夜会巻き|長さ・量・顔の形で決める高さと、崩れたときの直し方

夜会巻きは、髪を一束にねじって縦に立て、折り返した毛先を中に収める型
夜会巻きは、後ろで髪をひとつに束ね、ねじりながら上へ立てて、余った毛先を折り返して巻きの中に収めるまとめ髪です。後頭部に縦の線が1本できて、うなじと首が全部見えます。この「縦の線」と「首が見える」の2つが、他のまとめ髪との違いです。
あなたの髪でできるかは、呼び名ではなく、束を上に立てたとき毛先が頭頂に届くかで決まります。 届けば基本の型で成立します。耳の上端から頭頂までの間で止まるなら、下地を作ってから留める型に替えると成立します。耳の上端より下で止まるなら、今日は別の型です。
いちばん簡単なやり方はコーム1本です。 うなじの生え際の少し上で髪を一束にし、束を平らに広げて一方向に3〜4回ねじり、ねじった束を頭の後ろの面に沿って上へ立て、余った毛先を折り返して内側に押し込み、巻きの下から上へ向けてコームを差し込む。この4動作で形になり、慣れると3分です。
ここから先は、この基本を自分の髪に合わせるための地図です。長さ・量・硬さで変わるところ、崩れたときにどこを直すか、顔の形と首の長さでどの高さに置くか、場面でどう変えるか。それぞれに1本ずつ、深掘りの記事への道案内も付けました。
自分の髪でできるか、30秒で判定する
鏡の前で、うなじの生え際のすぐ上で髪を全部ひとつに握ってください。その束を、頭の後ろの面に沿ってまっすぐ上へ立てます。毛先が止まる位置を見ます。
| 毛先が止まる位置 | 判定 | 今日やる型 |
|---|---|---|
| 頭頂を10cm以上超える | 余りが多い。毛先の処理を先に決める | コーム1本の基本。折り返しを2回にする |
| 頭頂を超える | 成立する側 | コーム1本の基本 |
| 耳の上端から頭頂までの間 | ぎりぎり届く帯。いちばん割れる | ゴム1本で下地を作る型。留め具は上下2点 |
| 耳の上端より下 | 折り返す長さがない | 夜会巻きではなく、低いねじりシニヨンに替える |
この判定は、長さの呼び名より当たります。同じ「ミディアム」でも、後頭部の丸みが深い人は毛先が届かず、浅い人は届きます。判定の根拠をもっと細かく(束の太さ・ねじって手を離して何秒もつか・後ろの襟との距離)見たいなら、夜会巻きが自分の髪で成立するかを5つの数字で判定する記事へ進んでください。この記事は、その手前の「やり方と全体の地図」です。
いちばん簡単なやり方|コーム1本の基本
道具は、幅7〜10cmの飾りコーム1本(夜会巻き用と呼ばれる、歯が長くて少し反っているもの)だけです。細いヘアピンは、最初は使いません。本数が増えるほど、どこが効いていてどこが効いていないかが分からなくなるからです。
手順1|髪を一束にして、生え際から3cm以内で握る
うなじの生え際から3cm以内の高さで、髪を全部ひとつに握ります。ここが低すぎると巻きの下端が落ち、高すぎると首の後ろに隙間ができます。耳の下端を結んだ線のすぐ上、が目安です。
手順2|束を平らに広げてから、一方向に3〜4回ねじる
握ったまま細い円柱でねじると、表面の毛が逃げて膨らみます。先に束を手のひらの幅まで平らに広げ、面を作ってください。そのうえで、右利きなら左へ、左利きなら右へ、一方向に3〜4回ねじります。回数は多いほどいいわけではなく、5回を超えると束が細い棒になってコームが噛む面積が減ります。
手順3|ねじった束を頭の後ろの面に沿って上へ立てる
ねじった束を、後頭部の面に沿わせたまま、まっすぐ上へ立てます。このとき束を頭から浮かせないことが大切です。浮くと縦の線が頭から離れて見え、横から見たときに奥行きが出すぎます。
手順4|余った毛先を折り返して、巻きの内側へ押し込む
頭頂を超えた毛先を、下へ折り返します。折り返した毛先を、ねじった束と頭皮の間にできた溝へ、指で押し込みます。ここで毛先が全部隠れれば、形は完成です。
手順5|コームを巻きの下から上へ差し込む
巻きの下端、うなじの生え際のすぐ上から、コームの歯を頭皮に向けて当て、巻きの中へ上向きに差し込みます。差す向きは「下から上」です。上から下へ差すと、重さで抜けます。
手順6|表面を手のひらで一度なでる
全体を手のひらで一度なでて、浮いている毛を寝かせます。ここで引き出すところを決めます。何も引き出さないのが、いちばん長くもつ形です。
手順7|横からと後ろから、鏡で2方向を見る
合わせ鏡か、後ろから1枚写真を撮って確かめます。見るのは、巻きの上端の高さが左右で揃っているか、下端が生え際から浮いていないか、の2点だけです。
ここまでで3〜5分です。はじめての日は、本番の前日に一度やってみてください。長さの判定と手順の確認が、同時に済みます。
道具を替えた3つの型|どれを選ぶか
同じ夜会巻きでも、留め方で向く髪と向く日が変わります。
| 型 | 道具 | 向く髪 | 向く日 | もつ時間の目安 |
|---|---|---|---|---|
| コーム1本の基本 | 飾りコーム1本 | 頭頂に届く長さ。普通〜多めの量 | 動きの少ない日。慣れている日 | 4〜5時間 |
| ピンだけ | Uピン3〜4本、またはアメピン4〜6本 | 細くて量の少ない髪。短めの帯 | 飾りを見せたくない日。お葬式・法事 | 3〜4時間 |
| ゴム1本で下地を作る型 | ゴム1本+コームまたはピン | 量が多い髪。ぎりぎりの長さ | 長時間の日。式・着物・歩く日 | 7〜8時間 |
迷ったら、ゴム1本で下地を作る型です。形が変わらないまま、もつ時間がいちばん長くなります。
道具の選び方|コームの幅・ピンの長さ・ゴムの太さ
道具は3つしか使いません。選ぶ基準も、それぞれ1つずつです。
| 道具 | 見る数字 | 目安 | 外れると起きること |
|---|---|---|---|
| 飾りコーム | 歯の長さと幅 | 歯の長さ5cm以上・幅7〜10cm | 歯が短いと巻きの芯まで届かず、半日で抜ける |
| Uピン | 長さ | 6〜7cm。量が多い人は7cm以上 | 短いと巻きの中で止まらず、表面だけを留めて浮く |
| アメピン | 本数 | 4〜6本。後れ毛の押さえ用に2本 | 多すぎると、どれが効いているか分からなくなる |
| ゴム | 太さ | 細いもの1本。髪色に近い色 | 太いと結び目が隠れず、折り返しの下で膨らむ |
コームは、歯が少し反っているものを選びます。頭の丸みに沿うので、差したあとに浮きません。平らな歯は、頭の丸みと隙間ができて、動くたびに少しずつ抜けます。Uピンは、歯の先が閉じているものより、わずかに開いているもののほうが巻きの中で引っかかります。
道具を増やすより、1つの道具を正しい向きで差すほうが、長くもちます。コームは下から上、Uピンは垂直に差して向きを変える、ゴムは生え際から3cm以内。この3つの向きと位置を守れば、道具の数は最小で済みます。
ピンだけで留める型
飾りを見せたくない日、または髪が細くてコームが滑る人の型です。コームの代わりに、U字型のピンを3〜4本使います。
手順1から手順4までは基本と同じです。違うのは留め方です。巻きの下端の生え際側から1本目のUピンを、巻きに対して垂直に差し、頭皮に当たったら向きを変えて巻きの中へ押し込みます。2本目は巻きの中央の高さに、3本目は上端の折り返しの裏に、同じ動きで差します。3本が縦に並ぶ形です。
ピンが抜けやすい人は、ピンの向きを交差させてください。1本目を右下から左上へ、2本目を左下から右上へ。交差した2本は、1方向に並べた3本より抜けにくくなります。見えない留め具で縦の線だけを残せるので、お葬式や法事では、この型を選びます。低く作るときの高さと留め具の選び方は、法事の髪型をまとめる高さと留め具で決める記事が1本で済みます。
ゴム1本で下地を作る型
量が多い人、長さがぎりぎりの人、長時間もたせたい人の型です。コームやピンが受け持つ重さを、先にゴムが受けます。
手順1で握った束を、そのまま細いゴム1本で結びます。結ぶ位置は生え際から3cm以内。ここがポニーテールと違うところで、高く結ぶと巻きの下に隙間ができます。結んだ束を平らに広げ、基本と同じように一方向にねじり、上へ立てます。折り返した毛先は、ゴムの結び目の上に重ねて、結び目を隠すように押し込みます。最後にコームを下から上へ差します。
この型は、コームが抜けても形が残ります。ゴムが束の位置を固定しているので、崩れるのは表面だけです。崩れたときの直しも、表面をなでて差し直すだけで戻ります。長さがぎりぎりの帯の人は、折り返した毛先が短いので、コームだけでは留まりません。この型にして、留め具を上下2点にすると、昼過ぎまでもちます。
髪の長さ別|ボブからロングまで、どこが変わるか
長さの呼び名で判定はしませんが、長さによって「どこで困るか」は変わります。
| 長さ(目安) | 束を立てた到達点 | 型 | 困りやすい点 | 直し方 |
|---|---|---|---|---|
| ボブ(肩に届かない〜肩) | 耳の上端より下〜耳の上端 | 夜会巻きの形は難しい。低いねじりシニヨンに替える | 毛先が全部出る | 襟足の毛を先に2本の小さなねじりにして、上の束を乗せる |
| ミディアム(肩〜肩から5cm下) | 耳の上端〜頭頂の間 | ゴム1本で下地を作る型。留め具は上下2点 | 折り返しが短くてコームが噛まない | 折り返しを頭皮側へ、ピンで先に1点止めてからコーム |
| セミロング(肩から5〜15cm下) | 頭頂に届く | コーム1本の基本 | 時間が経つと下端が落ちる | 最初のねじりを生え際から3cm以内で作る |
| ロング(肩から15cm以上下) | 頭頂を10cm以上超える | コーム1本の基本。折り返しを2回 | 余りが多くて巻きが太る | 折り返した毛先をさらに半分に折り、束の内側へ巻き込む |
ボブは、夜会巻きの縦の線だけを借りる
ボブで束を立てても、毛先は耳の上端より下で止まることが多いです。この場合、折り返す長さがないので、夜会巻きそのものの形にはなりません。ただ、夜会巻きで欲しいのは「後頭部の縦の線」と「首が見えること」です。この2つはボブでも作れます。
襟足の髪を左右2つに分けて、それぞれを内側へねじり上げ、襟足の中央でピンで止めます。その上に、残りの髪を低い位置で束ねてねじり、小さな縦のねじりにして重ねます。ゴムから出た毛先が何cm残るかで作れる形が決まるので、ボブのまとめ髪を、結んだあとの毛先の長さで決める記事で、自分の残り丈を先に測ってください。
ミディアムは、ぎりぎりの帯をどう越えるか
ミディアムは、いちばん「できる人とできない人が分かれる」長さです。束を立てて耳の上端から頭頂の間で止まるなら、1回折りでちょうど届くぶん、留め具に噛ませる毛が残りません。
ここで髪を伸ばすのを待つより、留め方を変えるほうが早いです。ゴム1本で下地を作り、折り返した毛先を頭皮側へピンで先に1点止めてから、コームを差します。コームは飾り、ピンが本体、という配分です。結婚式で同じ帯の人が、何cmまでなら届くかを測った記事がヘアアレンジ ミディアムの結婚式|束の太さと量で決める記事にあります。夜会巻き以外の選択肢も、そこで比べられます。
セミロングは、下端が落ちる時間との勝負
セミロングは、基本の型がそのまま成立する長さです。困るのは、時間が経つと巻きの下端がうなじから浮いて落ちてくることです。原因は最初のねじりの位置が高いこと。生え際から3cm以内で最初のねじりを作ると、下端が生え際に固定されて落ちにくくなります。
セミロングは、崩れるまでの時間でその日の型を選ぶ長さです。セミロングのヘアアレンジを、崩れるまでの時間で選ぶ記事で、夜会巻きを含めた型の比較ができます。
ロングは、余りをどこに収めるか
ロングで束を立てると、頭頂を10cm以上超えます。余りが多いので、1回折り返しただけでは巻きが太って重くなり、コーム1本では支えきれません。折り返した毛先をさらに半分に折り、束の内側へ巻き込んで2回折りにします。巻きの太さが揃い、重心が頭に近づきます。
ロングで自分で作るときの巻き込み回数と、何回で止めるかの目安は、結婚式の髪をロングで自分でやるときの巻き込み回数の記事で測れます。
毛量と硬さ別|どこで滑り、どこで膨らむか
長さが同じでも、量と硬さで崩れ方が変わります。束を握ったときの直径で見ます。
| 束の直径(握ったとき) | 量の判定 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|---|
| 3cm未満 | 少ない・細い | 芯ができず、コームが噛まずに滑る | ねじる前に根元を逆毛で1cmだけ起こす。留め具はUピン交差 |
| 3〜5cm | 普通 | 基本の型がそのまま成立 | 何もしない |
| 5cm以上 | 多い | 1点留めで保たない。巻きが膨らむ | ゴム1本で下地。折り返しを2回。留め具を上下2点 |
細くて柔らかい髪は、滑る側
細くて柔らかい髪は、ねじって手を離すと3秒以内に戻り始めます。この場合、きつくねじるほど束は細い円柱になり、留め具が噛む面積が減って滑ります。ねじる回数ではなく、ねじる前の面の広げ方で直します。束を平らに広げ、根元から3cmの範囲だけ目の細かいコームで逆毛を1〜2回入れ、面に引っかかりを作ってからねじってください。留め具は、1方向に並べたコームより、交差させたUピンのほうが抜けません。
太くて硬い髪は、膨らむ側
太くて硬い髪は、ねじっても束の中で毛が反発して、表面に浮きが出ます。10秒以上は戻らないのに、巻きが太って表面がぼこぼこする、という状態です。この場合は量を分けて受け持たせます。ゴム1本で下地を作り、折り返しを2回にして束を頭に近づけ、留め具を上下2点に増やします。表面の浮きは、巻き終わってから生え際側からコームの先で表面の一枚だけを上へなでると収まります。
くせがある髪は、むしろ留まりやすい
くせのある髪は、ねじりが髪同士に引っかかってほどけにくいので、夜会巻きには向いています。困るのは表面の毛が整わないことだけです。ねじる前に表面だけ軽く水で湿らせて、乾いてから留めると、面が落ち着きます。崩れたとき、くせの髪は表面を全部なで直すより、浮いた1本1本を巻きの中へ押し込むほうが戻ります。
崩れる原因は3つに分かれる|後れ毛・膨らみ・ゆるみ
「崩れた」とひとことで言われますが、起きていることは3つに分かれます。どれが起きているかで、直す場所が違います。
| 症状 | 起きている場所 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|---|
| 後れ毛が落ちてくる | 耳の後ろ・襟足の角 | 束に入らなかった短い毛。留め位置が高い | 襟足の角の毛を先にピン1本で押さえてから巻く |
| 膨らんでぼこぼこする | 巻きの表面 | ねじる前の面が狭い。量が多い | 束を平らに広げてからねじる。表面を下から上へなでる |
| 巻きがゆるんで下がる | 巻きの下端 | 最初のねじりが高い。コームの向きが上から下 | 生え際から3cm以内でねじり始める。コームは下から上へ |
後れ毛は、出すものと落ちるものを分ける
後れ毛には、わざと出す後れ毛と、束に入らずに落ちてくる後れ毛があります。落ちてくるのは、耳の後ろの延長線上の角と、襟足の両端の角です。この4か所の短い毛は、束を握った時点ですでに入っていません。
巻く前に、襟足の両端の毛を指1本分だけ取って内側へねじり、小さなピン1本で押さえてください。そのうえで全体を束ねます。わざと出す後れ毛は、巻き終わってから、耳の後ろの延長線上の角から幅1cm以下を1本ずつ引き出します。中央から引き出すと、縦の線が切れて見えます。
膨らみは、ねじる前に決まっている
表面がぼこぼこと膨らむのは、ねじる前の束の面が狭いときです。細い円柱のままねじると、表面の毛が束の外へ逃げます。直すのは手順2です。束を手のひらの幅まで平らに広げてからねじります。
すでに巻いてしまった日は、全部やり直さなくて済みます。膨らんだ場所のすぐ下、生え際側から目の細かいコームの先を差し込み、表面の一枚だけを上へなでて巻きの中へ押し込みます。2分で戻り、形は変わりません。
ゆるみは、ねじり始めの高さとコームの向き
巻き全体がゆるんで下がるのは、最初のねじりを作った位置が高いか、コームを上から下へ差しているかのどちらかです。ねじり始めが生え際から5cm以上離れていると、巻きの下端が頭皮に固定されず、重さで下がります。コームを上から下へ差すと、重さが歯の向きと同じになって抜けます。
直すときは、巻きを崩さずに、コームを一度抜いて、巻きの下端を手のひらで生え際へ押し上げながら、下から上へ差し直します。これで戻らなければ、下端が落ちている原因はねじり始めの高さなので、次の日から手順1の位置を3cm以内にしてください。
顔の形で決める、巻きの高さと傾き
夜会巻きは後頭部に縦の線を1本作る型なので、顔の輪郭に対して「縦を足すか、横を足すか」を、巻きの上端の高さと傾きで調整します。似合うか似合わないかではなく、どの位置に置くかの違いです。
| 顔の形 | 足したい線 | 巻きの上端の高さ | 傾き | サイドの扱い |
|---|---|---|---|---|
| 丸顔 | 縦 | 後頭部の最突出点より2〜3cm上 | 垂直に近く | 耳の前の毛を全部入れる |
| 面長 | 横 | 後頭部の最突出点に合わせて低め | 斜め15〜20度 | 耳の上から幅1cmを引き出して横の線を作る |
| ベース型 | 角の外側に柔らかい線 | 耳の上端の高さ | 垂直 | 耳の後ろから幅1cmを引き出す |
| 卵型 | どちらでも | 後頭部の最突出点 | 自由 | 場面で決める |
| 逆三角 | あご先の近くに横 | 低め。生え際から5cm以内に下端 | 斜め | 襟足から幅1cmの後れ毛を左右に |
丸顔は、上端を高く、傾きを垂直に
丸顔の人は、巻きの上端を後頭部のいちばん高い点より2〜3cm上に置き、傾きを垂直に近づけてください。縦の線が1本足され、輪郭とのバランスが取れます。サイドの髪は耳の前まで全部束に入れると、横幅が増えません。前髪は横に流すより、分けて額を少し出すほうが、縦の線がつながります。前髪をどう扱うかは前髪アレンジを額の縦と生え際の向きで決める記事で、自分の額の縦を測ってから決めてください。
面長は、上端を低く、傾きを斜めに
面長の人は、上端を後頭部の最突出点に合わせて低めに置き、巻きを15〜20度ほど斜めに倒します。縦の線が少し短くなり、横の要素が加わります。耳の上から幅1cmの毛を引き出して、横の線を耳の高さに1本作ると、顔の縦が分割されます。髪で作る横線を1本だけ耳の高さに置く考え方は、面長のヘアアレンジの記事が1本で済みます。
ベース型は、耳の上端の高さに置き、角の外に柔らかさを
ベース型の人は、巻きの上端を耳の上端の高さに置きます。高すぎるとあごの角が強く見え、低すぎると首が短く見えます。耳の後ろから幅1cmの毛を引き出し、あごの角の外側に柔らかい線を1本足すと、まとまります。あご先の角度で毛先の向きを決める見方は、自分に合う髪型をあご先の角度で決める記事にあります。
首の長さで決める、巻きの下端の位置
夜会巻きは首を全部見せる型なので、首の長さで下端の位置を変えます。鎖骨のくぼみからあご先までを、指の幅で測ってください。
| 首の長さ(鎖骨〜あご先) | 判定 | 巻きの下端 | 襟との関係 |
|---|---|---|---|
| 指4本(6cm)以上 | 長め | 生え際より2〜3cm下まで下げる | 襟は高めでも成立。首が見えすぎるときは襟で埋める |
| 指3本(4.5cm)前後 | 標準 | 生え際に合わせる | 後ろの襟ぐりとの間が指2〜3本空くのが目安 |
| 指2本(3cm)以下 | 短め | 生え際より1cm上。下端を上げる | 後ろの襟ぐりは広めに。首の縦を全部出す |
首が長めの人は、巻きの下端を生え際より下まで伸ばして、首の縦の余白を2つに割ります。首が短めの人は、下端を生え際より上に上げて、見える首の縦を最大にします。首の長さを指4本で見分けて、首・耳・襟で型を決める方法は、首の長さを指4本で測って、アレンジを首・耳・襟で決める記事が詳しいです。
場面別|何が変わるかは「高さ」と「艶」の2つ
夜会巻きは、同じ型のまま、高さと表面の艶を変えるだけで、結婚式からお葬式まで使えます。
| 場面 | 巻きの高さ | 表面の艶 | 飾り | 後れ毛 | 型 |
|---|---|---|---|---|---|
| 結婚式のお呼ばれ | 高め。上端を最突出点より2cm上 | 出す | 小さいコームか小さい飾りピン | 耳の後ろに幅1cm以下を左右1本ずつ | ゴム1本で下地+コーム |
| お葬式・法事 | 低め。上端を耳の上端の高さ | 抑える | 見せない。黒いUピン | 出さない | ピンだけ |
| 入学式・卒業式(保護者) | 標準。上端を最突出点 | 自然に | 小さいコーム1本 | 出さない | コーム1本の基本 |
| 着物 | 低め〜標準。衿との隙間で決める | 出す | かんざしかコーム1本 | 出さない | ゴム1本で下地+かんざし |
| 仕事 | 標準。上端を耳の上端〜最突出点の間 | 抑える | 見せない | 出さない | コーム1本の基本か、ピンだけ |
結婚式のお呼ばれは、高さと艶を出す日
結婚式のお呼ばれは、夜会巻きがいちばん選ばれる場面です。上端を後頭部の最突出点より2cm上に置いて高さを出し、表面の艶を出します。艶は、巻く前に表面を目の細かいコームで一方向に通してからねじると出ます。後れ毛は、耳の後ろの延長線上の角から幅1cm以下を左右1本ずつ。中央から出すと縦の線が切れます。
長時間の式では、ゴム1本で下地を作る型です。6時間崩れないかを前日に髪の長さ別に測る方法は、結婚式のヘアアレンジを6時間崩れないかで前日に測る記事にあります。式の服装のほうは、立場・年代・季節で迷いやすいので、結婚式の服装の全体の地図から、自分の立場の記事へ進んでください。
お葬式・法事は、低く、艶を抑え、留め具を見せない
お葬式・法事では、夜会巻きの縦の線はそのままに、高さを耳の上端まで下げ、艶を抑え、留め具を見せません。型はピンだけです。黒いUピンを3本縦に並べるか、2本を交差させます。後れ毛は出しません。耳の後ろの短い毛は、巻く前にピンで押さえます。
高さを下げるときは、巻きの上端を耳の上端の高さに置くと、横から見て目立たない形になります。低く作るときの高さと留め具を1本で決めるなら法事の髪型の記事、服装のほうはお葬式のコーデと喪服のマナーの記事と、法事の服装を冬の寒さ対策で決める記事が道案内です。
入学式・卒業式は、標準の高さで、座った姿勢を考える
保護者として出る入学式・卒業式は、座っている時間が長いのが特徴です。巻きの下端が背もたれに当たると、式の途中で下端が押されてゆるみます。上端を後頭部の最突出点に合わせる標準の高さで、下端を生え際に揃え、背もたれの上端より巻きの下端が上になるようにしてください。
卒業式は、束の下端を背もたれの上より上に置くかで式のあとが決まります。卒業式のヘアアレンジの記事が、その測り方を1本で書いています。服装のほうは、入学式の母親の服装の記事と、大学の入学式の母親の服装の記事が、年代別の道案内です。
着物は、衿との隙間で高さを決める
着物のときの夜会巻きは、衿の抜き方と巻きの下端の関係で決まります。襟足と衿の隙間を指で測り、指2本分空いているなら巻きの下端を生え際に合わせ、指1本以下なら下端を1cm上げます。衿に巻きの下端が触れると、着ているうちにゆるみます。
留め具は、コームの代わりにかんざしを使う型もあります。かんざしは巻きの中央を横に貫くので、ゴム1本で下地を作ってから差すと安定します。襟足と衿の隙間を指で測ってまとめる高さを決める手順は、着物の髪型を自分でやる記事が1本で済みます。耳の上だけで簡単に済ませたい日は、着物のヘアアレンジを耳の上だけで作る記事へ。結婚式に親族として着物で出るか洋服で出るかは、結婚式の伯母の服装を着物か洋服かで決める記事が判断の基準を書いています。
仕事は、耳の高さに揃えて、留め具を見せない
仕事で夜会巻きをするなら、上端を耳の上端から後頭部の最突出点の間に置き、艶を抑え、留め具を見せません。コーム1本の基本なら、飾りのないコームを選びます。ピンだけの型なら、黒か髪色に近いUピンです。後れ毛は出しません。
仕事の日は、朝の時間が短いことが多いので、手順を4動作に減らした基本の型で3分を目指してください。3分で形にならない日は、夜会巻きではなくひとつ結びを高さと毛先の長さで決める記事の型に替えるほうが、整って見えます。
合う服の首元|後ろの襟ぐりで決まる
夜会巻きはうなじを全部見せる型なので、服で効くのは前の襟ぐりではなく、後ろの襟ぐりです。
| 後ろの襟ぐり | うなじの生え際から襟の上端まで | 判定 | 合わせ方 |
|---|---|---|---|
| 横一直線に開いている(ボートネック・横開き) | 指2〜3本 | いちばん成立する | 巻きの下端を生え際に合わせる。縦の線が唯一の縦になる |
| 丸く開いている(クルーネック) | 指2〜3本 | 成立する | 標準の高さ |
| 深く開いている(背中開き) | 指4本以上 | 首が寂しく見える側 | 巻きの下端を生え際より2〜3cm下まで下げる。縦の余白を2つに割る |
| 詰まっている(ハイネック・タートル) | 指1本以下 | 巻く意味が消える側 | 襟を折り返してうなじを3cm出す。または別の型へ |
| 立っている(スタンドカラー・着物の衿) | 衿の抜き方で変わる | 衿との隙間で決める | 下端が衿に触れないように1cm上げる |
朝、服を決めてから髪を決めてください。順番を逆にすると、襟に合わなくてやり直しになります。背中が開いた服で首が寂しく見えるときは、後れ毛を足すより下端を下げたほうが効きます。背中開きの距離をどう測るかは結婚式で自分で作るときの背中開きの距離の記事が詳しいです。タートルネックの日の髪型は、髪型と顔の形をタートルネックのあごと襟で決める記事で、巻かない選択も含めて比べてください。
何時間もつか|前日に測っておく
もつ時間は、留め方と動きで決まります。
| 型 | 動きの少ない日 | 歩く・風のある日 | 座る時間が長い日 |
|---|---|---|---|
| コーム1本の基本 | 4〜5時間 | 2〜3時間 | 3〜4時間(背もたれで下端が押される) |
| ピンだけ | 3〜4時間 | 2時間前後 | 3時間前後 |
| ゴム1本で下地を作る型 | 7〜8時間 | 5〜6時間 | 6〜7時間 |
本番が6時間以上なら、前日に同じ服・同じ道具で一度作って、何時間目に下端が落ちてくるかを見てください。落ちた時間が本番の半分に満たないなら、下地のゴムを足すか、留め具を1本から2本へ増やします。これで倍近くまで延びます。
外気が乾いていて静電気が出る日は、表面の浮きが早く出ます。巻く前に表面だけ軽く湿らせ、乾いてから留めると、浮きが遅くなります。風の強い日の対策は、風の強い日の髪のアレンジの記事にまとまっています。
前日に一度だけ作るなら、見るのはこの3点
本番の前日に一度だけ練習する時間があるなら、見るところを3つに絞ってください。全部を確かめようとすると、どこが悪かったか分からないまま終わります。
| 見る点 | 測り方 | 合格の目安 | 外れたときに変えること |
|---|---|---|---|
| 到達点 | 束を立てて毛先が止まる位置 | 頭頂に届く | 届かなければ、ゴム1本で下地を作る型へ |
| 戻る秒数 | 束を1回ねじって手を離し、戻り始めるまで | 3秒以上 | 3秒未満なら、根元の逆毛とUピン交差へ |
| 落ちる時間 | 作ってから下端が生え際から浮くまで | 本番の半分以上 | 半分未満なら、留め具を上下2点へ |
3点とも合格なら、本番は同じ手順で同じ結果になります。1点だけ外れたなら、その1点に書いた変更だけを本番で足してください。2点以上外れたなら、型そのものをゴム1本で下地を作る型に替えるのが早いです。
練習のときに、本番と同じ後ろの襟ぐりの服を着ておくことも忘れないでください。襟が違うと、下端の位置が変わって、練習の結果が本番に効きません。
崩れたときの直し方|外出先で、全部やり直さない
外出先で崩れたとき、全部ほどいてやり直すのは最後の手です。症状別に、崩さずに直します。
表面が浮いた・膨らんだとき(2分)
膨らんだ場所のすぐ下、生え際側から目の細かいコームの先を差し込み、表面の一枚だけを上へなでて巻きの中へ押し込みます。手のひらで一度なでて終わりです。
下端が落ちてきたとき(3分)
コームを一度抜きます。巻きの下端を手のひらで生え際へ押し上げながら、コームを下から上へ差し直します。ゴム1本の下地がある型なら、これだけで戻ります。下地がない型で戻らなければ、下端の生え際側にUピン1本を縦に足します。
後れ毛が落ちてきたとき(1分)
落ちた毛を指で内側へねじり、巻きの下端の裏へ小さなピン1本で押さえます。中央には出さず、耳の後ろの延長線上に収めます。
上端の折り返しが出てきたとき(2分)
折り返した毛先が巻きの上から出てきたら、毛先を指でもう一度下へ折り、巻きと頭皮の間の溝へ押し込みます。ここが頻繫に出るなら、長さが余っている側なので、次からは折り返しを2回にしてください。
持ち歩くのは、Uピン2本と小さなコーム1本だけで足ります。
迷ったときの決め方|3つの質問
ここまで読んで、どの型にするか迷っているなら、3つの質問で決めてください。
- 束を立てて、毛先は頭頂に届くか? 届けばコーム1本の基本。耳の上端から頭頂の間なら、ゴム1本で下地を作る型。耳の上端より下なら、今日は低いねじりシニヨンです
- 何時間もたせたいか? 4時間以内ならコーム1本の基本。それ以上ならゴム1本で下地を作る型
- 留め具を見せていい場面か? 見せていいならコーム。見せない場面(お葬式・法事・仕事)ならピンだけ
3つ答えれば、型は1つに決まります。あとは高さと傾きを顔の形で、下端の位置を首の長さで調整するだけです。
夜会巻きと、近い型の違い
似た名前の型と迷う人のために、違いを置いておきます。
| 型 | 線 | 首の見え方 | 向く日 |
|---|---|---|---|
| 夜会巻き | 後頭部に縦の線1本 | 全部見える | 縦の線と首を見せたい日。式・着物 |
| シニヨン(お団子) | 後頭部に丸 | 位置で変わる | 丸みを足したい日。カジュアルから式まで |
| ギブソンタック | 襟足に横の筒 | 襟足の上まで見える | 低くまとめたい日。首を短く見せたくない日 |
| ひとつ結び | 線はない。毛先が下がる | 結ぶ高さで変わる | 時間がない日。仕事 |
夜会巻きができない長さの日は、縦の線を作れる低いねじりシニヨンが、いちばん近い替えです。シニヨンを簡単に作るやり方をピン1本で留まる巻き数で決める記事と、シニヨンヘアの丸の直径と横から見た奥行きの記事が、その先の道案内です。
この記事から進む先
夜会巻きの入口は、ここで終わりです。自分の髪で成立するかをもっと細かく判定したいなら成立判定の記事へ、場面が決まっているなら場面の記事へ、長さで困っているなら長さの記事へ進んでください。どの記事も、自分の数字を1つ測れば答えが出る形で書いてあります。
朝は、服を決めてから髪を決める。束を立てて到達点を見る。この2つを守るだけで、夜会巻きのやり直しは減ります。
よくある問い
- Q. 夜会巻きはミディアムでもできますか?
- 呼び名では決まりません。うなじの生え際のすぐ上で髪を全部ひとつに握り、頭の後ろの面に沿ってまっすぐ上へ立ててください。毛先が頭頂に届けば折り返した毛先を中に収められるので、コーム1本の基本で成立します。耳の上端から頭頂までの間で止まるなら、1回折りでぎりぎりの帯です。この帯の人はコームではなく、ゴム1本で下地を作る型にして、留め具を上下2点にすると昼過ぎまでもちます。耳の上端より下で止まるなら、今日は夜会巻きの形にはならないので、同じ縦の線を作れるねじりの低いシニヨンに替えてください。
- Q. 巻いたあと、表面がぼこぼこして膨らみます。どこを直せばいいですか?
- 膨らみの原因は、ねじる前の束の面が狭いことです。髪を握ったまま細い円柱のままねじると、表面の毛が束の外へ逃げて膨らみになります。直し方は、ねじる前に束を手のひらの幅まで平らに広げ、面を作ってから一方向にねじることです。すでに巻いてしまった日は、崩さずに直せます。膨らんだ場所のすぐ下、生え際側から目の細かいコームの先を差し込み、表面の一枚だけを上へなでて、巻きの中に押し込んでください。全部やり直すより2分で済み、形が変わりません。
- Q. 夜会巻きは何時間もちますか?
- 留め方で決まります。コーム1本だけの基本は、動きの少ない日で4〜5時間、歩き回る日や風のある日は2〜3時間が目安です。ゴム1本で下地を作ってからコームで留めた型は、同じ条件で7〜8時間もちます。式の日のように朝から夜まで保たせたいなら、前日に同じ服・同じ道具で一度作り、何時間目に下端が落ちてくるかを見てください。落ちた時間が本番の半分に満たないなら、下地のゴムを足すか、留め具を1本から2本へ増やします。
- Q. 丸顔ですが、夜会巻きは似合いますか?
- 顔の形で似合うかが決まるのではなく、巻きの上端を置く高さと傾きが変わるだけです。丸顔の人は、巻きの上端を後頭部のいちばん高い点より2〜3cm上に置き、傾きは垂直に近づけてください。縦の線が1本足され、顔の輪郭とのバランスが取れます。面長の人は逆に、上端を後頭部の最突出点に合わせて低めに置き、巻きを少し斜めに倒して横の要素を作ります。ベース型の人は、上端を耳の上端の高さに置き、サイドの髪を1cmだけ引き出して角の外側に柔らかい線を足すと、まとまりがよくなります。
— メグラシ編集部





