法事の服装 冬 女性|寒さ対策は外から見える所と見えない所で分ける

**冬の法事の寒さ対策は、外から見える所と見えない所に分けて考えてください。**見えない所は、何を重ねても構いません。見える所に足すものだけ、黒・無地・光らないの3つを守る。それだけで、法事の場で浮かずに、寒さはかなりしのげます。
冬の法事では、本堂の中が思った以上に冷えていたり、墓前で長く立っていたりして、喪服1枚では寒さがこたえる場面が多くあります。かといって、喪服の上から普段の防寒着を重ねると、場にそぐわないのではと迷う。その迷いの多くは、足したものが外から見えるかどうかで、答えが分かれます。
墓前で喪服の上にコートを着るかどうかは納骨式の服装 冬に、座敷で正座をする法事の装いは座敷で正座する法事の服装に詳しく書いてあります。この記事では、冬の法事の寒さ対策を、見える所と見えない所に分けて、何をどこまで足していいかだけを書きます。
結論:見えない所は自由に、見える所は3つを守って足す
先に結論を書いておきます。
喪服の下、外から見えない所に重ねるものは、色も素材も自由です。保温の肌着、腹巻き、背中や腰に貼る使い捨ての温めるシート、膝から下だけを覆う保温のもの。どれも外から見えなければ、法事の場で問題になることはありません。
外から見える所に足すものは、黒か黒に近い濃い色で、柄のない無地で、表面が光らないものを選んでください。コート、手袋、ストール、タイツ、靴。どれもこの3つを守っていれば、喪服と並んでも浮きません。
迷いやすいのは、見えない所と見える所の境目です。首元、袖口、裾。ここは立っているときには見えなくても、焼香やお辞儀でかがんだとき、座ったとき、手を伸ばしたときに、ちらりと見えることがあります。この境目をどう扱うかを、後の項で順に書いていきます。
寒い時間を、本堂・墓前・移動の3か所で数える
何をどこまで足すかを決める前に、その日の法事で、寒い場所に何分いるかを数えておきます。冬の法事で寒さを感じる場所は、だいたい3か所です。
一つめは本堂や会場の中です。お寺の本堂は天井が高く、床が板張りや畳で、暖房が入っていても足元が冷えやすい場所です。読経のあいだ、30分から1時間ほど座っていることが多いと思います。
二つめは墓前です。納骨や墓参りがある法事では、屋外で読経を聞いたり、お参りの順番を待ったりする時間があります。多くは15分から30分ほどですが、人数が多いと順番待ちが長くなります。
三つめは移動です。自宅から会場まで、会場から墓地まで、墓地から会食の場まで。車で移動するなら短いですが、駐車場から本堂まで、本堂から墓地まで歩く距離が長いお寺もあります。
案内状や施主からの連絡で、その日の流れを確かめて、それぞれの場所に何分いるかをざっと書き出してください。いちばん長い場所が、いちばん対策をしたい場所です。
たとえば本堂に1時間、墓前に20分、移動が合わせて15分なら、本堂の足元の冷えをいちばん気にする。本堂に30分、墓前に40分なら、墓前の寒さをいちばん気にする。この順番が分かると、何を優先して足すかが自然に決まります。
見える所と見えない所を、体の場所ごとに分ける
体の場所ごとに、外から見えるかどうかと、足していいものを整理しておきます。
| 体の場所 | 外から見えるか | 足していいもの | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 胴・背中・腰 | 見えない | 保温の肌着、腹巻き、温めるシート | 着ぶくれで喪服がきつくならないか |
| 首元 | かがむと見える | 首元の浅い肌着 | 襟ぐりから肌着の縁がのぞかないか |
| 腕・袖口 | 手を伸ばすと見える | 袖の短い肌着 | 焼香のときに袖口から見えないか |
| 脚 | 見える | 黒のタイツやストッキング | 厚みと透け方 |
| 膝から下の内側 | 裾の長さしだい | 膝下だけの保温のもの | 座ったときに裾から出ないか |
| 外側 | 見える | コート、手袋、ストール | 黒・無地・光らない |
この表で見てほしいのは、「見えない」と「見える」のあいだに、「動くと見える」場所があることです。首元、袖口、裾。立っているときは隠れていても、法事の場では動く場面が多いので、そのときにどう見えるかを先に確かめておく必要があります。
首元:前かがみになったときに、肌着がのぞかない深さ
首元は、冬の法事でいちばん気をつけたい境目です。
喪服のワンピースやアンサンブルは、首元の詰まった形が多いですが、それでも襟ぐりの形によっては、下に着た肌着の縁が見えることがあります。とくに、保温の肌着は首元までしっかり覆う形のものが多く、喪服の襟ぐりより上に出てしまうことがあります。
確かめ方を書いておきます。
肌着の上に喪服を着たら、鏡の前に立って、まず普通に立った姿勢で首元を見ます。ここで肌着の縁が見えていたら、肌着の形を変える必要があります。
次に、焼香のときのように、体を前に30度ほど傾けてみてください。そのまま鏡で首元を見ます。前かがみになると、喪服の襟ぐりが体から少し離れて、その隙間から中が見えやすくなります。ここで肌着の縁や色が見えていたら、法事の場でも、焼香やお辞儀のたびに見えています。
目安として、肌着の首元は、喪服の襟ぐりより指1本ぶん、およそ1.5cmほど下で終わっているのが安心です。それより浅いものを選ぶか、首元の開いた形の肌着を選んでください。
肌着の色は、黒か、肌に近い色を選びます。白い肌着は、万一首元や袖口からのぞいたときに、黒い喪服との差が大きく目立ちます。黒の肌着なら、少しのぞいても喪服の黒に紛れます。
袖口:焼香で手を伸ばしたときの見え方
袖口も、動くと見える場所です。
焼香のとき、香炉に手を伸ばすと、喪服の袖口が少し上がって、手首が出ます。そのとき、下に着た肌着の袖が見えることがあります。
確かめ方は首元と同じで、肌着の上に喪服を着て、腕を前に伸ばしてみることです。香をつまむように指先を動かしながら、手首のあたりを見てください。肌着の袖口が喪服の袖口より手前に出てきたら、法事の場でも見えています。
これを避けるには、肌着の袖を喪服の袖より短いものにします。七分袖か、肘までの袖の肌着なら、腕を伸ばしても袖口から出ることはありません。長袖の肌着しかないなら、袖を肘のあたりまでまくり上げてから喪服を着る方法もあります。
喪服自体の袖が短い、たとえば七分袖のワンピースの場合は、その上に長袖のジャケットやボレロを重ねていることが多いと思います。その場合は、ジャケットの袖口と、その下の肌着の袖口の関係を見てください。
脚:タイツの厚みと透け方で決める
脚は、外から見える場所です。冬の法事では、黒のタイツかストッキングを履くのが一般的です。迷うのは、その厚みです。
法事の装いでは、薄手の黒のストッキングが正式とされることが多くあります。一方で、冬の寒い日には、厚手の黒いタイツを履く人も少なくありません。どちらがいいかは、地域や家族の考え方によって分かれます。
自分で決めるときの目安を書いておきます。
脚に履いたとき、肌がうっすら透けて見える程度の厚みなら、どちらの考え方の場でも目立ちません。脚を光にかざしたとき、すねの肌の色がほんのり見えるくらいです。売り場の表示では、30デニール前後がこのあたりにあたります。
肌がまったく透けない厚手のタイツは、暖かさは十分ですが、薄手のストッキングが正式と考える家族の場では、少しくだけて見えることがあります。施主や年長の家族に一言聞いておけば確かですし、聞きにくい場合は、透ける程度の厚みにしておくほうが無難です。
それでは寒さが足りないとき、とくに墓前で長く立つ日は、薄手のストッキングの下に、膝から下だけを覆う保温のものを重ねる方法があります。喪服の裾が膝より下まであるなら、膝から下の上のほうは裾に隠れます。足首までの丈のものは見えてしまうので、ふくらはぎの途中で終わる丈のものを選んでください。
確かめ方は、喪服を着てから椅子に座ってみることです。座ると裾が上がるので、立っているときには隠れていた膝から下が見えることがあります。座ったときにも保温のものが裾から出ないかを見ておいてください。
胴・背中・腰:見えない所は、着ぶくれだけ気をつける
胴まわり、背中、腰は、喪服の下に隠れて外から見えない場所です。ここには何を重ねても構いません。
保温の肌着を重ねる、腹巻きをする、背中や腰に使い捨ての温めるシートを貼る。どれも法事の場で問題になることはありません。本堂で長く座っている日は、腰と背中を温めておくと、足元の冷えもいくらか和らぎます。
気をつけるのは、重ねすぎて喪服がきつくなることです。喪服は体に沿った形のものが多いので、中に厚手のものを重ねると、ファスナーが上がりにくくなったり、座ったときに背中が突っ張ったりします。
確かめ方は、重ねたいものをすべて着た上で喪服を着て、椅子に座ってみることです。座ったときに背中やお腹が苦しくないか、腕を前に伸ばしたときに肩や背中が引っ張られないか。本堂では正座をすることもあるので、床に座ってみるとより確かです。苦しいようなら、重ねるものを1枚減らすか、薄手のものに替えてください。
温めるシートを貼るときは、肌に直接ではなく、肌着の上から貼るようにします。長時間同じ場所に貼っていると熱く感じることがあるので、本堂に入る前、移動の間に貼っておくと、読経のあいだにちょうどよく温まります。
コート:色と素材、それから脱ぐ場所
コートは、外から見える場所に足すものの中で、いちばん面積が大きいものです。
色は、黒か、黒に近い濃い紺や濃い灰色を選びます。無地で、表面が光らない素材、たとえばウールなどが無難です。表面がつるつると光る素材や、明るい色、大きな柄のあるものは、法事の場では避けてください。
ただ、コートは建物に入る前に脱ぐのが基本です。本堂や会場の中では着ません。だから、コートが人目に触れるのは、主に建物の外、駐車場から本堂までの道や、墓前です。
墓前でコートを着たままにするかどうかは、迷うところです。読経やお参りのあいだだけ脱ぐのが丁寧とされていますが、寒さの厳しい日や、高齢の方は着たままでも失礼にはなりません。家族や施主の考え方に合わせるのがいちばんです。迷うなら、施主や年長の家族の様子を見て、それに合わせてください。
手持ちに黒のコートがない場合、濃い紺や濃い灰色でも構いません。ベージュや明るい灰色のコートしかない場合は、本堂の前で脱いで、墓前では着たままにしないようにします。墓前で寒さが厳しいなら、黒のストールを肩にかけるほうが、明るいコートを着ているより場に馴染みます。
手袋・ストール・マフラー:外す場所を決めておく
手袋、ストール、マフラーも、外から見えるものです。色は黒か黒に近い濃い色、無地で、光らない素材を選びます。
手袋は、焼香やお参りのときには外します。手を合わせる、数珠を持つ、香をつまむ。どれも手袋をしたままでは丁寧さに欠けます。墓前でも、お参りの順番が来たら外してください。それ以外の、順番を待っている間や移動の間は、着けていて構いません。
外した手袋をどこにしまうかも、先に決めておくと慌てません。コートのポケットか、バッグの外側のポケットなど、すぐ取り出せて、すぐしまえる場所にします。
ストールやマフラーは、建物に入る前に外すのが基本です。本堂の中では外します。ただし、本堂が非常に冷えている場合、膝の上にかけておくのは問題ありません。黒の無地のストールなら、膝掛けとして使っても場にそぐわないことはありません。
毛足の長い素材、たとえばふわふわとした起毛の素材は、殺生を連想させるとして法事の場で避ける考え方もあります。ストールやマフラーを選ぶときは、毛足の短い、表面が平らなものにしておくと迷いません。
足元:靴と、正座のときの冷え
足元は、冬の法事でいちばん冷える場所です。
靴は、黒で飾りのない、光らない素材のパンプスが基本です。冬でもこれは変わりません。ただ、雪の日や足元の悪い日には、移動の間だけ別の靴を履いて、会場に着いてから履き替える方法もあります。
本堂では靴を脱いで上がることが多いので、本堂の中で冷えるのは、タイツやストッキングだけの足先です。板張りの床は、思った以上に冷たく感じます。
ここでも、見える所と見えない所の考え方が使えます。足先は、正座をすれば体の下に隠れますが、立って歩くときや焼香に進むときには見えます。厚手の靴下をタイツの上に重ねるのは、見えるので避けてください。かわりに、タイツの下に薄手の保温の靴下を重ねるか、足の裏に貼る温めるシートを使う方法があります。どちらもタイツの下なので、外からは見えません。
正座の時間が長い法事では、足のしびれと冷えが重なります。正座の座り方や装いについては座敷で正座する法事の服装に詳しく書いてあります。
喪服の形で、中に重ねられる量が変わる
同じ喪服でも、形によって中に重ねられる量が違います。手持ちの喪服がどの形かで、見えない所の対策の仕方を変えてください。
ワンピース1枚の喪服
ワンピース1枚で着る喪服は、体に沿った形のものが多く、中に重ねられる量がいちばん少ない形です。厚手の保温の肌着を重ねると、背中や脇がきつくなりやすい。
この形の喪服なら、中には薄手の保温の肌着を1枚だけにして、残りは温めるシートや腹巻きなど、体の一部だけを温めるもので補います。上半身の寒さは、喪服の上に羽織る黒のカーディガンやジャケットで調えます。本堂の中で羽織るものは、黒の無地で、編み目の詰まった表面の平らなものを選んでください。
ワンピースとジャケットのアンサンブル
ワンピースの上にジャケットを重ねるアンサンブルは、冬の法事にいちばん向いた形です。ジャケットを着ていれば上半身はかなり暖かく、ワンピースの中に重ねたものも、ジャケットの下に隠れます。
この形なら、ワンピースの中に保温の肌着を着て、ジャケットとワンピースのあいだにはなにも足さないのが、着ぶくれしない組み方です。ジャケットの袖口から肌着が見えないかだけは確かめてください。ワンピースが半袖や七分袖でも、ジャケットの袖が手首まであれば、腕の寒さはジャケットが受けてくれます。
パンツの喪服
パンツの喪服は、脚の寒さにいちばん強い形です。パンツの下に保温のタイツや、ひざ下までの保温のものを重ねても、外からはまったく見えません。墓前で長く立つ日や、雪の日には、パンツの喪服がいちばん安心です。
気をつけるのは、パンツの裾から中に重ねたものがのぞかないかです。正座をしたり、椅子に座って脚を組まずにそろえたりすると、パンツの裾が上がって足首が出ます。そのとき、中に重ねたものの縁が見えないかを確かめておいてください。中に重ねるものの色を黒にしておけば、少しのぞいても目立ちません。
寒さが厳しい地域と、そうでない地域
冬の法事の寒さは、地域によっても大きく違います。雪の多い地域や、冬に気温が氷点下になる地域では、法事の場での防寒も、そうでない地域より広く受け入れられています。
寒さの厳しい地域の法事では、墓前でコートや手袋を着けたままにすることも、厚手の黒いタイツを履くことも、ごく普通のことです。むしろ、薄手のストッキング1枚で寒さをこらえていると、まわりの人が心配することもあります。その地域で暮らす家族や親族の装いに合わせるのがいちばんです。
逆に、冬でも比較的温暖な地域の法事では、本堂の中が思ったより暖かいことがあります。厚着をしすぎると、読経のあいだに汗をかいてしまいます。この場合は、見えない所に重ねるものを控えめにして、外す上着で調整するほうが向いています。
遠方の法事に出かけるときは、出発の前に、その地域の当日の気温を確かめておいてください。自分の住んでいる地域の感覚で準備すると、寒すぎたり暑すぎたりすることがあります。
立場で変わること:施主側か、参列する側か
同じ冬の法事でも、施主側か、参列する側かで、寒さ対策の考え方が少し変わります。
施主側は、参列する人を迎え、見送る役目があるので、建物の外に立つ時間が長くなりがちです。受付をする、駐車場で案内をする、墓前で先に立って準備をする。こうした役目があると、参列する側より寒い場所にいる時間が長くなります。
施主側の装いは、参列する側より格を合わせる、あるいは一段上げるのが基本です。だから、見える所に足すものは、より慎重に選んでください。コートは黒の無地で光らないもの、手袋も黒。そのかわり、見えない所は遠慮なく重ねてください。施主側の装いについては法事の服装 施主側 女性に詳しく書いてあります。
参列する側は、本堂の中で座っている時間が中心になります。足元と腰の冷えを優先して対策してください。
どちらとも取れる場合は、こう決める
ここまでは、寒さ対策の基本を書きました。実際の法事では、どうするか迷う場面がいくつもあります。よくある場面ごとに、決め方を書いておきます。
平服でと言われた冬の法事
案内状に「平服でお越しください」と書いてある場合、喪服でなくても構いません。黒や濃い紺、濃い灰色の、地味な色の服を選びます。
平服の場合、寒さ対策の自由度は少し上がります。ニットのワンピースや、ニットとスカートの組み合わせに、同じ系統の色のカーディガンを重ねて構いません。ただ、外から見える所は、喪服のときと同じく、無地で光らないものを選んでください。
厚手のニットは、編み目が大きくて凹凸のあるものより、目が詰まって表面が平らなもののほうが、法事の場に馴染みます。手持ちのニットの表面を指でなでてみて、凹凸を感じないものを選ぶといいでしょう。
自宅で行う法事
自宅に僧侶を招いて行う法事では、暖房の効いた室内で過ごす時間が長くなります。本堂より暖かいことが多いので、厚着をしすぎると、かえって汗をかくことがあります。
この場合は、見えない所に重ねるものを控えめにして、脱いだり着たりできる上着で調整します。喪服の上に黒のカーディガンを羽織っておき、暑くなったら脱ぐ。墓参りに出るときに、その上にコートを着る。重ねる枚数で調整するほうが、自宅の法事には向いています。
雪の日や、雪の予報がある日
雪の日は、移動と墓前の寒さが一段と厳しくなります。足元も滑りやすくなります。
移動の間は、黒の雪に強い靴を履いていき、会場に着いてから黒のパンプスに履き替える方法があります。替えのパンプスは、袋に入れて持っていきます。墓前では、雪の上に長く立つと足先が冷えるので、タイツの下の保温の靴下や、足の裏の温めるシートを使ってください。
雪の日は、墓参りを省略したり、時間を短くしたりすることもあります。施主からの連絡を確かめて、墓前にどのくらいいるかを見積もり直してください。
高齢の家族や、小さな子どもと一緒に参列する
高齢の家族と一緒に参列する場合は、自分の寒さ対策より、家族の寒さ対策を先に考えることになると思います。高齢の方は、墓前でコートを着たままでも、手袋をしたままでも、まわりから失礼と見られることはまずありません。本人が寒さを感じていないか、こまめに声をかけてください。
小さな子どもと一緒の場合は、子どもの服装も同じように、見える所は黒や紺などの地味な色、見えない所は自由に暖かく、と考えれば迷いません。
読経と会食のあいだに、外で待つ時間がある
法要が終わってから会食の場に移るまで、あるいは墓参りの順番が回ってくるまで、建物の外で待つ時間ができることがあります。15分ほどの待ち時間でも、冬の屋外では体が冷えます。
この時間は、コートや手袋、ストールを着けていて構いません。読経やお参りの最中ではないので、防寒を優先して問題ありません。気をつけるのは、お参りの順番が来たときに、すぐに手袋を外せるかどうかです。手袋は外しやすいものを選び、外したらすぐコートのポケットにしまう。この動きを一度家で試しておくと、当日に慌てません。
待つ時間が長くなりそうなときは、移動の車の中で待つことができないか、施主に聞いておくのも一つの方法です。高齢の家族がいる場合はなおさらです。
喪服の生地が薄く、冬には寒い
喪服を1着しか持っておらず、それが通年用の薄手の生地だという人は多いと思います。冬用の厚手の喪服を新しく用意するのは、着る回数を考えると負担が大きい。
この場合は、喪服そのものを替えずに、見えない所と羽織るもので補うのが現実的です。中には薄手の保温の肌着、腰と背中に温めるシート、脚には薄手のストッキングの下に膝下の保温のもの。上半身は、黒の無地のカーディガンかジャケットを羽織っておく。この組み合わせで、薄手の喪服でもかなり寒さはしのげます。
羽織るものを選ぶときは、喪服の黒と並べて、色の濃さが極端に違わないものを選んでください。喪服の黒は深く沈んだ黒が多いので、普段着の黒のカーディガンと並べると、カーディガンのほうが少し明るく見えることがあります。自然光の下で並べてみて、差が気になるようなら、本堂の中では脱いで膝にかけておく使い方にとどめるのが無難です。
法要が夕方まで続き、帰りが暗くなる
冬は日が短いので、午後から始まる法要や、会食まで含めて長くなる法事では、帰りの時間には外が暗く、気温もぐっと下がっています。行きの昼間の暖かさで準備をしていると、帰りに思った以上に冷えます。
この場合は、行きに着ていく見える所のもの、コートや手袋、ストールを、帰りの寒さに合わせて選んでおきます。昼間は少し暑いと感じても、コートは脱いで腕にかけておけば済みます。見えない所に重ねるものは、昼間の本堂に合わせて控えめにして、帰りの道では温めるシートを新しく1枚貼る。こうして行きと帰りで調整できるようにしておくと、一日を通して無理がありません。
駐車場や駅から自宅までの道が長いなら、バッグの中に黒の薄手のストールを1枚入れておくと、帰り道で首元の寒さを防げます。
寒がりで、どうしても足元が冷える
人より寒さを感じやすく、普段から冬は足元の冷えがつらいという人もいると思います。法事のあいだ、冷えをこらえていると、読経に気持ちを向けるのも難しくなります。
この場合は、見えない所の対策をいちばん厚くしてください。タイツやストッキングの下に薄手の保温のものを重ね、足の裏と腰に温めるシートを貼る。喪服の下に保温の肌着を着る。それでも足りないなら、パンツの喪服を選ぶのも一つの方法です。パンツなら、脚にどれだけ重ねても外からは見えません。
本堂の中では、膝の上に黒の無地のストールをかけておくことも、寒がりの人には大きな助けになります。施主や家族に一言伝えておけば、気にする人はまずいません。
地域や家族の考え方が分からない
嫁ぎ先や、初めて参列する親族の法事など、その家の考え方が分からない場合があります。
この場合は、見える所はいちばん控えめな選択をしておきます。脚は肌がうっすら透ける程度の厚みのタイツかストッキング、コートは黒の無地、手袋は黒で、焼香やお参りのときには必ず外す。そのかわり、見えない所はしっかり温めておく。こうしておけば、どの家の考え方の場でも、浮くことはほとんどありません。
会食の席でも、見える所と見えない所は同じ
法事のあとに会食がある場合、会食の席でも寒さ対策の考え方は同じです。
会食の場は、料理屋の座敷や、ホテルの宴会場が多いと思います。暖房が効いていることが多いので、本堂より暖かく感じるはずです。ここで厚着をしすぎていると、汗をかいてしまうことがあります。
会食の前に、見えない所に重ねたもので暑すぎるものがあれば、化粧室で1枚外しておくと楽です。温めるシートも、会食の場では外してしまって構いません。
会食の席は座敷のことも多いので、座ったときに裾から膝下の保温のものが見えないか、もう一度確かめておいてください。
前の晩に確かめる順番
最後に、冬の法事の前の晩に確かめておきたいことを、順番に並べておきます。
1つめに、案内状や施主からの連絡で、その日の流れを確かめて、本堂・墓前・移動のそれぞれに何分いるかを書き出す。
2つめに、いちばん長い場所に合わせて、見えない所に何を重ねるかを決める。
3つめに、重ねたいものをすべて着た上で喪服を着て、鏡の前で、立った姿勢と前かがみの姿勢で首元を見る。腕を前に伸ばして袖口を見る。椅子に座って裾を見る。
4つめに、外から見える所に足すもの、コート・手袋・ストール・タイツ・靴が、黒・無地・光らないの3つを守っているかを見る。
5つめに、手袋やストールを外したときにしまう場所を決めておく。
この順番で前の晩に確かめておけば、当日の朝に服の前で迷うことはありません。冬の法事は、寒さをこらえることではなく、見えない所でしっかり温めて、見える所を整えることで、故人を偲ぶ時間に気持ちを向けることができます。
よくある問い
- Q. 冬の法事で、喪服の下に保温の肌着を着てもいいですか
- 外から見えなければ問題ありません。気をつけるのは首元と袖口です。喪服の襟ぐりや袖口から肌着の縁がのぞくと、そこだけ色や素材が違って目立ちます。首元の浅い肌着や、袖の短い肌着を選び、着たあとで前かがみになって、首元から肌着が見えないかを鏡で確かめてください。焼香やお辞儀で前かがみになる場面が多いので、立っているときだけでなく、かがんだときの見え方を見ておくことが大事です。
- Q. 法事で厚手の黒いタイツを履いてもいいですか
- 冬の法事では、厚手の黒いタイツを履く人は少なくありません。ただ、地域や家族の考え方によっては、薄手のストッキングが正式だとする場合もあります。迷うなら、施主や年長の家族に一言聞いておくのが確かです。聞きにくいときは、肌がうっすら透ける程度の厚みを選ぶと、どちらの考え方の場でも目立ちません。墓前で長く立つ予定があるなら、薄手のストッキングの下に、膝から下だけを覆う保温のものを重ねる方法もあります。
- Q. コートは何色を選べばいいですか
- 黒か、黒に近い濃い紺や濃い灰色の、無地のものが無難です。素材は、表面が光らないウールなどを選んでください。ただし、コートは建物に入る前に脱ぐのが基本なので、本堂の中では着ません。気をつけるのは、墓前で着たままにするかどうかです。墓前では、読経やお参りのあいだだけ脱ぐのが丁寧ですが、高齢の方や寒さの厳しい日は、着たままでも失礼にはなりません。家族の考えに合わせてください。
- Q. 平服でと言われた冬の法事では、どこまで暖かくしていいですか
- 平服の指定があるときは、喪服より少し自由度が上がります。黒や濃い紺、濃い灰色のニットやワンピースに、同じ系統の色のカーディガンやジャケットを重ねて構いません。ただ、外から見える所は、喪服のときと同じく無地で光らないものを選んでください。厚手のニットは、編み目が大きくて凹凸があるものより、目が詰まって表面が平らなもののほうが、法事の場に馴染みます。
— メグラシ編集部





