セーターコーデ|裾リブの幅と肩の落ち位置で、合わせ先が決まる

セーターが決まらない日、多くの人は色を疑います。けれど手持ちを並べて測ると、原因は色ではないことがほとんどです。
決めているのは、裾のリブと肩です。
裾のリブが何cmあるか。そのリブが体に沿ってすぼまるか、広がったまま落ちるか。肩の縫い目が肩先からどれだけ外に出ているか。そして着丈が腰骨からどこで終わるか。この4つが分かれば、下に何を合わせるか、裾を入れるか出すかは自動的に決まります。
測るのは、メジャー1本で3分です。
セーターは、裾と肩の2か所で決まります
なぜこの2か所なのか。理由は、セーターが体の上で作る線が、この2か所にしかないからです。
編んだ生地は、織った生地と違って形を固定しません。伸びて、体に沿って、重さで落ちます。だから袖の途中や胴の途中には、はっきりした線ができません。
線ができるのは、編み方が変わる場所だけです。裾のリブと、肩の縫い目。この2つが、セーターの輪郭を作っています。
そして合わせ先を決めているのは、輪郭です。色ではありません。
先に測る|4か所、メジャー1本で3分
順番に測ります。すべて着ていない状態、平らに置いて構いません。
1つ目、裾リブの幅。 編み方が変わっている部分の上端から裾までを測ります。単位はcmです。
2つ目、リブの戻り。 リブを両手で横に10cmほど広げ、手を離します。1秒以内に元へ戻れば「戻る」、たるみが残れば「戻らない」です。
3つ目、肩の縫い目の位置。 着た状態で、肩先の骨から縫い目までの距離を測ります。縫い目が骨の内側にある場合は0cmとします。
4つ目、着丈。 着た状態で、腰骨から裾までの距離を測ります。腰骨より上で終わるならマイナスと記録します。
この4つの数字を持って、判定に進みます。
判定①|裾リブの幅は、3つの帯に分かれる
リブ幅は連続した数字ですが、働きは3つに分かれます。
3cm未満。 リブがほとんど主張しません。裾は生地の重さでまっすぐ落ちます。この帯のセーターは、下に何を合わせても腰に線ができないので、いちばん自由が利きます。
3〜7cm。 標準的な帯です。裾に細い帯が1本できますが、目立つほどではありません。出しても入れても成立します。
8cm以上。 腰の位置にはっきりした横の帯ができます。この帯は、下に合わせるものを選びます。同じくらいの幅で広がるボトムスが来ると、腰まわりに横の線が二重になります。
8cm以上の1枚を持っているなら、下は縦に落ちるものへ寄せるか、裾を入れて帯そのものを消すか、どちらかで組んでください。
判定②|リブがすぼまるか、広がるか
幅と同じくらい効くのが、リブの戻る力です。
戻るリブは、裾を体に沿ってすぼめます。上半身の輪郭が、裾でいったん締まる形です。この形は裾を出したままでも収まります。上が丸く、下が締まって、そこから下の布が始まる。線として読みやすい形です。
戻らないリブは、広がったまま落ちます。裾が体から離れて、腰まわりに空間ができます。この1枚を出したまま着ると、腰の位置に布のたまりができて、上半身が下へ伸びたように見えます。
戻らないリブの1枚は、入れる形にしてください。 ウエストの中へ入れてしまえば、広がる余地がなくなります。
判定が分かれるのは、片側だけ戻る場合です。何度も着て洗った1枚は、前と後ろで戻り方が違うことがあります。この場合は「戻らない」側で判定してください。弱いほうが最終的な形を決めます。
判定③|肩の縫い目が、下の幅を決める
肩は、下に合わせるものの幅を決めます。
縫い目が肩先の上、または内側(0cm)。 上半身の輪郭が肩で終わります。下は幅を出しても構いません。広がるスカートも、太いパンツも釣り合います。
縫い目が肩先から1〜2cm外。 わずかに落ちた状態です。下はどちらでも成立しますが、幅を出すなら丈を長めに取ってください。
縫い目が肩先から3cm以上外。 上半身が横に開いています。この状態で下でも幅を出すと、体の輪郭が上下とも外へ広がり、真ん中がへこんで見えます。下は縦に落ちるものにしてください。
ここは好みではなく、単純な釣り合いの話です。上で開いたら下で締める。上で締まっていたら下で開いてよい。どちらかです。
判定④|着丈は、腰骨からの距離で3つに分かれる
裾がどこで終わるかで、入れるか出すかが決まります。
腰骨より上(マイナス)。 線がウエストより高い位置に来ます。出したままで成立し、下は幅を出しても構いません。
腰骨から0〜5cm下。 いちばん扱いにくい帯です。裾が腰骨のすぐそばで終わるので、線が半端な位置に残ります。しかも編んだ生地は着ているうちに1〜2cm下がるので、時間が経つとさらに半端になります。この帯は、入れるか、上に一枚重ねて裾を隠すかに倒してください。
腰骨から10cm以上下。 出したまま成立します。この帯は下のウエスト位置が完全に隠れるので、下側の選択が自由になります。
5〜10cmの間は境目です。次の項で扱います。
4つを合わせる|合わせ先が決まる順番
判定は独立していません。順番があります。
まず肩を見て、下の幅を決める。次に着丈を見て、入れるか出すかを決める。そのあとでリブ幅とリブの戻りを見て、決めた形が成立するか確かめる。
この順番で見ると、矛盾が出ることがあります。たとえば「肩が落ちているので下は細く」「着丈が短いので出したまま」「けれどリブが8cm以上で広がる」。この組み合わせは、腰に広がる帯だけが残ります。
矛盾が出たときは、いちばん動かせるところから変えてください。 動かしやすい順は、下に合わせるもの、入れるか出すか、上に重ねるもの、です。セーターそのものを替えるのは最後で構いません。
早見表|4か所の数字と、変わるところ
| 測る場所 | 数字 | そのとき変わること |
|---|---|---|
| 裾リブ幅 | 3cm未満 | 腰に線が出ない。下は自由 |
| 裾リブ幅 | 8cm以上 | 腰に帯が出る。下は縦に落とす |
| リブの戻り | 戻らない | 出したままにしない。入れる |
| 肩の縫い目 | 3cm以上外 | 下で幅を出さない |
| 着丈 | 腰骨0〜5cm下 | 入れるか、上に重ねる |
| 着丈 | 腰骨10cm以上下 | 出したまま成立。下は自由 |
この表は、どこを見るかを並べたものです。答えは手持ちの数字を入れてから出ます。
合わせるボトムス|幅ではなく、落ち方で選ぶ
下を選ぶとき、太いか細いかだけで判断すると外れます。見るのは落ち方です。
体から離れてまっすぐ落ちるものは、幅があっても縦の線が残ります。肩が落ちたセーターとも釣り合います。
腰まわりで広がってから落ちるものは、幅の出る位置が腰です。裾リブが8cm以上のセーターと合わせると、同じ高さで二重になります。
体に沿うものは、上半身の形をそのまま見せます。厚いセーターと合わせると、上下の差が大きく出ます。差を出したい日には向きますが、落ち着かせたい日には向きません。
判断は、下を穿いた状態で腰の横をつまんでみるのが早いです。**つまめる布が3cm以上あれば「離れて落ちる」、1cm以下なら「体に沿う」**と考えて構いません。
どちらとも取れる日①|着丈が腰骨から5〜10cmのとき
この帯は、出すか入れるかが読めません。
座って判定してください。 椅子に腰かけると、セーターの裾は上へ2〜3cm動きます。座った状態で腰骨の位置に裾が来るなら、その1枚は出したままだと時間とともに半端になります。入れる側へ倒してください。
座っても裾が腰骨より5cm以上下にあるなら、出したままで成立します。
どちらとも取れる日②|リブが戻るとも戻らないとも言えない
広げて手を離したとき、8割ほど戻る。この状態が判断しにくい帯です。
このときは、その日に何時間着るかで決めてください。 3時間以内なら「戻る」として扱って構いません。半日以上着るなら「戻らない」として扱い、入れる形にします。リブは着ている時間に比例して緩みます。
洗った直後は戻りが強く、着るほど弱くなります。判定は、着る予定の状態でしてください。
玄関で30秒|見るのは2か所だけ
出かける前に確かめるのは2つです。
1つ目、裾がどこで終わっているか。 決めたとおりの位置か。下がっていたら、入れるか、引き上げます。
2つ目、肩と下の幅が両方とも開いていないか。 鏡から3歩下がって、輪郭だけを見てください。上下とも外へ広がっていたら、下を替えます。
買うときに見る場所|平置きで測れる2つ
売り場でも、同じ判定ができます。着る前に測れるのは2つです。
1つ、裾リブの幅。 平らに置いて、編み方が変わっている位置から裾までを測ります。8cm以上あれば、その1枚は腰に帯を作ります。合わせる下が決まっているなら、その場で成立するか判断できます。
2つ、肩の縫い目の位置。 平らに置いた状態で、肩の先端から縫い目までを測ります。ここが3cm以上あれば、下は幅を出さない組み合わせになります。手持ちの下に幅のあるものしかないなら、その1枚は使いどころが限られます。
リブの戻りも、その場で確かめられます。リブを横に10cm広げて手を離す。 1秒で戻れば、出したまま着られます。戻らないなら、入れる前提の1枚です。
着丈だけは、試着しないと判定できません。腰骨からの距離は人によって変わるからです。平置きで2つ測って、着丈だけ着て確かめる。 この順番なら、試着室にいる時間は短くて済みます。
季節で変わるのは、下に穿くものの厚み
同じセーターでも、寒い時期には下に重ねるものが増えます。ここで判定が動くことがあります。
ウエストまわりに厚みが増えると、裾リブの収まり方が変わります。 入れる形にしていた1枚が、入れると腰で膨らむようになる。これは1枚の側が変わったのではなく、入れる先が変わったためです。
対処は2つです。重ねる一枚を薄くして厚みを戻すか、その時期だけ出す形に切り替えるか。出す形に切り替える場合は、着丈が腰骨から10cm以上あるかを確かめてください。 足りないと、判定④の扱いにくい帯へ落ちます。
逆に、薄い時期はリブの帯が目立ちやすくなります。上下の布の量が少ないぶん、腰の線だけが残るためです。この時期は、8cm以上のリブなら入れる形に寄せると落ち着きます。
まとめ|4か所を測れば、迷わない
セーターの合わせ先を決めているのは、裾のリブと肩です。
リブ幅が8cm以上なら下は縦に落とす。リブが戻らないなら入れる。肩が3cm以上落ちているなら下で幅を出さない。着丈が腰骨から0〜5cmなら、入れるか重ねる。
手持ちの数枚を一度測って、数字を覚えてしまってください。次からは、朝に測る必要がなくなります。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 手持ちのセーターが、何と合わせても野暮ったく見えます。どこを見ればよいですか。
- 裾のリブ幅と、そのリブが体に沿っているかを先に見てください。リブが8cm以上あって、しかも裾で体に沿ってすぼまっている1枚は、腰の位置に横の帯が1本できます。この帯の下に、同じくらいの幅で広がるボトムスが来ると、腰まわりに横の線が二重になります。下を縦に落ちるものへ替えるか、裾をウエストの中へ入れて帯そのものを消すか、どちらかで整います。
- Q. セーターは入れるべきですか、出すべきですか。
- 着丈が腰骨から何cm下で終わるかで決まります。腰骨から10cm以上下なら、出したまま成立します。腰骨より上で終わるなら、入れるか入れないかにかかわらず線がウエストより上に来るので、そのままで構いません。いちばん迷うのは腰骨から0〜5cmで終わる丈で、この帯は出したままだと線が半端な位置に残ります。入れるか、上に一枚重ねて裾を隠すかに倒してください。
- Q. 肩が落ちたセーターに、何を合わせればよいですか。
- 肩の縫い目が肩先から3cm以上外にあるなら、下は幅を出さないものにしてください。肩で横に広がっている分、下でも幅を出すと、体の輪郭が上下とも外へ開きます。縦に落ちる細めのもの、あるいは布が体から離れずに落ちるものが合わせやすくなります。逆に肩の縫い目が肩先の上にあるセーターは、下で幅を出しても釣り合いが取れます。
- Q. 同じ形のセーターでも、着ると印象が違うのはなぜですか。
- 編み目の詰まり方と、リブの戻る力が違うためです。編み目が詰まっているものは面として見え、粗いものは表面の凹凸として見えます。リブは、指で横に広げて手を離したときにどれだけ戻るかで力が分かります。すぐ戻るリブは体に沿って裾をすぼめ、戻りきらないリブは広がったまま落ちます。同じ寸法でも、この2つで見え方が変わります。
- Q. 厚いセーターを着ると上半身が大きく見えます。どうすればよいですか。
- 厚みそのものより、厚みが終わる位置を動かしてください。厚い1枚は裾で急に布が終わると、そこに段ができて上半身の輪郭が四角く読まれます。裾を入れて終わりを見せない、あるいは着丈の長い1枚に替えて終わりを腰より下へずらすと、段の位置が変わります。上に羽織る場合は、羽織りの丈をセーターの裾と5cm以上ずらしてください。
— メグラシ編集部





