着物の髪型は耳の上の毛だけで作れば簡単に決まる|下ろした残りが衿の内側に収まるかで判定する

着物の日の髪を難しくしているのは、全部の毛をまとめようとすることです。
上半分だけで作れば、手数はおよそ半分になります。しかも、崩れたときに自分で直せます。
成立するかどうかの判定は1つです。両耳の上端を結んだ線から上の毛だけを取って留めたとき、下ろしたままの残りが、衿の内側に収まるか。
収まれば、その日はそのままで変わりません。外へ出るなら、直し方は2つあります。
📋 早見表|残りの収まり方と、次にやること
この表は答えではありません。留めたあとに、次へ進むか直すかを決めるための道具です。
| 横から見た残りの毛 | 状態 | 次にやること | そのままにすると |
|---|---|---|---|
| 衿の縁より内側 | 収まっている | 飾りへ進む | 一日変わらない |
| 縁とちょうど重なる | ぎりぎり | 毛先3cmを内へ折り返す | 歩くと縁を越える |
| 縁より外へ出る | 出ている | 取る範囲を耳の下まで広げる | 衿の線が毛で切れる |
| 短くて留まらない | 別の形へ | 三角形だけ取る/飾りだけ置く | 途中で全部落ちる |
判定が済んだら、飾りへ進みます。順番を逆にすると、直すたびに飾りを外すことになります。
取る範囲は、指でなぞって決める
目で決めると、日によって範囲が変わります。指でなぞってください。
- 左右のこめかみに、それぞれ人差し指を当てる
- 片方の指を、頭のてっぺんを通して反対側のこめかみまで一直線に滑らせる
- 指より上に残った毛を、まとめて手に取る
- 手に取った束を、後頭部のいちばん出ているところで留める
前髪を下ろしている場合、前髪はこの範囲に入れません。範囲に入れると、留めたときに額の生え際が引かれて、前髪の落ちる向きが変わります。
留める位置は、後頭部のいちばん出ているところです。ここより上に留めると、横から見た頭の形が縦に伸びます。下に留めると、束が衿に近づきます。
横を向いて、残りが衿の内側にあるかを見る
留めたら、横を向いて鏡に映してください。見るのは1点だけです。
下ろしたままの毛が、後ろ衿の縁より内側にあるか、外へ出ているか。
内側に収まっていれば、そのままで一日変わりません。外へ出ていると、歩くたびに毛が衿の上を行き来します。衿の線が毛で切れて見え、写真ごとに違う形になります。
判定は横からだけで足ります。正面からは、毛と衿の前後の関係が見えません。自分で撮れないときは、鏡に横向きで映して、その鏡をスマホで撮ってください。
縁とちょうど重なるとき|毛先3cmを内へ折り返す
残りの毛先が衿の縁と重なっている状態は、ぎりぎりです。立っているあいだは収まっていても、歩くと縁を越えます。
直し方は1つです。残りの毛の毛先を、内側へ3cm折り返して、ピン1本で留めます。
折り返した先は衿より内側に入るので、外へ出る面がなくなります。折り返す長さは3cmで足ります。長く折り返すと、その厚みが衿の上に乗って、別の段ができます。
ピンは、折り返した根元に1本だけ。波打つ側を地肌に向けて差します。毛束の表面に沿わせて差すと、折り返した重みで抜けます。
縁より外へ出るとき|束を足さず、範囲を広げる
残りが明らかに外へ出ている場合、束をもう1つ作りたくなります。ここで足さないでください。
束を足すと、留め具が増えます。留め具が増えるほど、崩れる場所も増えます。着物の日は袖のせいで後ろへ手を回しにくいので、崩れる場所は少ないほうが確実です。
やることは、取る範囲を広げることです。両耳の上端の線ではなく、耳の下端まで下げてください。範囲が下がるぶん、下ろしたままの毛が減り、残りが短くなります。
範囲を広げると束が太くなります。太くなったぶん、留めるときはひとひねり多く入れてください。ひねりを増やすと束の直径が細くなり、同じ留め具で留まります。
広げる幅は、耳の上端から耳の下端までの3〜4cmで足ります。それより下まで下げると、耳の後ろの毛が引き上げられて、耳の形が髪に隠れます。隠れると、横から見たときに顔の輪郭と髪の境目が読めなくなります。
広げたあと、もう一度横を向いて確かめてください。1回で収まらなければ、残りの毛先を3cm折り返す直し方を足します。範囲を広げる直し方と、折り返す直し方は、重ねて使えます。
衿に触れているかは、指1本で分かる
鏡がない場所でも、触れているかどうかは指で確かめられます。
後ろ衿の縁に人差し指を差し込み、そのまま指を上へ動かしてください。指が毛に当たれば、毛が衿の上に乗っています。当たらずに抜けるなら、収まっています。
このやり方なら、支度をした場所を離れたあとでも確かめられます。当たったときは、その場で残りの毛を片側へ寄せて、耳の後ろへ入れてください。両側を寄せる必要はありません。片側だけで、触れる面が半分になります。
短くて留まらないとき|三角形だけ取る
上半分の範囲が広いと、その長さがないと留まりません。髪が短い場合は範囲を狭めます。
こめかみから頭頂までの三角形だけを取ってください。三角形の底辺は、左右のこめかみを結んだ線です。この範囲なら、束が短くてもねじって留められます。
三角形だけを留めると、残りの毛は下ろしたままになります。着物では、この形のほうが衿との関係が単純です。上に置いた1か所だけが留め具で、残りは全部下ろしたまま。触る場所も1つしかありません。
それでも留まらない長さなら、留めること自体をやめてください。耳の上に飾りだけを置きます。耳の上は毛が薄く、地肌までの距離が近いので、小さい留め具でも動きません。置く高さは耳の上端から2cm上です。
飾りは、留め具の位置から3cm離す
飾りを置く場所は、留め具のすぐ横ではありません。3cm離してください。
留め具の真上に飾りを置くと、飾りの重みが留め具にかかります。重みがかかるほど、留め具は少しずつ回ります。3cm離すと、飾りの足がその場所の毛を独立して押さえるので、留め具に重みが乗りません。
離す方向は、留め具より下です。上に置くと、横から見たときに頭の高さが伸びて、衿から上の縦の長さが変わります。下に置けば、飾りと衿のあいだの空きが狭まり、後ろ姿の中で位置が決まります。
直せるのは、耳の高さから上だけ
着物の日は、袖のせいで腕を高く上げにくく、後ろへも回しにくくなります。この状態で自分で直せるのは、耳の高さから上だけです。
上半分だけの形は、留め具が全部この高さにあります。だから、崩れても鏡なしで押し戻せます。
全部の毛をまとめる形は、留め具が襟足の低い位置にも入ります。そこが崩れると、鏡がないと位置が分からず、手探りで触ると別の場所がゆるみます。
留め具を置く高さを、直せる高さにそろえておく。 これが、着物の日にいちばん効く決め方です。
支度の順番は、着る・衿・髪・確認・飾り
着物の日は、髪を先に作りたくなります。時間がかかると思うからです。けれど先に作ると、着るときに束が押されて位置が変わります。
順番は5段階です。着る、衿を決める、髪を作る、横から確かめる、飾りを置く。
髪を3番目に置くのは、衿の位置が決まらないと判定ができないからです。後ろ衿をどれだけ引くかで縁の高さは変わり、同じ髪型でも収まったり出たりします。衿が決まってから髪に入れば、判定は1回で済みます。
この順番だと、髪を作るときに袖が邪魔になります。腕を上げる前に、袖を肩へ一度たくし上げて、手首のあたりで押さえておいてください。押さえるものは輪ゴムでも構いません。作り終わったら外します。
どちらとも取れるとき①|衿の抜き方で結果が変わる
後ろ衿をどれだけ後ろへ引くかで、衿の縁の位置は上下します。引くほど縁が下がり、残りの毛が収まりやすくなります。
判定は、当日と同じ衿の状態で行ってください。着付けの前に髪を作って判定すると、着たあとに縁の位置が変わり、結果が逆になります。
順番としては、着る、衿を決める、髪を作る、横から確かめる、飾りの5段階です。髪を先に作ってしまうと、着るときに束が押されて位置も変わります。
どちらとも取れるとき②|左右で残りの長さが違う
片側は収まり、もう片側は外へ出る。この場合は出ているほうに合わせてください。
外へ出ているほうが、歩いたときに先に動きます。収まっているほうに合わせて何もしないと、片側だけが衿の上を行き来する形になり、左右が違って見えます。
出ているほうの毛先を3cm折り返して留めれば、それだけでそろいます。収まっているほうは触りません。
どちらとも取れるとき③|毛量が多くて束が留まらない
上半分を取った時点で、束が太すぎて留め具に収まらないことがあります。
このときは範囲を狭めるのではなく、束を2つに分けて重ねてください。上半分の毛をさらに上下に分け、下の束を先に留め、その上に上の束をかぶせて同じ位置で留めます。
留め具は2本になりますが、位置は同じ場所です。崩れる場所が増えるわけではありません。分けずに1本で留めようとすると、留め具が浮いて、そこから抜けます。
まとめ
着物の日の髪は、上半分だけで作ると手数が半分になります。
両耳の上端を結んだ線から上の毛を指でなぞって取り、後頭部のいちばん出ているところで留めます。判定は横を向いて1点だけ。下ろしたままの残りが、衿の縁より内側にあるか。
縁と重なるなら毛先3cmを内へ折り返し、外へ出るなら束を足さずに取る範囲を耳の下まで広げます。留め具を耳の高さより上にそろえておけば、崩れても鏡なしで直せます。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 耳の上の毛だけとは、どこからどこまでのことですか
- 両耳の上端を結ぶ線を頭の上に想像して、その線から上にある毛のことです。手に取るときは、まず左右のこめかみに指を入れ、そこから頭のてっぺんを通って反対側のこめかみまで、指を一直線に滑らせます。指より上に残った毛が、取る範囲です。前髪を下ろしている場合は、前髪はこの範囲に入れません。範囲を目で決めようとすると毎回変わるので、指でなぞって決めてください。
- Q. 残りが衿の内側に収まるかは、どうやって見るのですか
- 上の毛を留めたあと、横を向いて鏡に映してください。下ろしたままの毛が、後ろ衿の縁より内側にあるか外へ出ているかを見ます。内側に収まっていれば、そのままで一日変わりません。外へ出ていると、歩くたびに毛が衿の上を行き来して、衿の線が毛で切れて見えます。判定は横からだけで足ります。正面からは、この関係が見えません。
- Q. 収まりませんでした。束をもう1つ足せばいいですか
- 足さずに、取る範囲を広げてください。束を足すと留め具が増え、崩れる場所も増えます。取る範囲を耳の上端から耳の下端まで広げると、下ろしたままの毛が減り、残りが短くなります。それでも収まらないなら、残りの毛を毛先だけ内側へ折り返して、1本のピンで留めます。折り返す長さは3cmで足ります。折り返した先は衿より内側に入るので、外へ出る面がなくなります。
- Q. 上半分だけの形は、崩れたときに直せますか
- 直せます。上半分の形は、留め具が全部、耳の高さより上にあります。この高さなら鏡がなくても指で位置が分かるので、押し戻すだけで戻ります。全部の毛をまとめる形は、留め具が襟足の低い位置にも入るので、そこが崩れると鏡なしでは直せません。着物の日は、後ろに手を回しにくい袖の形になることも多いので、直せる高さに留め具を集めておくほうが確実です。
- Q. 髪が短くて、上の毛だけでは留まりません
- 取る範囲を狭めてください。範囲が広いほど束が長くなければ留まりません。両耳の上端の線ではなく、こめかみから頭頂までの三角形だけを取ると、短い毛でもねじって留められます。三角形の底辺は、左右のこめかみを結んだ線です。それでも留まらない長さなら、留めるのをやめて、耳の上に飾りだけを置く形にします。地肌に近い位置なら、小さい留め具でも動きません。
— メグラシ編集部




