法事の服装 子ども|制服がない子は手持ちの服を色と音でそろえる

制服のない子どもを法事に連れて行くなら、まずは手持ちの服から「目立つもの」を外してください。新しく買うのは、そのあとで足りないものだけで十分です。
子どもの法事の服は、大人の喪服のような決まりがありません。大人に近づけようとすると、子ども用の黒いスーツやワンピースを探すことになりますが、多くの家はそこまでしていません。
あなたの子に必要なのは、大人の喪服の横に並んで浮かない色で、離れて見える柄がなく、座っても歩いても鳴らない服です。この3つがそろえば、通園や通学で着ている服で足ります。
この記事では、その3つを手持ちで確かめる方法と、年齢による違い、秋冬の上着と靴、そしてどちらとも取れるときにどう決めるかを書きます。大人の服の寒さ対策は法事の服装 冬 女性|寒さ対策は外から見える所と見えない所で分ける、身内だけの席でどこまで下げるかは法事の服装 家族のみ|身内だけの席で、どこまで下げていいかにまとめています。
結論:子どもは「大人に近づける」より「目立つものを外す」
法事の場で、子どもの服がどう見られているかを考えてみてください。参列する大人は、子どもが喪服を着ていないことを気にしていません。気になるのは、読経の間に光るもの、鳴るもの、そして本堂や座敷の落ち着いた色の中で一つだけ浮いて見える色や柄です。
ですから、子どもの服は足すより外すほうが先です。
外すものは、次の三つに分けて考えると漏れがありません。
- 色:大人の喪服の横に並べて、一つだけ浮いて見える色
- 柄:1メートル離れても見える大きな柄やキャラクター
- 音と光:歩いたり座ったりしたときに鳴るもの、光るもの
この三つを外したあとに残った服で、上下と上着と靴がそろえば、それで当日の服は決まりです。足りないものがあれば、そこだけ補います。
まず年齢で分ける
子どもといっても、赤ちゃんと中学生では考えることが違います。年齢でおおまかに分けておきます。
| 年齢の目安 | 服の考え方 | いちばん気をつけること |
|---|---|---|
| 赤ちゃん(歩く前) | 落ち着いた色なら何でもよい | 途中でおむつ替えや授乳ができるか |
| 幼児(歩けるが座っていられる時間が短い) | 手持ちの服から目立つものを外す | 光る靴・鳴るおもちゃ・大きな柄 |
| 小学生 | 上下とも落ち着いた色にそろえる | 長く座ったときのしわと、靴下の色 |
| 中学生・高校生 | 制服があれば制服。なければ大人に近い色にそろえる | 本人が着たい服と場の差 |
制服のある学校に通っている子は、制服が正式な服装になります。ここでは、制服がない子、制服はあるが着せたくない理由がある子、たとえば部活の後で汚れている、サイズが合わなくなったといった場合を中心に書きます。
境目1|色は、大人の喪服の横に並べて浮かないか
色の確かめ方は、実際に並べてみることです。
大人の喪服をハンガーに掛けて、その横に子どもの服を並べてください。少し離れて見たとき、子どもの服だけが目に飛び込んでくるなら、その色は外します。
| 色 | 並べたときの見え方 | 扱い |
|---|---|---|
| 黒・紺・濃い灰色 | 大人の喪服になじむ | そのまま使える |
| 明るい灰色・こげ茶・深い緑 | 少し明るいが、落ち着いて見える | 使える。上か下のどちらかを濃い色にする |
| 白・生成り | シャツやブラウスなら中に着る色としてなじむ | 中に着る一枚に使う。上着には使わない |
| ベージュ・キャメル | やや明るく見えるが、子どもなら許される範囲 | 小さな子なら使える。小学生以上は避ける |
| 赤・黄・水色・ピンク・明るい緑 | 一つだけ浮いて見える | 外す |
いちばん手持ちで整えやすいのは、中に白いシャツかブラウス、上に紺か灰色のカーディガンかトレーナー、下に紺か灰色か黒のズボンかスカートという組み合わせです。通園や通学で着ているものの中に、たいていどれかがあります。
並べるときは、部屋の明るさにも気をつけてください。夜の照明の下では、色の差が小さく見えます。法事は昼間に行われることが多く、本堂や座敷には窓からの光が入ります。できれば昼間の窓辺で並べると、当日に近い見え方で確かめられます。夜にしか準備できないときは、部屋のいちばん明るい照明の真下で並べてください。
並べた結果、明るい色の服しかないと分かることもあります。その場合でも、すぐに買いに行く前に、上に重ねられる濃い色のものがないかを探してください。紺のカーディガン、黒のパーカー、濃い灰色のベスト。上に一枚重ねるだけで、中の明るい色はほとんど見えなくなります。とくに小さな子は、上着の前を閉じてしまえば、中に何を着ていても分かりません。
迷ったときは、上下のどちらか一方を濃い色にしてください。上下とも明るい灰色だと全体が明るく見えますが、下が黒や紺なら、上が明るい灰色でも落ち着いて見えます。
境目2|柄とキャラクターは、1メートル離れて見えるか
柄の確かめ方も簡単です。服を床に置くか、子どもに着せて、1メートル離れて立ってください。それで柄が何か分かるなら、その柄は法事の場でも見えます。
- 1メートル離れて分からない細かい柄(細いストライプ、小さなチェック、細かい織り柄)は、無地と同じ扱いで構いません
- 胸の小さなワンポイントは、上に何か重ねて隠れるなら問題ありません。隠れないなら、色が落ち着いていればそのままでも許される範囲です
- 前面の大きなプリントやキャラクターは、外すか、上着の前を閉じて隠します
文字の入った服も、柄と同じように考えます。胸に大きく英語や数字が入ったトレーナーやTシャツは、離れていても文字の形がはっきり見えます。小さな文字でも、色が明るいと目に付きます。文字の色が服と近い色なら、遠目には柄に見えないので、そのままでも構いません。
本堂や座敷では、子どもはお坊さんの正面に近い席に座ることもあります。大人の目から見ても、正面に大きなキャラクターが来ると目が行きます。とくに、子どもが好きで毎日着ているトレーナーは、本人が着たがることも多いので、前の晩に話しておくと当日の朝にもめずに済みます。
見落としやすいのが、背中の柄です。前は無地でも、背中に大きなプリントやロゴが入った服はよくあります。法事では、子どもは大人の前の列に座ることもあり、後ろの席の大人からは背中がずっと見えています。着せたら、後ろからも1メートル離れて見てください。背中に柄があるなら、前と同じく、上に何か重ねて隠します。
ズボンやスカートの柄も同じです。座ると脚が前に出るので、膝から下の柄は意外とよく見えます。裾にラインが入ったジャージや、膝に大きなワッペンが付いたズボンは、正座したときに目に付きます。
柄のない服がどうしても見つからないときは、無地の服を1枚だけ用意します。量販の価格帯の無地のトレーナーやカーディガンで足ります。紺か灰色を選んでおけば、そのあとも通園や通学で着られます。
境目3|音と光は、歩いても座っても鳴らないか
法事で子どもの服が目立つのは、色や柄より、音と光であることのほうが多いものです。読経の間、本堂はとても静かです。小さな音でもよく響きます。
確かめ方は、子どもに当日の服を着せて、靴も履かせて、家の中を10歩歩かせ、床に座らせ、立たせることです。そのときに鳴るものがあれば外します。
- 歩くと光る靴、音の出る靴
- 鈴やキーホルダーの付いたかばん、服のファスナーの飾り
- 動くとしゃかしゃか鳴る化学繊維の上着
- ポケットの中のおもちゃやお菓子の袋
- 髪飾りのビーズや鈴
光る靴は、子どもが自分で選んだお気に入りであることが多く、外したくないと言うかもしれません。お寺では本堂に上がるときに靴を脱ぐことが多いので、光るのは移動の間だけです。ただ、墓前へ移動するときや、会食の会場への出入りで光るのは目に付きます。ほかに履ける靴があれば、その日だけ替えてください。
髪飾りも、確かめるのを忘れがちな場所です。女の子の髪をまとめるときに使うゴムやピンに、大きなリボンやビーズ、鈴が付いていることがあります。座っている間に頭を動かすたびに、ビーズが触れ合って音が出ます。法事の日は、飾りのない黒か紺か茶色のゴムで、低い位置にまとめるのがいちばん落ち着いて見えます。前髪をとめるなら、飾りのない細いピンにしてください。
しゃかしゃか鳴る上着は、秋冬に多い困りごとです。脱いだ上着は、本堂に入る前に大人が預かって、袋に入れておきます。座っている間に子どもが上着をいじると、それだけで音が出ます。
境目4|座っている時間に合わせて、腰回りを選ぶ
法事は、座っている時間が長い場です。読経だけでも30分から1時間、そのあとにお墓参りや会食が続くと、半日になることもあります。
子どもの服は、座っている時間に合わせて、腰回りの楽なものを選んでください。
- 正座の場合:ウエストがきつい服や、膝が曲がりにくい硬いズボンは、子どもがすぐ足を崩します。伸びる生地のズボンか、膝が楽に曲がるスカートにします
- いすの場合:スカートの丈が短いと、座ったときに膝の上まで上がります。膝が隠れる丈か、下にタイツやレギンスを合わせます
- 長時間の場合:ウエストのボタンやベルトより、ゴムのウエストのほうが、子どもは落ち着いて座っていられます
会食の席も、座る時間に入れて考えてください。法要のあとの会食は、座敷の低いテーブルのことも、いすとテーブルのこともあります。子どもは食べながら体を前に乗り出すので、袖口が料理に触れやすくなります。袖が手の甲にかかる長さの服なら、会食の前に一度折り返しておくと、汚れを防げます。首元にボタンやフードのある服は、前かがみになったときに料理に触れやすいので、フードは背中に回して、ひもは結んでおきます。
座っている間に子どもがもぞもぞ動くのは、服のせいであることも多いのです。家で一度、30分ほど当日の服で座らせてみると、どこがきついかが分かります。
秋冬の上着|コートは何色まで
秋の終わりから冬にかけての法事では、子どもの上着も考えることになります。
子どもの上着は、黒・紺・灰・こげ茶の範囲なら、通園や通学で着ている上着で足ります。わざわざ法事のために上着を買う必要はほとんどありません。
明るい色の上着しかない場合は、外を歩くときだけ着て、本堂や座敷に入る前に脱ぐと決めておきます。脱いだ上着は大人が預かり、墓前に移動するときにもう一度着せます。屋内にいる間は見えないので、明るい色でも問題になりにくいのです。
困るのは、墓前でのお参りが長いときです。冬の墓地は風が強く、子どもは大人より冷えやすいので、上着を脱がせたままにはできません。この場合は、明るい色の上着でもそのまま着せて構いません。子どもの体を冷やさないことのほうが大切です。墓前で上着を着ているのは、子どもも大人も同じです。気にする人はいません。
上着の中に着るものも、秋冬は考えておきます。お寺の本堂は広く、暖房が効きにくいことがあります。逆に、会食の座敷は暖房が強く、子どもは汗をかきます。上着を脱いだあとの服が、薄すぎても厚すぎても困ります。中は長袖の薄手のシャツやカットソーに、紺か灰色のカーディガンかトレーナーを重ね、寒ければカーディガンを着たまま、暑ければ脱げるようにしておくと、どちらの部屋にも合わせられます。肌着は、首元から見えない形のものを選んでください。
手袋や帽子も、落ち着いた色なら着けたままで構いません。墓前でお参りをするときに手袋を外すかどうかは、大人に合わせます。大人が外すなら、子どもも外させます。
足元|靴と靴下とタイツ
足元は、お寺や座敷では靴を脱ぐので、靴下やタイツが意外とよく見えます。
靴下は、白・黒・紺・灰色の無地がいちばんなじみます。柄のある靴下や、明るい色の靴下は、座敷で足を崩したときに目に入ります。白い靴下は子どもらしくてよいのですが、汚れが目立つので、新しいものか、よく洗ったものを選んでください。
タイツは、秋冬なら黒か紺か灰色の厚手で構いません。大人の弔事では薄い黒のストッキングが基本ですが、子どもにそれを合わせる必要はありません。冷えないことを優先してください。
靴は、黒・紺・白などの落ち着いた色の、脱ぎ履きしやすいものを選びます。お寺では玄関で靴を脱ぎ、本堂から墓前へ移るときにまた履きます。ひもを結ぶ靴は、子どもが一人で履けず、大人が玄関で待たせることになります。面ファスナーの靴や、かかとを踏まずに足を入れられる靴のほうが、当日は楽です。
お寺によっては、本堂から墓地までの間を、お寺で用意されたサンダルで移動することもあります。子どもの足に大人用のサンダルは大きく、つまずきやすくなります。墓前まで子どもの靴で行けるよう、脱いだ靴を袋に入れて持ち歩くか、墓前へ移るときに玄関へ取りに戻る段取りにしておくと安心です。冬は墓地の地面が冷たく、ぬかるんでいることもあります。墓前に行く日は、汚れても困らない靴にしておいてください。
靴下は、座敷で脱いだ靴を履き直すときにずれやすいものです。かかとの位置がずれると、子どもは気になって何度も直します。足首まで覆う長さで、かかとの形がしっかりした靴下を選ぶと、ずれにくくなります。替えの靴下を1足かばんに入れておくと、墓前で濡れたときにも履き替えられます。
靴の中敷きや底が汚れていると、脱いだときに目に入ります。前の日に一度、靴を裏返して見ておいてください。
赤ちゃんの場合
歩く前の赤ちゃんは、服の決まりはほとんどありません。白・淡い灰色・ベージュ・紺などの落ち着いた色のロンパースやカバーオールで十分です。
それより大切なのは、途中で出られるか、替えられるかです。
- おむつ替えがしやすい前開きか、股のスナップで開けられる服にする
- 授乳する人は、前が開く服を着るか、授乳ケープを用意する
- 本堂の出入り口に近い席に座らせてもらうよう、施主に頼んでおく
- 泣いたときにすぐ外に出られるよう、抱っこひもは着けたままにしておく
赤ちゃんを抱っこする大人の服にも、少しだけ気を配ってください。抱っこひもを着けたまま喪服を着ると、肩や胸元に抱っこひもの跡が付き、黒い生地に白いほこりが目立ちます。抱っこひもを外したときに、肩の上と胸元を手で軽く払うだけでも違います。おむつやおしりふきを入れたかばんは、明るい色の柄物でも構いませんが、本堂では足元の目立たないところに置きます。
赤ちゃんを連れてくることを嫌がる人は、法事の場ではほとんどいません。泣いたら外に出て、落ち着いたら戻ればよいことです。服は、出入りがしやすいことを一番に選んでください。
どちらとも取れるとき1|紺しかない、灰色が明るすぎる
手持ちの服を見ると、落ち着いた色はあるが、どれも少しずつ合わない、ということがよくあります。
**紺しかない場合。**上下とも紺で構いません。紺の上下は、黒の喪服の横に並べてもなじみます。ただ、上下で紺の濃さが違うと、そこが目立ちます。濃さがそろわないときは、上下のどちらかを灰色か黒に替えるか、中に白いシャツを着て、上下の間に境目を作ってください。
**灰色が明るすぎる場合。**明るい灰色のトレーナーやカーディガンは、喪服の横に並べるとやや明るく見えます。小さな子なら問題ありません。小学生以上で気になるなら、下を黒か紺の濃い色にして、全体の明るさを下げます。上下の片方が濃ければ、もう片方が明るくても落ち着いて見えます。
**黒い服が1枚もない場合。**黒をそろえる必要はありません。紺か濃い灰色で十分です。大人でも、子どもに黒を着せていないことを気にする人はいません。
**こげ茶やカーキしかない場合。**こげ茶や深いカーキは、黒や紺に比べると少し温かみのある色ですが、落ち着いた色の範囲に入ります。上下ともこげ茶なら、中に白いシャツを着て、首元に境目を作ってください。カーキは明るさによって印象が変わるので、喪服の横に並べてみて、葉っぱのような明るい緑に見えるなら外し、土のような深い色に見えるなら使えます。
ここで覚えておきたいのは、子どもの服は全体の明るさで見られるということです。一枚一枚の色より、子どもが座っているところを少し離れて見たときに、全体が落ち着いて見えるかどうかです。迷ったら、着せて少し離れて見てください。
どちらとも取れるとき2|本人が嫌がる
小学生くらいになると、本人が着たい服と、親が着せたい服がずれてきます。お気に入りのキャラクターのトレーナーや、光る靴を「これがいい」と言われることもあるでしょう。
このときは、外すものと残すものを、子どもと一緒に分けるのがいちばんもめません。
たとえば、こう話します。法事では、お坊さんのお経の間はみんな静かにしているから、音が鳴るものと光るものだけは外してほしい。色は、おじいちゃんおばあちゃんの服の横に並べて、目立たないものにしてほしい。それ以外は、自分で選んでいい。
こう分けると、子どもは「全部だめ」ではなく、自分で選べる範囲があることが分かります。小さな子なら、紺と灰色の服を2枚並べて「どっちにする」と聞くだけでも、自分で選んだという気持ちになり、当日の朝に着替えを嫌がることが減ります。そのうえで、選んだ服を大人の喪服の横に並べて、一緒に見てみてください。子ども自身が「これは目立つ」と気づくことも多いのです。
それでもお気に入りの服を着たいと言うときは、会食や帰り道だけでも着られるように、かばんに入れて持って行く約束をするのも一つの方法です。法要の間だけは落ち着いた服を着て、終わったら着替えてよいことにすると、子どもも納得しやすくなります。着替える場所は、お寺や会食の会場の化粧室を使わせてもらえるか、先に確かめておきます。
中学生や高校生で、制服がなく、大人と同じような服を着たがらない場合もあります。この年齢になると、場の空気を自分で読める子も多いので、色と柄の基準だけを伝えて、あとは本人に任せるほうがうまくいきます。
この年齢の子には、なぜその色や柄を避けるのかも一緒に伝えると、次の法事からは自分で選べるようになります。亡くなった人をしのぶ場なので、目立つことより静かになじむことを大切にする。そのために、大人は黒い服を着るし、子どもも落ち着いた色を選ぶ。理由が分かると、親が細かく言わなくても、自分の手持ちから選べるようになります。大人と同じ服をそろえる必要はなく、黒か紺か灰色の上下に、白か落ち着いた色のシャツを合わせれば、大人の喪服の横に並んでも十分になじみます。
体が大きくなって、大人の服を借りて着る子もいるでしょう。親の黒いカーディガンや、紺のジャケットを着せるのは、よい方法です。ただ、袖が長すぎたり、肩が落ちすぎたりすると、借りた服だとすぐに分かります。袖口が手の甲の半分より下まで来るなら、一度折り返して長さをそろえてください。
どちらとも取れるとき3|施主側か参列側か、平服の指定があるか
子どもの服の段も、大人と同じで、施主側か参列側か、案内に「平服で」とあるかで少し変わります。
- 施主側の家の子ども:参列者を迎える立場なので、大人と同じく、参列者より一段きちんとした服にします。白いシャツに紺か黒の上下がいちばん整えやすい形です
- 参列側の家の子ども:この記事の基準どおり、目立つものを外した手持ちの服で足ります
- 「平服で」と案内があった場合:大人が平服に下げるなら、子どももふだんの服から目立つものを外すだけで十分です
- 身内だけの小さな法事:子どもは通園や通学の服のままでも構わないことが多い。迷ったら施主に一言聞く
施主側の大人の服装は法事の服装 施主側の女性|迎える家は参列者より一段上で待つにまとめています。
迷ったときは、大人の服の段から一段下げたところが、子どもの服の段と考えてください。大人が喪服なら、子どもは落ち着いた色の手持ちの服。大人が平服なら、子どもはふだんの服から目立つものを外したもの。この関係を保っておけば、子どもだけが浮くことはありません。
案内に服装のことが何も書かれていないときは、施主の家に電話やメッセージで一言聞いてしまうのがいちばん早い方法です。「子どもは制服がないのですが、ふだんの落ち着いた色の服で伺ってよいですか」と聞けば、たいていは「それで十分です」と返ってきます。聞いておけば、当日に周りの子どもの服を見て迷うこともなくなります。親戚の子どもたちが同じ法事に来るなら、その家とも前もって話しておくと、子どもどうしで服の段がそろいます。
どちらとも取れるとき4|きょうだいで色がそろわない
きょうだいで法事に行くとき、上の子は紺、下の子は灰色、と色がそろわないことがあります。
きょうだいの色は、そろえなくて構いません。法事の場では、子ども一人ひとりが落ち着いて見えれば十分で、きょうだいでおそろいにする必要はありません。
気をつけたいのは、きょうだいのうち一人だけが明るい色を着ている場合です。並んで座ると、その子だけが目立ちます。きょうだいの中で、いちばん明るい服を着ている子の色を一段落とすか、上に濃い色のカーディガンを重ねて、全体の明るさをそろえてください。
きょうだいの年が離れている場合は、上の子だけを大人に近づけ、下の子は手持ちの服で整える、という分け方もできます。中学生の上の子が黒や紺の上下に白いシャツ、小さな下の子が灰色のトレーナーに紺のズボン。並ぶと段があるように見えますが、それは年齢の差としてごく自然に受け取られます。無理に下の子まで上の子に合わせて、新しく服を買う必要はありません。
上の子のお下がりを下の子に着せることもあるでしょう。お下がりは色があせていたり、少し大きかったりします。少し大きいのは、袖口を折り返せば問題ありません。色があせているなら、上に濃い色を重ねるか、下を濃い色にして、全体を引き締めます。
前日の準備と当日の替え
前日の夜に、次の順番で準備しておくと、当日の朝に慌てません。
- 子どもに当日の服を全部着せる。上着と靴も
- 大人の喪服の横に並べて、少し離れて見る。浮いて見える色がないか
- 1メートル離れて、柄が見えるか確かめる
- 家の中を10歩歩かせ、床に座らせ、立たせる。鳴るものや光るものがないか
- 30分ほど座らせて、きついところがないか聞く
- ポケットの中を空にする
当日に持って行くかばんには、替えの服を1組入れておきます。小さな子は、会食で食べこぼしたり、墓前で手や服を汚したりすることがよくあります。替えは、当日の服と同じく落ち着いた色のものにしておくと、着替えた後も目立ちません。
当日の朝は、出かける直前にもう一度だけ、子どものポケットとかばんを確かめてください。前の晩に空にしておいても、朝のうちに子どもが小さなおもちゃやお菓子を入れていることがあります。本堂に入る前に、靴を脱ぐ玄関でもう一度確かめると、読経の間に鳴るものを持ち込まずに済みます。
移動の車や電車の中で、子どもが眠ってしまうこともあります。眠っている間に服にしわが付いたり、髪がくずれたりするので、着いてから本堂に入るまでに、5分ほど直す時間を見ておくと慌てません。
ほかに持って行くと便利なものは、次のとおりです。
- 静かに遊べるもの(音の出ない絵本、紙とペン)
- 汗やこぼしたものを拭くためのハンカチとウェットティッシュ
- 冬なら、墓前で使うひざ掛けやカイロ。カイロは低温やけどに気をつけて、直接肌に当てない
- 脱いだ上着を入れる袋
法事の後も、同じ服で回せる
法事のために選んだ服は、そのあとも通園や通学、親戚の集まりで着られます。紺や灰色の無地のカーディガン、白いシャツ、黒や紺のズボンやスカートは、子どもの服の中でもいちばん出番の多い組み合わせです。
もし法事のために1枚だけ足すなら、紺か灰色の無地のカーディガンをおすすめします。キャラクターの付いたトレーナーの上に重ねて柄を隠せる、明るい色の服の上に重ねて全体を落ち着かせられる、秋冬の寒さにも使える。法事以外でも、発表会や面談、写真を撮る日など、少しきちんとしたい日に役に立ちます。
一周忌、三回忌と、法事は数年おきに続きます。そのたびに子どもの服を考えるのは大変なので、一度うまくいった組み合わせは、写真に撮っておくと次の準備が楽になります。次の法事のときには、写真を見ながら、同じ色の組み合わせでサイズの合うものを手持ちから探すだけで済みます。きょうだいがいる家なら、上の子の写真が、下の子の準備の手がかりにもなります。
子どもはすぐに大きくなるので、サイズはぴったりより少し大きめを選んでください。袖口を折り返して着られる程度なら、次の法事でもまだ着られます。
まとめ
制服のない子どもの法事の服は、新しく買う前に、手持ちから目立つものを外すことで整います。
- 色は、大人の喪服の横に並べて浮かないか。黒・紺・灰・こげ茶なら、そのまま使える
- 柄は、1メートル離れて見えるか。見えるなら、外すか上着で隠す
- 音と光は、歩いて座って立って確かめる。光る靴や鈴は、その日だけ外す
- 座る時間に合わせて、腰回りの楽なものを選ぶ
- 秋冬の上着は通園通学のもので足りる。墓前で冷えるなら、明るい色でも着せたままでよい
- 迷ったら、大人の服の段から一段下げたところが子どもの服の段
当日、子どもが落ち着いて座っていられることがいちばんです。服は、そのための準備の一つにすぎません。
よくある問い
- Q. 子どもの法事の服は、黒でないといけませんか
- 黒でなくて構いません。紺・灰色・こげ茶のような落ち着いた色で、大人の喪服の横に並べたときに浮かなければ十分です。子ども用の黒い服をわざわざ用意する家は多くありません。白いシャツやブラウスを中に着て、上を紺か灰色にするのがいちばん手持ちで整えやすい形です。
- Q. キャラクターの付いた服しかありません。どうすればいいですか
- 柄が1メートル離れて見えるかどうかで決めます。胸の小さなワンポイントなら、上にカーディガンを重ねて隠れれば問題ありません。大きなプリントが前面にある服なら、無地の上着で前を閉じて隠すか、裏返しにならない無地の服を1枚だけ用意してください。量販の価格帯の無地のトレーナーやカーディガンで足ります。
- Q. 赤ちゃんも喪服のような服を着せたほうがいいですか
- 赤ちゃんは、落ち着いた色の服であれば十分です。白や淡い灰色、ベージュのロンパースでも構いません。それよりも、法要の途中でおむつ替えや授乳ができるか、泣いたときにすぐ外に出られるかのほうが大切です。脱ぎ着しやすい前開きの服にしておくと、当日が楽になります。
- Q. 法事に子どもがスニーカーで行ってもいいですか
- 黒や紺、白などの落ち着いた色で、光る飾りや音の出る仕掛けのないスニーカーなら、子どもは問題ありません。お寺では靴を脱ぐことが多いので、脱ぎ履きしやすいかのほうが大切です。ひもを結ぶ靴より、面ファスナーの靴のほうが、子どもが自分で履けて待たせずに済みます。
— メグラシ編集部





