草履と足袋のサイズは、かかとが台から何cm出るかで決まる|1cm出ているのが基準で、足袋は別に測る

測るのは1つです。かかとが台の後ろから何cm出ているか。
基準は0.5〜1.5cmで、真ん中が1cmです。かかとが台に収まりきっていたら大きすぎ、2cm以上出ていたら小さすぎます。
「少し小さめを選ぶ」という言い方だけだと、店頭で確かめられません。出ている長さなら、指を当てれば読めます。
足袋はこれとは別に測ります。草履は足より短い台に乗せるもの、足袋は足を包む布で、目的が逆だから数字も一致しません。洋装のサイズ表の読み方はパンツのサイズ表の読み方に分けてあります。ここでは和装の履物の寸法だけを扱います。
測るのは、かかとが台から何cm出るかひとつ
草履の台は、足の実寸より短く作られています。かかとが後ろから少し出た状態が、そもそもの前提です。
| かかとの出方 | 何が起きているか | 歩いたときに出ること |
|---|---|---|
| 0cm(収まっている) | 台が足より長い | かかとが台の縁に乗り、後ろへ体重が逃げる |
| 0.5〜1.5cm | 基準の範囲 | かかとが地面に近い位置で着地する |
| 2cm以上 | 台が短い | 着地の位置が台から外れ、鼻緒が前へ引かれる |
つま先側は逆です。台の先から出ないのが基準で、先端から5mm内側に指先が来る位置に合わせます。
⚠️ **前と後ろで基準が逆になっているのが、この履物のいちばん間違えやすいところです。**後ろは出す、前は出さない。この2つを別々に確かめてください。
足の実寸の測り方 ── A4の紙で3分
台の長さを決める前に、足そのものを測ります。
| 用意するもの | 目安 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| A4の紙 | 短辺21cm、長辺29.7cm | 定規が無くても、紙の辺から換算できる |
| 鉛筆 | 立てずに寝かせて使う | 立てると足の外へ1〜2mm大きく取れる |
| 定規 | mm目盛りのもの | 0.5cm刻みで判断するので、mmまで読む |
手順は4つです。
- 紙を床に置き、立って片足を乗せる。座ると足が2〜3mm短く出ます
- かかとのいちばん後ろと、いちばん長い指の先に印を付ける
- 2点のあいだを測る。これが縦の実寸
- 親指の付け根と小指の付け根のいちばん外側どうしを測る。これが横の実寸
⭐ **左右で測ってください。**片足だけで決めると、大きいほうの足で当たります。大きいほうの値を自分の実寸として扱います。
体の寸法を自分で取る手順の考え方はブラのサイズの測り方と同じで、基準の点を毎回同じ場所に置くのが要点です。
S・M・Lの表記と、実寸の関係
表記は台の長さです。足の実寸ではありません。
| 表記 | 台の長さの目安 | 合う縦の実寸 |
|---|---|---|
| S | 約22cm | 22.5〜23.5cm |
| M | 約23cm | 23.5〜24.5cm |
| L | 約24cm | 24.5〜25.5cm |
| LL | 約25cm | 25.5〜26.5cm |
表記のcmに、1cm前後足したところが自分の実寸になるという関係です。実寸23.5cmならSかMで、かかとの出方を見て決めます。
⚠️ 刻みは作りによって違います。表記だけで決めず、履いてかかとの出方をcmで確かめてください。同じMでも、台の長さが0.5cm違うことがあります。
0.5cm未満のとき ── 台が長い
かかとが台に収まっている、または出方が5mm未満の状態です。
歩くとかかとが台の縁に乗り、着地のたびに後ろへ体重が逃げます。その分だけ前へ踏み出す力が要るので、歩幅が短くなります。
1段小さい表記に替えてください。表記が1段変わると台の長さが約1cm変わるので、出方が1cm増えます。0.3cmだった人が1.3cmになり、基準の範囲に入ります。
0.5〜1.5cmのとき ── 基準の範囲
かかとの後ろが台から出て、着地の位置が地面に近くなります。
この範囲の中でも、1cmが真ん中です。0.5cm寄りは台に乗る面積が広く、1.5cm寄りは足が前に寄ります。どちらでも成立しますが、長く歩く日は0.5cm寄りのほうが落ち着きます。
| 出方 | 向く場面 |
|---|---|
| 0.5〜0.8cm | 移動が長い日。立っている時間が長い日 |
| 0.9〜1.2cm | どの場面でも合う真ん中 |
| 1.3〜1.5cm | 座っている時間が長い日 |
1.5cmを超えたとき ── 台が短い
かかとの着地の位置が台から外れます。
このとき、体重を支えているのが台ではなく鼻緒になります。**鼻緒に前へ引く力がかかるので、前坪が指のあいだに食い込みます。**痛みとして最初に出るのはここです。
1段大きい表記に替えてください。それでも2cmを超えるなら、台の長さではなく足の縦が長い側なので、大きい表記の中でも台の長い作りを選ぶことになります。
横幅 ── 親指の付け根が台からはみ出すか
縦が合っても、横で外れることがあります。
台に足を乗せて、親指の付け根のいちばん外へ出ているところを見てください。
| 状態 | 読み方 |
|---|---|
| 台の内側に収まっている | 幅は合っている |
| 台の縁とちょうど同じ | 基準の範囲。歩くと少し出る |
| 5mm以上はみ出している | 幅が足りない。歩くたびに縁が当たる |
⭐ **縦が合っていて横が足りないときは、表記を上げても直りません。**表記は台の長さで変わるもので、幅は作りごとに違うからです。この場合は幅の広い作りを探すほうが早いところです。
鼻緒の余裕 ── 甲に指1本、前坪に5mm
鼻緒は2か所で見ます。
| 場所 | 基準 | きつい側で起きること |
|---|---|---|
| 甲の上(鼻緒と足の甲のあいだ) | 指が1本入る | 甲の上に線が残る |
| 前坪(親指と人差し指のあいだ) | 指の股から5mm残す | 股に食い込む |
⛔ **前坪に指を奥まで入れて履かないでください。**奥まで入れると、股のいちばん薄いところに全部の力がかかります。5mm残して履くと、当たる位置が指の腹側へ移ります。
新しい草履は鼻緒が張っていることが多いところです。**履く前に、鼻緒を親指と人差し指でつまんで縦に10回ほど揉んでください。**布と芯のあいだにゆとりが出て、甲に指1本の余裕ができます。
足袋のサイズは、草履とは別に測る
足袋は足を包む布です。草履とは目的が逆なので、同じ数字にはなりません。
伸びない布で作られているものが多く、大きいと甲にたるみが出て、小さいと指先が突き当たります。
| 足袋の大きさ | 見え方・履き心地 |
|---|---|
| 実寸より大きい | 甲にしわが2本以上寄る。足首でたるむ |
| 実寸そのまま | しわが1本以内。指先に2〜3mmの余裕 |
| 実寸より0.5cm小さい | しわが出ない。指先が布に触れる |
| 実寸より1cm以上小さい | 指先が突き当たる。こはぜが掛からない |
**実寸そのままか、0.5cm小さいところが合う範囲です。**迷ったら実寸のほうから試して、甲にしわが2本以上寄るなら0.5cm下げてください。
⚠️ 草履が23cm表記でも、足袋が23cmとは限りません。別々に決めるのが前提です。丈と履き口の関係を数字で見る考え方は靴下の丈の選び方と同じ形です。
こはぜの枚数と、受け糸の段
こはぜは、足袋の後ろを留める金具です。枚数は履き心地ではなく、場面の格で選びます。
| 枚数 | 覆う高さ | 使う場面 |
|---|---|---|
| 3枚 | いちばん低い | 動きを優先する場面 |
| 4枚 | 中くらい | 普段の着物。小紋、紬 |
| 5枚 | いちばん高い | 礼装。留袖、振袖、訪問着 |
4枚と5枚では、足首を覆う高さがおよそ2cm違います。裾から見える面積が変わるので、迷う場面では5枚を選ぶと格の高いほうに合わせたことになります。
こはぜを掛ける受け糸は2段あります。ここが調整のしろです。
| 状態 | 掛ける段 |
|---|---|
| きつくて掛からない | 外側の段。ゆとりが出る |
| ちょうど掛かる | 内側の段。これが基準 |
| 余ってたるむ | 内側の段でもたるむなら、サイズが0.5cm大きい |
⭐ **段で直る範囲と、直らない範囲があります。**外側の段にしても掛からない、内側の段でもたるむ——このどちらかなら、段ではなくサイズが0.5cmずれています。
場面が上がると、何が上がるか
七五三、成人式、卒業式と場面が進むと、上がるものが2つあります。
| 場面 | こはぜ | 台の高さの目安 |
|---|---|---|
| 七五三の付き添い | 4〜5枚 | 3〜4cm |
| 成人式 | 5枚 | 5〜6cm |
| 卒業式(袴を着る場合) | 5枚 | 3〜5cm。袴丈に合わせる |
**上がるのはこはぜの枚数と、台の高さです。**台が高くなると、同じ着物でも裾の位置が変わります。
⛔ **袴を着る場合は、台の高さを先に決めてください。**袴丈は履物の高さを前提に決めるので、あとから台の高さを変えると裾の位置がずれます。台を1cm高くすると、床から裾までの距離も1cm変わります。
七五三の付き添いで着物にするかどうかの条件はお宮参りに母親が着物を着るかと、七五三ママのパーソナルカラー別ガイドに置いてあります。
台の高さと、歩幅
台が高くなると、歩幅は狭くなります。
| 台の高さ | 歩幅の目安 | 出やすいこと |
|---|---|---|
| 2〜3cm | ふだんの8割 | 特になし |
| 4〜5cm | ふだんの7割 | 段差でつま先が引っかかる |
| 6cm以上 | ふだんの6割 | 前傾になり、鼻緒に力がかかる |
高い台を選ぶ日は、移動の時間を1.3倍で見ておくと落ち着きます。歩幅が7割なら、同じ距離に1.4倍の歩数が要る計算です。
履いてから起きる2つの外れ方と、戻し方
外れ方は2つだけです。どちらも当日でも戻せます。
① 鼻緒が当たって痛い
前坪が指の股に食い込むか、甲の上に鼻緒の線が残る状態です。
| 手順 | やること | 効き方 |
|---|---|---|
| 1 | 鼻緒を縦方向に10回つまんで揉む | 甲に指1本の余裕が出る |
| 2 | 前坪に指を奥まで入れず、股から5mm残す | 当たる位置が腹側へ移る |
| 3 | 足袋の前坪に当たる部分へ、薄い布を1枚挟む | 当たりが分散する |
| 4 | それでも当たるなら、すげ直しで張り方を緩めてもらう | 根本から変わる |
**1と2はその場でできます。**3は当日の応急、4は前もっての相談です。当日そのまま我慢するより、先に相談するほうが早く済みます。
② こはぜが掛からない、または余る
前の章の受け糸の段で、まず試します。
| 状態 | 最初にやること | 段で直らないなら |
|---|---|---|
| きつくて掛からない | 外側の段に掛ける | サイズを0.5cm上げる |
| 余ってたるむ | 内側の段に掛ける | サイズを0.5cm下げる |
| 上だけ掛からない | 足首の位置を確かめる。履く位置が浅い | 深く履き直す |
| 下だけ掛からない | かかとが入りきっていない | かかとを奥まで入れ直す |
⭐ **上だけ、下だけ、というときは、サイズではなく履き方です。**全部が掛からないときだけ、サイズを疑ってください。
呉服店で言う3点
伝えることは3つで足ります。3つとも寸法か、枚数です。
| # | 言うこと | 言い方の例 |
|---|---|---|
| 1 | 足の実寸 | 「縦23.5cm、親指の付け根の幅が9.5cmです」 |
| 2 | かかとを何cm出したいか | 「1cm出るところで合わせたいです」 |
| 3 | こはぜの枚数と場面 | 「成人式なので5枚で、袴は着ません」 |
⭐ 2がいちばん伝わりにくく、いちばん効きます。「少し小さめで」と言うと、どれくらい小さめかは相手が決めることになります。1cm出ると言えば、台の長さが1つに決まります。
⚠️ 袴を着る場合は、3に台の高さを足してください。袴丈がそこから決まるためです。
当日までの2週間
決めたら、当日までに2回だけ履いてください。
| いつ | やること | 見るもの |
|---|---|---|
| 2週間前 | 家の中で10分履く | 鼻緒の当たる位置に線が残るか |
| 1週間前 | 足袋を履いた状態で15分 | こはぜの段が変わっていないか |
| 前日 | 履かない | 当たりを残さない |
⛔ **前日には履かないでください。**当たった線が残ったまま当日を迎えることになります。
2週間前の10分でいちばん確かめたいのは、鼻緒を揉んだあとに甲へ指1本入るかです。ここが入っていれば、当日の当たり方は大きく変わりません。
和装の日の髪の作り方は着物の髪型は耳の上の毛だけで作れば決まるにまとめてあります。
まとめ
草履と足袋で動かせるのは、好みではなく寸法です。
- 草履は、かかとが台の後ろから何cm出るかで見る。0.5〜1.5cmが基準、1cmが真ん中
- つま先は出さない。先端から5mm内側が基準。前と後ろで基準が逆になる
- S・M・Lは台の長さ。実寸はそれより0.5〜1.5cm大きい
- 足袋は草履と別に測る。実寸そのままか0.5cm小さいところ
- こはぜは4枚が普段、5枚が礼装。掛からない・余るは受け糸の段で直る範囲がある
- 呉服店で言うのは3つ。足の実寸、かかとを何cm出すか、こはぜの枚数と場面
寸法は測る対象であって、我慢する対象ではありません。どこを何cmにするかを、自分で選べます。
関連記事
- 靴下の丈を自分の脚で確かめる手順 — 丈と履き口の関係
- 靴の種類を図鑑で見る — 洋装の履物の形の一覧
- ブラのサイズの測り方 — 基準の点を毎回同じ場所に置く
- お宮参りに母親が着物を着るか — 洋装と分ける4つの条件
- 七五三ママのパーソナルカラー別ガイド — 着物と服の選び方
- 着物の髪型は耳の上の毛だけで作れば決まる — 衿の内側に収まるかで判定
— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 草履はかかとが出ていて正しいのですか
- 出ているのが基準です。台の長さは足の実寸より短く作られていて、かかとが後ろから0.5〜1.5cm出た状態で履きます。真ん中は1cmです。足がぴったり台に収まっていると、歩くときにかかとが台の縁に乗って、後ろへ体重が逃げます。逆に2cm以上出ると、かかとが着地する位置が台から外れて、鼻緒に前へ引く力がかかります。つま先側は逆で、台の先から出ないのが基準です。先端から5mm内側に指先が来る位置に合わせてください。
- Q. S・M・Lの表記は自分の靴のサイズと同じですか
- 同じではありません。草履の表記は台の長さで、足の実寸ではないためです。表記のcmがそのまま足のサイズだと思って選ぶと、かかとが出ない側に外れます。目安として、台の長さは足の実寸より0.5〜1.5cm短いものを選びます。実寸が23.5cmなら台は22〜23cmです。表記の刻みは作りによって違うので、数字だけで決めず、履いてかかとの出方をcmで確かめるほうが確実です。
- Q. 足袋は草履と同じサイズでいいですか
- 別に測ってください。草履は足より短い台に乗せるもので、足袋は足を包む布です。目的が逆なので、同じ数字にはなりません。足袋は伸びない布で作られているものが多く、大きいと甲にたるみが出て、小さいと指先が突き当たります。実寸そのままか、0.5cm小さいところが合う範囲です。迷ったら、実寸のほうから試して、甲にしわが2本以上寄るなら0.5cm下げてください。
- Q. こはぜは何枚のものを選べばいいですか
- 場面で決まります。4枚は普段の着物に、5枚は礼装に使います。枚数が増えると足首を覆う高さが上がるので、裾から見える面積が変わります。4枚と5枚では、覆う高さがおよそ2cm違います。迷う場面では5枚を選ぶと、格の高いほうに合わせたことになります。3枚のものもありますが、覆う高さが低く、動きやすさを優先した作りです。枚数は履き心地ではなく、場面の格で選ぶところです。
- Q. 鼻緒が当たって痛いときはどうしますか
- 履く前にやることが2つあります。1つは、鼻緒を親指と人差し指でつまんで、縦方向に10回ほど揉むことです。布と芯のあいだにゆとりが出て、甲に指1本が入る余裕になります。もう1つは、前坪に指を奥まで入れないことです。指の股と前坪のあいだに5mm残して履くと、当たる位置が変わります。それでも当たるなら、すげ直しで鼻緒の張り方を緩めてもらう手があります。当日そのまま我慢するより、先に相談するほうが早く済みます。
— メグラシ編集部





