タイツのデニール数の目安|透け方を自分で確かめて、気温と屋外時間で決める

**迷ったら60です。**ただしこれは、屋外にいる時間が続けて30分以内で、スカートが膝丈のときの答えです。この3つのうちどれかが動けば、答えも動きます。
デニールは、名前ではなく数字で選べる数少ない用品です。名前で選ぶものは人の感覚に頼るしかありませんが、数字で選べるものは自分で測って確かめられます。
必要なのは、印刷された文字が載った紙が1枚と、明るい窓辺だけ。**手持ちのタイツを腕に通して、下の文字が読めるかどうかを見ます。**それだけで、タグを捨ててしまった1枚が何デニール相当なのかが、6分で分かります。
この記事は、その手順から始めます。次に数字が何を隠すのかを段階で並べ、刻みが実際に飛ぶ場所を示し、気温と屋外にいる時間から必要な数字を出します。後半では、スカート丈による差、ストッキングとの境目、サイズ表記で透け方が変わる理由まで扱います。
手持ちの1枚が何デニールか確かめる|3つ測る6分の手順
先に測ってしまいましょう。数字の話は、手元に基準の1枚ができてからのほうが早く入ります。
| 用意するもの | 目安 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 印刷された紙 | 新聞、雑誌、レシートなど。文字の大きさが違うものを1枚ずつ | 透け方は「何が読めるか」で段階が付けられる |
| 明るい窓辺 | 直射日光でない、昼間の窓の近く | 蛍光灯の下だと生地の影が濃く出て、実際より厚く見える |
| 自分の腕 | 前腕(ひじから手首まで) | 脚に履くより出し入れが速く、片手で操作できる |
| 時間 | 6分 | 測定3つで4分、判定に2分 |
**紙を机に置き、その上にタイツを一重でかぶせます。**脚に履いて確かめると、必ず二重になっている部分(腰から太もも)と一重の部分が混ざるので、比較になりません。
測るのは3つ
| # | 測るもの | どう測るか | 記号 |
|---|---|---|---|
| 1 | 一重で読める文字の大きさ | 紙の上にかぶせ、真上から30cm離れて読む | 読める段 |
| 2 | 手の甲の色がどこまで残るか | 前腕に通して、手の甲まで引き上げる | 血色の残り |
| 3 | 拳を入れて伸ばしたときの目の開き | 生地の中で拳を握り、白っぽく上がる度合いを見る | 伸ばした開き |
**1が起点です。**新聞の本文(およそ9ポイント)が読めるか、見出し(20ポイント以上)だけが読めるか、見出しも読めないか。この3段が、そのまま数字の帯に対応します。
判定の基準は1つだけ
一重で新聞の本文が読めるなら、40デニールより薄い。読めないなら、40以上。
40がいちばん大きな分かれ目です。ここを境に、生地は「肌の上に乗った膜」から「脚を覆う布」に性格が変わります。読めるか読めないかの二択なので、迷いようがありません。
境目に感じたときは、紙を白い紙に替えてもう一度見てください。新聞紙は地が灰色なので、境目付近では判定が甘くなります。白い紙に黒い文字を印刷したものが最も正確です。
判定表:測った結果から相当する数字を出す
3つの結果を、この表で突き合わせます。
| 読める段 | 血色の残り | 伸ばした開き | 相当する数字 |
|---|---|---|---|
| 本文が楽に読める | 甲の血色がそのまま見える | 大きく開き、肌の色が上がる | 20〜30デニール |
| 本文がなんとか読める | 血色が薄く残る | 開くが、色は白く濁る | 30〜40デニール |
| 見出しだけ読める | 甲の形は分かるが色は分からない | わずかに開く | 50〜60デニール |
| 見出しの太い部分だけ影で分かる | 甲の形が分からない | ほとんど開かない | 80デニール |
| 何も読めない | 光を当てても変化しない | 開かない。布として動く | 110デニール以上 |
3つの結果がずれた場合は、**1(読める段)を優先してください。**2と3は編み方や加工の影響を受けやすく、同じ数字でも上下します。1がいちばん数字と対応しています。
迷ったときの分岐
| 迷っている状態 | こう分ける |
|---|---|
| 表の2つの行にまたがった | 薄いほうの行を採用する。実際に履くと生地は伸びて、必ず表示より薄く見える |
| 爪先の色が濃くて判断できない | 爪先とかかとは補強で二重になっている。ふくらはぎに当たる部分で測る |
| 起毛や裏地のあるものだった | この表では判定できない。裏地のあるものは数字と見え方が対応しない |
| 柄やリブが入っている | 柄のない部分で測る。柄は数字の話ではなく編みの話 |
手元に基準が1枚できたら、あとはそれと比べるだけになります。ここからは、数字そのものが何を意味しているのかに進みます。
デニールという数字が指しているもの
**デニールは、糸を9,000メートル引き出したときの重さがグラムでいくつか、という数字です。**30デニールなら、9,000メートルで30グラム。数字が大きいほど、糸が太いことになります。
ここで押さえておくと後がすっきりするのは、この数字が指しているのは糸1本の太さで、生地の厚みではないという点です。太い糸で編めば結果として生地も厚くなるので、実務では厚みの目安として通用していますが、あいだに「どれだけ詰めて編むか」という別の要素がはさまっています。
だから、同じ80デニールでも店によって厚みが違う、ということが起きます。数字は目安であって、寸法ではありません。ここまでを頭に置いたうえで、数字と見え方の対応に進みます。
数字が上がると、何が見えなくなるか
「透ける・透けない」の二択で考えると、30と60の差も60と110の差も同じ大きさに見えてしまいます。実際には、消えていくものに順番があります。
| 相当する数字 | 一重の部分で見えなくなるもの | まだ見えるもの |
|---|---|---|
| 20 | 産毛、毛穴の凹凸 | 肌の色、血色、ほくろ、骨の陰影 |
| 30 | 上に加えて、細かい傷あと | 肌の色、ほくろ、骨の陰影 |
| 40 | 上に加えて、ほくろなど色の点 | 肌の色味、骨の陰影 |
| 60 | 上に加えて、肌の色味そのもの | 骨の陰影、膝の輪郭 |
| 80 | 上に加えて、骨の陰影 | 膝の輪郭がわずかに |
| 110以上 | 上に加えて、膝の輪郭 | ほぼ何も透けない |
自分が何を見えなくしたいのかを決めると、必要な数字が1つに絞れます。「透けないように」と漠然と考えると数字は上がり続けますが、「肌の色味が分からなければいい」なら60で足ります。
⚠️ 二重になっている部分(腰から太ももの一部、爪先、かかと)は、どの数字でもこの表より1〜2段濃く出ます。丈の短いボトムスと合わせる日は、二重の境目が裾の下に来ていないかを鏡で確かめてください。境目は横向きの線として出ます。
刻みが飛ぶのは3か所だけ
数字は20・30・40・50・60・80・110・160と並んでいますが、見え方が段として変わるのは、このうち3か所だけです。
| またぐ場所 | 何が変わるか | 隣に並べずに分かるか |
|---|---|---|
| 20 → 30 | ほとんど変わらない。産毛の見え方だけ | 並べないと分からない |
| 30 → 40 | 肌の色の点が消える。膜から布に変わる | 分かる |
| 40 → 60 | 色味が薄まって消える。ここは連続的 | ぎりぎり分かる |
| 60 → 80 | 生地そのものの質感が表に出る | はっきり分かる |
| 80 → 110 | 膝の輪郭が消える | ぎりぎり分かる |
| 110 → 160 | 布としての厚みが出て、脚の形が丸くなる | はっきり分かる |
数字を1段上げるか迷ったときの決め方は、これで単純になります。その1段が太字の3か所をまたぐなら上げる意味があり、またがないなら、上げても手持ちと見分けがつきません。引き出しに揃えるときも同じで、20と30を両方持つより、30と60と110を1枚ずつ持つほうが選べる幅が広がります。
気温と屋外にいる時間を掛け合わせて決める
気温だけでは決まりません。同じ8度でも、駅まで5分歩く日と、屋外に1時間立つ日では必要な数字が変わります。最低気温と、屋外に続けている時間の2つを掛け合わせます。
| 最低気温 | 屋外10分以内 | 屋外30分ほど | 屋外1時間以上 |
|---|---|---|---|
| 18度以上 | 20〜30 | 20〜30 | 30 |
| 15〜17度 | 30 | 30〜40 | 40 |
| 12〜14度 | 30〜40 | 40〜50 | 60 |
| 9〜11度 | 40〜60 | 60 | 80 |
| 6〜8度 | 60 | 80 | 110 |
| 5度以下 | 80 | 110 | 110+膝下の重ね |
**縦に1行動くより、横に1列動くほうが必要量は大きく動きます。**気温を見て決めた数字が合わなかった経験があるなら、たいていは屋外時間の見積もりがずれています。
**建物の中で過ごす時間の長さは、この表に入っていません。**屋外1時間以上の列を使うのは、その1時間のあいだ脱げないときだけにして、室内が長い日は左の列を選び、足りない分は脱げるもので足すほうが一日を通して収まります。
スカート丈で、必要な数字が変わる
同じ数字でも、**外気に触れている面積が違えば体感が変わります。**そして見え方も、裾から下に見えている長さで変わります。
| スカート丈 | 外に出ている脚の長さ | 数字の補正 | 見え方で注意する点 |
|---|---|---|---|
| 膝上 | 長い | 表より1段上げる | 太ももの二重部分が裾の近くに来る |
| 膝丈 | 標準 | 表のまま | 膝の輪郭が最も出る丈 |
| ミモレ(ふくらはぎの中ほど) | 短い | 表のまま、または1段下げる | 見えるのがふくらはぎだけなので質感が目立ちにくい |
| くるぶし丈 | ごく短い | 1段下げてよい | 足首だけが見える。数字より靴との色の関係が効く |
| パンツ | ほぼ見えない | 数字は自由 | 座ったときに裾が上がる位置だけ確かめる |
**膝丈がいちばん判断の難しい丈です。**膝の輪郭は、座ったときと立ったときで見え方が変わります。座る時間が長い日は、立った状態で選んだ数字より1段上げるか、膝の位置で生地が伸びにくいものを選ぶと落ち着きます。
どこからがタイツで、どこまでがストッキングか
売り場では別の棚に置かれていますが、作りは同じものです。腰から足先までひと続きで、足先を覆っています。
呼び分けているのは厚みだけです。日本ではおおよそ30デニールを境に、それより薄いものをストッキング、厚いものをタイツと呼ぶことが多い傾向にあります。ただし決まりではなく、30デニールの1枚を両方の名前で売っていることも珍しくありません。
だから「ストッキングとタイツ、どちらを買えばいいか」という問いは、実際には「何デニールを買えばいいか」と同じ問いです。名前ではなく数字を見てください。
なお、レギンスだけは作りが違います。足首かくるぶしで終わって足先が出るので、靴下と重ねて履けます。丈の名前の全体像は靴下の丈を自分の脚で確かめる手順にまとめています。
同じ数字でも、見え方が違うことがある
ここまで数字で押してきましたが、限界もはっきりしています。**同じ60デニールでも、濃く見える1枚と浅く見える1枚があります。**デニールが糸の太さの数字であって、編みの詰まり方を含んでいないからです。
数字で決まるのは透け方の段まで、と考えてください。同じ段の中でどれを選ぶかは数字の外側の話になるので、この記事では扱いません。
サイズ表記で、透け方が変わる
見落とされやすいところです。同じ数字でも、体に対して小さいサイズを履くと透けます。
生地が引き伸ばされれば、編み目のあいだが開きます。開けば下の肌が見えます。デニールは糸の太さの数字なので、伸びた状態の見え方までは保証していません。
身長とヒップの表の範囲の中ほどに入っていれば、生地はほぼ設計どおりに乗り、表示の数字どおりに見えます。範囲の上限ぎりぎりだと縦にも横にも伸びて1段薄く見え、範囲を超えていると膝と太ももだけが2段薄くなります。逆に下限側だと生地が余り、足首にたわみが横線として出ます。
**身長とヒップの両方が範囲に入るサイズを選んでください。**片方だけで選ぶと、もう片方の方向に無理がかかります。範囲の境目に来た場合は、大きいほうを選ぶと透け方が安定します。
伸びやすい場所は、膝、太ももの前面、ふくらはぎの張っている位置の3つです。膝だけが薄く見えるなら、数字ではなくサイズを疑ってください。
重ねると、数字は足し算にならない
**30を2枚で60にはなりません。**透け方だけが60に近づき、厚みは2枚ぶんそのまま残ります。
重ねたときに起きることを整理します。
| 重ね方 | 透け方 | 厚み | 起きやすい問題 |
|---|---|---|---|
| 薄いタイツ2枚 | 濃くなる | 2枚ぶん | 履き口が二重で当たる。靴がきつくなる |
| 薄いタイツ+膝下の靴下 | 見える範囲だけ濃くなる | 膝下だけ2枚ぶん | 履き口の位置に横線が出る |
| 厚いタイツ1枚 | 表示どおり | 1枚ぶん | なし |
見える範囲だけに厚みを足すのが、いちばん破綻の少ない重ね方です。ミモレ丈やくるぶし丈のボトムスなら、外から見えるのはふくらはぎから下だけなので、そこに集中させれば足ります。ただし重ねた口の位置には横線が出るので、ふくらはぎのいちばん張っている位置から3cm以上ずらしてください。
洗うたびに、数字は下がっていく
新品と、20回洗ったものは、同じ表示でも同じには見えません。編み目が広がり、伸縮する糸が疲れて、**1段薄い側にずれていきます。**編み目の広がりは洗濯15回あたりから、ずり落ちは20回あたりから出はじめ、表面の毛羽立ちは乾燥機を使った回数に比例します。
**洗濯ネットに入れて弱い水流で、裏返して、陰干し。**乾燥機の熱は伸縮する糸をいちばん早く傷めるので、ここだけは避けたほうが長く保ちます。
「去年と同じものを買ったのに薄い気がする」と感じるとき、変わっているのは新品のほうではなく、比べている手持ちのほうであることが多いところです。同じ数字と色を決めて補充していくと、この見誤りが起きなくなります。
迷ったときの決め方
ひとつ、その日のボトムスの裾がどこに来るかを思い浮かべます。見えている長さが、必要な数字を決めます。
ふたつ、屋外に続けている時間を数えます。10分か、30分か、1時間以上か。気温より先にこちらを見てください。
みっつ、最低気温を確かめて、表の交点を読みます。室内が長い日は、そこから1段下げて、下げた分を脱げるもので足します。
数字は覚えられたら便利という程度のものです。大事なのは、**手元の1枚が何を隠せて何を隠せないかを知っていること。**分からなくなったら、紙を1枚出して、腕に通して、文字が読めるかどうかを見てください。6分で戻ってこられます。
寒さ全体の組み立て方は寒さ対策のコーデに分けてあります。
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よくある問い
- Q. デニールとは何を表す数字ですか
- 糸の太さの単位です。その糸を9,000メートル引き出したときの重さが何グラムかを表していて、30デニールなら9,000メートルで30グラムということになります。つまり数字が指しているのは糸1本の太さで、生地の厚みそのものではありません。太い糸で編めば結果として生地も厚くなるので、実際の使われ方としては厚みの目安になっていますが、厳密には別のものです。同じ数字でも編み方が違えば見え方が変わるのは、この差から来ています。
- Q. 何デニールから透けなくなりますか
- 一重の部分で下の肌の色が分からなくなるのは60デニールあたりからです。ただし透けなくなる境目は一段階ではなく、消えていくものの順番があります。まず毛穴や産毛のような細かいものが20から30で見えなくなり、ほくろや傷あとのような色の点が40から50で薄まり、肌そのものの色味が60前後で分からなくなり、骨の陰影や膝の輪郭が80で消えます。自分が何を見えなくしたいかで、必要な数字が変わります。
- Q. 20デニールと30デニールでは、そんなに違いますか
- この2つのあいだの差は小さいほうです。数字の刻みは等間隔に見えて、実際に見え方が段として変わる場所は限られています。20から30は連続していて、並べて比べないと分かりにくい程度の差です。はっきり段が出るのは30と40のあいだ、60と80のあいだ、110と160のあいだの3か所で、ここをまたぐと隣に並べなくても違いが分かります。数字を1段上げるか迷ったときは、その1段がこの3か所をまたぐかどうかで決めてください。
- Q. 同じ80デニールなのに、店によって厚みが違うように感じます
- 起きます。デニールは糸の太さの数字なので、その糸をどれだけ詰めて編むかは別の要素として残るからです。目を詰めて編めば生地は厚く濃くなり、粗く編めば同じ糸でも薄く見えます。さらにナイロンとポリウレタンの比率、糸の断面の形、加工の違いも重なります。数字は目安として使い、最後は手に取って伸ばして確かめるのが確実です。手元にあるものどうしの比較なら、この記事の最初の手順で6分あれば順位が付けられます。
- Q. 薄いタイツを2枚重ねると、数字は足し算になりますか
- なりません。30デニールを2枚重ねても60デニール1枚にはならず、透け方だけが60相当に近づいて、厚みは2枚ぶんそのまま残ります。重ねると生地の層が2つになるので、履き口が二重になり、爪先とかかとの補強部分も二重に重なります。靴の中の余裕が減るので、ふだんの靴がきつくなることが多いところです。透けを減らす目的なら重ねるのは有効ですが、見た目の厚みを抑えたいなら1枚で数字を上げるほうが収まります。
— メグラシ編集部





