キャップが似合わないと感じるのは、かぶりの深さとつばの長さの比で決まる

似合わない、という感覚の中身は、たいてい寸法が範囲の外にあるというだけのことです。かぶり方の角度を2センチ変えるだけで解決することが、実際にはかなりあります。
見るのは3つです。つばの内側の縁が眉から何センチ上にあるか。つばの長さが顔の縦の長さの何割か。後ろの縁と後頭部の間に指が何本入るか。
3つとも範囲に入っていれば、その一点は成立しています。外れているものがあれば、そこから直します。
3つの数字と、それぞれの範囲
| 見るところ | 測り方 | 成立する範囲 |
|---|---|---|
| 深さ | つばの内側の縁から眉までの距離 | 眉から1.5〜3センチ上 |
| つばの比 | つばの長さ ÷ 顔の縦の長さ | 0.5〜0.65 |
| 後ろの空き | 後ろの縁と後頭部の間に入る指 | 0〜1本 |
この3つ以外は見なくてかまいません。 髪の量も、その日の服も、ここには入っていません。
3つに絞れる理由は、帽子が顔に与えている影響が3種類しかないからです。深さは目もとの見える範囲を決め、つばの比は横から見た輪郭を決め、後ろの空きは位置が固定されるかどうかを決めます。 それ以外の要素、たとえば本体の高さや素材は、この3つの数字に必ず反映されます。だから個別に覚え直す必要がありません。
測るのは1回だけでかまいません。手持ちの一つについて3つの数字を出しておけば、次からはかぶって鏡を見るだけで、範囲に入っているかどうかが分かるようになります。
深さ|眉から1.5〜3センチ上
いちばん効く数字です。つばの内側の縁、つまり頭に当たっている側の縁が、眉からどれくらい上にあるかを見ます。
縁が眉より下まで来ると、目もとから額までが帽子と一体になります。この状態を、人は顔まわりの重さとして読みます。逆に4センチ以上上へ離れると、帽子が頭の上に乗っているだけの状態になり、顔と帽子がつながって見えません。
深さを動かす方法はひとつだけ。前を持ち上げて後ろへ倒すか、その逆です。角度を5度変えると、縁は1センチほど動きます。
角度を変えるとき、多くの方は前のつばをつまんで持ち上げます。これだと後ろが同時に下がらないので、帽子全体が浮きます。正しくは、後ろの縁を下へ押す。 後ろが下がれば前は自動的に上がり、頭に沿ったまま角度だけが変わります。
深さの範囲が1.5センチから3センチと幅を持っているのは、この1.5センチの中で表情の見え方が変わるからです。下寄り(1.5センチ)は目もとが引き締まり、上寄り(3センチ)は開いて見えます。 どちらが良いという話ではなく、その日にどちらを選ぶかという話です。人と長く向き合う日は上寄り、外を歩く時間が長い日は下寄り、という決め方で十分に機能します。
深さの基準は、前髪の有無で1センチ動く
前髪を下ろしているときは、額がすでに髪で覆われています。縁を眉に近づけても、新しく隠れる面積は増えません。この場合は眉から1センチ上まで下げてかまいません。
前髪を上げている、または分けているときは、額が見えています。縁を下げると、その見えている部分が一気に消えます。範囲の上のほう、眉から2.5〜3センチ上を使ってください。
つばの比|顔の縦の長さの5割から6割5分
つばの長さは、本体とつばの境目から先端までを直線で測ります。カーブに沿わせて測ると実際より長く出るので、直線で測ってください。
顔の縦の長さは、生え際の中央からあご先まで。生え際が分かりにくいときは、眉の中央からあご先までを測って1.5倍すると近い値が出ます。
顔の縦が20センチの方なら、つばは10センチから13センチ。14センチを超えるものは、比を直す方法が帽子を替える以外にありません。
つばが長すぎるとき、短すぎるとき
- 7割を超える:正面からは分かりにくいが、横から見ると顔の前に張り出す。人と向き合う角度で目もとに影が落ちる
- 4割を切る:帽子だけが頭の上に乗って見える。つばが顔の輪郭とつながらない
比が範囲の外にあるとき、深さでは直せません。選ぶ段階で決まってしまう数字なので、手持ちのもので比が合っていなければ、その一つは別の用途に回してください。
ただし、比が範囲の外でも成立する場面があります。つばが長いものは、日差しの強い場所では機能として読まれます。 屋外で長く過ごす日、日陰の少ない場所へ行く日は、比が0.7を超えていても違和感が出ません。人は、機能として必要な形を過剰とは判断しないからです。
逆に、屋内が中心の日に比の大きいものを選ぶと、機能の理由が見えないので形だけが目立ちます。比の判定は、その日どこにいるかで少しだけ動くと考えてください。
つばの形でも、見え方は変わる
同じ長さでも、つばのカーブの強さで印象が変わります。カーブが強いと、先端が下へ向くので、正面から見たときの投影長が短くなります。
- カーブが強い:投影長が実寸の8割ほど。比が0.7でも実質0.56になる
- 平ら:投影長が実寸のまま。比の計算がそのまま当てはまる
- 反り上がっている:投影長は実寸どおりだが、額が広く見える。深さを下寄りに取る
つばが強くカーブしているものは、実寸で比が範囲を超えていても成立することがあります。 判定に迷ったら、正面から見て、つばが顔にかかっている横幅を測ってください。それが実質の投影長です。
後ろの空き|指1本まで
後ろの縁と後頭部の間に指を差し入れます。0本か1本なら接点が足りています。2本以上入るなら、サイズが合っていません。
ここで調整具を締めてはいけません。 調整具は後ろだけを縮めるので、締めるほど帽子が後ろへ引かれ、前が浮きます。結果として深さも一緒にずれます。
後ろが空いているときの直し方
内側の縁に沿って、薄い布を一周させて厚みを足します。全周で厚みが5ミリ増えると、内周は3センチほど縮みます。 接点が増えて位置が固定され、そのうえで調整具を軽く締めれば安定します。
厚みを足す場所は、後ろだけでなく全周です。後ろだけに足すと、前へ押し出されて今度は前が下がります。
足すものは、薄くて滑らないものが向いています。目の詰まった細い帯状の布を、内側の縁に沿って一周させる。 縫い付けなくても、内側の縫い代に差し込むだけで一日は保ちます。厚みを足したあとは、必ず深さを測り直してください。内周が縮むと、同じ角度でも縁が1センチほど上がります。
逆に、きつくて跡が残る場合は、内側の縁を軽く広げるより先にかぶる角度を浅くしてください。 深くかぶるほど頭の太い部分に縁が当たるので、締めつけが強くなります。角度を5度起こすだけで、当たる位置が変わって楽になることがあります。
一日の中で、位置がずれていく理由
朝は範囲に入っていたのに、夕方には深くなっている。これは帽子が動いたのではなく、髪が落ち着いて内周に余裕ができたためです。
朝の髪はまとまっていて体積があります。時間が経つとその体積が減り、内周に対して隙間が生まれ、帽子が深く沈みます。落差は1センチから2センチ。ちょうど深さの範囲の幅と同じくらいです。
対策は、朝の時点で深さを範囲の下寄り(眉から1.5センチ上)ではなく、上寄り(3センチ上)に取っておくこと。 夕方に1センチ沈んでも、範囲の中に留まります。夕方に合わせて朝を決めると、午前中ずっと浅い状態になるので、この順番は逆にしないでください。
どちらとも取れる場合①|深さが眉から1センチ上
範囲の下限のすぐ下です。前髪を下ろしているなら成立、上げているなら範囲外、という分かれ方をします。
その日の前髪で判定が変わるので、迷ったら鏡で目もとを見てください。まぶたの上のラインが見えているなら成立しています。見えていないなら、後ろへ倒して縁を上げます。
どちらとも取れる場合②|つばの比が0.68
上限のすぐ上です。このときは、横から見たときの張り出しで決めます。横向きで鏡に映して、つばの先端があごの先より前に出ているかどうか。出ていなければ成立します。出ているなら範囲外です。
顔の縦が同じでも、前後の奥行きは人によって違うので、比だけでは決まらない領域があります。この帯だけは、横から見て決めてください。
どちらとも取れる場合③|後ろの空きが指2本弱
厚みを足すかどうかの判断です。動いて決めます。 5歩ほど普通に歩いて、帽子が動くかどうか。動かないなら、その日は接点が足りています。動くなら厚みを足します。
風のある日と屋内では答えが変わるので、迷う日はその日の予定で決めてかまいません。
2つ以上が外れているときの優先順位
深さから直します。 理由は3つ。
- 深さだけが、かぶる角度でその場で動かせる
- つばの比は、帽子を替えないと変わらない
- 深さを直すと、後ろの空きも一緒に変わることが多い
前を持ち上げて後ろへ倒すと、後頭部側の縁が下がって接点が増えます。深さを直したあと、残りの2つを測り直してください。 片方が範囲に戻っていることがあります。
髪をまとめるかどうかで、後ろの空きが変わる
後ろで髪をまとめていると、まとめた位置と帽子の後ろの縁がぶつかります。ぶつかると帽子が前へ押し出され、深さが1センチから2センチ深くなります。
- 低い位置でまとめる:縁の下を通るので影響しない
- 高い位置でまとめる:縁に当たる。帽子を後ろへ倒す余地がなくなる
高い位置でまとめる日は、深さを範囲の上のほう(眉から3センチ上)で合わせておくと、押し出されても範囲に留まります。
形が違っても、3つの数字は同じ
つばの丸いもの、平らなもの、本体の高いもの低いもの。形の違いは、この3つの数字にすべて反映されます。形ごとに覚え直す必要はありません。
本体が高いものは、同じ角度でかぶると縁が下がりやすい傾向があります。深さを測って範囲に入れれば、それで調整は終わりです。
本体が低いものは逆で、縁が上がりやすくなります。深さが4センチを超えて範囲から外れることが多いので、前を少し下げて範囲に戻してください。低い本体は頭に沿う面積が小さいぶん、角度の変化が縁の位置に大きく出ます。2度から3度の調整で1センチ動くこともあります。
つばの付いていない形については、この記事の3つのうち深さと後ろの空きの2つだけが当てはまります。つばの比は存在しないので、判定は2項目になります。そのぶん、深さの精度が結果を左右します。
3つの数字を、記録しておく
手持ちのものについて、一度だけ数字を出して控えておいてください。つばの長さ、比、そして範囲に入るかぶり角度。
角度は「後ろの縁が髪の生え際の何センチ下に来るか」で記録すると再現しやすくなります。鏡の前で範囲に入った状態を作り、そのときの後ろの縁の位置を覚える。次からは、その位置に合わせるだけで深さが決まります。
複数持っているなら、それぞれの数字を並べてみてください。同じように見えて比が0.5のものと0.7のものが混じっていることがよくあります。似合わないと感じていた一つが、実は比の範囲を外れていただけだった、という結論になることも珍しくありません。数字が分かれば、次に選ぶときの基準もできます。
判定の順番
深さ → 後ろの空き → つばの比の順で見てください。前の2つはその場で直せます。最後のつばの比だけが、その場では直せません。
だから、つばの比は買う前に測る数字です。手持ちのものの比を一度だけ出しておけば、次からは選ぶ時間が短くなります。
— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. かぶると顔まわりが重く見えます。どこから直せばいいですか
- 深さから見てください。つばの内側の縁が眉より下がっていると、目もとから額までが全部隠れて、顔の上半分が帽子と一体になります。この状態を人は重さとして読みます。眉から1.5センチから3センチ上に縁が来る位置まで、後ろへ倒してください。それでも重いなら、次はつばの長さの比を見ます。つばが顔の縦の長さの7割を超えていると、正面からは見えなくても横から見たときに前へ張り出しています。この2つを直しても変わらないときだけ、形そのものを替える判断に進んでください。
- Q. 前髪があるときとないときで、基準は変わりますか
- 深さの基準だけ変わります。前髪を下ろしているときは、額が髪で覆われているぶん、縁を眉に近づけても隠れる面積が増えません。この場合は眉から1センチ上まで下げてかまいません。前髪を上げているときや分けているときは、額が見えているので、縁を下げるとそこが一気に消えます。眉から2.5センチから3センチ上、つまり範囲の上のほうを使ってください。つばの長さの比と後ろの空きは、髪型が変わっても同じ基準のまま使えます。
- Q. 後ろがぶかぶかで、かぶるたびに位置がずれます
- 調整具を締める前に、指を入れて何本入るか数えてください。後ろの縁と後頭部の間に指が2本以上入るなら、締めても前は同じだけ空いたままです。調整具は後ろだけを縮めるので、締めるほど帽子が後ろへ引かれて前が浮きます。先にやるべきは、内側の縁に沿って薄い布を一周させて厚みを足すこと。全周で厚みが5ミリ増えれば、内周は3センチほど縮みます。これで接点が増えて位置が固定され、そのうえで調整具を軽く締めれば安定します。
- Q. つばの長さは、どこからどこまでを測るのですか
- 帽子の本体とつばの境目から、つばの先端までです。カーブしている場合は、カーブに沿わせず、境目から先端まで直線で測ってください。この数字を顔の縦の長さで割ります。顔の縦は、生え際の中央からあご先までです。生え際が分かりにくい場合は、眉の中央からあご先までを測って1.5倍すると近い値が出ます。顔の縦が20センチの方なら、つばは10センチから13センチが範囲です。手持ちのものが14センチを超えているなら、比を直す方法は帽子を替える以外にありません。
- Q. 3つの数字のうち2つが範囲の外でした。どれから直しますか
- 深さからです。理由は、深さだけがかぶる角度でその場で動かせるからです。つばの長さは帽子を替えないと変わらず、後ろの空きは内側に厚みを足す作業が要ります。深さを範囲に入れると、後ろの空きも一緒に変わることが多い点も理由のひとつです。前を持ち上げて後ろへ倒すと、後頭部側の縁が下がって接点が増えます。深さを直したあとに、残りの2つをもう一度測り直してください。片方が範囲に戻っていることがあります。
— メグラシ編集部





