法事の服装 女性|正座する座敷では、座った裾と脱いだ足元で選ぶ

**法事の案内状を、もう一度読み返してみてください。**会場がお寺の本堂なのか、自宅の仏間なのか、会食は料理屋の座敷なのか。そのどこかで「靴を脱いで、畳に座る」時間がありそうなら、この記事はあなたのためのものです。
喪服は、たいてい立った姿で試着して選びます。鏡の前に立って、丈も幅もちょうどよく見えた1着が、畳の上に正座した途端に膝を出し、腰まわりを張らせることがあります。しかも座敷では靴を脱ぐので、ふだん靴の中に隠れているストッキングのつま先まで見られます。
この記事の答えは1つです。**座敷の法事では、喪服を「正座した姿」と「靴を脱いだ足元」で選びます。**そのために、家で5分だけ正座してみる手順をまとめました。
施主として迎える側の装いは法事の服装 施主側の女性に、親族だけで行う法事でどこまで略してよいかは法事の服装 家族のみに分けてあります。ここでは、どの立場でも共通する「座敷に座る日」の選び方を扱います。
結論:座敷の法事は「座った裾・腰まわり・脱いだ足元」の3か所で選ぶ
正座をしたときに喪服で困る場所は、ほとんど次の3か所に集まります。
| 見る場所 | 困ること | 家で確かめる目安 |
|---|---|---|
| 裾 | 正座すると裾が上がって膝が出る | 立った状態で、裾が膝の皿の下端から10cm以上下にあるか |
| 腰まわり | 座るとヒップと太ももが張り、ファスナーや脇が引っ張られる | 正座して、ヒップの横に手のひらが1枚入るか |
| 足元 | 靴を脱ぐとつま先と足裏が見える | ストッキングのつま先に色の切り替えや補強の濃い部分がないか |
3か所とも問題なければ、その喪服はそのまま座敷に着ていけます。どこか1か所でも引っかかったら、その場所だけを手持ちの小物や重ね方で補います。喪服を買い直す必要は、ほとんどの場合ありません。
案内で先に確かめる3つ|靴を脱ぐか、床に座るか、何分座るか
服を選ぶ前に、当日の流れを3つの点で確かめておきます。これが分かると、どこまで準備すればいいかが決まります。
1つ目は靴を脱ぐかどうかです。お寺の本堂は、入口で靴を脱いで上がるところがほとんどです。自宅の仏間も同じです。斎場や霊園の法要室は、靴のまま椅子に座る形式が多くなります。
2つ目は床に座るか、椅子に座るかです。本堂でも、最近は椅子を並べているお寺が増えています。靴を脱ぐからといって正座するとは限りません。
3つ目は何分座るかです。読経はおおむね30分から1時間ほどです。そのあと会食が座敷であれば、さらに1時間半から2時間ほど座ります。合わせると、長い日は3時間近く畳の上にいることになります。
分からないときは、施主に「当日は本堂に椅子がありますか」と一言聞いてかまいません。聞きにくい間柄なら、お寺の名前で調べると、本堂の写真に椅子が写っていることもあります。それでも分からなければ、座敷で正座する前提で準備しておけば、椅子だった場合にも困りません。
裾|正座すると、裾は何cm上がるか
正座をすると、太ももが前に向かって床と平行になり、膝が体のいちばん前に出ます。立っているときは膝のすぐ下で止まっていた裾も、この姿勢になると太ももに沿って引き上げられ、膝の上のほうへずれていきます。
家で確かめるときは、まず立った状態で、裾が膝の皿の下端から何cm下にあるかを測ってください。
- 10cm以上下にある:正座しても膝が覆われる。そのまま着ていける
- 5〜10cm下にある:正座すると膝がぎりぎり隠れるか、少し出る。膝にハンカチを置く準備をする
- 5cm未満:正座すると膝がはっきり出る。ひざ掛けを用意するか、別の1着にする
この目安は、裾がまっすぐ落ちる形のスカートやワンピースの場合です。裾に広がりのあるフレアやギャザーの形は、座ると布が膝の上にたまって覆いやすいので、同じ丈でも膝が出にくくなります。反対に、タイトスカートは布の余りがないので、目安より5cmほど長めに見ておいてください。
正座から立ち上がるときの裾
もう1つ確かめておきたいのが、正座から立ち上がるときです。立ち上がる途中で、片膝を立てる瞬間があります。このとき裾が膝で押し上げられて、太ももが見えてしまうことがあります。
立ち上がるときは、両手で前の裾を軽く押さえながら、膝を立てる側の足を一歩前に出すのではなく、つま先を立ててからまっすぐ腰を上げるようにすると、裾が乱れにくくなります。家で一度だけ練習しておくと、当日も落ち着いて動けます。
腰まわり|正座したときの張りと、ファスナー
正座をすると、立っているときよりヒップと太ももが横に広がります。立った姿でちょうどよかった喪服でも、座ると腰まわりが張って、脇の縫い目が引っ張られたり、背中のファスナーのあたりにしわが寄ったりします。
確かめ方は、正座したまま、ヒップの横に手のひらを差し入れることです。手のひらが1枚すっと入れば、ゆとりは足りています。入らない、または入れると布が引っ張られるのが分かるなら、座っているあいだに腰まわりが張って見えます。
座敷の法事は、読経と会食を合わせると長い時間座ります。腰まわりがきつい喪服は、時間がたつにつれて座っているだけで疲れてきます。ワンピースならウエストに切り替えのない形か、ウエストより下にゆとりのある形、スカートならタックやフレアで腰まわりに布の余りがある形が、座敷では楽に過ごせます。
手持ちの喪服がきつくなってきたと感じたら、喪服が入らない場合で、直すか替えるかの決め方をまとめています。
パンツの日|正座で起きることを先に知っておく
親族だけの一周忌や三回忌では、黒のパンツスーツで参列する人も増えています。パンツで座敷に座る日は、スカートとは違うところに気をつけます。
正座をすると、膝の曲がりが深くなるので、パンツの膝の裏に強いしわが寄ります。生地によってはそのしわが立ち上がったあとも残り、膝の裏だけ横じわが目立つことがあります。また、太ももが張ってパンツの前に横じわが出たり、股上が浅いと座ったときに背中側が下がって、上着の裾から腰がのぞいたりします。
パンツで座敷に行くなら、太ももまわりにゆとりがあって、股上が深めのものを選んでください。生地は、しわが戻りやすいポリエステル混のものが向いています。パンツで法要に参列するときの丈と生地の見方は、一周忌の服装、女性はパンツでいい?にもまとめています。
足元|靴を脱いだ姿を見られる
座敷の法事でいちばん見落とされやすいのが、足元です。靴を脱いで上がるので、ストッキングのつま先や足裏が、正座しているあいだも、移動するあいだも、周りの人の目に入ります。
ストッキングのつま先を見る
ストッキングの中には、つま先の部分だけ糸が太く、色が一段濃くなっているものがあります。靴を履いているときは隠れていますが、靴を脱ぐとつま先だけが四角く濃く見えます。座敷の法事では、つま先に色の切り替えがない黒のストッキングを選んでください。パッケージに「つま先スルー」などと書かれているものがそれにあたります。
足裏に滑り止めの加工があるものも、正座すると足裏が後ろに向いて見えるので、加工の色が目立たないかを確かめておきます。
伝線に備えて、予備を1足
畳の上を歩いたり、正座から立ち上がったりするとき、ストッキングは思いがけず引っかかります。畳のへりや座布団の端、本堂の板の継ぎ目に引っかかって、伝線することがあります。
靴を履いていれば目立たない小さな伝線も、靴を脱いでいると目に入ります。バッグに予備のストッキングを1足入れておき、気づいたらお手洗いで履き替えてください。
靴の中と、脱いだ靴
靴を脱ぐと、靴の中敷きが見えます。玄関に脱いだ靴が並ぶので、中敷きの汚れやかかとのすり減りは、思ったより目に入ります。前の日に、中敷きを拭いておくだけで十分です。
脱ぎ履きのしやすさも大事です。ストラップやボタンで留める靴は、脱ぐたびにかがんで外す必要があり、玄関が混み合うと手間取ります。座敷の法事には、留め具のない黒のパンプスが向いています。
冬にブーツで向かうとき
雪の地域や寒さの厳しい日には、お寺までブーツで向かいたい日もあります。法事の席では黒のパンプスが基本ですが、移動のあいだだけブーツを履き、お寺に着いてからパンプスに履き替えるのは問題ありません。
ただ、座敷の法事では、本堂に上がるときに靴を脱ぐので、履き替えたパンプスもすぐに脱ぐことになります。そのため、ブーツのまま本堂の入口まで行き、そこで脱いで上がる人もいます。この場合は、ファスナーで脱ぎ履きできる黒の無地のブーツを選び、脱いだときにブーツの中の起毛やファーが見えないかを確かめておいてください。
ブーツの中は蒸れやすいので、脱いだときにストッキングの足が湿っていると、畳に足跡が残ることがあります。本堂に上がる前に、お手洗いで足を少し休ませるか、予備のストッキングに履き替えるとさっぱりします。
寒さ|秋冬の本堂と座敷は、床から冷える
秋が深まって冬の立ち上がりにかかると、本堂や座敷は床から冷えてきます。お寺の本堂は天井が高く広いので、暖房が入っていても、畳の上に座っていると足元から冷えが上がってきます。
寒さへの備えは、上に羽織るより、脚とおなかまわりに仕込むほうが効きます。正座をしているあいだ、冷えるのは畳に接している脚と、床に近い腰まわりだからです。
脚には、黒のストッキングの上に、薄手の黒いタイツを重ねる方法があります。ストッキングだけのときと見た目が大きく変わらない、30デニール前後のものを選ぶと、喪服の足元として落ち着いたまま温かくなります。スカートの下に、黒のペチコートや膝丈の薄いレギンスを仕込むのも効果があります。
上半身は、喪服の下に肌着を1枚足すのがいちばん簡単です。襟ぐりや袖口からのぞかない形を選んでください。
コートと羽織りの扱い
コートは、本堂の入口や玄関で脱ぐのが基本です。脱いだコートは、裏を外側にしてたたみ、腕にかけるか、案内された場所に置きます。
本堂の中で寒いときは、黒のカーディガンか、黒の無地のショールを羽織ります。光沢のある生地や、毛足の長いニットは避けて、喪服と同じくらいの黒さのものを選ぶと目立ちません。
秋の始めは、反対に汗ばむこともある
秋の始めの法事では、外はまだ暖かいのに、閉め切った座敷に大勢が集まって、汗ばむほど暑くなることもあります。喪服の生地は夏用でなければ厚みがあるので、長く正座していると、背中や膝の裏に汗がたまります。
この時期は、重ね着を家で仕込むより、脱いだり足したりできる形にしておきます。脚はストッキングだけにして、寒ければ上からひざ掛けをかける。上半身はカーディガンを持っていき、暑ければ脱いでたたんでおく。外の気温が20度を超える日は、仕込みの重ね着は控えたほうが、長い時間を落ち着いて過ごせます。
膝の裏の汗は、正座から立ち上がったときに、喪服の裏地が脚にはりつく原因になります。立ち上がったら、裾を軽く手で払って、脚から離してから歩き出してください。
しびれと、足を崩すとき
正座は、慣れていないと10分ほどで足がしびれてきます。読経の30分を正座で通すのは、ふだん正座をしない人にはつらいものです。
足を崩すのは、失礼にはあたりません。ただ、崩し方で裾が乱れることがあるので、手順を決めておくと安心です。
- 両手で前の裾を膝の上にそろえて押さえる
- 膝を閉じたまま、両足を片側に流して横座りにする
- 流した足が裾から出ていないかを見て、出ていれば裾を引いて覆う
横座りにするときは、足を流す方向を、仏壇や祭壇のある側と反対にすると、落ち着いて見えます。
正座をするときの座り方を少し工夫するだけでも、長く座りやすくなります。座布団には、膝が座布団の前の端から少し内側に来るように座ると、膝の下がたるまず、姿勢が安定します。足の親指どうしを軽く重ねておき、ときどき上下を入れ替えると、同じ場所にばかり重さがかかりません。読経の区切りで少しだけお尻を浮かせて座り直すのも、周りに目立たずにできる方法です。
正座用の小さな腰掛けを持っていくのも一つの方法です。折りたたんでバッグに入るものもあり、お尻の下に置くと、正座の形のまま脚にかかる重さが減ります。座敷の法事が多い家では、使う人も少なくありません。
焼香の動き|座敷では前かがみと袖口を見る
座敷の法事では、焼香の形も椅子席と変わります。どちらの形になるかで、気をつける場所が違います。
1つは、香炉をお盆にのせて参列者の前に順に回していく形です。自分の前に香炉が来たら、正座したまま少し前に体を傾けて焼香し、終わったら隣の人に回します。このとき、前かがみになった胸元が開いて見えないか、袖口が香炉の上にかからないかを見ておきます。袖が広がった喪服や、袖口にフリルのある喪服は、香炉の炭や灰に近づきやすいので、焼香のあいだは反対の手で軽く袖口を押さえてください。
もう1つは、自分の番が来たら正座から立ち上がり、前に置かれた焼香台まで進んで焼香する形です。この場合は、正座から立ち上がる動きと、また座る動きが、全員の前で一度ずつ入ります。立ち上がるときの裾の押さえ方は、裾の項で書いた手順のとおりです。焼香台の前で座って焼香する形なら、焼香台の前で一度正座し、終えてから立って席に戻ります。
どちらの形でも、焼香の順番が近づいたら、しびれていないかを先に確かめておくと慌てずに済みます。足を崩していた人は、2〜3人前で正座に戻しておくと、自分の番で立ち上がるときにふらつきにくくなります。
髪とアクセサリー|座っていると、上から見下ろされる
座敷では、自分が座っているときに、周りの人が立って歩いたり、焼香に向かったりします。立っている人の目線から見えるのは、座っているあなたの頭の上と、うなじと、背中です。
髪は、低い位置でひとつにまとめると、上から見下ろされても乱れて見えません。金具の光るクリップや、飾りのついたバレッタは、黒でも光を返して目立つので、つやのない黒のゴムかピンで留めます。正座で前かがみになったときに、まとめていない髪が顔の前に落ちてくると、手で払う動きが増えて落ち着かなく見えます。
アクセサリーは、つけるならひと連のパールのネックレスと、小さな粒のイヤリング程度にとどめます。前かがみになったときにネックレスが胸元から前に垂れて揺れることがあるので、長さは鎖骨にかかるくらいの短めのものが座敷には向いています。
自宅の仏間で行う法事
お寺ではなく、自宅や親戚の家の仏間で法事を行うこともあります。自宅の仏間は本堂より狭く、参列者どうしの距離が近くなるので、本堂とは違う点に気をつけます。
狭い部屋では、隣の人と膝が触れ合うくらいの間隔で並ぶことがあります。足を崩すときに隣の人にぶつからないよう、崩す方向をあらかじめ決めておいてください。座布団も本堂のものより薄いことが多く、膝や足の甲に畳の硬さが伝わりやすくなります。正座用の腰掛けがあると、ここでも楽に過ごせます。
暖房は、エアコンが一台だけの部屋も多く、エアコンに近い席と遠い席で寒さが大きく違います。冷える側の席になったときのために、黒のカーディガンかショールはバッグに入れておいてください。
自宅の法事は、参列者が帰ったあとに片づけを手伝うこともあります。喪服のまま台所に立つ日は、黒の無地のエプロンを1枚持っていくと、喪服を汚さずに済みます。
前の日までにそろえておくもの
座敷の法事に向けて、前の日までにそろえておくものを書き出しておきます。当日の朝にあわてて探さないよう、ひとまとめにしてバッグの近くに置いておくと安心です。
- 当日に履く黒のストッキング(つま先に切り替えのないもの)と、予備の1足
- 黒の大判ハンカチ、または黒の薄手のひざ掛け
- 秋冬なら、重ねる薄手の黒いタイツか、スカートの下に仕込むもの
- 本堂で羽織る、黒のカーディガンかショール
- 正座が長くなりそうな日は、折りたためる正座用の腰掛け
- 中敷きを拭いた、留め具のない黒のパンプス
- 数珠、袱紗に包んだ香典
このほか、会食まで出る日は、口元を拭く白か黒の無地のハンカチを、膝に広げるものとは別にもう1枚持っておくと、食事の席で困りません。
数珠・バッグ・ハンカチの置き場所
座敷では、持ち物を置く場所も決めておくと落ち着きます。
数珠は、読経のあいだは左手に持つか、膝の上に置いた左手にかけておきます。合掌するときは両手にかけます。バッグは、正座した膝の横か、体の左後ろに置きます。前に置くと、焼香に立つときにまたぐことになります。
ハンカチは、すぐ出せるように膝の上か、喪服のポケットに入れておきます。膝が出やすい喪服の日は、大判の黒いハンカチを膝の上に広げておくと、裾の補いにもなります。
会食の座敷|掘りごたつか、座卓か
法事のあとの会食が料理屋の座敷のときは、席の形でまた少し事情が変わります。
掘りごたつの席なら、足を下ろして座れるので、正座の心配はいりません。ただ、足元が掘りごたつの中に入るので、スカートの裾が床に触れないかだけ気をつけてください。
座卓の席は、また正座か横座りで1時間半から2時間過ごします。会食では、料理を取ったり、お酌をしたりするたびに前かがみになるので、胸元が開きやすい喪服は、かがんだときに中が見えないかを確かめておきます。
食事中は、膝の上に大判のハンカチを広げておくと、料理のしずくから喪服を守れます。座敷では膝の上が低い位置にあるので、ハンカチを広げても目立ちません。
どちらとも取れるとき|迷う日の決め方
ここからが、いちばん迷うところです。会場の様子が分からない、手持ちの喪服が座敷に向かない、自分の体の事情で正座が難しい。そんな日にどう決めるかを、よくある迷い方ごとに置いておきます。
椅子席か座敷か、最後まで分からない
施主に聞けず、調べても分からない日は、座敷で正座する前提で準備してください。正座しても膝が出ない喪服、つま先に切り替えのないストッキング、予備の1足。この3つをそろえておけば、椅子席だった場合にも何も困りません。反対に、椅子席の前提で準備して座敷だった場合は、その場で直せないことが多いからです。
本堂は椅子で、会食だけ座敷
最近増えているのが、本堂の読経は椅子席で、会食だけが料理屋の座敷という流れです。この場合、正座するのは会食の時間だけになります。会食なら足を崩しても目立ちにくく、ひざ掛けやハンカチを使っても自然なので、裾の目安は「5〜10cm下」の帯でも十分です。
手持ちの喪服がタイトスカートしかない
喪服が膝丈のタイトスカートのスーツしかない、という人も多いはずです。買い直すのは、法事の回数が多い人以外は急がなくてかまいません。
当日は、黒の大判ハンカチか、黒の薄手のひざ掛けを持っていきます。正座したら、すぐに膝の上に広げてください。座敷の法事でひざ掛けを使うのは、寒さ対策としても自然なので、周りの目を気にする必要はありません。
年齢や体の事情で、正座ができない
膝や腰の事情で正座ができない人は、無理をしないでください。施主に「椅子をお借りできますか」とお願いするか、お寺に着いたときに受付の人に伝えます。本堂の後ろや端に、椅子を用意してくれるお寺が多いです。
椅子に座る場合は、裾の目安は立った姿と同じでかまいません。座敷の中で一人だけ椅子に座ると目立つのでは、と気にする人もいますが、法事の席では年配の方も多く、椅子を使う人がいるのは珍しいことではありません。
喪服がワンピースとジャケットの組み合わせ
喪服には、ワンピースの上に短いジャケットを重ねる組み合わせのものも多くあります。座敷では、このジャケットを着たままにするか脱ぐかで迷います。
読経と焼香のあいだは、ジャケットを着たままにしておくのが基本です。正座すると、ジャケットの裾が畳に触れたり、後ろの裾が腰の上に持ち上がったりすることがあるので、座るときに両手でジャケットの後ろの裾を軽く下に引いてから腰を下ろしてください。
会食の席に移ったら、暑ければジャケットを脱いでもかまいません。脱いだジャケットは、裏を外側にしてたたみ、自分の後ろか横に置きます。ワンピースが袖のない形なら、会食のあいだも羽織っておくほうが落ち着きます。
子どもを連れて座敷に上がる
小さな子どもを連れて座敷に上がる日は、自分の正座の時間より、子どもを抱いたり、外に連れ出したりする動きのほうが多くなります。この日は、立ったり座ったりを繰り返しても裾が乱れにくい、ワンピースかフレアのスカートを選んでください。パンツを選ぶのも一つの方法です。
家で5分、正座して確かめる手順
最後に、手持ちの喪服が座敷に向くかどうかを、家で確かめる手順をまとめておきます。法事の1週間前までに一度だけやっておけば、当日に困ることはほとんどなくなります。
- 喪服を着て、当日に履く黒のストッキングを履く
- 立った状態で、裾が膝の皿の下端から何cm下にあるかを測る
- 床かラグの上で正座して、膝が裾で覆われているかを鏡で見る
- 正座したまま、ヒップの横に手のひらが1枚入るかを確かめる
- 足裏とつま先を鏡に映して、ストッキングの切り替えが目立たないかを見る
- 横座りに崩して、裾で脚が覆えるかを見る
- 正座から立ち上がって、裾が乱れないかを確かめる
どれか1つでも引っかかったら、そこだけを補う準備をします。膝が出るならひざ掛けかハンカチ、腰まわりがきついなら別の1着か座る時間を短くする工夫、つま先が目立つならストッキングを替える。準備することが分かっていれば、当日は故人を偲ぶことに気持ちを向けられます。
秋冬に続く法事とあわせて読む
秋から冬にかけては、一周忌や三回忌、納骨と、法事が続く時期でもあります。納骨で墓前に立つ日の服装は納骨の服装に、屋外での防寒もふくめてまとめています。
座敷の法事は、室内にいるあいだの過ごし方が服装の大部分を決めます。屋外の納骨と同じ日に行うなら、室内用の準備と屋外用の準備を、一つのバッグにまとめておくと移動が楽になります。
まとめ
座敷の法事では、喪服を立った姿ではなく、正座した姿と靴を脱いだ足元で選びます。裾は立った状態で膝の皿の下端から10cm以上下、腰まわりは正座してヒップの横に手のひらが1枚入るか、ストッキングはつま先に切り替えのない黒。
秋冬は床から冷えるので、上に羽織るより先に、脚とおなかまわりに黒の重ね着を仕込んでください。迷ったら座敷で正座する前提で準備しておけば、椅子席だった日にも困りません。家で5分、一度だけ正座してみるところから始めてください。
よくある問い
- Q. 法事で正座がつらいときは、どうすればいいですか
- 最初から足を崩す必要はありません。読経のあいだだけでも、正座用の小さな腰掛けを使うか、施主に椅子をお願いしてかまいません。お寺によっては本堂の後ろに椅子が用意されていることもあります。足を崩すときは、横座りにして、裾で膝と脚を覆うように両手で整えてから崩してください。
- Q. 喪服のスカートがタイトで、正座すると膝が出てしまいます
- 立った状態で裾が膝下10cmに届かないタイトスカートは、正座すると裾が上がって膝が出やすくなります。手持ちで解決するなら、黒の大判のハンカチか、黒の薄手のひざ掛けを膝の上に置いてください。座敷の法事ではひざ掛けを使う人も多く、失礼にはあたりません。次に喪服を選ぶときは、ワンピースかフレア気味のスカートで、丈が膝下10cm以上のものにすると座敷で困りません。
- Q. 座敷の法事に黒のパンツで行ってもいいですか
- 親族だけの一周忌以降の法要なら、黒のパンツスーツやパンツを選ぶ人も増えています。正座するとパンツの膝が強く曲がって後ろにしわが寄り、太ももが張るので、ゆとりのある形を選んでください。施主側や、年配の親族が多い席では、スカートかワンピースのほうが落ち着いて見えることもあります。
- Q. 冬の法事で、本堂が寒いときはどうすればいいですか
- 床から冷えるので、脚とおなかまわりに重ねるのがいちばん効きます。黒のストッキングの上に薄手の黒いタイツを重ねる、スカートの下に黒のペチコートや薄いレギンスを仕込む、喪服の下に肌着を1枚足すといった方法があります。コートは本堂の入口で脱ぐのが基本なので、上に羽織るものは黒のカーディガンかショールにしてください。
— メグラシ編集部





