一周忌の服装、女性はパンツでいい?|秋冬の法要で見る丈と生地

**あなたは施主側ですか、参列する側ですか。案内には「喪服で」とありましたか、「平服で」とありましたか。**この2つが分かれば、一周忌にパンツで出てよいかが決まります。
一周忌に女性がパンツで出ることは、それだけで失礼にはなりません。法要用の黒のパンツスーツはいまでは広く出回っていて、秋冬の寒い本堂で正座することを考えれば、パンツのほうが落ち着いて過ごせる人も多いはずです。
迷いが残るのは、施主側に立つ日と、年配の親族が多い席の2つです。この記事では、可否を先に決め、そのうえで丈・生地・足元を測れる形で書きます。一周忌の服装全体は一周忌の服装ガイドに、家族だけの法事の下げ方は法事の服装 家族のみにまとめてあります。
結論:参列する側ならパンツで出てよい。迷うのは2つの場合だけ
| 自分の立場 | 案内が「喪服で」 | 案内が「平服で」・特に指定なし |
|---|---|---|
| 参列する側(親族・知人) | 黒のパンツスーツなら可 | 可 |
| 施主側(遺族) | ワンピースかスカートが無難 | 黒のパンツスーツなら可 |
| 年配の親族が多い席 | 事前にひと言確かめる | 可 |
表の「無難」「確かめる」に当たらなければ、あとは丈と生地の2つで決まります。
パンツで出るのが向いている日
パンツは、次の条件がある日に向いています。
- 寺の本堂で、座布団に正座する時間がある
- 墓前での納骨や読経があり、屋外に立つ時間が長い
- 小さな子どもを連れていて、抱き上げたりしゃがんだりする
- 秋冬の冷える日で、足元から寒さが上がってくる
**どれも、動くか冷えるかのどちらかです。**スカートより裾がずれにくく、足首まで布があるぶん、立ち座りと寒さの両方に強くなります。
丈は、正座したときにくるぶしを覆う長さ
法要のパンツで最も見られるのは、正座したときの裾です。立っているときにちょうどよくても、座ると裾が上がって、すねが見えることがあります。
**家で一度、床に正座してみてください。**そのとき裾がくるぶしを覆っていれば、丈は足りています。立った状態に戻ると、裾が靴の甲に軽く触れるくらいになるはずです。
くるぶしが見える短い丈は、正座で5cmほど上がります。反対に、床に着くほど長いと、焼香で立ち上がるときに裾を踏みやすくなります。
幅は、正座でひざに指2本の余裕
細身のパンツは、正座するとひざの上で布が張り、横じわが入ります。長く座っているうちに、足もしびれやすくなります。
正座した状態で、ひざの上の布を指でつまんでください。**指2本でつまめる余裕があれば、幅は足りています。**つまめないほど張っているときは、ストレッチの強い細身の形で、法要よりふだん向きです。
裾に向かってまっすぐ落ちる形か、少しゆとりのあるワイドに近い形が、正座にも立ち座りにも向きます。
生地は、光を返さない黒
法要の黒は、光を返さないことが基本です。見分け方は、窓の近くでパンツを斜めに傾けることです。
光が線になって流れれば艶のある生地、何も出なければ法要に向く黒です。艶のある黒は、ふだんのパンツとしては上品でも、法要の席では浮いて見えます。
もう1つ、黒の深さも見てください。黒のジャケットと並べたとき、パンツだけが灰色や茶色に寄って見えるなら、上下の黒がそろっていません。喪服の黒の深さについては喪服が似合わない対策にも書いてあります。
センタープレスの折り目は、細く1本まで
パンツの前にまっすぐ入った折り目は、きちんとした印象を作ります。法要でも、細い折り目が1本入っている程度なら問題ありません。
気をつけるのは、折り目がくっきり立って光を1本返す生地です。遠目には艶の線に見えます。光に向けて、折り目だけが白く光るなら、別のパンツにしてください。
裾の折り返し(ダブル)は、カジュアルに寄って見えるので、法要ではないほうが落ち着きます。
上は、腰が隠れる丈のジャケットを合わせる
パンツの日の上着は、腰が隠れる丈のジャケットにしてください。短い丈のジャケットだと、正座や焼香で前かがみになったときに、パンツのウエストとの境目が見えます。
**ジャケットとパンツの上下を同じ生地でそろえると、パンツスーツとして一続きに見えます。**上下が別々の黒なら、先ほどの光の見分け方で、両方とも光を返さないことを確かめてください。
中に着るのは、黒か白の、首元の詰まったブラウスかカットソーです。襟ぐりが深いものや、レースで透けるものは避けます。
秋冬の足元|パンツの日は黒の薄手のタイツで構わない
パンツの日は、裾が足首まで覆うので、足元はほとんど見えません。正座したときに見えるのも、足首のあたりだけです。
**黒の薄手のタイツか、黒のストッキングで構いません。**厚手で光を返さない黒のタイツは、裾から見えたときにカジュアルに寄って見えるので避けてください。タイツの厚みの目安はタイツのデニールの目安にまとめてあります。
靴は、黒の飾りのないパンプスです。墓前に歩く日は、ヒールが3cmほどの低いものにしておくと、砂利でも足がとられません。
秋冬のコートは、会場の入口で脱ぐ
秋冬の一周忌は、コートを着て出かけることになります。コートは黒・濃紺・濃いグレーの、飾りの少ないものにしてください。
**本堂や会場の入口で脱ぎ、手に持つか預けます。**焼香のときにコートを着たままでいることは避けます。墓前での読経は、屋外なのでコートを着たままで構いませんが、読経が始まる前に脱ぐ人もいます。周りの親族に合わせてください。
毛皮や革、動物の毛が目立つ素材は、殺生を思わせるため、法要では避けるのが一般的です。
施主側に立つ日は、どう決めるか
施主側、つまり故人の家族として参列者を迎える立場では、参列する側より一段きちんとした装いが求められます。
案内が「喪服で」なら、ワンピースかスカートのブラックフォーマルのほうが迷いが残りません。ただ、**施主側でも、正座や子どもの世話で動くことが多いなら、黒のパンツスーツは選択肢に入ります。**家族のなかで、誰がどの装いにするかを事前に話しておくと、当日に一人だけ浮くことがありません。
どちらとも取れるとき①|年配の親族が多い席
親族の中に、パンツでの法要に馴染みのない年配の人が多いときは、事前にひと言確かめてください。聞く相手は、施主か、施主に近い親族です。
「寒い本堂で正座があるので、パンツスーツで伺おうと思っています」と、理由をつけて伝えると、ほとんどの場合は問題なく受け止められます。確かめる時間がないときは、ワンピースかスカートにして、防寒をタイツと上着で補ってください。
どちらとも取れるとき②|手持ちがふだんの黒のパンツしかない
法要用のパンツを持っていないときは、ふだんの黒のパンツで出られるかを、次の3つで確かめてください。
- 窓の光に斜めに向けて、光の線が出ない
- 正座したとき、裾がくるぶしを覆う
- デニム・コーデュロイ・ツイードのように、畝や綾目が見えない
**3つがそろえば、黒のジャケットを合わせて出られます。**そろわないときは、パンツを借りるか、手持ちの喪服のワンピースに防寒を足す方向で考えてください。喪服が入らなくなったときの考え方は喪服が入らない場合にまとめてあります。
どちらとも取れるとき③|一周忌のあとに会食がある
法要のあとに料理店での会食がある日は、座敷か椅子席かで考えます。**座敷なら、パンツのほうが正座の時間が長くても楽です。**椅子席なら、スカートでもパンツでも差はありません。
会食の席ではジャケットを脱ぐことがあるので、中に着るブラウスも、首元が詰まって透けないものにしておいてください。三回忌以降に下げていく考え方は三回忌の服装は喪服のままでいいかと七回忌の服装に書いてあります。
前日に、家で一度正座して確かめる
当日になって丈や幅が合わないと気づいても、直す時間はありません。前日の夜に、当日と同じ組み合わせを一度着て、次の順に確かめてください。
- 立った状態で、裾が靴の甲に軽く触れているか。靴を履いて玄関で見る
- 床に正座して、裾がくるぶしを覆っているか。ひざの上の布を指2本でつまめるか
- 正座のまま上半身を前に傾け、焼香の姿勢をとる。ジャケットの裾から、ウエストやインナーが見えないか
- 立ち上がるときに、裾を踏まないか。手をつかずに立てるか
- 窓か照明の下で、上下の黒の深さがそろっているか
**5つとも通れば、当日は着るだけです。**どれか1つでも引っかかったら、その場所だけを替えてください。丈が足りないならスカートに、ジャケットが短いなら丈の長いものに、上下の黒がずれるなら上下そろいのものに、と1か所ずつ替えれば足ります。
寒い本堂では、ジャケットの下に薄手の黒のカーディガンやインナーを重ねることもできます。前日の確かめのときに重ねて着て、腕を前に伸ばしたときに袖口から中の布がのぞかないかも見ておいてください。のぞく場合は、袖の短いインナーに替えます。
小物と髪は、パンツでもスカートでも同じ
パンツにしたからといって、小物の決まりは変わりません。
- バッグは黒の布か、光らない革の小ぶりなもの
- アクセサリーは真珠の一連か、つけない
- 数珠は自分の宗派のもの、なければ略式のもの
髪は、耳より低い位置でまとめ、光る留め具は避けます。まとめる高さの目安は法事の髪型にあります。
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よくある問い
- Q. 一周忌に女性がパンツスーツで行くのは失礼ですか
- 失礼にはなりません。いまは法要用の黒のパンツスーツも広く出回っていて、参列する側がパンツで出る場面は珍しくなくなりました。気をつけるのは、施主側に立つ日と、年配の親族が多い席です。この2つに当てはまるときは、ワンピースかスカートのほうが迷いが残りません。当てはまらないなら、丈と生地の2つがそろった黒のパンツで出て構いません。
- Q. パンツの丈はどのくらいがいいですか
- 寺の本堂で正座したとき、裾がくるぶしを覆う長さを目安にしてください。立った状態なら、裾が靴の甲に軽く触れるくらいです。くるぶしが見える短い丈は、正座すると裾が上がってすねが見えます。床に着くほど長いと、焼香で立ち座りするときに裾を踏みやすくなります。
- Q. 秋冬の一周忌は、タイツを履いていいですか
- パンツの日は、裾から足首がほとんど見えないので、黒の薄手のタイツで構いません。正座したときに裾がずれて見えるのは足首のあたりだけです。スカートの日は、黒のストッキングが基本ですが、寒い地域や屋外の墓前に長くいる日は、透け感の残る薄手のタイツを選ぶ人も増えています。厚手で光を返さない黒は、カジュアルに寄って見えやすいので避けます。
- Q. 手持ちがふだんの黒のパンツしかありません
- 生地と丈の2つを確かめてください。窓の光に斜めに向けて光の線が出ないこと、正座したときにくるぶしが隠れること。この2つがそろえば、ふだんの黒でも上に黒のジャケットを合わせて出られます。デニムやコーデュロイのように畝や綾目が見える生地、ストレッチの強い細身のパンツは、法要では外してください。
— メグラシ編集部





