくらはぎの下(足首に向かって細くなり始めるあたり)です。どちらかに寄せると、そこから下が長くすっきりと続きます。
この位置は身長で動きます。同じ「ミモレ丈」と書かれた商品でも、身長によって裾の来る場所が違うからです。一度、床から自分のふくらはぎのいちばん太い位置を測っておくと、以後の判断が速くなります。
切り替えの高さ
11は、切り替えが胸のすぐ下にあります。上下を分ける線が高い位置にあるので、下に続く部分が長くなります。
12は、切り替えが腰の位置にあります。分ける線が胴のいちばん厚いあたりを横切るので、そこで視線が止まり、上下の両方が短く見えます。
切り替えは、縫い目だけでなく、ベルト、色の変わり目、トップスの裾など、横に走るものすべてが該当します。つまり普段のコーディネートでは、トップスの裾がどこで終わるかが、そのまま切り替えの高さになります。
重心は、上げすぎないほうがいい
ただし、上げれば上げるほど良いわけではありません。上下を分ける位置を上げるほど上半身の面積が減るので、頭が相対的に大きく見えます。胴の存在が消えると、全体のつり合いも崩れます。
目安は、上半身と下半身の比が1対2から1対2.5くらい。上を全身の3割前後に収める、という感覚で十分です。そこまで上げなくても、縦の線が通っていれば輪郭は整います。
重心を上げる手はいくつもありますが、使うのは一度に一つで足ります。ハイウエストのボトムスを穿く、トップスの前だけを軽く入れる、短めの丈のトップスを選ぶ、自然なウエスト位置にベルトを置く。二つ以上を重ねると、上げすぎの側に振れます。
サイズを上げるべきときと、上げてはいけないとき
ここは判断を間違えやすい場所なので、独立して書きます。
大きい服が、大きく見える理由
体が気になるとき、ワンサイズ上を選びたくなることがあります。ゆとりがあれば体に触れないだろう、という理屈です。ところが実際には、多くの場合これが逆に働きます。
サイズを上げると、三つの寸法が同時に増えます。肩幅、身幅、着丈です。肩幅が増えると縫い目が腕に落ちて、6の状態になります。身幅が増えると布の外形が外へ出ます。着丈が増えると、裾が想定より下の位置——たいていはより太い場所——で終わります。
つまり、ゆとりを手に入れる代わりに、輪郭の三か所を同時に外側へずらしていることになります。人が見ているのは服の外形なので、外形が大きくなればそのぶん大きく読まれます。服のサイズは、体を包む余白ではなく、輪郭そのものだと考えてください。
大きすぎる服の見え方についてはオーバーサイズが似合わないと感じるときにも具体を書いています。
上げていいのは、この二つのときだけ
サイズを上げる理由になるのは、肩と袖ぐりです。
肩の縫い目が肩先より内側に食い込んでいる。腕を前にまっすぐ出すと背中が引っ張られる。この二つのどちらかが起きているなら、上げてください。肩幅とアームホールは直しにくく、直すと形そのものが変わってしまう場所なので、ここが窮屈な服は使えません。
逆に、肩と袖ぐりが合っていて、身幅にだけゆとりが欲しいという状態なら、サイズではなく素材を替えます。落ちる素材にすれば、同じサイズのまま布が体から離れます。3と4の差がそれです。サイズを上げずにゆとりを手に入れる方法が、素材のほうにあるということです。
試着室で見る三か所
売り場で全身を眺めると、かえって判断がつきません。見るところを三つに絞ってください。
- 肩の縫い目が、自分の肩先の骨の上に乗っているか(正面と横の両方から)
- 腕を下ろした状態で、脇の下と袖ぐりの底のあいだに指が1〜2本入るか
- 裾が終わっている位置が、脚や胴の細い場所か、太い場所か
丈が長いのは後回しで構いません。裾丈は比較的直しやすい場所だからです。この三つが合っていれば、その一着は使えます。
自分に合う型の見当がまだつかない、という段階なら、買う前に着てみるという手もあります。airClosetのような月額制のレンタルなら、サイズや体型の情報を伝えたうえで届いた服を実際に着られるので、「自分にはこの肩幅とこの丈が効く」という基準を、買わずに確かめられます。基準ができてしまえば、そのあとの買い物が速くなります。
「ぽっちゃり」と「きれいめ」は両立する
「ぽっちゃり きれいめ」という組み合わせで検索される方が多いところを見ると、この二つが両立しないのではないか、という不安があるのだと思います。結論から書くと、両立します。理由は、きれいめという印象が体型からつくられていないからです。
きれいめの正体は、三つの条件
きれいめと呼ばれる印象は、次の三つでできています。
- しわの出にくい素材であること(表面が均一で、光が散らずに面として返る)
- 輪郭が直線的であること(曲線や膨らみが少なく、縦横の線がまっすぐ)
- 色数が少ないこと(全身で三色以内、明るさの段差も少ない)
この三つのどこにも、体のサイズは出てきません。だから体型に関係なく成立します。むしろ布の面積が大きいほど、素材の表情はよく見えます。
40代のきれいめを組み立てる
具体的な組み立てはこうなります。上はハリのある素材のトップス、下はセンタープレスの入ったテーパードか、Iラインのスカート。全身の色は二色か三色。羽織るなら、前を開けたノーカラージャケットかロングジレ。
素材の候補としては、ポンチ、目の詰まったハイゲージニット、タイプライター、薄手のギャバジン、とろみのあるレーヨン混あたりが扱いやすい系統です。共通しているのは、しわになりにくく、表面が均一で、落ちること。
反対に、きれいめから遠ざかるのは、しわの出やすい素材、装飾の多いデザイン、色数の多さの三つです。装いのジャンルそのものの整理はファッションの系統にまとめてありますので、自分がどこを目指しているのか迷ったときはそちらもどうぞ。
「きちんと見えない」と感じるときに直すところ
きれいめにしたつもりが違って見える、というときは、たいてい次のどれかです。
素材にしわが出ている。着る前に一度アイロンを当てるだけで印象が変わります。素材そのものが原因なら、しわの出にくい系統に替えます。
輪郭に曲線が多い。ギャザー、フリル、たっぷりした袖。一つまでなら効きますが、二つ以上重なると輪郭が波打ちます。
色数が多い。バッグと靴とアクセサリーを数えてみてください。四色を超えていたら、どれか一つを他と同じ色に寄せます。
夏の版——汗と透けと二の腕
ここまで書いてきた手のうち、夏にいちばん破綻しやすいのが「羽織りを足す」です。暑い日にもう一枚は現実的ではありません。代案を並べます。
羽織りなしで縦を通す
一枚で縦の線をつくれる形があります。
前開きのシャツワンピースを一枚で着る。前立てとボタンの列が最初から縦に並んでいるので、羽織りと同じ働きをします。前を全部留めても、下だけ開けてもかまいません。
上下を同系色でそろえる。同じ色でなくても、明るさが近ければ境目が弱くなります。夏なら白とオフホワイト、生成りとベージュ、水色と淡いグレーといった組み合わせが軽く収まります。
細長いネックレスを胸元まで落とす。面積は小さいのですが、縦の線としてはきちんと働きます。
どうしても羽織りたい日は、透ける素材にします。シアーシャツ、麻の薄いカーディガン、レースの羽織り。布があっても向こうが見えるので、輪郭は増えません。夏のアイテムの回し方は夏の着まわしにまとめました。
二の腕は、覆うより「どこで終わるか」
袖の話です。二の腕が気になるとき、長い袖で全部を覆いたくなりますが、暑いですし、効きも思ったほどではありません。効くのは長さではなく、袖が終わる位置です。
二の腕のいちばん太い位置は、肩先から下に15cm前後のあたりにあります。ここで袖口が終わると、その幅が腕の代表的な太さとして読まれます。裾の話とまったく同じ原理です。
だから袖丈は、二の腕のいちばん太い位置より下——五分袖(肩から30〜32cm)か七分袖(肩から42〜44cm)に寄せます。半袖にするなら、逆に太い位置より上、肩から18〜20cmで終わるものを。中間の22〜28cmがいちばん難しい丈になります。
袖の形も効きます。フレンチスリーブは肩先で終わるので涼しく、腕の細い部分が長く見えます。ドルマンは脇に空気の層ができるので、腕に張りつきません。反対に、伸びる素材のぴったりした半袖は、腕の形をそのまま写します。形ごとの違いは袖の種類にあります。
汗と透けの扱い
夏に印象を崩しているのは、体型より汗じみと透けであることが多いものです。ここは素材で解決できます。
汗じみが出にくいのは、綿麻、強撚の綿、リネン混、表面に凹凸のある素材です。肌に張りつかないので、そもそも汗が広がりません。色でいうと、中間の明るさのグレーとサックスがいちばん目立ちやすく、白、濃紺、黒、柄物は目立ちにくくなります。
透けは、白と淡い色で起きます。対策は、インナーを白ではなくベージュか肌に近い色にすること。白いインナーは白いトップスの下でいちばん透けます。もう一つは、生地の裏に別布のついたもの(裏地つき、二重織り)を選ぶことです。
夏の腕まわりの具体は夏の二の腕まわりの装いにも書いています。
下半身に集中して気になるとき
腰から下だけが気になる、という場合は、三か所の話を上下の配分に置き換えて解きます。
上を細く、下を落ちる素材で
下半身が気になるとき、下を広くして覆いたくなりますが、広い形は布の外形がそのまま横幅になります。効くのは広さではなく落ち方です。
図の3で起きていることが、そのまま下半身にも使えます。とろみのある素材は、腰やヒップのいちばん出ている場所に一点だけ触れて、そこから床に向かってまっすぐ落ちます。触れているのは一点なので、それより下の輪郭は体の形と関係なく垂直になります。
素材でいうと、レーヨン混、キュプラ混、テンセル混、薄手のポリエステルサテン。ハリの強い綿やリネンは、逆に裾が外へ張り出すので、同じ形でも輪郭が大きく出ます。
そのうえで、上半身は細くします。体に沿うトップス、裾を軽く入れる、首元をあける。上に量があると全身が四角くなるので、下に落ち感を使うぶん、上は静かにしておきます。
配分の目安
全身のうち、分量を出していい場所は一か所までです。下に落ち感のあるワイドやスカートを持ってきたら、上はコンパクトに。上に羽織りを重ねるなら、下はテーパードかIラインで細く。
もう一つ、靴の色をボトムスに寄せると、裾から足先まで一続きの線になります。下半身の縦の距離が伸びるので、上を細くする手と組み合わせるとよく効きます。
スカートとワンピースの選び方
「ぽっちゃり スカート」「ぽっちゃり ワンピース」と探される方が多いので、この二つを分けて書きます。
スカートは、裾の位置と落ち方の二つで決まる
図の9がそのまま答えになります。見るのは裾が終わる位置です。ひざのすぐ下か、ふくらはぎの下(足首に向かって細くなり始めるあたり)。この二つのどちらかに寄せると、そこから下がすっきり続きます。
形は、Iライン(タイトめでまっすぐ落ちる)と、細かいプリーツ、落ち感のあるフレアが扱いやすい系統です。広がりの大きいフレアやギャザーは、布の外形がそのまま横幅になるので、選ぶなら素材を落ちるものにして、広がる量を布の重さで抑えます。
避けたいのは、ハリの強い素材で大きく広がる形です。輪郭が外へ張り出したまま固定されるので、動いても線が変わりません。スカートの形ごとの違いはスカートの種類に一覧があります。
ウエストは、ゴムでもボタンでも構いませんが、位置は自然なウエストか、そこからやや上に。腰骨の位置まで下げると、切り替えが胴の厚いところを横切って12の状態になります。
ワンピースは、切り替えの高さで選ぶ
ワンピースの強みは、上下の切り替えがないぶん、縦の線が最初から通っていることです。トップスの裾という横線が存在しないので、12のように腰の位置で横に切れることが、そもそも起こりません。
そのうえで見るのは、切り替えがあるならその高さです。胸のすぐ下(エンパイア)なら図の11と同じで、重心が上がります。自然なウエストならつり合いが取れます。腰の位置まで下がると、切り替えのない強みが消えます。
切り替えのないタイプ(Iライン、シャツワンピース、キャミワンピース)は、上から下まで一枚の面になるので、素材の落ち方がそのまま輪郭になります。落ちる素材を選んでください。
前開きのシャツワンピースは、この記事で書いてきた手のうち三つを一枚で満たします。前立てで縦の線が通り、襟をあければ首元があき、切り替えがないので横線がありません。夏に一枚で完結する形としても使えます。ワンピースの形ごとの違いはドレス・ワンピースの種類にまとめました。
低身長と重なるとき
身長が150cm前後で、体型も気になる。この二つが重なると、よく見る助言どうしが正面からぶつかります。
なぜ助言がぶつかるのか
体型が気になるときの定石は「長い丈で縦に流す」です。低身長のときの定石は「コンパクトにまとめて重心を上げる」です。方向が逆を向いています。
長い丈にすると重心が下がって身長が沈み、短くまとめると横幅が出る。片方だけを試して行き詰まった経験があるなら、方法が悪かったのではなく、もう片方の条件が満たされていなかっただけです。
分割位置は高く、覆う面は縦長に
両立させる考え方はこうです。上下を分ける位置は高く保つ。そのうえで、覆う面の形は縦に長く取る。この二つは矛盾しません。
図の11がその形です。切り替えは胸のすぐ下にあるので分割位置は高い。にもかかわらず、そこから下は一枚の面がまっすぐ落ちるので、覆う面は縦長です。重心も下がらず、横幅も出ません。
普段の服に置き換えるとこうなります。ボトムスはハイウエストにして分割位置を上げる。トップスはヒップのいちばん高い位置あたりで終わる、落ち感のある素材。その上から前を開けた羽織りを一枚。トップスは体を拾わないので横幅は出ず、分割位置は高いので重心も下がりません。
素材は、低身長だと少し変わります。体型だけを考えると厚い生地で体から浮かせたくなりますが、縦の距離が短いと厚い生地の分量そのものが勝ちます。ほどよいハリのある薄手か、落ち感のある素材のほうが扱いやすくなります。
丈の数字そのものは低身長・150cmの服選びに、床からの位置で全部まとめてあります。スカート丈、パンツ丈、アウター丈を数字で決めたい方はそちらをどうぞ。
色と柄の扱い
三つの場所の話は形と丈が中心でしたが、色と柄も同じ理屈で効きます。どちらも「線をどこに置くか」の問題だからです。
全身黒に寄せると、かえって塊になる
黒は収縮して見える色ですが、全身を黒でそろえると、体が一つの大きな塊として読まれることがあります。境目がないので、輪郭の内側にある情報がすべて消えて、外形だけが残るためです。外形しか残らなければ、目はその外形の幅を測ります。
黒を使うなら、面積の大きい下半身に置いて、上半身にはチャコール、ダークネイビー、グレージュ、ダークブラウンなどを混ぜます。同じくらい濃い色どうしなら横線は立ちませんし、顔まわりにわずかな明るさが入ります。
もう一つ、黒は光をほとんど返さないので、素材の表情が出にくい色でもあります。しわや毛羽立ちが目立ちにくい反面、質感の良さも見えにくい。きれいめに寄せたい日は、濃紺やダークブラウンのほうが素材の良さが伝わります。
上下の明るさの差が、横線の強さを決める
縦の線の節で書いたとおり、上下の明るさが離れているほど、境目が強い横線になります。淡いトップスに濃いボトムスは、ウエストの位置にはっきりした線が引かれた状態です。
これは悪いことではありません。腰の位置を見せたいときには、この線がそのまま使えます。使い分けの基準は、線を上に置きたいか、消したいかです。上下の分割を高い位置に置ける日は明暗差を使い、そうでない日は上下を近い明るさでそろえて線を消す。どちらも同じ道具の裏表です。
柄は、大きさと密度で選ぶ
柄そのものに得意不得意はありません。効くのは、柄一つ分の大きさと、並ぶ密度です。
大きな柄は、柄一つが体の面のなかで場所を取ります。柄の輪郭が体の輪郭より目立つと、そこが分量として読まれます。小さい柄が密に並んでいると、離れて見たときに一つの面の色として溶けるので、輪郭の情報は増えません。
縦のストライプは縦の線として働きますが、縞の幅が広いと縞そのものが分量になります。5mm以下のピンストライプから1cm前後までが扱いやすい範囲です。それより太い縞は、スカーフやシャツの一部のように面積の小さいところで使うと収まります。
骨格タイプによる効き方の違い
三つの場所はどのタイプにも共通して効きますが、どこから手をつけると変化が早いかは少し変わります。自分のタイプが分からないときは骨格診断とはから確かめてみてください。
骨格ストレート
上半身に厚みがあり、肌に弾力があって骨は目立ちにくいタイプです。効きが早いのは首元と素材です。首元をVやUであけて縦の切れ目をつくり、体に張りつかないハリのある素材に替える。この二つで上半身の面の見え方が変わります。
丈は正確に合わせます。厚みのあるタイプは布が余るとそのまま分量に見えるので、着丈と袖丈を自分の寸法に詰めるだけで輪郭が締まります。装飾は少なめに、寸法の正確さで見せる方向が向いています。
骨格ウェーブ
上半身が薄く、曲線的で、重心が下にあるタイプです。効きが早いのは重心です。ハイウエストのボトムス、胸下の切り替え、短めのトップス。分割位置を上げる手がそのまま働きます。
注意するのは素材の量です。柔らかい素材でボリュームを出すと、体より布のほうが目立ちます。ギャザーやフリルを使うなら、量ではなく細かさで見せる。羽織りも薄手を選ぶとまとまります。
骨格ナチュラル
骨と関節が目立ち、肩幅や背中に枠のあるタイプです。効きが早いのは肩線です。もともと肩の枠がはっきりしているので、縫い目が肩先に乗るとそのまま輪郭の角になります。
このタイプは布の量に負けにくいので、ゆとりのある形をそのまま着られます。ただし分量を出すのは全身で一か所まで。下にワイドを持ってくるなら上はコンパクトに、上にオーバーサイズを着るなら下は細く。丈は長めに取って構いません。
40代女性のぽっちゃりファッション|まず何を持つか
ここから後半です。「今日の組み合わせ」ではなく、「何を持っていれば毎朝が楽になるか」の話をします。
三つの場所を整えるために必要な服は、実はそれほど多くありません。最小構成として8点を挙げます。
| 順番 | 品目 | 何のために持つか | 選ぶときの数値 |
|---|---|---|---|
| 1 | 前を開けて着られる長めの羽織り | 縦の線を2本通す | 丈は膝上10cm前後、落ちる素材 |
| 2 | 肩線の合ったトップス(無地) | 上半身の枠を作る | 肩のずれ1.5cm以内、襟ぐり5〜8cm |
| 3 | 落ち感のあるボトムス(濃色) | 重心を整える | 股上27〜31cm、裾幅20〜24cm |
| 4 | 同系色のボトムス(明色) | 上下の明度差を調整する | 同上 |
| 5 | 前開きのシャツワンピース | 一枚で縦が通る。羽織りにもなる | 丈は床から40cm前後 |
| 6 | ボトムスと同系色の靴 | 裾から先で線を切らない | ヒール高は問わない |
| 7 | 薄手のニット(きれいめ) | 冬に厚みを足さない | ハイゲージ、厚み3mm以下 |
| 8 | 鎖骨より下まで届くネックレス | 首元に縦を1本足す | 長さ45〜55cm |
この8点があれば、通勤も休日も学校行事も回ります。足りないものを買い足す前に、この8点のうち何が欠けているかを確かめてください。
多いのは1番と6番が欠けているケースです。羽織りと靴。この2つは「体型カバーの服」として売られていないので、買い物のときに意識から外れがちです。けれど、縦の線をつくる仕事のほとんどはこの2つがやっています。
アイテム別|40代女性のぽっちゃりファッションで見る寸法
買うときに何を測るか、品目ごとに並べます。
| 品目 | 測る場所 | 目安 | ずれたときに起きること |
|---|---|---|---|
| トップス | 肩線の位置 | 肩先の骨の上、ずれ1.5cm以内 | 上半身の輪郭が一段大きく読まれる |
| トップス | 襟ぐりの深さ | 鎖骨中央から5〜8cm | 浅いと顔の下から胸までが1つの面になる |
| トップス | 着丈 | 腰骨の少し下 | 胴のいちばん厚い位置で終わると横線が入る |
| トップス | 身幅 | バスト実寸+8〜12cm | 少ないと張り付く。多いと外形が増える |
| 羽織り | 着丈 | 膝上10cm前後 | 短いと横で切れる。長すぎると縦が止まる |
| 羽織り | 前端の落ち方 | 吊るして横から見てまっすぐ | 張り出す素材は体の上でも張り出す |
| ボトムス | 股上 | 27〜31cm | 浅いと外形の上端がいちばん太い位置に来る |
| ボトムス | わたり幅 | 太もも周径の半分+4cm | 足りないと布が太ももに沿う |
| ボトムス | 裾幅 | 20〜24cm | 細いとふくらはぎに沿う。広いと面が増える |
| ボトムス | 裾の高さ | 床から3〜12cm | 23〜38cmだと脚がそこで止まる |
| スカート | 裾の高さ | 床から3〜10cm、または47〜54cm | 太い位置で切ると横線になる |
| ワンピース | 切り替えの位置 | バストの下、または自然なウエスト | 低いと下半身の始まりが下がる |
| ニット | 編み地の厚み | 3mm以下 | 厚いと全身に厚みが足される |
| 靴 | 甲の開き | 甲が見える形 | 深く覆うと足が短く見える |
数字が並んでいますが、全部を覚える必要はありません。買い物に持っていくのはメジャー1本と、この表の自分に関係する行だけで足ります。
季節別|一年を通した組み立て
40代のぽっちゃりファッションでいちばん崩れやすいのが、季節の変わり目です。厚みが足される季節と、素材が張り付く季節で、効く手が変わります。
| 季節 | 起きること | 手当て |
|---|---|---|
| 春 | 羽織りが薄くなり、縦の線が弱まる | 前立てやボタンの列が縦に並ぶトップスを足す |
| 梅雨 | 湿気で落ち感のある素材が重く垂れる | 落ちすぎない中間の素材に替える |
| 夏 | 汗で布が肌に張り付き、輪郭がそのまま出る | 肌離れのよい織り、接触面積の少ない型 |
| 夏 | 羽織りが暑くて縦が作れない | 前開きのシャツワンピース1枚で完結させる |
| 初秋 | 重ね着が始まり、上半身の面積が増える | 下半身の面積も少し増やして比を保つ |
| 秋 | ニットの厚みが足される | ハイゲージに替える。厚み3mm以下 |
| 冬 | コートで上半身が一回り大きくなる | 下を細くしすぎない。三角形の逆になる |
| 冬 | インナーで実寸が増える | 冬用に1サイズ違うボトムスを別に持つ |
| 早春 | 明るい色に替えたくなる | 上下の明度差を開きすぎないように調整する |
冬の落とし穴は、実寸が増えていることです。厚手のタイツや裏起毛のインナーで、太ももの周径は2〜4cm増えます。夏に合っていたわたり幅では足りません。冬用に別のサイズを持つのは、妥協ではなく設計です。
場面別|40代女性が実際に困る7つの場面
| 場面 | 求められること | 組み立て |
|---|---|---|
| 通勤(オフィスカジュアル) | きちんと感と動きやすさ | 肩線の合ったブラウス+股上29cmのストレート+同系色の靴 |
| 通勤(座り時間が長い) | 座ってもシワが集中しない | わたり幅+5cm、ポンチかギャバジン |
| 保護者会・学校行事 | 悪目立ちしない | 無地のセミタイト、丈は膝下、全身3色以内 |
| 休日(歩く日) | 楽で、輪郭が出ない | 落ちる素材のワイド、丈は床から5cm |
| 休日(人に会う日) | きちんと見える | 上下同系色+前を開けた羽織り |
| 同窓会・食事会 | 華やかさと落ち着き | バスト下切り替えのワンピース+長めのネックレス |
| きちんとした席 | 素材の質が出る | ハリと落ち感が両立する素材、Iライン |
オフィスカジュアルに落とし込む
この記事に来られる方の一定数が、同時に「40代 オフィスカジュアル」で探しています。難しさの正体は体型ではなく、正解が会社ごとに違うことです。だから服から探すと終わりません。先に自社の許容範囲を決めます。
自社の許容範囲を3点で読む
| 見るところ | 狭いほうに寄る合図 | 広いほうに寄る合図 |
|---|---|---|
| 来客・社外の人と会う頻度 | 週に何度もある。応接に呼ばれる | ほぼない。社内で完結する |
| 直属の上司の服装 | 襟のあるもの、ジャケットが常にある | ニットやカットソーで通している |
| 出社頻度と在宅の混ざり方 | ほぼ毎日出社。出社日が固定 | 週1〜2日。出社日が可変 |
3つのうち2つ以上が「狭い」に寄るなら、襟か羽織りのどちらかを常に持つ範囲。2つ以上が「広い」なら、無地・きれいな素材・全身3色以内を守れば形は自由、と考えて構いません。判断の細部はオフィスカジュアルの基本と季節ごとのオフィスカジュアルにまとめてあります。
どの型にも共通して効く3つ
範囲がどちらでも、次の3つは動きません。
- 肩線の合ったトップス。職場では座っている時間が長く、正面と斜め前から見られる時間が長いので、肩の角がそのまま印象になります
- 前を開けた薄手の羽織り。冷房対策と縦の線を同時に片づけます。留めずに掛けておけるものを
- ボトムスと同系色の靴。立ち上がって歩く場面が多いほど、足元で線が切れるかどうかが効きます
型別|オフィスカジュアルで変えるところ
| 型 | 上に選ぶもの | 下に選ぶもの | いちばん効く一手 | 避けたい組み合わせ |
|---|---|---|---|---|
| 上部型 | 首元の縦に抜けた無地。ハリのある素材 | 落ち感のあるテーパード | 羽織りを薄手にして前を開ける | 厚手ジャケットを留めて着る |
| 腕型 | 七分袖か五分袖のブラウス | 何でも可。細すぎないもの | 袖ぐりの深い設計を選ぶ | 伸縮素材の半袖シャツ |
| 中央型 | 腰骨の下で終わる丈 | 股上29cm前後のストレート | 股上を2cm深い型に更新する | 腰位置のベルト+タックイン |
| 均等型 | 無地。上下と近い明るさ | センタープレスのあるもの | 上下同系色に羽織りを一枚 | 上下ともゆったりした形 |
座り時間が長い日の扱い
デスクに向かう時間が長い日は、立っているときの見え方ではなく、座ったときに布がどこに集まるかで決めます。わたり幅が足りないパンツは、座った瞬間に太ももの上へ横じわが集まります。目安として、いつも穿いているものよりわたり幅を4〜5cm広い型にして、そのぶん裾幅を20〜22cmに絞ると、立っても座っても輪郭が変わりません。素材はポンチかギャバジンのようにしわの戻る系統を。
低身長と重なる方の職場向けの寸法は、低身長でぽっちゃりのオフィスカジュアルに床からの数値で置いてあります。
場面別×型別|どこを変えるかの分岐表
場面と型を掛け合わせた早見表です。自分の型の列だけ縦に読んでください。
| 場面 | 上部型 | 腕型 | 中央型 | 均等型 |
|---|---|---|---|---|
| きれいめに寄せたい日 | 首元をV字にあけ、上はハリのある無地 | 七分袖のブラウスにIラインの下 | 上を細く、下をとろみの落ち感で | 上下同系色に前開きの羽織り |
| 通勤(来客あり) | 薄手の羽織りを開けて、襟は抜く | 袖ぐりの深いジャケットを選ぶ | 股上の深いストレートに丈の長いトップス | 全身3色以内で縦を通す |
| 通勤(社内のみ) | 肩線の合ったハイゲージ | 五分袖のカットソー | 落ち感のあるワイドに細い上 | 上下同系色のセットアップ的な組み方 |
| 保護者会・学校行事 | 無地で首元の抜けたトップス | 七分袖のワンピース | 切り替えが自然なウエストのワンピース | 膝下丈のセミタイトに羽織り |
| 休日(歩く日) | 上は静かに、下に落ち感のワイド | ドルマンかフレンチスリーブ | 股上の深いワイドに短めの上 | 上下同系色で靴まで色をつなげる |
| 休日(人に会う日) | 前開きシャツワンピース1枚 | 袖の長さで決める。丈は肩から42cm | 落ち感のスカートに細い上 | 羽織りを開けて縦を2本 |
| 同窓会・食事会 | 深いVのワンピースに長いネックレス | 七分袖でひじが隠れる丈 | バスト下切り替えは避け、自然なウエストで | バスト下切り替えのワンピース |
| 低身長と重なる日 | 分割位置を上げつつ、上は薄手で | 袖は五分で腕の縦を長く残す | 股上は深く、丈はヒップの高い位置で終える | ハイウエスト+縦長の面+羽織り |
| 夏(羽織れない日) | 前立てのあるトップスで縦を出す | 袖丈を肩から18〜20cmか30cm以上に | 落ちる素材のスカート1枚で完結 | 上下同系色+長いネックレス |
| 冬(コートの日) | 肩の合うコート。中は薄く | 袖ぐりに余裕のあるコート | コートの下は股上の深いボトムスに | 中も外も同系色でつなげる |
分岐の考え方はどれも同じです。**型が「どこにゆとりを置くか」を決め、場面が「どこまできちんと見せるか」を決める。**この二つは別々の軸なので、掛け合わせても衝突しません。
よくある「思っていたのと違う」と、その直し方
最後に、つまずきやすいところを短くまとめます。
上半身がもたついて見える。肩の縫い目が落ちていないか、鏡の横から見てください。落ちていればサイズが大きいか、そういう設計の服です。同じサイズで肩の合うものに替えるだけで変わります。
胴のあたりで横に切れて見える。トップスの裾がどこで終わっているかを見ます。胴のいちばん厚い位置で終わっているなら、前だけを軽く入れるか、もう少し長い丈に替えます。上下の明るさを近づけるのでも消えます。
脚が短く見える。裾がふくらはぎのいちばん太い位置に来ていないか確かめてください。数センチ上げるか下げるかで変わります。靴の色をボトムスに寄せるのも同時に効きます。
羽織りを着たのに変わらない。前を閉じていないでしょうか。縦の線をつくっているのは羽織りの前端なので、閉じると線が一本に減り、しかも外形が大きくなります。開けたままにするか、ボタンを一つだけ留めるにとどめてください。
上下ともゆったりさせたのに整わない。上下のどちらか一方には、必ず体に沿う面が必要です。両方ゆるいと外形しか残りません。上か下のどちらかを細くしてください。
きれいめにしたのに違って見える。素材のしわ、輪郭の曲線、色数の三つを順に見ます。だいたいこのどれかです。
40代女性のぽっちゃりファッション|よくある誤解
| 誤解 | 実際 |
|---|---|
| 体型カバーは覆う面積を増やすこと | 覆うほど外形は大きくなる。減らすのは体に触れている面 |
| 40代は落ち着いた色にしないといけない | 色より、上下の明度差と色数のほうが印象を決める |
| ぽっちゃりだときれいめは着られない | きれいめは素材・輪郭・色数で作られる。体型は関係しない |
| 大きめのサイズを買えば楽で細く見える | サイズを上げると肩線が落ち、外形がそのまま大きくなる |
| 全身黒にすれば細く見える | 境目が消えて塊になる。明度差を残したほうが縦が通る |
| 痩せないと似合う服がない | 見えているのは布の外形。体を変えなくても外形は変わる |
| 40代は若い人の服を着てはいけない | 年齢で決まるのは丈と素材の質。型そのものではない |
| 流行を追うと悪目立ちする | 流行は面積で調整できる。1点だけ取り入れれば収まる |
年齢の言葉で検索してしまうとき、実際に起きていること
検索の履歴を見ていると、「40代」と「体型」のあいだに、自分を少し突き放すような言葉を挟んで打っている方が少なくありません。打つときの気持ちは分かりますが、その言葉が指しているものは、たいてい体ではなく服の側で起きている、名前のついていない変化です。名前がつくと直せるので、ここで分解しておきます。
| そう感じる瞬間 | 服の側で起きていること | 直す場所 |
|---|---|---|
| 去年と同じ服なのに、鏡の印象が違う | 肩の縫い目がわずかに外へ落ちはじめている | 肩で選び直す。身幅は素材で吸収する |
| 写真で自分だけ一回り大きく写る | 上下の明るさの差が大きく、ウエストに横線が立っている | 上下を近い明るさにそろえる |
| きちんとしたつもりが野暮ったく見える | 素材にしわが残っている/光沢が強すぎる | しわの戻る系統と、落ち感のある素材に |
| 若づくりに見える気がして手が止まる | 型ではなく丈と素材が年齢とずれている | 型は変えず、丈を数センチ長く、素材を上質に |
| 落ち着いた色にしたら重く見えた | 濃色一色で外形だけが残っている | 濃さの近い別の色を混ぜて境目を作る |
| 顔まわりだけ疲れて見える | 襟が詰まって、顔の下から胸までが一つの面 | 襟ぐりを鎖骨中央から5〜8cmあける |
| 手持ちの服が急に全部合わなくなった | 股上と肩位置の標準値が数年で動いている | 股上を2cm深い型に、肩は実測で合わせる |
| 何を着ても同じに見える | 分量を出している場所が上下とも同じ | 分量は全身で一か所に絞る |
**年齢は、着てよい型を制限しません。**制限しているように見えるものの正体は、丈と素材の質、それに手持ちの服が何年前の標準で作られているか、この3つです。どれも今日から替えられます。似た感覚の分解は老けて見えると感じるときと野暮ったく見えると感じるときにも書いています。
40代のなかでも、前半と後半で変わること
同じ40代でも、寸法の動き方が変わります。
| 時期 | 起きやすい変化 | 見直す場所 |
|---|---|---|
| 40代前半 | 腰まわりに厚みが出はじめる | 股上を2cm深い型に更新する |
| 40代前半 | 二の腕の張りが変わる | 袖ぐりの位置と袖丈を見直す |
| 40代後半 | 上半身と下半身の比が変わる | トップスの丈を腰骨の少し下に戻す |
| 40代後半 | 肌の質感が変わり、光る素材が浮きやすくなる | 光沢の強い素材を減らし、落ち感で見せる |
| 40代全般 | 手持ちの服の肩線が合わなくなる | 肩で選び直す。身幅は素材で吸収する |
「急に似合わなくなった」と感じるとき、変わっているのは体だけではありません。手持ちの服が、いま買える服より数年前の型であることも同じくらい多い原因です。肩の位置と股上は、数年で流行の標準値が動きます。
明日の朝からの順番
最後に、何から手をつけるかを並べます。一度に全部やる必要はありません。
- 襟のあるシャツを羽織って腕を前に出し、最初に引っ張られる場所を確かめる。鏡の真横から厚みの高さも見る。ここで型が決まります
- 型別の表に戻って、「この型では逆に働く手」の列に心当たりがないか確かめる。あればまずそれをやめる
- 手持ちの服を着て、鏡の横から肩の縫い目を見る。肩先より外に落ちている服を見つける
- その中で気に入っているものを、羽織りとして前を開けて着られないか試す
- トップスの裾がどこで終わっているかを見る。胴のいちばん厚い位置で終わっている服を探す
- スカートとパンツの裾が、ふくらはぎのいちばん太い位置で終わっていないか確かめる
- 靴の色を、いちばんよく穿くボトムスに寄せる
- ここまでで足りないものが分かってから、買い足しを考える
1と2を先にやるのがこの順番の要点です。足す前にやめるほうが早いからです。ここまでで、買う前に手持ちだけでかなり整います。そして、何が足りないかがはっきりした状態で店に行けます。
もう一度だけ書きます。この記事の12枚は、全部同じ体です。差をつくっていたのは、縦の線、上半身の枠、重心という三つの場所だけでした。体は何も変えていません。そして、その三つのどこから手をつけるかを決めているのが、厚みの出ている場所——あなたの型です。
服は、自分を小さく見せるための道具ではありません。輪郭を自分の思うように整えるための道具です。三つの場所が分かっていれば、その日の気分で選んでも、だいたい思ったとおりに整います。
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- 40代のデート服|座ったときの外形で決める
- ワンピースのウエストマークをベルト以外でつくる
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- ドレス・ワンピースの種類
- パンツの種類
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- ネックラインの種類
- 夏の着まわし
次に読むなら
— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 「ぽっちゃり向け」の助言を試しても効かないのはなぜですか?
- 厚みが出ている場所と、その助言が想定している場所がずれているためです。40代で厚みの出る位置は人によって違い、肩と背中まわりの上部型、上腕の腕型、腰まわりの中央型、全体に均した均等型に分かれます。たとえば「ゆとりのある形を選ぶ」は中央型には効きますが、上部型には上半身の外形が外へ出るので逆に働きます。「ハイウエストで重心を上げる」も、中央型では切り替えが厚い高さを横切るので裏目に出ます。まず自分の型を決めてから助言を選び直してください。
- Q. 自分の型は、どうやって判定すればいいですか?
- 手持ちの服3枚で決まります。襟のあるシャツかジャケットを留めて腕を前に出したとき、最初に引っ張られるのが背中の中央なら上部型、脇の下や袖のつけ根なら腕型、前立てや脇腹なら中央型です。次に真横から鏡を見て、前後にいちばん厚い高さが胸の下あたりか、へその高さかを確かめます。最後に、去年の服で先に合わなくなったのがトップスかボトムスかを思い出します。この3つが同じ方向を指していれば、その型です。ばらけたときは均等型として読んでください。
- Q. 40代でぽっちゃり体型だと、オフィスカジュアルの範囲が分かりません。
- 職場の許容範囲を先に決めて、そのあと型に合わせて素材と丈を選ぶ順番にすると迷いません。範囲は、来客の有無・上司の服装・出社頻度の3点で読めます。そのうえで、どの型にも共通して効くのは、肩線の合ったトップス、前を開けた薄手の羽織り、ボトムスと同系色の靴の3つです。型ごとに変えるのは、上部型なら首元のあきと羽織りの薄さ、腕型なら袖の終わる位置、中央型なら股上の深さとトップスの丈です。
- Q. 40代女性のぽっちゃりファッションは、何から揃えればいいですか?
- 8点あれば回ります。前を開けて着られる長めの羽織り、肩線の合った無地のトップス、落ち感のある濃色と明色のボトムス、前開きのシャツワンピース、ボトムスと同系色の靴、薄手のハイゲージニット、鎖骨より下まで届くネックレス。このうち欠けがちなのは羽織りと靴です。どちらも体型カバーの服として売られていないので買い物の意識から外れますが、縦の線をつくる仕事のほとんどはこの2つがやっています。
- Q. 40代女性のぽっちゃりファッションで、避けたほうがよい型はありますか?
- 型そのものに避けるべきものはあまりありません。避けたいのは組み合わせのほうで、上下ともにゆるい、前を閉じた羽織り、胴のいちばん厚い位置で終わるトップスの丈、この3つです。どれも外形だけが残って中の形が読まれなくなります。上か下のどちらか一方には、体に沿う面を残してください。年齢で型を制限する必要はなく、決まるのは丈と素材の質のほうです。
- Q. 40代でぽっちゃりの場合、何から手をつければいいですか?
- 手持ちの服の肩の縫い目を見るところからです。縫い目が肩先より外に落ちている服は、それだけで上半身の輪郭が一段大きく読まれます。次に、前を開けて着られる長めの羽織りを一枚用意して、縦の線を通します。この二つで上半身がかなり整うので、買い足しはその後で判断すれば足ります。順番を先に決めておくと、迷う時間が減ります。
- Q. ぽっちゃりでもきれいめコーデは着られますか?
- 着られます。きれいめという印象は体型ではなく、しわの出にくい素材・直線的なシルエット・色数の少なさという三つの条件でつくられているからです。ポンチやタイプライターのようにハリのある素材を選び、輪郭を直線に保ち、全身の色を三色以内に抑える。この三つが揃えば、体型に関係なくきれいめの空気になります。むしろ布の面積が大きいぶん、素材の質が出やすい着方でもあります。
- Q. 夏は羽織りが暑くて縦の線がつくれません。どうすればいいですか?
- 羽織りを足す以外にも、縦の線をつくる手はいくつかあります。前開きのシャツワンピースを一枚で着る、上下を同系色でそろえる、前立てやボタンの列が縦に並ぶトップスを選ぶ、細長いネックレスを胸元に落とす。どれも一枚で完結するので、暑い日でも縦が残ります。羽織るなら、透ける素材か、脇と背中に空気の通る形のものを選んでください。
- Q. 体型が気になるとき、サイズは大きめを選んだほうがいいですか?
- 大きくすると輪郭も一緒に大きくなるので、多くの場合は逆に働きます。サイズを上げると肩の縫い目が腕に落ち、身幅と着丈が同時に増えて、服の外形がそのまま体の大きさとして読まれます。上げていいのは、肩や袖ぐりが窮屈で腕が動かせないときだけです。身幅にゆとりが欲しいだけなら、サイズではなく、体に触れずに落ちる素材を選ぶほうが確実です。
- Q. 低身長でぽっちゃりだと、助言がぶつかって困ります。
- 上下を分ける位置は高く保ったまま、覆う面の形を縦に長く取ると両立します。具体的には、ハイウエストのボトムスに、ヒップの高い位置で終わる落ち感のあるトップス、その上から前を開けた羽織りを一枚。分割位置は上がるので重心は下がらず、覆う面は縦長なので横幅も出ません。丈だけで流そうとすると重心が下がり、短くすると横に出るので、片方だけの対処だと行き詰まります。
— メグラシ編集部




