ぽっちゃり秋コーデ|夏物との厚みの差を肩・胸・腰の3か所で測って決める

夏のあいだ、これでいい、と思えていた組み合わせがありました。丈も幅も合っていて、鏡の前でも迷わなかった一組です。
同じ形のまま素材を秋のものに置き換えた。丈は同じ、幅も同じ。なのに、夏のときのあの感じになりません。
寸法は動いていませんでした。動いていたのは、布の厚みのほうです。
結論:秋に変わっているのは、布一枚あたりの厚み
商品ページの実寸表に載っているのは、平らに置いたときの幅です。厚みは載っていません。
けれど厚みは、体の左右の両側に出ます。**一枚あたり5mm 厚くなれば、外から見える幅は左右で10mm 動きます。**上下それぞれで厚くなれば、上半身と下半身で別々に10mm ずつ動く。寸法表の数字が去年と同じでも、見え方が変わるのはこのためです。
📋 早見表|3か所の差の合計と、変える場所
| 差の合計 | 起きていること | 変える場所 |
|---|---|---|
| 4mm以内 | 夏と同じ見え方が続く | 変えなくてよい |
| 5〜9mm | 縦の線が布に埋もれ始める | 縦の線を置く高さ |
| 10mm以上 | 布が体から離れる位置が上がる | 線の作り方そのもの |
| 20mm以上 | 上下の分量の比が入れ替わる | 上下どちらかを薄い一枚に |
測るのは3か所だけです。合計して、どの帯に入るかを見ます。
測り方|定規1本、1分
用意するのは定規1本です。
- 夏によく着ていた一枚と、秋に着ようとしている一枚を、机の上に平らに置く
- 肩の山の少し内側で、布を一枚ぶんだけつまむ
- つまんだ部分を定規の目盛りに当てて、mm を読む
- 胸まわり(脇の下から5cm ほど上)、腰(裾から10cm ほど上)でも同じことをする
- 3か所それぞれで、秋の数字から夏の数字を引き、3つを足す
こつは、指の腹で一枚だけをすくうことです。2枚まとめてつまむと倍の数字になります。0.5mm の差は結果を変えないので、1mm 単位で読めれば足ります。
なぜ、この3か所なのか
3か所は、それぞれ別のことを測っています。
肩。 ここは布が体に支えられている場所なので、厚みがそのまま外側の輪郭になります。肩で1mm 増えると、輪郭は左右で2mm 外へ出ます。3か所のなかで、いちばん素直に効きます。
胸まわり。 ここで見ているのは、布が体から離れ始める高さです。厚い布ほど早く離れ、離れた位置から下は、布自身の形で落ちていきます。厚みが増えると、この離れ始める高さが上へ動きます。
腰。 ここは布が落ち切る場所です。厚い布は落ちるのに距離が要るので、裾の近くまで形が決まりません。腰で厚みが増えた一枚は、裾の線の位置で判断すると読み違えます。
差が4mm以内のとき
夏に決まっていた組み合わせを、そのまま続けて構いません。縦の線の高さも、上下の分量の比も、動かす必要はありません。
薄手のカットソーから少し厚いカットソーへ、といった置き換えはたいていこの帯に入ります。9月の半ばから10月の頭にかけて着るものは、多くがここです。
差が5〜9mmのとき|縦の線を置く高さを上げる
この帯では、夏に効いていた縦の線が、布の厚みのなかに沈み始めます。線が消えるのではなく、線と布の段差が相対的に小さくなるためです。
打ち手は、線を増やすことではありません。**いま通っている線を、置く高さのほうで動かします。**具体的には、前を開けたときにできる縦の隙間の上端を、胸まわりで測った「離れ始める高さ」より上に置きます。離れる位置より下に置いた線は、落ちてくる布に覆われて見えなくなります。
線の本数は、この帯でも2本までに留めてください。厚みが増えている状態で本数を足すと、線どうしの間隔が詰まって、面として読まれます。
差が10mm以上のとき|線の作り方を切り替える
ここまで来ると、布の重なりで縦の線を作る方法が効かなくなります。重ねた布自体が厚いので、隙間の両側が段差ではなく壁になるためです。
切り替え先は、布が落ちる位置です。厚い一枚は、体から離れたあと自分の重さでまっすぐ下へ落ちます。この落ちる線が、そのまま縦の線として読まれます。だから、隙間を作ることより、落ちる場所を1か所に決めることのほうが効きます。
落ちる場所を決める手は2つあります。ひとつは、いちばん外側の一枚だけを長くして、そこから下へ落とすこと。もうひとつは、肩の縫い目が肩先から内側に入っていない一枚を選ぶことです。内側に入っていると、落ちる線が体の途中から始まってしまいます。
差が20mm以上のとき
上下の両方が厚くなると、上半身と下半身の分量の比が入れ替わります。夏に上を多め、下を少なめで組んでいた比が、秋には反転していることがあります。
この帯では、上下のどちらか一方を、夏と同じ厚みの一枚に戻してください。両方を厚いままにして比を調整しようとすると、丈や幅を何度も試すことになります。厚みを片方だけ戻すほうが、手数が少なく済みます。
重ねる日は、合計で数える
重ねた日の厚みは、足し算になります。上に2枚着れば、肩の厚みは2枚ぶんです。
| 重ね方 | 肩での合計 | 扱い |
|---|---|---|
| 薄い1枚+薄い1枚 | 夏+2mm 前後 | 4mm以内の帯 |
| 薄い1枚+厚い1枚 | 夏+5〜8mm | 5〜9mm の帯 |
| 厚い1枚+厚い1枚 | 夏+12mm 以上 | 10mm以上の帯 |
数えるのは肩だけで構いません。胸まわりと腰は、外側の一枚がほぼ決めるので、内側の厚みは効きにくくなります。
朝と昼で、一日に2つの状態がある
9月の半ばから11月にかけては、朝に羽織って昼に脱ぐ日が続きます。脱ぐと、その瞬間に肩の厚みが1枚ぶん減ります。
見るのは、脱いだあとの状態のほうです。脱いだあとがどの帯に入るかで、中に着る一枚を決めてください。羽織った状態で合わせると、脱いでいる時間のほうが長い日に合わなくなります。
脱いだ一枚を腕に掛けて歩く時間があるなら、掛ける側の肩の輪郭がそのぶん外へ出ます。長く持ち歩く日は、掛けるのではなく畳んで持つほうが、外形が一日を通して変わりません。
どちらとも取れるとき①|3か所の数字がばらばら
肩は差が小さいのに、腰だけ大きい。こういうときは、合計ではなく大きいほうの1か所で判断してください。
差がいちばん大きい場所が、その日いちばん先に目に入る場所になります。合計で帯を決めると、その1か所を取りこぼします。3か所の差が2倍以上開いているときは、大きいほうを採ってください。
どちらとも取れるとき②|数字が帯の境目
合計が4mm か5mm か、といった境目に来た。この場合は、薄いほうの帯として扱います。
厚い側の帯の手は、必要のないときに使うと、線が強く出すぎます。薄い側で試して、夕方に鏡を見て足りなければ、次の日に厚い側へ動かす。この順番なら、やりすぎに行きません。
どちらとも取れるとき③|夏に比べる一枚がない
秋から着始めた一枚で、比べる夏物が手元にない。この場合は、いちばん薄いカットソーを1mm として、そこからの差で見てください。
手持ちのなかでいちばん薄い一枚を基準に置けば、絶対の数字が違っていても帯の判定は変わりません。見ているのは差のほうだからです。
場面で変わるところ
外で過ごす時間が長い日。 屋外の光は上から入るので、肩の厚みが輪郭としてはっきり出ます。肩の差が5mm を超える日は、胸まわりの離れ始める高さを一度確かめておくと、落ち着いて過ごせます。
座っている時間が長い日。 座ると腰の布が前へ寄り、落ち切る位置が変わります。腰の差が大きい一枚は、座った状態でも一度鏡を見ておくと、当日に迷いません。
人と近い距離で話す日。 1メートル以内では、厚みそのものより布の表面の様子のほうが目に入ります。この距離では、差が10mm 以上あっても打ち手を変えるほどではありません。
よくある行き違い
「一枚の大きさを上げれば、厚みのぶんが吸収される」。 大きさを上げても、布の厚みは変わりません。幅だけが増えて、厚みはそのまま残ります。増やした幅のぶん、落ちる位置が下へずれるので、腰の差が大きい一枚ではかえって判断しにくくなります。
「濃い色にすれば厚みは分からない」。 濃い色では面の情報が減り、輪郭だけが残ります。つまり、厚みが作った外形はそのまま見えます。色で動かせるのは面の見え方で、厚みが決めている輪郭のほうではありません。
「秋物は全部厚いから、測っても同じ」。 同じ秋物でも、一枚あたりの厚みは1mm から6mm まで幅があります。実際に測ってみると、去年から着ている一枚のほうが薄かった、ということがよくあります。触った感触と数字は、思っているほど一致しません。
装いに活かすなら
厚みを一度測っておくと、翌年の衣替えでもそのまま使えます。基準になる夏の一枚と秋の一枚を決めて、数字を書き留めておくだけで済みます。
どう見せたいかが先に決まっていれば、厚みはそれに合わせて選ぶ条件のひとつになります。厚い一枚を避ける必要はなく、厚いと分かっていれば、線の作り方のほうを先に決められます。
顧客プロフィールと在庫情報を踏まえて選定する場面でも、この3か所の数字は伝えやすい条件になります。丈や幅と違って、季節をまたいでも意味が変わりません。
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よくある問い
- Q. 同じサイズを選んでいるのに、秋になると見え方が変わるのはなぜですか
- 商品ページの実寸表に載っているのは平らに置いたときの幅で、布の厚みは入っていません。厚みは体の左右の両側に出るので、一枚あたり5mm 厚いだけで、外から見える幅は10mm 変わります。上下で重なれば、その倍になります。寸法表の数字が同じでも見え方が動くのは、表に載っていない厚みのほうが変わっているからです。
- Q. 厚みを測るのに、専用の道具は必要ですか
- 定規が1本あれば足ります。服を平らに置き、布を一枚ぶんだけつまんで、そのつまんだ部分を定規の目盛りに当てます。2枚まとめてつまむと倍の数字になるので、指の腹で一枚だけをすくうのがこつです。1mm 単位で読めれば十分で、0.5mm の差は結果を変えません。3か所で1分ほどです。
- Q. 厚い素材は選ばないほうがいいということですか
- そうではありません。厚みそのものに良し悪しはなく、厚みが増えたときに変える場所が別にある、という話です。差が10mm 以上あるなら、縦の線を布の重なりで作るのをやめて、布が落ちる位置のほうで作ります。同じ厚い一枚でも、この切り替えをすれば見え方は落ち着きます。素材を制限する必要はありません。
- Q. 手持ちの秋物を全部測るのは大変です
- 全部は要りません。いちばんよく着る秋の一枚と、いちばんよく着ていた夏の一枚。この2着だけを測って差を出せば、その年の基準ができます。他の服は、手で触って「あの一枚より厚いか薄いか」で振り分けるだけで足ります。基準が1組できていれば、以後は比べるだけで済みます。
— メグラシ編集部




