背中に丸みがある人の服の選び方|肩線・後ろ身頃・羽織りの3か所で変わる見え方

背中に丸みがあることは、体の特徴の一つです。骨格の作り方には個人差があって、肩甲骨の出方も背中の反り方も人によって違います。ここは直す対象ではありません。
ただ、服の側が合っていないと、後ろ姿だけが実際より厚く見えることがあります。しかも背中は自分の鏡では見えないので、気づくのが遅れます。変えられるのは服の側なので、そこだけ見ていきます。
結論:見るのは肩線・後ろ身頃・羽織りの3か所
後ろ姿の見え方を決めているのは、次の3つです。
- 肩の縫い目:肩先にちょうど乗っているか、内側に来ていないか
- 後ろ身頃:背中の真ん中で、指2本ぶんまでつまめる幅か
- 羽織り:背中のいちばん高い位置ではなく、肩で接しているか
この3つが揃っていれば、背中の形に関係なく後ろ姿はまっすぐ落ちます。形の名前で選ぶより、この3か所を着た状態で確かめるほうが早いです。
3か所の早見表
| 見る場所 | 通る状態 | 外れている状態 |
|---|---|---|
| 肩の縫い目 | 肩先にちょうど乗っている | 肩先より内側。横しわが出る |
| 後ろ身頃 | つまめるのは指2本ぶんまで | 2本を超えて余る。布が重なる |
| 後ろ身頃の下限 | 指1本は必ずつまめる | つまめない。肩甲骨で引っ張られる |
| 羽織り | 肩で接し、背中との間に空間 | 背中の高い位置で接している |
| 裾 | 床と平行に落ちている | 後ろだけ上がっている |
最後の行は、上の3つが外れているときのサインです。後ろの裾だけが上がっていたら、どこかで布が引っ張られています。
肩の縫い目|肩先に乗っているかだけを見る
いちばん効く場所です。ここが合っていれば、他の2つは多少崩れても目立ちません。
見る位置は、肩のいちばん外側の骨が出ているところです。そこに縫い目がちょうど乗っていれば通ります。
縫い目が内側に来ていると、そこから布が斜めに引っ張られます。引っ張られた布は、背中側で横方向のしわになります。**このしわが、後ろ姿が厚く見える原因のほとんどです。**丸みそのものではありません。
逆に、縫い目が肩先より外に落ちているものもあります。これは意図してそう作られている形なので、外れているわけではありません。ただし、落ちる位置が腕の付け根より下まで来ると、肩の位置が読めなくなって、上半身全体が一つの面になります。落とすなら、腕の付け根までで止まっているものを選んでください。
同じ形の服でも、サイズが変われば縫い目の位置は変わります。だから、形の名前で決めずに、着た状態で肩先を触って確かめてください。
後ろ身頃|余らせず、詰めすぎず
背中の真ん中あたりで、布を軽くつまんでみてください。
**指2本ぶんまでつまめれば通ります。**それ以上つまめるなら余っています。余った布は背中側で寄って、重なりとして見えます。重なりは厚みとして読まれるので、ゆるくするほど薄く見えるということにはなりません。
下限もあります。**指1本ぶんはつまめる幅が必要です。**まったくつまめないと、肩甲骨のあたりで布が張ります。張った布は、背中の形をそのまま写します。
この幅の間に入っているものが、後ろ姿がいちばんまっすぐ落ちる状態です。幅としてはそれほど広くありませんが、同じサイズ表記でも作りによって変わるので、着て確かめるしかありません。
もう一つ、素材で変わります。**落ち感のある素材は、余っていてもまっすぐ下へ落ちます。**戻る性質の強い素材は、余った分がそのまま形になります。秋のニットでいうと、同じ毛の太さでも編み方によって落ち方が変わります。手に取ったときに、腕に掛けてみて、素直に垂れるかどうかを見てください。
羽織り|どこで接しているかで空間が決まる
上着や羽織りは、背中側に空間ができるかどうかで見え方が変わります。
**接してほしいのは肩です。**肩で接していれば、そこを支点に布が落ちて、背中との間に空間ができます。空間があると、布は背中の形をなぞらずにまっすぐ下へ落ちます。
接してほしくないのは、背中のいちばん高い位置です。ここで接すると、そこが支点になります。支点が下がると、布が前へ引かれ、後ろから見たときに布そのものが丸く見えます。
確かめ方は、着た状態で背中側を見ることです。自分では見えないので、合わせ鏡を使うか、背中側を1枚撮ってもらってください。見るのは、肩から裾までの線が一本でまっすぐ落ちているかだけです。
秋の上着でいうと、肩の部分に少し構造が入っているものは、肩で接しやすい作りになっています。構造がまったくないものは、背中の形をそのまま拾います。どちらがいいという話ではなく、後ろ姿をまっすぐ見せたい日は前者、やわらかく見せたい日は後者、という選び分けになります。
試着室でできる確認手順
背中は自分では見えないので、手順を決めておくと毎回同じ精度で確かめられます。
- 着たまま、肩先を指で触る。縫い目がそこにあるか
- 背中の真ん中で布をつまむ。指1〜2本ぶんの幅に入っているか
- 腕を前に組む。背中側が突っ張る感覚が出ないか
- 合わせ鏡か、背中側を1枚撮る。横しわが出ていないか
- 裾を見る。後ろだけ上がっていないか
3番目は、動いたときの変化を見る動作です。立ったまま確認して通っても、腕を前に出した瞬間に突っ張るものがあります。秋冬は上着の下に一枚入るので、この余裕が要ります。
秋の重ね着で、どこに厚みを置くか
秋から冬は、上半身に枚数が増えます。ここで厚みをどこに置くかで、後ろ姿の見え方が変わります。
**厚みは、外側に置いてください。**内側に厚いものを入れると、上に着るものが内側の形を拾います。外側に厚みがあると、外側の布が自分の重さでまっすぐ落ちるので、中の形が出ません。
具体的には、中に着るものを薄い側から順に重ねて、いちばん外に厚みのあるものを持ってくる形です。同じ枚数、同じ体感でも、順番だけで後ろ姿は変わります。
もう一つ、重ねるときは肩の位置を揃えてください。中のものの肩線が外のものより外側に出ていると、そこで段ができます。段は後ろから見るといちばんよく見えます。外側に着るものほど肩線が外にある、という順番を守ると段ができません。
後ろ姿に一本、縦の線を通す
横のしわを減らすことと並んで効くのが、縦の線を作ることです。
後ろから見たとき、肩から裾まで縦に通るものが一本あると、視線がその線に沿って上下に動きます。横に広がる方向の動きが減るので、厚みとして読まれにくくなります。
線を作るものは何でもかまいません。羽織りの前を開けたときにできる両脇の落ち、後ろに縫い目のある作り、まっすぐ下へ落ちる素材そのもの。どれか一本あれば足ります。二本以上あっても効果は増えません。
逆に、横に走る線は数を抑えてください。腰に来るベルト、切り替え、大きな柄の横並び。**横の線が2本を超えると、縦の一本が分断されます。**背中側は前より面積が広いので、横の線が入ると余計に目立ちます。
どちらとも取れるとき
「肩線は合っているのに、後ろに横しわが出る」
後ろ身頃が余っている可能性があります。つまめる幅を確かめて、2本を超えているなら一つ小さい側を見てください。逆に、まったくつまめないなら大きい側です。しわの向きで見分けられます。横に走るしわは張っているサイン、斜めに寄るしわは余っているサインです。
「ゆったりしたものを着ると楽だが、後ろ姿が気になる」
ゆったりの中でも、落ちる素材かどうかで見え方が分かれます。落ち感のある素材なら、ゆったりしていてもまっすぐ落ちます。戻る性質の素材でゆったりを選ぶと、余った分が背中側で寄ります。楽さを取るなら、素材の側で落ちるものを選んでください。
「後ろ姿を気にして、いつも上に何か羽織っている」
羽織ること自体は問題ありません。ただし、羽織りが背中の高い位置で接していると、羽織った状態のほうが丸く見える場合があります。羽織る前と後で、背中側を一度比べてみてください。羽織ったほうが良く見えているかは、実際に見ないと分かりません。
装いに活かすなら
背中は、自分の鏡でいちばん確かめにくい場所です。だからこそ、形の名前ではなく、肩線と後ろ身頃という測れる場所で選んでおくと、外れが減ります。
スタイリストは顧客プロフィールと在庫情報を踏まえて、その日の場面に合う一着を選定します。肩線の位置や、後ろ身頃の余りについて気になっていることを先に伝えておくと、そこが合う範囲から届きます。
まとめ|順番
- 肩の縫い目が肩先に乗っているか。ここがいちばん効く
- 後ろ身頃は指1〜2本ぶん。余らせず、詰めすぎず
- 羽織りは肩で接しているか。背中の高い位置で接していないか
- 腕を前に組んで、突っ張らないか。上着の下に一枚入る余裕
- 後ろの裾が上がっていないか。上がっていたらどこかで引っ張られている
背中の丸みは、そのままで何の問題もありません。動かすのは服の側の3か所だけです。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 背中に丸みがあると、どんな服が合いますか
- 合う形をひとつに絞るより、肩の縫い目の位置で選ぶほうが確実です。縫い目が肩先にちょうど乗っているものは、背中の形に関係なく後ろ姿が整います。縫い目が肩先より内側に来ていると、そこから布が引っ張られて背中側に横のしわが出ます。同じ形の服でもサイズによって縫い目の位置は変わるので、形の名前ではなく、着たときの縫い目の位置で選んでください。
- Q. 後ろ姿が厚く見えるのですが、ゆったりしたものを着ればいいですか
- ゆるくするほど薄く見えるわけではありません。後ろ身頃に余りがあると、その余りが布の重なりとして見えるので、かえって厚みが出ます。目安は、背中の真ん中で布をつまんだときに、指2本ぶんまでつまめる幅です。それ以上つまめるなら余っています。逆に、まったくつまめないと肩甲骨のあたりで引っ張られます。この間に幅があります。
- Q. 秋の上着で、背中側を確かめる方法はありますか
- 羽織って、背中のいちばん高い位置に上着が触れているかを見てください。触れていると、そこを支点にして下の布が前へ引かれ、後ろ姿が丸く見えます。肩で接していれば、背中との間に空間ができて布がまっすぐ落ちます。確かめ方は、上着を着た状態で誰かに背中側を1枚撮ってもらうか、合わせ鏡で見るのがいちばん早いです。
- Q. ニットは背中に丸みがあると避けたほうがいいですか
- 避ける必要はありません。見る場所は編み地の厚みではなく、後ろ身頃の落ち方です。落ち感のあるニットは、背中の形に沿わずにまっすぐ下へ落ちるので、丸みの有無に関わらず後ろ姿が整います。逆に、身体に沿って戻る性質の強いものは、形をそのまま写します。同じ毛の太さでも、編み方で落ち方は変わるので、実際に着て背中側を見て決めてください。
— メグラシ編集部





