メグラシ
着こなす

ニットとレザーの合わせ方|合うかどうかは、光を返す面が手のひら何枚ぶんかで決まる

メグラシ編集部//読了 8分
秋の窓辺で、毛足のある編み地のとなりに、光をまっすぐ返すなめらかな面が並んでいる

秋のクローゼットで、ニットとレザーは同じ時期に出てきます。どちらも気温が下がってから着るもので、組み合わせたくなる相手でもあります。

けれど、合わせてみると日によって結果が違います。決まったと思える日があり、鏡の前で「今日はやめておこう」と外す日がある。同じ2枚なのに、そうなることがあります。

違っているのは、たいてい3枚目以降のほうです。

結論:光を返す面を、手のひら2枚ぶんまでに収める

ニットは、糸と糸のあいだに空気が入っています。当たった光は編み目のなかで散って、まっすぐには返りません。だから、面としては沈んで見えます。

レザーは反対で、表面が詰まっているので、当たった光をそのまま返します。だから、同じ暗い色でも明るい面として読まれます。

この2つを並べると奥行きが出ます。片方が沈み、片方が浮くからです。ただし、浮く面が増えると、沈む面のほうが背景になります。

境目は、全身で手のひら2枚ぶんです。ここまでならニットが主役のまま奥行きだけが増え、超えると主役が入れ替わります。

数え方|手のひらを当てる

定規はいりません。自分の手のひらを単位にします。

  1. 鏡の前に立って、全身のうち光を返している面を探す
  2. その面に手のひらを当てて、何枚ぶんかを数える
  3. 見えているぶんだけ数える(裏側や、隠れている面は数えない)
  4. 靴・バッグ・ベルト・留め具も、返していれば数える

座ったときと立ったときで面積が変わる場所があります。スカートの前面や、上着の前立て。動きの多い日は、立った状態で数えてください。

早見表|返す面の合計と、見え方

返す面の合計見え方どうするか
0枚全身が沈む。面が1枚に見えるどこかに1枚ぶん足す
1枚奥行きが1つできる。いちばん静かそのまま
2枚対比がはっきりする。離れていれば保つ高さが近ければ1つ外す
3枚以上返す面が主役になり、編み地が背景に落ちる足元から順に引く

引くときは、足元からです。靴はいちばん引きやすく、いちばん効きます。

置く高さ|顔に近いほど、小さくする

同じ1枚ぶんでも、置く場所で働きが変わります。

顔から30センチ以内は、顔の明るさとじかに並びます。ここに大きな反射があると、目はそちらで止まります。襟の縁、留め具、細い紐くらいの大きさに抑えると、顔のほうが明るいまま保てます。

腰から下は、顔と並ばないので、同じ面積でも穏やかに働きます。ベルト、バッグ、靴。ここに2枚ぶんまで置けます。

高さ置ける面積具体例
顔から30cm以内1枚ぶんまで襟の縁・留め具・細い紐
胸から腰1〜2枚ぶん前立て・ベルト・バッグ
腰から下2枚ぶんまでスカート・靴・ブーツの甲

ニット側の編み目で、置ける面積が変わる

編み地が粗いほど、隣に置けるレザーは小さくなります。

粗い編みは、畝と畝のあいだに影の線が並んでいます。影の線が多い面のとなりに、強く反射する面が来ると、2つの面が競います。どちらも情報量が多いからです。

ニットの編み目面の性質置けるレザー
平らな編み面としてまっすぐ返す2枚ぶんまで置ける
細い畝線が細かく、面に近い2枚ぶんまで
太い畝・畦影の線がはっきり出る1枚ぶんまで
毛足のあるもの光が散って輪郭がぼける1枚ぶんまで、離して置く

毛足のあるニットは、輪郭そのものが柔らかくなります。ここに硬い反射を近づけると、境目の差が大きく出すぎます。置くなら、足元のように離れた場所にしてください。

組み合わせ別の見立て

ニット × レザーのスカート ── 面積が大きいので、それだけで2〜3枚ぶんになります。ほかの返す面は全部引いてください。靴を光の返らないものにするだけで、だいぶ落ち着きます。

ニット × レザーのパンツ ── スカートより面積が大きくなりがちです。上を編み目の細かいものにして、影の線を減らすと収まります。

ニット × レザーの上着 ── 前を閉じると2〜3枚ぶん、開けると1〜1.5枚ぶん。開けて縦に落とすと、面が2本の帯になって、面積として読まれにくくなります。

ニット × レザーの小物だけ ── いちばん扱いやすい組み合わせです。バッグか靴のどちらか1つで、ちょうど1枚ぶんになります。

表面|つやと、しぼ

同じ大きさでも、表面で読まれ方が変わります。

つやのあるものは、光をまっすぐ返すので、面がそのまま明るい1枚になります。しぼのある(細かい凹凸のある)ものは、光が散るので、同じ大きさでも一段暗く読まれます。

粗い編みのニットに合わせる日は、しぼのあるほうが並べやすくなります。散った光どうしなので、競いません。

判定は、1メートル離れて見るだけです。輪郭のなかに白く光る点があれば、つやのあるほうとして数えてください。

秋と冬で、入れ替わるもの

9月から10月は、ニットが薄く、編み目も細かいものが多くなります。この時期は、レザーを2枚ぶんまで置いても崩れません。

11月以降は、編みが太くなり、上着も厚くなります。面の情報量が増えるので、同じ2枚ぶんでも多く感じます。冬に入ったら1枚ぶんを基準にして、足りなければ足す、という順にすると失敗しません。

手袋を使う季節になると、手元に1枚ぶんが自動で増えます。ここを見落として全身が3枚ぶんになっていることがよくあります。

色をそろえるか、変えるか

面積が決まったあとに、色をどうするかという問いが残ります。

同じ色でそろえると、返す面と沈む面の差だけが残ります。境目がやわらかいので、面積が2枚ぶんあってもうるさくなりません。落ち着かせたい日は、この組み方がいちばん確実です。

色を変えると、明るさの差と質感の差が同時に出ます。差が2つ重なるので、面積は1枚ぶんまでに抑えてください。2枚ぶんで色も違うと、2つの面が別々に主張します。

迷ったら、色を変えるなら面積を半分にする、と覚えておくと外しません。

立っているときと、座っているときの差

同じ装いでも、座ると返す面の見え方が変わります。

スカートやパンツの前面は、座ると布が張って、光を返す面積が増えます。立っているときに2枚ぶんだった人が、座ると3枚ぶんに見えることがあります。

逆に、上着の前立ては座ると体の脇に落ちて、正面から見える面積が減ります。

食事や打ち合わせのように、座っている時間が長い日は、下半身の返す面を1枚ぶんに抑えて、上に1枚ぶんを残す。立ち歩く時間が長い日は、この逆でも構いません。どちらの姿で長くいるかで、置く場所が決まります。

どちらとも取れるとき①|ちょうど2.5枚ぶん

数えて2枚半になったときは、高さを見てください。

2つの面が離れていれば、そのままで保ちます。顔まわりと足元のように、あいだに沈んだ面が挟まっていれば、競いません。

近い高さに並んでいるなら、片方を引きます。たとえばベルトとバッグが同じ腰の高さにあるなら、バッグを肩から掛けて位置を上げるか、ベルトを外すか、どちらかにしてください。

どちらとも取れるとき②|面積は合っているのに、重い

1枚ぶんしかないのに、全身が重く感じる日があります。

多くは、その1枚が全身でいちばん暗い面になっている場合です。返す面が暗いと、光っていることと沈んでいることが同時に起きるので、目がそこで止まったまま動きません。

このときは、面積ではなく明るさを動かします。足元を一段明るくするか、顔のそばに沈んだ明るい面を1つ置くと、目の行き先ができます。

よくある行き違い

「ニットとレザーは相性が悪い」 ── 相性の問題ではなく、量の問題です。1枚ぶんに絞れば、どの編み地とも並びます。

「レザーは強く見えるから避ける」 ── 強く見えているのは面積です。同じ素材でも、手のひら1枚ぶんなら静かに働きます。

「全身を同じ質感でそろえるほうが失敗しない」 ── そろえると失敗はしませんが、面が1枚のまま残ります。1枚ぶんだけ違う質感を入れると、そろえたままで奥行きが出ます。

装いに活かすなら

今日の装いのまま、鏡の前で手のひらを当てて数えてみてください。数えるのは、光を返している面だけです。

3枚以上あったら、靴を1つ替える。それだけで1枚減ります。素材を替えるより、数を減らすほうが早く効きます。

関連記事

よくある問い

Q. ニットとレザーは合わせていいのですか
合います。ただし面積に境目があります。ニットは糸のあいだに空気が入っていて光を吸い、レザーは表面で光をまっすぐ返します。この対比が装いに奥行きを作るので、少量あると効きます。全身で手のひら2枚ぶんまでなら、ニットが主役のまま奥行きだけが増えます。3枚ぶんを超えると、返す面のほうが目立って、ニットは背景に落ちます。どちらが良い悪いではなく、主役が入れ替わるという話です。
Q. レザースカートにニットを合わせると重く見えます
面積が大きいので、たいていは3枚ぶんを超えています。この場合、足元にもう1つ返す面があると、下半身だけで2か所になって重さが出ます。靴を光の返らないものに替えるか、上のニットを編み目の細かいものにして、影の線を減らしてください。スカートの面積は変えられないので、ほかの返す面を全部引くのが早い手です。
Q. 顔のそばにレザーを置いてもいいですか
置けますが、面積を小さくしてください。顔から30センチ以内の反射は、顔の明るさと直接並びます。並ぶ面が大きいと、顔よりそちらが明るくなり、目がそこで止まります。襟の一部、留め具、細い紐くらいの大きさ、手のひら1枚ぶんまでが目安です。上着の前立てが全面のものを着る日は、前を開けて縦に落とすと、正面から見える面積が半分になります。
Q. つやのあるレザーと、しぼのあるレザーでは違いますか
同じ面積でも働きが変わります。つやのあるものは光をまっすぐ返すので、面がそのまま明るい1枚として読まれます。しぼ(表面の細かい凹凸)があるものは光が散るので、同じ大きさでも読まれる明るさが一段下がります。ニットの編み目が粗い日は、しぼのあるほうが並べやすくなります。迷ったら、1メートル離れて見て、輪郭のなかに白く光る点があるかどうかで判断してください。

— メグラシ編集部

Next Read·次に読みたい3記事
秋の斜めの光が入る部屋で、落ち感のある一枚の背中側の落ち方を鏡で確かめている様子Pick

着こなす

背中に丸みがある人の服の選び方|肩線・後ろ身頃・羽織りの3か所で変わる見え方

背中の丸みは体の特徴の一つで、直す対象ではありません。ただ、服の側が合っていないと、後ろ姿だけが厚く見えることがあります。見る場所は3つ。肩の縫い目がどこに乗っているか、後ろ身頃に余りがあるか、羽織りが背中のどこで落ちているか。秋のニットと上着で確かめられる目安と、試着室でできる確認手順をまとめました。

続きを読む
秋の午後の斜めの光が、厚みのある布の背面をなで、裾のあたりに横一本の影をつくっている

着こなす

かっこいいアラフィフ・50代ファッション|秋の後ろ姿に横線が何本あるかで決まる

「かっこいい」と言われる装いを正面の鏡で探しても出てきません。人が見ているのは、歩いていく後ろ姿のほうだからです。後ろから見たときに横に走る線が1本なら決まって見え、3本以上になると重なって見えます。線になる5つのもの、写真1枚での数え方、秋に羽織りが増えるたび線が1本増える理由、減らすと背中が寂しくなるときの戻し方まで、家の鏡の前で判定できる形にまとめました。

続きを読む

For Fun

性格は、 服に出てる?

ファッション嗜好と性格を組み合わせた16タイプ診断。軽やかに自分の傾向を知る入口として。

16タイプ診断を受ける

無料 / 数分で完了 / airClosetサイト

あわせて読みたい

背中に丸みがある人の服の選び方|肩線・後ろ身頃・羽織りの3か所で変わる見え方

着こなす

背中に丸みがある人の服の選び方|肩線・後ろ身頃・羽織りの3か所で変わる見え方

背中の丸みは体の特徴の一つで、直す対象ではありません。ただ、服の側が合っていないと、後ろ姿だけが厚く見えることがあります。見る場所は3つ。肩の縫い目がどこに乗っているか、後ろ身頃に余りがあるか、羽織りが背中のどこで落ちているか。秋のニットと上着で確かめられる目安と、試着室でできる確認手順をまとめました。

メグラシ編集部読了 8分
かっこいいアラフィフ・50代ファッション|秋の後ろ姿に横線が何本あるかで決まる

着こなす

かっこいいアラフィフ・50代ファッション|秋の後ろ姿に横線が何本あるかで決まる

「かっこいい」と言われる装いを正面の鏡で探しても出てきません。人が見ているのは、歩いていく後ろ姿のほうだからです。後ろから見たときに横に走る線が1本なら決まって見え、3本以上になると重なって見えます。線になる5つのもの、写真1枚での数え方、秋に羽織りが増えるたび線が1本増える理由、減らすと背中が寂しくなるときの戻し方まで、家の鏡の前で判定できる形にまとめました。

メグラシ編集部読了 8分
夏に着たリネンを秋まで着るときのシワの扱い|夏と秋で手が逆になる3か所

着こなす

夏に着たリネンを秋まで着るときのシワの扱い|夏と秋で手が逆になる3か所

同じ一枚なのに、9月後半から急にシワがくたびれて見える。布は変わっていません。変わったのは秋の光の角度と室内の湿度、そして重ねるものが増えたことの3つです。指でなぞって沈みが2ミリ以上あるかで線ジワと面ジワを分け、秋の光で線として出るほうだけ消す。湿度55%を境に一晩吊るすだけでは戻らなくなること、座って20分でつく圧ジワの位置、色と混紡で影の出方がどう変わるかまで、夏の手をどこで裏返すかの形でまとめました。

メグラシ編集部読了 9分
マフラーの巻き方がかわいく決まらないのは、巻く前の3分|折り目・毛の向き・端の高さを整える

着こなす

マフラーの巻き方がかわいく決まらないのは、巻く前の3分|折り目・毛の向き・端の高さを整える

同じ手順で巻いているのに、日によってかわいく決まらない。原因は手つきではなく、巻き始める前の一枚の状態にあります。見るのは3つ。端から40〜60センチに前回の折り目が残っていないか、毛の流れがどちらを向いているか、中央を持ってぶら下げたときに左右の端の高さが3センチ以内に揃っているか。折り目の消し方、順目と逆目で塊の大きさが変わる幅、起点を中央に置くか端から3分の1に置くかの決め方まで、朝の3分でできる形にまとめました。

メグラシ編集部読了 9分
メガネに合うマフラーとハイネックの選び方|秋冬に顔まわりが重なる日の、高さと嵩の決め方

着こなす

メガネに合うマフラーとハイネックの選び方|秋冬に顔まわりが重なる日の、高さと嵩の決め方

秋冬はメガネの下に、ハイネックの襟とマフラーと帽子が順に重なります。夏まで問題なかったフレームが急に埋もれて見えるのはこのためです。見る場所は3つだけ。首元の上端とレンズ下端の距離、巻いたあとの嵩とフレームの縁の太さ、帽子のつばとフレームの上辺。鏡の前で測れる目安と、重ねる順番の決め方をまとめました。

メグラシ編集部読了 8分
Vネックニットの着こなし|一枚で着られるかは、Vの底が鎖骨の上か下かで決まる

自分を知る

Vネックニットの着こなし|一枚で着られるかは、Vの底が鎖骨の上か下かで決まる

秋の入り口、袖のあるVネックニットを一枚でどう着るか。下に何か要るかどうかは、Vの底が鎖骨の合流点より上か下かで決まります。袖があるぶん肩線の位置でVの底が2〜3cm動くこと、前に屈むと開きがもう一段広がること、上に何も羽織らない数週間の使い方まで、鏡の前で確かめられる形で整理しました。

メグラシ編集部読了 8分

"似合う"の輪郭が見えたら、
次は実際に試してみる段階かもしれません。

スタイリストがあなたの骨格・好みをヒアリング、季節に合わせたコーデを毎月お届けします。

まずは無料で試してみる

月額制 / 自宅で試着 / 返却時のクリーニング不要 / 送料込