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着物のヘアアレンジは耳の上だけで簡単に|残りが衿の内側に収まるか

メグラシ編集部//読了 21分
和装の支度中に、耳の上の毛だけを手に取っている女性

着物のヘアアレンジを簡単にしたいなら、全部の毛をまとめるのをやめてください。

両耳の上端を結んだ線から上の毛だけを取って留める。 これだけで、手数はおよそ半分になります。崩れても自分で直せます。

成立するかどうかの判定は1つです。下ろしたままの残りが、後ろ衿の内側に収まるか。収まれば、その日はそのままで変わりません。外へ出るなら、直し方は2つあります。

秋冬は羽織やショールで衿元が厚くなるので、重ねた状態でもう一度判定します。ショートからロングまで、長さごとの取り方も順に並べます。

📋 早見表|残りの収まり方と、次にやること

この表は答えではありません。留めたあとに、次へ進むか直すかを決めるための道具です。

横から見た残りの毛状態次にやることそのままにすると
衿の縁より内側収まっている飾りへ進む一日変わらない
縁とちょうど重なるぎりぎり毛先3cmを内へ折り返す歩くと縁を越える
縁より外へ出る出ている取る範囲を耳の下まで広げる衿の線が毛で切れる
短くて留まらない別の形へ三角形だけ取る/飾りだけ置く途中で全部落ちる

判定が済んだら、飾りへ進みます。順番を逆にすると、直すたびに飾りを外すことになります。

簡単にする鍵は、取る毛を耳の上だけにすること

着物の日の髪が難しく感じるのは、多くの場合、全部の毛をまとめようとしているからです。

全部の毛をまとめると、襟足の短い毛を拾う手間がかかり、留め具も襟足の低い位置に入ります。そこは自分では見えず、手も届きにくい場所です。袖の形によっては、腕を後ろへ回すこと自体がしにくくなります。

耳の上の毛だけを取る形なら、作業する場所が全部、目の前の鏡で見える高さに収まります。留め具も耳より上に集まるので、一日のあいだに崩れても、指で探って押し戻せます。

まとめる量が半分になるので、ピンの本数も半分で済みます。普段ヘアアレンジをしない人でも、手順を2回練習すれば、当日10分ほどで仕上がります。

取る範囲は、指でなぞって決める

目で決めると、日によって範囲が変わります。指でなぞってください。

  1. 左右のこめかみに、それぞれ人差し指を当てる
  2. 片方の指を、頭のてっぺんを通して反対側のこめかみまで一直線に滑らせる
  3. 指より上に残った毛を、まとめて手に取る
  4. 手に取った束を、後頭部のいちばん出ているところで留める

前髪を下ろしている場合、前髪はこの範囲に入れません。範囲に入れると、留めたときに額の生え際が引かれて、前髪の落ちる向きが変わります。

取った束は、根元から5cmほどのところを軽くねじってから留めると、表面の毛が散らずにまとまります。ねじる回数は2回までです。それ以上ねじると束が硬くなり、留めたあとに後頭部の丸みから浮きます。

留める位置は後頭部のいちばん出ているところ

留める位置は、後頭部のいちばん出ているところです。指で後頭部をなぞって、いちばん高く盛り上がっている点を探してください。

ここより上に留めると、横から見た頭の形が縦に伸びます。着物の衿は首に沿って立っているので、頭が縦に伸びると、首から頭までの線が長く見えすぎます。

ここより下に留めると、束が衿に近づきます。束の下端が衿に触れると、首を動かすたびに束が押されて、留め具がずれていきます。

いちばん出ているところに留めると、束の下端と衿の間に指2本ほどの空きができます。この空きが、一日崩れないための余白になります。

後頭部の丸みが目立ちにくく、いちばん出ている点が分かりにくい場合は、耳の上端の高さから指3本分上を目安にしてください。多くの場合、そのあたりが後頭部の丸みの頂点に近い位置です。一度決めたら、ピンを差した位置を手で覚えておくと、崩れたときにも同じ場所に戻せます。

横を向いて、残りが衿の内側にあるかを見る

留めたら、横を向いて鏡に映してください。見るのは1点だけです。

下ろしたままの毛が、後ろ衿の縁より内側にあるか、外へ出ているか。

内側に収まっていれば、そのままで一日変わりません。外へ出ていると、歩くたびに毛が衿の上を行き来します。衿の線が毛で切れて見え、写真ごとに違う形になります。

判定は横からだけで足ります。正面からは、毛と衿の前後の関係が見えません。自分で撮れないときは、鏡に横向きで映して、その鏡をスマホで撮ってください。

着付けが済む前に髪を作る場合は、判定は着付けのあとに回します。衿の位置が決まる前に判定しても、当日の衿とは位置が違います。

衿に触れる長さを先に測っておく

判定を当日に初めてすると、外へ出たときに直す時間が足りなくなります。前日までに、衿に触れる長さを測っておくと安心です。

測り方は、首の後ろのいちばん出ている骨から、真上へ向かって定規を当てます。着物の後ろ衿は、首の付け根から上へ、おおよそ5〜7cmの高さまで来ます。衣紋を抜く量によって変わるので、着る予定の着物を一度羽織って、衿の縁がどこに来るかを家族に見てもらうと確実です。

下ろした残りの毛先が、その縁の高さより上で終わっていれば、当日も衿の内側に収まります。縁より下まであるなら、後で出てくる直し方のどちらかを使う前提で準備します。

ここで分かっていれば、当日に慌てることはありません。

衣紋を多めに抜く着方をする場合は、後ろ衿の縁が下がり、首の後ろが広く見えます。その分、下ろした残りが衿の内側に収まりやすくなる一方で、首の後ろに毛が落ちている様子がよく見えます。衣紋を抜く日は、残りの毛先を内側へ軽くまとめておくと、首の後ろの線がきれいに出ます。

縁と重なるとき|毛先3cmを内へ折り返す

残りの毛先が衿の縁と重なっている状態は、ぎりぎりです。立っているあいだは収まっていても、歩くと縁を越えます。

このときは、毛先3cmを内側へ折り返して、1本のピンで留めます。

  1. 残りの毛先をまとめて手のひらに乗せる
  2. 毛先から3cmのところを、首側へ向けて折る
  3. 折った山の部分に、ピンを下から上へ差す

折り返した先は衿より内側に入るので、外へ出る面がなくなります。ピンは、波打つ側を地肌に向けて差すと、1本でも動きにくくなります。

折り返す長さを3cmより長くすると、折り山がふくらんで、そこが衿に当たります。3cmで足りないなら、折り返しをやめて、次の方法へ進んでください。

外へ出るとき|取る範囲を耳の下まで広げる

残りがはっきり衿の外へ出ているなら、束を1つ足したくなります。けれど足さずに、取る範囲を広げてください。

束を足すと留め具が増え、崩れる場所も増えます。取る範囲を、耳の上端から耳の下端まで広げると、下ろしたままの毛が減り、残りが短く見えるようになります。

広げ方は、最初の手順と同じです。左右の耳の下端に指を当て、頭の後ろを通して一直線に結びます。指より上の毛を全部取って、後頭部のいちばん出ているところで留めます。

これで残りは、耳より下の後ろ側だけになります。たいていはこれで衿の内側に収まります。それでも外へ出るなら、残りの毛先を3cm内へ折り返す方法を重ねます。

広げたときは、上の束が太くなります。束を留める前に、根元から5cmのところを2回ねじる手順は同じですが、ピンは1本から2本に増やしてください。2本目は1本目と交差させて差します。束が太いまま1本で留めると、半日ほどで束の重さに負けて下がってきます。

広げても、留め具の位置は変わりません。耳より上、後頭部のいちばん出ているところです。範囲を広げることと、留める位置を下げることは別の話なので、混ぜないでください。

ショートのとき|こめかみから頭頂の三角形だけ取る

ショートでは、両耳の上端から上の毛を全部取ろうとすると、束が短すぎて留まりません。

取る範囲を狭めてください。左右のこめかみを結んだ線を底辺にして、頭頂を頂点とする三角形の中の毛だけを取ります。

三角形の毛を、根元から2回ねじり、頭頂の少し後ろで留めます。ピンは交差させて2本差すと、短い毛でも動きません。

ショートは下ろした残りが衿に届かないことが多いので、衿の判定はほとんど要りません。判定は、ねじった束が留まるかどうかだけです。

襟足を短く刈り上げている場合は、後ろから見ると首筋がそのまま見えます。着物の衿とのあいだに毛がない分、首から衿までの線がきれいに出ます。この場合は、横の毛が耳にかかるかどうかだけを見てください。耳にかかる長さなら、耳の後ろへ流してピンで1本留めると、横顔がすっきりします。

それでも留まらない長さなら、留めるのをやめて、耳の上に飾りだけを置く形にします。地肌に近い位置なら、小さい留め具でも動きません。

ボブのとき|毛先があごより下か上かで分ける

ボブは、毛先の位置で作り方が2つに分かれます。

毛先があごより上なら、ショートと同じ三角形の取り方で足ります。残りは衿に届かないので、判定は留まるかどうかだけです。

毛先があごより下なら、両耳の上端から上を取る基本の形にします。残りの毛先が衿の縁に近づくので、横から判定してください。

ボブは毛先が切りそろえられているぶん、縁と重なったときに線がはっきり見えます。重なるなら、毛先3cmを内へ折り返します。ボブの毛先は厚みがあるので、ピンは2本にして、折り山の左右に1本ずつ差してください。

毛先を内側へ軽く巻いておくと、折り返さなくても衿の内側に収まることがあります。巻く場合は、髪を作る前に済ませておきます。

ミディアムのとき|残りを内に入れるか、低くまとめるか

肩につくくらいのミディアムは、残りがちょうど衿の縁にかかる長さです。判定で迷いやすいのもこの長さです。

まずは基本の形で耳の上だけを取り、横から判定してください。縁と重なるなら、毛先3cmを内へ折り返します。

外へ出るなら、取る範囲を耳の下まで広げます。それでも残りが外へ出る長さなら、残りを全部、上の束の下に寄せて、ピンで2か所留めます。束の下に寄せるだけで、結ぶ必要はありません。

このとき、残りを寄せる位置は、襟足から指3本分上です。それより下だと衿に当たり、上だと上の束とぶつかって形が崩れます。

ミディアムの人は、前日に一度通しで試してください。どの直し方が要るかが分かれば、当日の迷いがなくなります。

ミディアムでも、毛先にレイヤーが入っている場合は、残りの毛先がばらばらの長さで衿にかかります。いちばん長い毛先を基準に判定してください。短い毛先が内側に収まっていても、長い毛先が1束でも外へ出ていれば、衿の線はそこで切れて見えます。

ロングのとき|上半分の束に残りを巻きつける

ロングは、下ろしたままの残りがほぼ確実に衿の外へ出ます。耳の上だけで作る形を、少しだけ広げて使います。

  1. 耳の上の毛を取り、後頭部のいちばん出ているところで留める
  2. 残りの毛を1つにまとめ、毛先まで軽くねじる
  3. ねじった残りを、留めた上の束の根元に巻きつける
  4. 巻き終わりの毛先を、巻いた輪の内側に入れてピンで留める

巻きつける先が、耳より上にある上の束なので、留め具は全部、耳の高さより上に集まります。崩れても指で探れる位置です。

全部を一度にまとめるより、上の束を土台にして残りを巻くほうが、手が後ろに回りにくい着物の日でも作業しやすくなります。

秋冬の着物の日は、羽織とショールの衿元で判定し直す

秋冬の着物の日は、羽織やショール、道行などを重ねることが増えます。衿元が厚くなるので、髪の判定が変わります。

重ねた衣類の衿は、着物の衿より外側で首を囲みます。下ろした残りの毛先が、この外側の衿に押されると、外へ跳ねるように出てきます。

髪を作ったら、羽織やショールを実際に重ねた状態で、もう一度横から判定してください。

重ねる前は内側に収まっていても、重ねたあとに外へ出ることがあります。そのときは、毛先3cmを内へ折り返す方法が手軽です。ショールを外したり巻いたりする日は、折り返した状態のほうが、どちらでも収まります。

ショールを巻くと、上の束の下端にも当たることがあります。束の下端とショールの間に指1本分の空きがあるかを見てください。空きがないなら、留める位置を1cm上げます。

七五三の付き添いで動き回る日

七五三の付き添いでは、子どもを抱き上げたり、しゃがんだりする動きが多くなります。髪には、首を前に倒す動きが何度も加わります。

首を前に倒すと、後ろ衿が首から離れ、下ろした残りが衿の外側へ落ちやすくなります。この日は、残りが縁と重なる程度でも、毛先3cmを内へ折り返しておくほうが安心です。

もう1つ確かめておきたいのが、上の束の留め具です。抱き上げたときに子どもの手が届く高さに、飾りや留め具が出ていないかを見てください。飾りは、束の右か左の横側に置くと、抱き上げても手が当たりにくくなります。

支度の時間が限られる日なので、自分の髪は前日に一度通しで作っておき、当日は同じ手順をなぞるだけにしておくと、子どもの支度に時間を回せます。

成人式の前撮りや年始の集まりで、少し華やかにしたい日

年末年始の集まりや、成人式の前撮りの付き添いなど、少し華やかにしたい日もあります。

耳の上だけで作る形でも、華やかさは足せます。足す場所は、上の束の留め位置です。束をねじって留めたあと、毛先を輪にして留め位置に重ねると、そこに立体が生まれます。

輪の大きさは、こぶし1つ分までにしてください。それより大きいと、横から見たときに頭の後ろが重くなり、衿とのつり合いが崩れます。

飾りを足す場合も、留め位置の周りに集めます。耳の上と後頭部の2か所に分けて置くと、どちらかがずれたときに直す場所が増えます。1か所にまとめておけば、崩れても指1本で位置を確かめられます。

飾りは判定が済んでから置く

髪を作ると、先に飾りを置きたくなります。ただ、判定の前に飾りを置くと、直すたびに外すことになります。

順番は、取る範囲を決める、留める、横から判定する、必要なら直す、そのあとに飾り、です。

飾りは、上の束の留め位置か、その少し横に置きます。留め具の上に重ねるように差すと、飾りが留め具を隠し、留め具が飾りを支えます。

飾りの大きさは、横から見て、上の束からはみ出さない程度にしてください。はみ出すと、頭の輪郭が飾りで変わり、衿との距離の判断がずれて見えます。

飾りの色は、着物の柄の中にある色から1つ選ぶと、髪と着物がつながって見えます。柄にない色を選ぶと、頭の上だけが別の場面のように見えることがあります。迷ったら、帯揚げか帯締めの色に合わせてください。顔に近い位置にある小物の色なので、髪の飾りと並んでも浮きません。

留め具は耳の高さより上に集める

この形のいちばんの強みは、留め具が全部、耳の高さより上にあることです。

耳より上なら、鏡がなくても、指で触れば位置が分かります。崩れたときに、押し戻すだけで戻ります。

全部の毛をまとめる形は、留め具が襟足の低い位置にも入ります。そこは指で探りにくく、着物の袖では腕を回しにくい場所です。崩れたとき、鏡なしで直すのは難しくなります。

直し方の途中で留め具を足すときも、この決まりを守ってください。襟足の近くに1本足すと、そこが一日のうちで最初に崩れる場所になります。

襟足の短い毛が下りてきて気になる場合も、留め具で拾わないでください。短い毛は、少量の整髪料を指先につけて、上向きになでつけるだけで足ります。留め具で無理に拾うと、その1本のために襟足の低い位置に留め具が入り、形全体の強みがなくなります。

乾燥で毛が浮く日の下準備

秋冬は空気が乾くので、毛の表面が静電気で浮きやすくなります。上の束を留めても、表面の細い毛が立って、輪郭がぼやけます。

下準備は、髪を作る前に済ませます。手のひらに少量のヘアオイルかクリームを広げ、毛先から中ほどまでなじませます。根元にはつけません。根元につけると、束が滑って留め具が効きにくくなります。

取る範囲を決めて束にしたら、表面だけを手のひらで1回なでます。手のひらに残ったわずかな油分で、浮いた毛が束に沿います。

着物の生地や羽織と髪がこすれると、また静電気が起きます。外出先では、手のひらで束の表面を一度なでるだけで落ち着きます。

下準備の油分は、量が多すぎると束がまとまりすぎて、上の束が平らに見えます。目安は、手のひらに広げたときに、手のひらが少しつやっとする程度です。足りなければ、毛先にだけ追加します。

どちらとも取れる①|残りが縁と重なったり離れたりする

立っているときは内側、座ると外側、というように、残りの毛と衿の関係が動くことがあります。

座ると背中が丸くなり、後ろ衿が首から少し離れます。その分、毛が衿の外側へ落ちやすくなります。

迷ったら、座った状態で判定してください。会食や式の間は座っている時間が長いからです。座った状態で縁と重なるなら、毛先3cmを内へ折り返しておきます。

椅子に座る日と、畳に座る日でも差があります。畳に座ると、背中がより丸くなりやすく、衿が首から離れる幅も大きくなります。畳の席が予定にあるなら、正座した状態で一度判定しておくと確実です。

立った状態で外へ出るなら、座った状態でも外へ出ます。このときは迷わず、取る範囲を耳の下まで広げてください。

どちらとも取れる②|前髪を範囲に入れるか迷う

前髪を下ろしているか、横に流しているかで迷う場合があります。

目にかかる長さの前髪を下ろしているなら、範囲に入れません。入れると、額の生え際が引かれ、普段と違う向きに前髪が落ちます。

横に流している前髪なら、流れの終わりを耳の上の範囲に合流させて構いません。こめかみの位置で、流した前髪の毛先を上の束に軽く重ねてから留めます。

どちらとも決められないときは、前髪だけを先にピン1本で横に留めて、鏡で正面を見てください。顔の周りがすっきりしすぎると感じたら、前髪は範囲に入れず下ろします。

どちらとも取れる③|毛量が多くて束が留まらない

上半分を取った時点で、束が太すぎて留め具に収まらないことがあります。

このときは範囲を狭めるのではなく、束を2つに分けて重ねてください。上半分の毛をさらに上下に分け、下の束を先に留め、その上に上の束を重ねて留めます。

留め具は2本になりますが、位置は同じ場所です。崩れる場所が増えるわけではありません。分けずに1本で留めようとすると、束の中の毛が逃げて、時間とともに下がってきます。

毛量が多い人は、取る範囲を最初から耳の上端より1cm下げておくと、残りが少なくなり、衿の判定もしやすくなります。

どちらとも取れる④|髪が細くて束が滑る

髪が細くやわらかいと、束にしても留め具から滑り落ちることがあります。

滑る原因は、束の表面がなめらかすぎることです。束にする前に、取る範囲の根元に指を入れて、軽く逆立てるように2〜3回こすってください。毛の表面に引っかかりができ、留め具が効くようになります。

ピンは、1本目を束の下から上へ差し、2本目を30〜45度の角度で交差させます。交差した2本が束を挟むので、1本で留めるより滑りにくくなります。

それでも滑るなら、ゴムで一度結んでから、結び目をピンで頭に留めます。ゴムを使っても、結ぶ位置は後頭部のいちばん出ているところのままです。

練習は前日に1回、通しで済ませる

当日初めて作ると、取る範囲で迷い、判定で迷い、直し方で迷います。前日に一度、通しで練習しておくと、当日は同じ手順をなぞるだけになります。

練習は着物を着なくても構いません。襟のある上着を羽織り、衿の高さに近い位置まで襟を立てれば、残りの毛と衿の関係を確かめられます。

  1. 取る範囲を指でなぞって決め、留める
  2. 横向きの鏡で、残りが襟の内側にあるかを見る
  3. 必要な直し方を1つ試し、どちらで収まったかをメモする
  4. 首を前に倒す、座る、の2つの動きをして、崩れないかを見る

メモに残すのは、取った範囲と、使った直し方と、ピンの本数の3つだけで足ります。当日はそのメモを見ながら作れば、迷う場面がなくなります。

写真に残る日は、横と斜め後ろを一度ずつ見る

式や記念の集まりなど、写真に残る日は、正面だけでなく横と斜め後ろの見え方も確かめておきます。

集合写真では、正面から撮られることが多いので、上の束はほとんど写りません。写るのは、顔の横に出ている毛と、衿の縁との関係です。横から見て、残りの毛が衿の線を切っていないかを見てください。

斜め後ろからの写真は、着物の後ろ姿を残したいときに撮られます。このときは、上の束の形と、衿の抜き具合が一緒に写ります。束の下端と衿の間に、指2本ほどの空きがあるかを確かめます。空きがあると、首の後ろの線がすっきり写ります。

2方向とも、手鏡と大きな鏡を合わせ鏡にすれば、自分で確かめられます。

崩れたときに鏡なしで戻す

外出先で崩れたと感じたら、まず上の束の留め位置を指で触ってください。

束が下がっているなら、留め具を一度外し、束を元の位置まで押し上げてから、同じ穴に差し直します。耳の高さより上なので、指で場所が分かります。

下ろした残りが衿の外へ出ているなら、毛先を指で内側へ押し戻し、折り返しのピンが外れていないかを確かめます。外れていれば、折り山に下から差し直します。

予備のピンを2本、帯の内側か小さな袋に入れておくと、落としても困りません。鏡が使えるなら、最後に横向きで一度だけ見て、残りが衿の内側にあるかを確かめます。

直すときに、上の束を全部ほどいて作り直す必要はありません。下がった分を押し上げて、同じ位置に差し直すだけで足ります。作り直すと、取る範囲がずれて、残りの長さも変わってしまいます。

当日の支度を時間で並べる

当日は、着付けと髪の順番で迷いやすくなります。目安を並べておきます。

  1. 髪の下準備(油分をなじませる):5分
  2. 着付け:着る人によって30〜60分
  3. 耳の上の毛を取って留める:5分
  4. 横から判定し、必要なら直す:3分
  5. 羽織やショールを重ねて、もう一度判定:2分
  6. 飾りを置く:2分

髪を先に作ってから着付けをすると、着付けの途中で衿を整えるときに残りの毛が挟まります。着付けのあとに髪を作るほうが、判定も一度で済みます。

髪の工程は合わせて15分ほどです。前日に一度通しで試しておけば、当日はもっと短くなります。

着付けを人に頼む場合は、着付けが終わったあとに髪を作る時間を、前もって伝えておいてください。着付けの場で髪まで済ませる流れになっていると、判定の時間が取れないまま出かけることになります。15分あれば足りるので、その分だけ余裕を持って予定を組みます。

まとめ

着物のヘアアレンジを簡単にするなら、耳の上の毛だけで作ります。

両耳の上端を結んだ線から上の毛を指でなぞって取り、後頭部のいちばん出ているところで留めます。判定は横を向いて、下ろしたままの残りが後ろ衿の内側に収まるかの1点です。

縁と重なるなら毛先3cmを内へ折り返し、外へ出るなら束を足さずに取る範囲を耳の下まで広げます。ショートは三角形だけ、ロングは残りを上の束に巻きつけます。

秋冬は羽織やショールを重ねた状態でもう一度判定し、留め具は耳の高さより上に集めておきます。そうすれば一日のどこで崩れても、鏡なしで戻せます。

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— メグラシ編集部

よくある問い

Q. 耳の上の毛だけとは、どこからどこまでのことですか
両耳の上端を結ぶ線を頭の上に想像して、その線から上にある毛のことです。左右のこめかみに指を入れ、頭のてっぺんを通って反対側のこめかみまで、指を一直線に滑らせます。指より上に残った毛が、取る範囲です。前髪を下ろしている場合は、前髪はこの範囲に入れません。範囲を目で決めると毎回変わるので、指でなぞって決めてください。
Q. 残りが衿の内側に収まるかは、どうやって見るのですか
上の毛を留めたあと、横を向いて鏡に映してください。下ろしたままの毛が、後ろ衿の縁より内側にあるか外へ出ているかを見ます。内側に収まっていれば、そのままで一日変わりません。外へ出ていると、歩くたびに毛が衿の上を行き来して、衿の線が毛で切れて見えます。判定は横からだけで足ります。
Q. ショートでも、この簡単なヘアアレンジはできますか
できます。取る範囲を、両耳の上端の線ではなく、こめかみから頭頂までの三角形に狭めてください。範囲が狭いほど束が短くても留まります。三角形の毛をねじって、頭頂の少し後ろで留めます。ショートは残りが衿に届かないことが多いので、判定は留まるかどうかだけで足ります。
Q. 羽織やショールを重ねる日は、何が変わりますか
衿元が厚くなるので、下ろした残りが押されて外へ跳ねやすくなります。髪を作ったあと、実際に羽織やショールを重ねた状態で、もう一度横から判定してください。外へ出るなら、毛先3cmを内へ折り返すか、取る範囲を耳の下まで広げます。重ねる前の判定だけで済ませると、外へ出てから気づくことになります。
Q. 崩れたとき、鏡なしで直せますか
直せます。耳の上だけで作る形は、留め具が全部、耳の高さより上にあります。この高さなら鏡がなくても指で位置が分かるので、押し戻すだけで戻ります。全部の毛をまとめる形は留め具が襟足の低い位置にも入り、そこが崩れると鏡なしでは直せません。

— メグラシ編集部

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