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40代のぽっちゃりコーデ|効いているのは縦の線・上半身の枠・重心の3か所

メグラシ編集部//読了 18分
落ち感のある羽織りの前を開けて縦の線を通した装いで立つ40代の女性

「ぽっちゃり」「40代」「コーデ」と並べて検索するとき、知りたいのは励ましでも、体重の話でもないはずです。明日の朝クローゼットの前で、どっちを手に取ればいいのか。その基準のはずです。

先に答えを書きます。装いの印象を分けているのは体そのものではなく、服の型が体のどこで線を切っているかです。効いている場所は三つしかありません。縦の線、上半身の枠、重心。この三つが整っていれば、体は何も変えなくても輪郭の読まれ方が変わります。

その証拠として、この記事には12枚の図を置きました。**12枚とも同じ体です。変えているのは服だけです。**それでも並べると、はっきり差がついて見えます。差の出どころは体ではなく、服の型のほうにあるということです。

以下、三つの場所を図で一つずつ確かめ、そのあとサイズ選びの判断、きれいめとの両立、夏の版、下半身に集中するとき、スカートとワンピース、低身長との重なり、色と柄、骨格タイプ別、つまずいたときの直し方、の順に進みます。必要なところだけ読んでいただいて構いません。

12枚を一枚で見比べる

まず全部を並べます。名前を覚えるより、目で差を見てしまうほうが早いからです。

着痩せの効く型・効かない型を一枚で見比べる

12枚とも同じ体です。服だけを変えています。

長い羽織りを開けて着て縦の線を一本通したコーディネートのイラスト

○ 縦を通す

短い濃色の上着が胴の一番太い位置で横に切っているコーディネートのイラスト

× 横で切れる

とろみのある素材が体に触れずまっすぐ落ちているコーディネートのイラスト

○ 落ちる素材

薄手のリブニットが体の凹凸を拾って張り付いているコーディネートのイラスト

× 張り付く素材

肩の縫い目が肩先にちょうど乗ったジャケットのコーディネートのイラスト

○ 肩線が合う

肩の縫い目が腕に落ちて生地がもたついているコーディネートのイラスト

× 肩が落ちる

深いVネックで首と鎖骨を出したコーディネートのイラスト

○ 首を出す

タートルネックが首をすべて覆っているコーディネートのイラスト

× 首が詰まる

スカートの裾がひざ下の細い位置で終わっているコーディネートのイラスト

○ 細い所で切る

スカートの裾がふくらはぎの一番太い位置で終わっているコーディネートのイラスト

× 太い所で切れる

胸のすぐ下に切り替えを置いて重心を上げたコーディネートのイラスト

○ 重心が上がる

腰の位置で横の切り替えが入り重心が下がったコーディネートのイラスト

× 重心が下がる

整えているのは3か所

縦の線

体を縦に通すか、横で切るか

○ 縦を通す

× 横で切れる

○ 落ちる素材

× 張り付く素材

上半身の枠

肩と首まわりに余白があるか

○ 肩線が合う

× 肩が落ちる

○ 首を出す

× 首が詰まる

重心

切れる位置で重心が上下する

○ 細い所で切る

× 太い所で切れる

○ 重心が上がる

× 重心が下がる

差がついているのは体ではなく、縦の線・上半身の枠・重心の3か所です。
隠す枚数を増やすより、この3か所を1つずつ整えるほうが効きます。

着痩せの効く型と効かない型。12枚とも同じ体で、服だけを変えています。

この12枚は、全部同じ体です

もう一度書きます。この12枚は同じ体に、違う型の服を着せた図です。身長も、体の厚みも、肩幅も、12枚すべてで同じです。それでも、並べてみると輪郭の見え方に差が出ます。

ここがこの記事の出発点です。差が体から出ていないのだとしたら、差は服から出ています。つまり直す対象は体ではなく、服の寸法と形のほうだということになります。

「体型が気になる」という言い方をするとき、実際に起きていることは、たいてい「服の型が体に合っていない」です。この言い換えができると、やることが具体的になります。体は変えられませんが、服の型は今日から替えられるからです。

差がついているのは、三つの場所だけ

12枚は3つの家族に分かれています。縦の線(1〜4)、上半身の枠(5〜8)、重心(9〜12)の三つです。それぞれの家族のなかで、効く型と効かない型が2枚ずつ組になっています。

家族何を扱っているか効く型効かない型
縦の線体を縦に通すか、横で切るか1・32・4
上半身の枠肩と首まわりに余白があるか5・76・8
重心服がどの高さで切れるか9・1110・12

見ていただくと分かるのですが、この三つはどれも「布をどこに置くか」ではなく「布をどこで切るか」の話です。覆う面積を増やす方向の話は一つも入っていません。ここが、覆う枚数を足していく考え方といちばん違うところです。

「覆う」を足していくと行き詰まる理由

気になる場所を布で覆う、という方向で組み立てると、どこかで必ず行き詰まります。理由は単純で、覆えば覆うほど布の外形が大きくなるからです。

人が誰かの姿を見て受け取っている情報は、体の実物ではなく、服がつくっている外形の輪郭です。輪郭の外側に布を足せば、輪郭はその分だけ外へ出ます。長い上着を重ね、上からもう一枚羽織り、下も広い形にする。一枚ずつは理屈が通っていても、合計すると外形だけが増えていきます。

だから、この記事では足す方向の話をしません。三つの場所を一つずつ整える、それだけです。原理そのものをもう少し広く知りたい方は着痩せの考え方にまとめてありますので、あわせてどうぞ。

一つめ:縦の線を通す

三つのうち、いちばん効きが分かりやすいのがここです。

長い羽織りを開けて着る/短い上着で横に切る

1は、長い羽織りの前を開けて着ています。羽織りの前端が左右に一本ずつ、肩から裾まで縦に落ちていて、途中でどこにも切れ目がありません。上下も同系色でそろえてあるので、羽織りの内側にも縦がもう一本残ります。

2は、短い濃い色の上着を閉じて着ています。上着の裾が胴のいちばん太い位置で終わっていて、そこで色が大きく変わります。上と下で明るさが違うので、切れ目が線として立ちます。

差は体ではありません。線が縦に走っているか、横に走っているか。それだけです。

なぜ縦の線が効くのか——視線は線に沿って流れる

理屈を書いておきます。人の目は、画面のなかに強い線があると、その線に沿って動きます。縦に長い線が通っていれば、視線は上下に往復します。横に走る線があれば、視線はその線に沿って左右に動きます。

視線が上下に動いているあいだ、目は全体の高さを測っています。左右に動いているあいだは、幅を測っています。同じ姿を見ていても、どちらの線が強いかで、記憶に残る寸法が変わるということです。

もう一つ、線の強さは明るさの差でも決まります。上着と下の色が近ければ、境目があっても線としては弱い。上が濃くて下が明るければ、境目がはっきりした一本の横線になります。2で切れ目が強く見えているのは、丈の位置だけでなく、上下の明るさの差が効いているためです。

だから、縦を通す手は二つあります。線そのものを縦に置くこと(前開きの羽織り、前立て、Vのあき、センタープレス)と、横線を弱めること(上下の色を近づける、境目に強い明暗差をつくらない)。どちらか片方でも変わりますし、両方やると1の状態になります。

素材でも、縦は決まる

線は縫い目や色だけでつくられるものではありません。布が体の上でどう落ちるかも、輪郭の線そのものです。

3は、とろみのある素材のトップスです。布が体のいちばん出ている場所に一点だけ触れて、そこから下へまっすぐ落ちています。落ちた布の外側の線は、途中で膨らんだり凹んだりしません。垂直に近い一本の線になります。

4は、薄手のリブニットです。伸びる素材が体に沿うので、布の外側の線が体の凹凸をそのままなぞります。上がって下がって、また上がる。線が波打つと、そのぶん幅の情報が増えます。

素材で変えられるのはここです。同じ形、同じサイズでも、落ちる素材とはりつく素材では輪郭の線がまったく違います。ポンチ、目の詰まったハイゲージ、タイプライター、とろみのあるレーヨン混。この系統は布が体から離れて落ちます。細リブ、薄手のジャージー、伸びの強いカットソーは、体の形を写します。

面積の小さいところ(袖の一部、インナー、差し色)で使うぶんには問題になりません。上半身の前面のように面積の大きい場所で使うときだけ、素材の系統を意識してください。

縦を通すための、具体的な手

まとめておきます。どれか一つで足ります。

  • 前を開けて着られる長めの羽織りを一枚持つ(丈は膝のすぐ下か、ふくらはぎの下)
  • 上下を同系色でそろえる(同じ色でなくても、明るさが近ければ効きます)
  • 前立てやボタンの列が縦に並ぶトップスを選ぶ
  • センタープレスの入ったパンツを選ぶ
  • 裾から靴まで色をつなげる(濃いパンツに濃い靴、明るいスカートに肌の色に近い靴)

このうち最後の一つは見落とされがちですが、効きが大きいところです。裾と靴のあいだで色が切り替わると、そこで線が終わってしまいます。つながっていると、縦の線が足元まで続きます。

二つめ:上半身に枠をつくる

二つめは、肩と首まわりです。ここは服の中でいちばん顔に近い場所なので、印象への効きが大きくなります。

肩の縫い目が、肩先に乗っているか

5は、肩の縫い目が肩先の骨の上に乗っています。縫い目から袖が下に落ちるので、肩の角がはっきり出て、上半身の外形が四角い枠になります。

6は、縫い目が肩先より外へ落ちています。落ちた縫い目のところで生地が余り、二の腕のあたりに横向きのしわが溜まっています。肩の角が消えるので、上半身の外形は角のない、丸い塊になります。

同じ体で、この差です。肩は、上半身の輪郭の角を決めている場所だと考えてください。

なぜ肩線が合うと、上半身が整うのか

角がある形と、角がない形では、目が測る基準が変わります。角があると、目は角と角のあいだの距離を測ります。つまり肩幅を測る。角がないと、目は輪郭のいちばん外側を探します。もたついた生地の外側までが、上半身の幅として読まれます。

もう一つ、光の当たり方も変わります。肩の縫い目が肩先に乗っていると、そこから下へ布が自然に落ちるので、面がまっすぐになって光が均一に当たります。縫い目が腕に落ちていると、余った布が段になって、細かい影がいくつも出ます。影はそこに厚みがあるという情報として読まれます。

だから、上半身で最初に見るのは肩です。ここが合っていれば、身幅にゆとりがあっても服は体の上できれいに落ちます。逆に、肩が合っていない服は、他をどれだけ工夫しても輪郭が整いません。

肩の縫い目をわざと落とすデザイン(ドロップショルダー)は、この話の例外ではなく、設計としてそう作られたものです。全体の分量と丈がその前提で組まれているので、通常の肩線の服と同じ感覚で選ぶと余ります。狙って着る場合は、下を細く保って全身の分量を釣り合わせてください。

首元をあける

7は、深いVネックです。首すじと鎖骨が見えていて、あきの部分が縦長の三角形になっています。この三角形が上半身の一番上に空白をつくるので、視線がそこを通って顔まで上がります。

8は、タートルネックです。首が全部覆われているので、あごの下からいきなり上半身の面が始まります。空白がないぶん、顔と上半身がひと続きの面として読まれます。

首元は面積としては小さいのに効きが大きい場所です。理由は、ここが顔のすぐ隣にあるからです。人は相手を見るとき最初に顔を見るので、顔の周辺にある情報がそのまま全体の印象になります。

あきの深さは、鎖骨のくぼみが見える程度が扱いやすい基準です。深くしすぎると今度は上半身の面積が減って、頭が相対的に大きく見えます。襟の形ごとの違いはネックラインの種類に一覧があります。

タートルネックを着たい日は、上に前開きの羽織りを重ねて、羽織りの前端で縦の切れ目をつくると、首元の詰まりが打ち消されます。あるいは、長めのネックレスを胸元まで落として、縦の線を足します。着ないという選択をする必要はありません。

40代でこの二か所が効きやすくなる理由

40代は、体の厚みが出る場所が変わり始める時期です。同じ服を着ているのに印象が変わったと感じるとき、多くの場合、体より先に服の寸法のほうが合わなくなっています。

具体的にいちばん起きているのは、肩です。以前ちょうどよかった服の肩が、いまはわずかに外へ落ちている。数ミリの話でも、そこに生地が余り始めると輪郭がぼやけます。買い足す前に、手持ちの服を着て鏡の横から肩の縫い目を見てみてください。落ちている服が何枚か見つかるはずです。

首元も同じです。年齢とともに顔まわりの印象が変わるので、以前は気にならなかった詰まった襟が重く感じられることがあります。これも体の問題ではなく、服の設計と現在の自分の釣り合いの話です。

三つめ:重心

三つめは、服がどの高さで切れているかという話です。

裾が終わる位置で、脚の太さが決まる

9は、スカートの裾がひざ下の細い位置で終わっています。布が切れたところから下は、脚の細くなっていく部分です。

10は、裾がふくらはぎのいちばん太い位置で終わっています。布が切れたところから下は、そこから細くなっていく部分ですが、切れ目そのものは太い場所にあります。

同じスカートの形で、丈が数センチ違うだけです。それでも脚の見え方が変わります。理由は、目は布が途切れた場所の幅を、その脚の代表的な太さとして受け取るからです。

だから丈の判断は一つだけになります。裾が終わる位置が、脚の細い場所か、太い場所か。細い場所は二つあって、ひざのすぐ下(皿の下で細くなるあたり)と、ふくらはぎの下(足首に向かって細くなり始めるあたり)です。どちらかに寄せると、そこから下が長くすっきりと続きます。

この位置は身長で動きます。同じ「ミモレ丈」と書かれた商品でも、身長によって裾の来る場所が違うからです。一度、床から自分のふくらはぎのいちばん太い位置を測っておくと、以後の判断が速くなります。

切り替えの高さ

11は、切り替えが胸のすぐ下にあります。上下を分ける線が高い位置にあるので、下に続く部分が長くなります。

12は、切り替えが腰の位置にあります。分ける線が胴のいちばん厚いあたりを横切るので、そこで視線が止まり、上下の両方が短く見えます。

切り替えは、縫い目だけでなく、ベルト、色の変わり目、トップスの裾など、横に走るものすべてが該当します。つまり普段のコーディネートでは、トップスの裾がどこで終わるかが、そのまま切り替えの高さになります。

重心は、上げすぎないほうがいい

ただし、上げれば上げるほど良いわけではありません。上下を分ける位置を上げるほど上半身の面積が減るので、頭が相対的に大きく見えます。胴の存在が消えると、全体のつり合いも崩れます。

目安は、上半身と下半身の比が1対2から1対2.5くらい。上を全身の3割前後に収める、という感覚で十分です。そこまで上げなくても、縦の線が通っていれば輪郭は整います。

重心を上げる手はいくつもありますが、使うのは一度に一つで足ります。ハイウエストのボトムスを穿く、トップスの前だけを軽く入れる、短めの丈のトップスを選ぶ、自然なウエスト位置にベルトを置く。二つ以上を重ねると、上げすぎの側に振れます。

サイズを上げるべきときと、上げてはいけないとき

ここは判断を間違えやすい場所なので、独立して書きます。

大きい服が、大きく見える理由

体が気になるとき、ワンサイズ上を選びたくなることがあります。ゆとりがあれば体に触れないだろう、という理屈です。ところが実際には、多くの場合これが逆に働きます。

サイズを上げると、三つの寸法が同時に増えます。肩幅、身幅、着丈です。肩幅が増えると縫い目が腕に落ちて、6の状態になります。身幅が増えると布の外形が外へ出ます。着丈が増えると、裾が想定より下の位置——たいていはより太い場所——で終わります。

つまり、ゆとりを手に入れる代わりに、輪郭の三か所を同時に外側へずらしていることになります。人が見ているのは服の外形なので、外形が大きくなればそのぶん大きく読まれます。服のサイズは、体を包む余白ではなく、輪郭そのものだと考えてください。

大きすぎる服の見え方についてはオーバーサイズが似合わないと感じるときにも具体を書いています。

上げていいのは、この二つのときだけ

サイズを上げる理由になるのは、肩と袖ぐりです。

肩の縫い目が肩先より内側に食い込んでいる。腕を前にまっすぐ出すと背中が引っ張られる。この二つのどちらかが起きているなら、上げてください。肩幅とアームホールは直しにくく、直すと形そのものが変わってしまう場所なので、ここが窮屈な服は使えません。

逆に、肩と袖ぐりが合っていて、身幅にだけゆとりが欲しいという状態なら、サイズではなく素材を替えます。落ちる素材にすれば、同じサイズのまま布が体から離れます。3と4の差がそれです。サイズを上げずにゆとりを手に入れる方法が、素材のほうにあるということです。

試着室で見る三か所

売り場で全身を眺めると、かえって判断がつきません。見るところを三つに絞ってください。

  1. 肩の縫い目が、自分の肩先の骨の上に乗っているか(正面と横の両方から)
  2. 腕を下ろした状態で、脇の下と袖ぐりの底のあいだに指が1〜2本入るか
  3. 裾が終わっている位置が、脚や胴の細い場所か、太い場所か

丈が長いのは後回しで構いません。裾丈は比較的直しやすい場所だからです。この三つが合っていれば、その一着は使えます。

自分に合う型の見当がまだつかない、という段階なら、買う前に着てみるという手もあります。airClosetのような月額制のレンタルなら、サイズや体型の情報を伝えたうえで届いた服を実際に着られるので、「自分にはこの肩幅とこの丈が効く」という基準を、買わずに確かめられます。基準ができてしまえば、そのあとの買い物が速くなります。

「ぽっちゃり」と「きれいめ」は両立する

「ぽっちゃり きれいめ」という組み合わせで検索される方が多いところを見ると、この二つが両立しないのではないか、という不安があるのだと思います。結論から書くと、両立します。理由は、きれいめという印象が体型からつくられていないからです。

きれいめの正体は、三つの条件

きれいめと呼ばれる印象は、次の三つでできています。

  • しわの出にくい素材であること(表面が均一で、光が散らずに面として返る)
  • 輪郭が直線的であること(曲線や膨らみが少なく、縦横の線がまっすぐ)
  • 色数が少ないこと(全身で三色以内、明るさの段差も少ない)

この三つのどこにも、体のサイズは出てきません。だから体型に関係なく成立します。むしろ布の面積が大きいほど、素材の表情はよく見えます。

40代のきれいめを組み立てる

具体的な組み立てはこうなります。上はハリのある素材のトップス、下はセンタープレスの入ったテーパードか、Iラインのスカート。全身の色は二色か三色。羽織るなら、前を開けたノーカラージャケットかロングジレ。

素材の候補としては、ポンチ、目の詰まったハイゲージニット、タイプライター、薄手のギャバジン、とろみのあるレーヨン混あたりが扱いやすい系統です。共通しているのは、しわになりにくく、表面が均一で、落ちること。

反対に、きれいめから遠ざかるのは、しわの出やすい素材、装飾の多いデザイン、色数の多さの三つです。装いのジャンルそのものの整理はファッションの系統にまとめてありますので、自分がどこを目指しているのか迷ったときはそちらもどうぞ。

「きちんと見えない」と感じるときに直すところ

きれいめにしたつもりが違って見える、というときは、たいてい次のどれかです。

素材にしわが出ている。着る前に一度アイロンを当てるだけで印象が変わります。素材そのものが原因なら、しわの出にくい系統に替えます。

輪郭に曲線が多い。ギャザー、フリル、たっぷりした袖。一つまでなら効きますが、二つ以上重なると輪郭が波打ちます。

色数が多い。バッグと靴とアクセサリーを数えてみてください。四色を超えていたら、どれか一つを他と同じ色に寄せます。

夏の版——汗と透けと二の腕

ここまで書いてきた手のうち、夏にいちばん破綻しやすいのが「羽織りを足す」です。暑い日にもう一枚は現実的ではありません。代案を並べます。

羽織りなしで縦を通す

一枚で縦の線をつくれる形があります。

前開きのシャツワンピースを一枚で着る。前立てとボタンの列が最初から縦に並んでいるので、羽織りと同じ働きをします。前を全部留めても、下だけ開けてもかまいません。

上下を同系色でそろえる。同じ色でなくても、明るさが近ければ境目が弱くなります。夏なら白とオフホワイト、生成りとベージュ、水色と淡いグレーといった組み合わせが軽く収まります。

細長いネックレスを胸元まで落とす。面積は小さいのですが、縦の線としてはきちんと働きます。

どうしても羽織りたい日は、透ける素材にします。シアーシャツ、麻の薄いカーディガン、レースの羽織り。布があっても向こうが見えるので、輪郭は増えません。夏のアイテムの回し方は夏の着まわしにまとめました。

二の腕は、覆うより「どこで終わるか」

袖の話です。二の腕が気になるとき、長い袖で全部を覆いたくなりますが、暑いですし、効きも思ったほどではありません。効くのは長さではなく、袖が終わる位置です。

二の腕のいちばん太い位置は、肩先から下に15cm前後のあたりにあります。ここで袖口が終わると、その幅が腕の代表的な太さとして読まれます。裾の話とまったく同じ原理です。

だから袖丈は、二の腕のいちばん太い位置より下——五分袖(肩から30〜32cm)か七分袖(肩から42〜44cm)に寄せます。半袖にするなら、逆に太い位置より上、肩から18〜20cmで終わるものを。中間の22〜28cmがいちばん難しい丈になります。

袖の形も効きます。フレンチスリーブは肩先で終わるので涼しく、腕の細い部分が長く見えます。ドルマンは脇に空気の層ができるので、腕に張りつきません。反対に、伸びる素材のぴったりした半袖は、腕の形をそのまま写します。形ごとの違いは袖の種類にあります。

汗と透けの扱い

夏に印象を崩しているのは、体型より汗じみと透けであることが多いものです。ここは素材で解決できます。

汗じみが出にくいのは、綿麻、強撚の綿、リネン混、表面に凹凸のある素材です。肌に張りつかないので、そもそも汗が広がりません。色でいうと、中間の明るさのグレーとサックスがいちばん目立ちやすく、白、濃紺、黒、柄物は目立ちにくくなります。

透けは、白と淡い色で起きます。対策は、インナーを白ではなくベージュか肌に近い色にすること。白いインナーは白いトップスの下でいちばん透けます。もう一つは、生地の裏に別布のついたもの(裏地つき、二重織り)を選ぶことです。

夏の腕まわりの具体は夏の二の腕まわりの装いにも書いています。

下半身に集中して気になるとき

腰から下だけが気になる、という場合は、三か所の話を上下の配分に置き換えて解きます。

上を細く、下を落ちる素材で

下半身が気になるとき、下を広くして覆いたくなりますが、広い形は布の外形がそのまま横幅になります。効くのは広さではなく落ち方です。

図の3で起きていることが、そのまま下半身にも使えます。とろみのある素材は、腰やヒップのいちばん出ている場所に一点だけ触れて、そこから床に向かってまっすぐ落ちます。触れているのは一点なので、それより下の輪郭は体の形と関係なく垂直になります。

素材でいうと、レーヨン混、キュプラ混、テンセル混、薄手のポリエステルサテン。ハリの強い綿やリネンは、逆に裾が外へ張り出すので、同じ形でも輪郭が大きく出ます。

そのうえで、上半身は細くします。体に沿うトップス、裾を軽く入れる、首元をあける。上に量があると全身が四角くなるので、下に落ち感を使うぶん、上は静かにしておきます。

配分の目安

全身のうち、分量を出していい場所は一か所までです。下に落ち感のあるワイドやスカートを持ってきたら、上はコンパクトに。上に羽織りを重ねるなら、下はテーパードかIラインで細く。

もう一つ、靴の色をボトムスに寄せると、裾から足先まで一続きの線になります。下半身の縦の距離が伸びるので、上を細くする手と組み合わせるとよく効きます。

スカートとワンピースの選び方

「ぽっちゃり スカート」「ぽっちゃり ワンピース」と探される方が多いので、この二つを分けて書きます。

スカートは、裾の位置と落ち方の二つで決まる

図の9がそのまま答えになります。見るのは裾が終わる位置です。ひざのすぐ下か、ふくらはぎの下(足首に向かって細くなり始めるあたり)。この二つのどちらかに寄せると、そこから下がすっきり続きます。

形は、Iライン(タイトめでまっすぐ落ちる)と、細かいプリーツ、落ち感のあるフレアが扱いやすい系統です。広がりの大きいフレアやギャザーは、布の外形がそのまま横幅になるので、選ぶなら素材を落ちるものにして、広がる量を布の重さで抑えます。

避けたいのは、ハリの強い素材で大きく広がる形です。輪郭が外へ張り出したまま固定されるので、動いても線が変わりません。スカートの形ごとの違いはスカートの種類に一覧があります。

ウエストは、ゴムでもボタンでも構いませんが、位置は自然なウエストか、そこからやや上に。腰骨の位置まで下げると、切り替えが胴の厚いところを横切って12の状態になります。

ワンピースは、切り替えの高さで選ぶ

ワンピースの強みは、上下の切り替えがないぶん、縦の線が最初から通っていることです。トップスの裾という横線が存在しないので、12のように腰の位置で横に切れることが、そもそも起こりません。

そのうえで見るのは、切り替えがあるならその高さです。胸のすぐ下(エンパイア)なら図の11と同じで、重心が上がります。自然なウエストならつり合いが取れます。腰の位置まで下がると、切り替えのない強みが消えます。

切り替えのないタイプ(Iライン、シャツワンピース、キャミワンピース)は、上から下まで一枚の面になるので、素材の落ち方がそのまま輪郭になります。落ちる素材を選んでください。

前開きのシャツワンピースは、この記事で書いてきた手のうち三つを一枚で満たします。前立てで縦の線が通り、襟をあければ首元があき、切り替えがないので横線がありません。夏に一枚で完結する形としても使えます。ワンピースの形ごとの違いはドレス・ワンピースの種類にまとめました。

低身長と重なるとき

身長が150cm前後で、体型も気になる。この二つが重なると、よく見る助言どうしが正面からぶつかります。

なぜ助言がぶつかるのか

体型が気になるときの定石は「長い丈で縦に流す」です。低身長のときの定石は「コンパクトにまとめて重心を上げる」です。方向が逆を向いています。

長い丈にすると重心が下がって身長が沈み、短くまとめると横幅が出る。片方だけを試して行き詰まった経験があるなら、方法が悪かったのではなく、もう片方の条件が満たされていなかっただけです。

分割位置は高く、覆う面は縦長に

両立させる考え方はこうです。上下を分ける位置は高く保つ。そのうえで、覆う面の形は縦に長く取る。この二つは矛盾しません。

図の11がその形です。切り替えは胸のすぐ下にあるので分割位置は高い。にもかかわらず、そこから下は一枚の面がまっすぐ落ちるので、覆う面は縦長です。重心も下がらず、横幅も出ません。

普段の服に置き換えるとこうなります。ボトムスはハイウエストにして分割位置を上げる。トップスはヒップのいちばん高い位置あたりで終わる、落ち感のある素材。その上から前を開けた羽織りを一枚。トップスは体を拾わないので横幅は出ず、分割位置は高いので重心も下がりません。

素材は、低身長だと少し変わります。体型だけを考えると厚い生地で体から浮かせたくなりますが、縦の距離が短いと厚い生地の分量そのものが勝ちます。ほどよいハリのある薄手か、落ち感のある素材のほうが扱いやすくなります。

丈の数字そのものは低身長・150cmの服選びに、床からの位置で全部まとめてあります。スカート丈、パンツ丈、アウター丈を数字で決めたい方はそちらをどうぞ。

色と柄の扱い

三つの場所の話は形と丈が中心でしたが、色と柄も同じ理屈で効きます。どちらも「線をどこに置くか」の問題だからです。

全身黒に寄せると、かえって塊になる

黒は収縮して見える色ですが、全身を黒でそろえると、体が一つの大きな塊として読まれることがあります。境目がないので、輪郭の内側にある情報がすべて消えて、外形だけが残るためです。外形しか残らなければ、目はその外形の幅を測ります。

黒を使うなら、面積の大きい下半身に置いて、上半身にはチャコール、ダークネイビー、グレージュ、ダークブラウンなどを混ぜます。同じくらい濃い色どうしなら横線は立ちませんし、顔まわりにわずかな明るさが入ります。

もう一つ、黒は光をほとんど返さないので、素材の表情が出にくい色でもあります。しわや毛羽立ちが目立ちにくい反面、質感の良さも見えにくい。きれいめに寄せたい日は、濃紺やダークブラウンのほうが素材の良さが伝わります。

上下の明るさの差が、横線の強さを決める

縦の線の節で書いたとおり、上下の明るさが離れているほど、境目が強い横線になります。淡いトップスに濃いボトムスは、ウエストの位置にはっきりした線が引かれた状態です。

これは悪いことではありません。腰の位置を見せたいときには、この線がそのまま使えます。使い分けの基準は、線を上に置きたいか、消したいかです。上下の分割を高い位置に置ける日は明暗差を使い、そうでない日は上下を近い明るさでそろえて線を消す。どちらも同じ道具の裏表です。

柄は、大きさと密度で選ぶ

柄そのものに得意不得意はありません。効くのは、柄一つ分の大きさと、並ぶ密度です。

大きな柄は、柄一つが体の面のなかで場所を取ります。柄の輪郭が体の輪郭より目立つと、そこが分量として読まれます。小さい柄が密に並んでいると、離れて見たときに一つの面の色として溶けるので、輪郭の情報は増えません。

縦のストライプは縦の線として働きますが、縞の幅が広いと縞そのものが分量になります。5mm以下のピンストライプから1cm前後までが扱いやすい範囲です。それより太い縞は、スカーフやシャツの一部のように面積の小さいところで使うと収まります。

骨格タイプによる効き方の違い

三つの場所はどのタイプにも共通して効きますが、どこから手をつけると変化が早いかは少し変わります。自分のタイプが分からないときは骨格診断とはから確かめてみてください。

骨格ストレート

上半身に厚みがあり、肌に弾力があって骨は目立ちにくいタイプです。効きが早いのは首元と素材です。首元をVやUであけて縦の切れ目をつくり、体に張りつかないハリのある素材に替える。この二つで上半身の面の見え方が変わります。

丈は正確に合わせます。厚みのあるタイプは布が余るとそのまま分量に見えるので、着丈と袖丈を自分の寸法に詰めるだけで輪郭が締まります。装飾は少なめに、寸法の正確さで見せる方向が向いています。

骨格ウェーブ

上半身が薄く、曲線的で、重心が下にあるタイプです。効きが早いのは重心です。ハイウエストのボトムス、胸下の切り替え、短めのトップス。分割位置を上げる手がそのまま働きます。

注意するのは素材の量です。柔らかい素材でボリュームを出すと、体より布のほうが目立ちます。ギャザーやフリルを使うなら、量ではなく細かさで見せる。羽織りも薄手を選ぶとまとまります。

骨格ナチュラル

骨と関節が目立ち、肩幅や背中に枠のあるタイプです。効きが早いのは肩線です。もともと肩の枠がはっきりしているので、縫い目が肩先に乗るとそのまま輪郭の角になります。

このタイプは布の量に負けにくいので、ゆとりのある形をそのまま着られます。ただし分量を出すのは全身で一か所まで。下にワイドを持ってくるなら上はコンパクトに、上にオーバーサイズを着るなら下は細く。丈は長めに取って構いません。

よくある「思っていたのと違う」と、その直し方

最後に、つまずきやすいところを短くまとめます。

上半身がもたついて見える。肩の縫い目が落ちていないか、鏡の横から見てください。落ちていればサイズが大きいか、そういう設計の服です。同じサイズで肩の合うものに替えるだけで変わります。

胴のあたりで横に切れて見える。トップスの裾がどこで終わっているかを見ます。胴のいちばん厚い位置で終わっているなら、前だけを軽く入れるか、もう少し長い丈に替えます。上下の明るさを近づけるのでも消えます。

脚が短く見える。裾がふくらはぎのいちばん太い位置に来ていないか確かめてください。数センチ上げるか下げるかで変わります。靴の色をボトムスに寄せるのも同時に効きます。

羽織りを着たのに変わらない。前を閉じていないでしょうか。縦の線をつくっているのは羽織りの前端なので、閉じると線が一本に減り、しかも外形が大きくなります。開けたままにするか、ボタンを一つだけ留めるにとどめてください。

上下ともゆったりさせたのに整わない。上下のどちらか一方には、必ず体に沿う面が必要です。両方ゆるいと外形しか残りません。上か下のどちらかを細くしてください。

きれいめにしたのに違って見える。素材のしわ、輪郭の曲線、色数の三つを順に見ます。だいたいこのどれかです。

明日の朝からの順番

最後に、何から手をつけるかを並べます。一度に全部やる必要はありません。

  1. 手持ちの服を着て、鏡の横から肩の縫い目を見る。肩先より外に落ちている服を見つける
  2. その中で気に入っているものを、羽織りとして前を開けて着られないか試す
  3. トップスの裾がどこで終わっているかを見る。胴のいちばん厚い位置で終わっている服を探す
  4. スカートとパンツの裾が、ふくらはぎのいちばん太い位置で終わっていないか確かめる
  5. 靴の色を、いちばんよく穿くボトムスに寄せる
  6. ここまでで足りないものが分かってから、買い足しを考える

この順番でやると、買う前に手持ちだけでかなり整います。そして、何が足りないかがはっきりした状態で店に行けます。

もう一度だけ書きます。この記事の12枚は、全部同じ体です。差をつくっていたのは、縦の線、上半身の枠、重心という三つの場所だけでした。体は何も変えていません。

服は、自分を小さく見せるための道具ではありません。輪郭を自分の思うように整えるための道具です。三つの場所が分かっていれば、その日の気分で選んでも、だいたい思ったとおりに整います。

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— メグラシ編集部

よくある問い

Q. 40代でぽっちゃりの場合、何から手をつければいいですか?
手持ちの服の肩の縫い目を見るところからです。縫い目が肩先より外に落ちている服は、それだけで上半身の輪郭が一段大きく読まれます。次に、前を開けて着られる長めの羽織りを一枚用意して、縦の線を通します。この二つで上半身がかなり整うので、買い足しはその後で判断すれば足ります。順番を先に決めておくと、迷う時間が減ります。
Q. ぽっちゃりでもきれいめコーデは着られますか?
着られます。きれいめという印象は体型ではなく、しわの出にくい素材・直線的なシルエット・色数の少なさという三つの条件でつくられているからです。ポンチやタイプライターのようにハリのある素材を選び、輪郭を直線に保ち、全身の色を三色以内に抑える。この三つが揃えば、体型に関係なくきれいめの空気になります。むしろ布の面積が大きいぶん、素材の質が出やすい着方でもあります。
Q. 夏は羽織りが暑くて縦の線がつくれません。どうすればいいですか?
羽織りを足す以外にも、縦の線をつくる手はいくつかあります。前開きのシャツワンピースを一枚で着る、上下を同系色でそろえる、前立てやボタンの列が縦に並ぶトップスを選ぶ、細長いネックレスを胸元に落とす。どれも一枚で完結するので、暑い日でも縦が残ります。羽織るなら、透ける素材か、脇と背中に空気の通る形のものを選んでください。
Q. 体型が気になるとき、サイズは大きめを選んだほうがいいですか?
大きくすると輪郭も一緒に大きくなるので、多くの場合は逆に働きます。サイズを上げると肩の縫い目が腕に落ち、身幅と着丈が同時に増えて、服の外形がそのまま体の大きさとして読まれます。上げていいのは、肩や袖ぐりが窮屈で腕が動かせないときだけです。身幅にゆとりが欲しいだけなら、サイズではなく、体に触れずに落ちる素材を選ぶほうが確実です。
Q. 低身長でぽっちゃりだと、助言がぶつかって困ります。
上下を分ける位置は高く保ったまま、覆う面の形を縦に長く取ると両立します。具体的には、ハイウエストのボトムスに、ヒップの高い位置で終わる落ち感のあるトップス、その上から前を開けた羽織りを一枚。分割位置は上がるので重心は下がらず、覆う面は縦長なので横幅も出ません。丈だけで流そうとすると重心が下がり、短くすると横に出るので、片方だけの対処だと行き詰まります。

— メグラシ編集部

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