帽子の形の名前は、つばの向きを決めていて、山の高さは決めていない

名前で探して当たり外れが続くのは、名前が保証していない場所を見ているから
帽子の形には名前があります。ハンチング、キャスケット、ワークキャップ、ベレー。名前で調べて買ってみたのに思っていたものと違った、という結果が続くなら、名前が保証している範囲を超えて期待している可能性があります。
名前が決めているのは、つばの向きです。水平から何度下がって出るか、それが前だけか全周か。ここはほぼぶれません。
名前が決めていないのは、山の高さです。縁から天井までの寸法は、同じ名前の中で2〜4cm揺れます。 指1本半ぶんの差なので、かぶった見え方は別のものになります。
この記事は、13の形を2つの座標に翻訳します。名前で棚まで行き、棚に着いたら山を測る。その分担のための表です。
座標は、帽子を平らな場所に置いて横から見れば取れます。見るのは2か所だけです。
| 記号 | 測るもの | 測り方 |
|---|---|---|
| H | 山の高さ | 縁の内側から天井のいちばん高いところまでの垂直距離 |
| A | つばの向き | つばの根元と先端の高さの差から出す角度。水平が0度 |
Hは実寸のcm、Aは角度です。あわせて、つばが前だけにあるか、全周にあるかを記録します。この3つ目は測るまでもなく見れば分かるので、座標としては数えていません。
座標①|山の高さ|縁から天井まで
かぶった状態では測れません。頭が入ると天井が持ち上がり、実際より高く出ます。平らな場所に置いて、上から潰さずに測ってください。
やわらかい布の形は、置くと自重で天井が沈みます。この場合は、手を軽く内側に入れて形を戻した状態で測ります。沈んだまま測ると1〜2cm低く出ます。
Hが分かると、かぶったときに頭の上に何cm積み上がるかが読めます。積み上がる量はHとほぼ同じで、深くかぶるぶんだけ少し減ります。
座標②|つばの向き|水平から何度落ちているか
つばの根元、つまり本体との境目の高さと、先端の高さの差を測ります。角度は、この差と、根元から先端までの長さから出ます。
- 根元から先端まで6cm、先端が1cm落ちている → およそ10度
- 根元から先端まで6cm、先端が2cm落ちている → およそ20度
- 根元から先端まで6cm、先端が3cm落ちている → およそ30度
差が1cm以内なら、水平とみなしてかまいません。かぶった状態で測ると頭の丸みでつばが反り上がるので、判定は置いた状態でやってください。
翻訳表①|つばが前だけにある形
| 名前 | H(山の高さ) | A(つばの向き) | つばの長さ |
|---|---|---|---|
| ハンチング | 4〜6cm | 15〜25度 | 5〜7cm |
| キャスケット | 7〜10cm | 20〜30度 | 5〜7cm |
| ワークキャップ | 8〜10cm | 0〜10度 | 5〜6cm |
| ベースボールキャップ | 10〜13cm | 10〜25度 | 7〜9cm |
| マリンキャップ | 8〜10cm | 0〜10度 | 4〜6cm |
| フライトキャップ | 8〜11cm | 0〜10度 | 4〜6cm |
ハンチングとキャスケットは、つばの向きも長さもほぼ同じです。分かれているのはHだけで、4〜6cmと7〜10cmで重なりません。売り場で迷ったら、縁から天井までを測れば決着します。
ワークキャップとベースボールキャップは、逆にHが8〜13cmで重なります。こちらはつばの長さと向きで分かれます。 5〜6cmでほぼ水平ならワークキャップ、7〜9cmで10度以上落ちていればベースボールキャップです。
翻訳表②|つばが全周にある形
| 名前 | H(山の高さ) | A(つばの向き) | つばの幅 |
|---|---|---|---|
| 中折れハット | 10〜13cm | −5〜5度 | 6〜8cm |
| カンカン帽 | 7〜9cm | 0度 | 6〜8cm |
| バケットハット | 8〜11cm | 25〜40度 | 5〜7cm |
| クロッシェ | 10〜13cm | 30〜45度 | 5〜8cm |
| チューリップハット | 8〜10cm | 35〜50度 | 5〜7cm |
上2つは水平、下3つは下向きです。全周の形は、この0度組と下向き組で使い方がまったく違います。
中折れハットのAが負の値を取ることがあるのは、後ろのつばが上へ反る形があるためです。この場合、前は水平で後ろだけが上がるので、横から見ると1本の線が斜めに通ります。
翻訳表③|つばのない形
| 名前 | H(山の高さ) | 座標が動く場所 |
|---|---|---|
| ベレー | かぶって2〜4cm | かぶる角度で左右差が出る |
| ニット帽 | 折り返して6〜18cm | 折り返し幅で上下する |
つばがないので、座標はHだけになります。そのぶんHの揺れ幅がいちばん大きいのがこの2つで、ニット帽は折り返しを1回増やすだけで4cmほど変わります。
ベレーのHは、置いた状態では測れません。ほぼ平たいので、かぶって頭の上に何cm積み上がったかで読んでください。
つばの向きが決めるのは、線が入る高さ
なぜAが効くのかというと、顔の上のどの高さに横の線が1本入るかが、Aで決まるからです。
前だけにつばがある形は、線が額の上に入ります。この線は左右の端で切れているので、両側に余白が残ります。
全周につばがある形は、線が顔をぐるりと囲みます。切れ目がないので、余白が残りません。同じ角度でも、前だけの形と全周の形はここで別物です。
そのうえで角度です。0度に近いほど線がはっきり出て、下向きになるほど線が弱くなります。40度を超えると、線というより面として読まれ、顔の上半分が静かになります。
だから、どの日にどれを使うかも、この線で決まります。
線を1本足したい日は、Aが0〜10度の形です。前だけならワークキャップやマリンキャップ、全周ならカンカン帽や中折れハットが、この帯に入ります。
線を弱めたい日は、Aが25度以上の形です。バケットハット、クロッシェ、チューリップハットがここです。
中間の15〜25度は、どちらにも寄せられる帯です。ハンチングやキャスケットがここに入るので、使い道が広くなります。1つだけ持つなら、この帯から選ぶと日を選びません。
名前が保証していない3つ
名前で決まらないものを、先に挙げておきます。
1つ目、山の高さ。 同じ名前の中で2〜4cm揺れます。この記事の表の帯は、その揺れをそのまま書いたものです。
2つ目、縁の内周。 同じ名前でも頭に当たる周りの長さは商品ごとに違い、深く沈むか浅く止まるかがここで変わります。
3つ目、素材の張り。 張りのある素材はAが保たれ、やわらかい素材は自重でAが5〜15度増えます。表のAは、張りのある素材での値として読んでください。
このうち、いちばん見落とされるのが1つ目です。キャスケットの帯は7〜10cmですが、下端の7cmと上端の10cmでは、頭の上に積み上がる高さが3cm違います。指2本ぶんの差なので、鏡の中では別の帽子に見えます。
ですから、同じ名前で買い替えても同じにはなりません。 気に入った1つがあるなら、その1つのHを測って控えておいてください。次に選ぶときは名前ではなく、その数字に近いものを探します。
3つ目の素材の張りも、時間で動く点だけ覚えておいてください。やわらかい素材は、かぶるたびに少しずつAが増えていきます。買った日に20度だったものが、しばらく使うと30度近くまで落ちることがあります。Aが落ちてきたと感じたら、測り直せば別の帯の形として使い直せます。 形が変わったのではなく、座標が移っただけです。
試着で確かめるのは2か所だけ
売り場でやることは2つです。
1つ目、置いた状態でHを測る。 メジャーがなければ、指の幅で数えます。人差し指の幅がおよそ1.5cmです。
2つ目、横から見てつばの先端がどれだけ落ちているかを見る。 根元と先端の高さの差が1cm以内なら水平、2cmなら20度前後、3cmなら30度前後です。
この2つ以外は、かぶってから判断してかまいません。かぶりの深さや、顔まわりでの見え方は別の記事の話で、そちらは買ったあとでも調整できます。
測った数字は、その場で控えてください。同じ売り場を2周すると、1周目に見た山の高さを覚えていないことがほとんどです。名前とHとAの3つを並べて書き留めておけば、2周目は候補を絞るだけで済みます。 書き留めるのは名前ではなく数字が主で、名前はどの棚にあったかを思い出すための印として添える程度で足ります。
前だけの形と全周の形は、脱いだあとが違います
屋内で脱ぐ機会がある日は、脱いだあとの扱いも座標のうちです。
前だけにつばがある形は、平らに置けます。畳んで鞄に入る形もあります。全周につばがある形は、置くとつばが接地して形が崩れるので、天井を下にして置くか、膝の上で持つことになります。
脱ぐ回数が多い日に全周の形を選ぶと、置き場所を探す時間が毎回発生します。脱ぐ回数から先に形を絞ると、売り場での候補が半分になります。
どちらとも取れる①|売り場で名前が食い違う
同じ形に別の名前が付いていることがあります。名前は分類なので、境目にある形はどちらにも読めるためです。
このときは名前を確かめずに、HとAを測ってください。 数字が同じなら、名前が違っても同じようにかぶれます。名前を確かめる時間は、そのまま測る時間に回したほうが早く決まります。
どちらとも取れる②|Hが帯の上端にある
たとえばキャスケットで、Hが10cmちょうど。帯の上端です。
このときは、天井の丸みを見てください。 布を合わせた線が天井の中央で集まっている形は、丸みのぶんだけ実際より高く見えます。線が集まらず平らに広がっている形は、同じ10cmでも低く見えます。
判定に迷ったら、横から見て天井の輪郭が丸いか平らかで決めてください。丸いなら1つ下の帯の商品を探し、平らならそのままで成立します。
どちらとも取れる③|つばが手で折れる形
やわらかい素材で、つばの角度を手で変えられる形があります。この場合、Aは1つに決まりません。
折り曲げたあとに戻るかどうかで扱いが分かれます。手を離してすぐ戻るなら、戻ったあとの角度がその帽子のAです。折った形が保たれるなら、Aは可変とみなして、その日ごとに決めてかまいません。
可変の形は使い道が広いかわりに、かぶるたびに角度が変わります。外へ出る前に一度、横から見て角度を決めてから出てください。
まとめ
- 名前が決めているのはつばの向きと、前だけか全周か。ここは名前で絞れる
- 名前が決めていないのは山の高さ。同じ名前の中で2〜4cm揺れる
- 前だけの形は額の上に線が入り、全周の形は顔を囲む。切れ目の有無で別物になる
- Aが0〜10度なら線がはっきり出る。25度以上なら線が弱まり、40度を超えると面になる
- 試着で測るのは、置いた状態のHと、つば先端の落差の2つだけ
- 気に入った1つのHを控えておくと、次からは名前ではなく数字で探せる
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よくある問い
- Q. ハンチングとキャスケットは何が違うのですか。
- 山の高さと、そこに使われている布の枚数が違います。ハンチングは前が低く後ろがやや高い形で、縁から天井までが4〜6cmに収まります。天井が1枚か2枚の布でできているので、平らに近い面になります。キャスケットは7〜10cmと高く、複数枚の布を合わせているので天井に丸みが出て、前へ張り出します。つばはどちらも前だけで、下向きに15〜30度で出ます。つまり、つばの向きはほぼ同じで、違うのは山の高さのほうです。売り場で迷ったら、名前ではなく縁から天井までを測ってください。
- Q. ワークキャップとベースボールキャップは、どう見分けますか。
- つばの長さと向きで分かれます。ワークキャップは天井が平らで角が立ち、つばは前だけで5〜6cmと短く、水平から10度以内しか落ちません。ベースボールキャップは天井が丸く、つばは7〜9cmと長く、10〜25度落ちます。同じ「前だけにつばがある形」ですが、つばの先端が水平からどれだけ落ちているかを見れば、迷わず分かれます。山の高さはどちらも8〜13cmに重なるので、山では見分けられません。
- Q. つばの向きは、どうやって測るのですか。
- 帽子を平らな場所に置いて、横から見てください。つばの根元、つまり本体との境目の高さと、つばの先端の高さの差を測ります。境目から先端までの長さが6cm、先端が2cm落ちていれば、およそ20度です。差が1cm以内なら水平とみなしてかまいません。かぶった状態で測ると、頭の丸みでつばが少し反り上がるので、実際より水平に出ます。判定は必ず平らな場所に置いた状態でやってください。
- Q. 名前で選べないなら、名前を覚える意味はありますか。
- あります。名前はつばの向きを保証しているので、そこまでは名前で絞れます。全周につばがある形が欲しい日に、前だけの形を見にいく時間を省けます。逆に山の高さは名前が保証していないので、そこから先は実物を測る作業になります。つまり名前は、売り場のどの棚へ行くかを決めるまでの道具です。棚に着いたあとは、縁から天井までの高さと、つばの落ち方の2つを測ってください。
- Q. 同じ名前なのに、店によって形が違って見えます。
- 山の高さが2〜4cm違うことが原因であることが多いです。名前は形の大まかな分類なので、この幅は名前の中に最初から含まれています。ですから、名前が食い違っているのではなく、あなたが見ている2つが名前の帯の両端にあるだけ、という場合がほとんどです。判定は、名前を疑うのではなく数字で行ってください。縁から天井までを測り、つばの落ち方を測る。この2つが同じなら、名前が違っても同じようにかぶれます。
— メグラシ編集部





