法事の服装 カジュアル|黒以外の紺・グレー・茶を選ぶ濃さの目安

**手持ちの紺やグレーの服を1枚出して、黒い靴かバッグの横に置いてみてください。並べたとき、色の差が分かりますか。1m離れて見たとき、それが紺やグレーだとすぐに言えますか。**法事に黒以外の色を着ていけるかどうかは、この2つの答えで決まります。
法事で「平服で」「カジュアルでいいよ」と言われると、喪服を着なくていいぶん、何を着るかの判断が自分に任されます。そこで出てくるのが、黒い服を持っていない、または手持ちの黒がくたびれていて、紺やグレーで行けないかという迷いです。
この記事では、色の名前ではなく、黒い小物と並べて測れる濃さで3段に分けて、その日の席で通る色を決めます。身内だけの法事でどこまで下げていいかの全体の判断は法事の服装 家族のみに、四十九日に「平服で」と言われた日の話は49日法要の服装にまとめてあります。
結論:黒以外で通るのは、黒の小物と並べて差が小さい濃さまで
| 濃さの段 | 確かめ方 | 通る席 |
|---|---|---|
| 1段目 | 黒い靴やバッグの横に置いても、差がほとんど分からない | 三回忌までの法要、読経のある席 |
| 2段目 | 並べると差は分かるが、1m離れると黒に見える | 七回忌以降の家族だけの席 |
| 3段目 | 1m離れても、紺・グレー・茶とすぐに分かる | 会食だけの参加、お墓参りだけの日 |
| それより明るい | 色の名前が遠くからでも分かり、明るさを感じる | 法事の席には向かない |
**迷ったら、1段目の濃さを選んでください。**1段目なら、案内に「平服で」とあってもなくても、ほかの家族が喪服で来ていても、浮くことはほとんどありません。
小物は、服の色を何段目にしても黒のまま残します。靴・バッグ・ストッキングが黒なら、服の色を1段ゆるめても、全体は法事の側にとどまります。
「平服で」「カジュアルで」と言われる法事は、どんな席か
「平服で」は、喪服でなくていいという意味で、普段着で来てほしいという意味ではありません。法事の案内でいう平服は、黒・紺・グレーなどの地味な色の、きちんとした服を指すのが一般的です。
一方、身内から「カジュアルでいいよ」と言われる席は、家族だけの小さな法要や、自宅での読経のあとに食事をするような席が多く、平服よりもう少しゆるめてよい場合があります。ただ、どちらの言葉でも、明るい色や柄物まで許されるわけではありません。
| 案内の言葉 | 多い席 | 色の目安 |
|---|---|---|
| 案内なし | 一周忌・三回忌の法要 | 黒の喪服か、1段目 |
| 「平服でお越しください」 | 三回忌以降の法要 | 1段目 |
| 「平服で」+家族だけ | 七回忌以降、自宅や寺で | 1〜2段目 |
| 「普段着でいいよ」(身内から) | 家族だけの読経と食事 | 2段目まで |
| 「食事だけでも来て」 | 法要のあとの会食 | 3段目まで |
言葉の受け取り方は、家によっても地域によっても違います。言った人が施主なのか、ほかの家族なのかで、どこまで信じてよいかも変わるので、迷うときは施主に一言確かめるのがいちばん確かです。
濃さの測り方|黒い小物と並べて、1m離れて見る
濃さは、明るい部屋で、手持ちの黒い靴かバッグを基準にして測ります。黒い布でも構いませんが、法事に持っていく小物を使うと、当日の組み合わせの見え方がそのまま分かります。
| 手順 | すること | 見ること |
|---|---|---|
| 1 | 窓の近く、昼の光の下に服を広げる | 照明の下では差が見えにくい |
| 2 | 黒い靴かバッグを、服の上に重ねて置く | 並べたときに差が分かるか |
| 3 | 服を椅子の背に掛けて、1m離れる | 色の名前がすぐに出るか |
| 4 | 部屋の照明を消して、窓の光だけで見る | 薄暗い本堂や座敷での見え方に近い |
| 5 | 服を裏返して、表と裏の色の差を見る | 表だけ日焼けして明るくなっていないか |
4番目の、照明を消して見る手順は、寺の本堂や自宅の座敷のように、光の少ない場所で法要をする日のためのものです。**暗い場所では色の差が小さくなるので、2段目の服でも1段目に近く見えます。**反対に、明るい会食の席では、同じ服が半段明るく見えます。
紺の場合
紺は、黒以外でいちばん法事に使いやすい色です。濃い紺は、光の少ない場所では黒とほとんど見分けがつかず、1段目に入ることが多い色です。
| 紺の濃さ | 段 | 見分けどころ |
|---|---|---|
| 黒に近い濃紺 | 1段目 | 黒い靴と並べて、光に傾けたときだけ紺と分かる |
| 一般的な紺 | 2段目 | 並べると紺と分かるが、1m離れると黒に見える |
| 明るめの紺 | 3段目 | 1m離れても紺と分かり、青みを感じる |
| 青みの強い紺・ロイヤルブルー寄り | 向かない | 遠くからでも青と分かる |
紺で気をつけたいのは、生地の艶です。同じ濃さでも、艶のあるポリエステルの紺は光を受けて青く光り、1段明るく見えます。紺を選ぶなら、艶のないウールやコットン、表面の平らなニットにすると、濃さがそのまま出ます。
紺のもうひとつの見どころは、年数です。何年も着ている紺は、洗濯や日差しで表の色が少しずつ抜け、買ったときより明るくなっています。表と裏を見比べて、表だけが明るく白っぽくなっているなら、手元で測った段より半段明るく数えてください。襟や肩の上、袖の外側のように、光がよく当たる場所から先に色が抜けます。
グレーの場合
グレーは、濃さの幅がいちばん広い色です。チャコールグレーのように黒に近いものから、明るいライトグレーまであり、同じ「グレー」でも段が大きく分かれます。
| グレーの濃さ | 段 | 見分けどころ |
|---|---|---|
| 黒に近いチャコール | 1段目 | 黒と並べても差が小さく、遠目では黒 |
| チャコール | 2段目 | 並べると灰色と分かるが、1m離れると黒に近い |
| ミディアムグレー | 3段目 | 1m離れても灰色と分かる |
| ライトグレー | 向かない | 明るさを感じ、喪の席では浮きやすい |
グレーは、表面に霜降りの混ざりがあるものが多い色です。白い糸が混ざった霜降りは、近くで見ると明るく見えます。霜降りのグレーは、見た目の濃さより半段明るく数えてください。
グレーは、合わせる小物の黒との差が、紺よりもはっきり出やすい色です。紺は青みが黒に溶け込みますが、グレーは白と黒の中間の色なので、黒い靴やバッグの横に置くと、明るさの差がそのまま見えます。チャコールを選ぶときは、黒い小物と並べて測る手順を飛ばさないでください。
茶の場合
茶色は、焦げ茶のように黒に近い濃さのものでも、紺やグレーより暖かく、華やいで見えやすい色です。同じ濃さなら、紺やグレーより半段明るく数えると、見え方と合います。
| 茶の濃さ | 段 | 見分けどころ |
|---|---|---|
| 黒に近い焦げ茶 | 2段目 | 並べると茶と分かるが、光の少ない場所では黒に近い |
| 焦げ茶 | 3段目 | 1m離れても茶と分かる |
| 中間の茶・キャメル | 向かない | 明るさと暖かさが強く出る |
| 赤みのある茶 | 向かない | 赤みが華やかに見える |
焦げ茶を使うなら、上下のどちらかを黒にして、茶色の面積を半分以下にしてください。**茶色は面積が広いほど、暖かさが前に出ます。**ニットやカーディガンの1枚だけを焦げ茶にして、ほかを黒でそろえると落ち着きます。
焦げ茶は、秋冬の手持ちに多い色でもあります。ウールのカーディガンやニットで焦げ茶を持っているなら、それを法事で使う日は、法要が終わって会食に移るときの羽織りにするのも一つの方法です。読経のあいだは黒のカーディガンを着て、会食の席で焦げ茶に替えれば、場の空気が少しやわらいだ時間に合わせられます。
深い緑・ボルドー・紫など、ほかの暗い色
紺・グレー・茶以外にも、深い緑や、濃いボルドー、濃い紫のように、黒に近い暗い色があります。これらは、色みがはっきりしているぶん、同じ濃さでも茶と同じかそれ以上に明るく見えやすい色です。
| 色 | 段の目安 | 注意 |
|---|---|---|
| 黒に近い深緑 | 2〜3段目 | 光に当たると緑がはっきり出る |
| 濃いボルドー | 3段目か向かない | 赤みが華やかに見えやすい |
| 濃い紫 | 3段目か向かない | 地域や家によって受け止め方が分かれる |
| 黒に近いネイビーの柄なし | 1〜2段目 | 紺と同じに扱う |
深い緑やボルドーは、手持ちの中でいちばん暗い1枚だとしても、法事の本体の席では避けるのが無難です。会食だけ参加する日や、お墓参りだけの日の上着に回すと、気持ちよく使えます。
秋冬は、こうした深い色のニットやコートがいちばん手に取りやすい季節です。手持ちの中でいちばん暗い1枚が深緑やボルドーだった場合は、それを無理に法要の本体で使うより、黒か紺の1枚を探すほうが、当日の気がかりが減ります。
色と段の早見表
ここまでの色を、段ごとに並べると次のようになります。
| 色 | 1段目 | 2段目 | 3段目 |
|---|---|---|---|
| 紺 | 黒に近い濃紺 | 一般的な紺 | 明るめの紺 |
| グレー | 黒に近いチャコール | チャコール | ミディアムグレー |
| 茶 | なし | 黒に近い焦げ茶 | 焦げ茶 |
| 深緑 | なし | 黒に近い深緑 | 深緑 |
| ボルドー・紫 | なし | なし | 濃いもの |
表のとおり、1段目に入るのは紺とグレーの黒に近いものだけです。三回忌までの法要に黒以外で行くなら、紺かチャコールの、黒に近い濃さの1枚を探すのが近道です。
席の硬さを決める3つ|回忌・会場・読経
同じ「平服で」の法事でも、席の硬さはいくつかの条件で変わります。自分の出る席が何段目の色まで受け入れるかは、回忌・会場・読経の有無の3つで見ます。
| 条件 | 硬い側 | やわらかい側 |
|---|---|---|
| 回忌 | 一周忌・三回忌 | 七回忌・十三回忌以降 |
| 会場 | 寺の本堂・斎場 | 自宅・料理店の個室 |
| 読経 | 僧侶を招いて読経がある | 読経なしで、会食と墓参りだけ |
| 人数 | 親戚が20人以上集まる | 家族だけで数人 |
| 案内 | 案内状がある | 口頭で「普段着で」と言われた |
硬い側の条件が3つ以上ある席は、1段目までにしてください。硬い側が1〜2つなら2段目まで、硬い側がほとんどない家族だけの席なら、2段目を中心に選べます。
条件は、どれか1つだけで決めるより、いくつ硬い側にあるかを数えるほうが迷いません。たとえば七回忌でも、寺の本堂で僧侶を招いて読経があり、親戚が大勢集まるなら、硬い側が3つになります。この場合は、回忌が進んでいても1段目までにしておくと、当日に周りの服装を見て慌てることがありません。
立場で半段動く|施主の側か、招かれる側か
同じ席でも、施主の家族として迎える側か、招かれて出る側かで、選べる色が半段動きます。
迎える側は、ほかの参列者より軽い服装にならないように、招かれる側より半段硬くするのが基本です。招かれる側は、施主の家族より重い服装にならないようにする、という考え方もあります。迷ったら、施主の家族がどれくらいの服装で出るかを先に聞いて、それと同じか、半段だけ硬い側に合わせてください。
招かれる側で気をつけたいのは、施主の家族が普段の服装で来るのに、自分だけ喪服のような硬い黒で出ることです。服装そのものは失礼にはなりませんが、施主の家族が「もっときちんとすればよかった」と気にすることがあります。招かれる側は、施主の家族と同じ段にそろえることを目安にしてください。
| 立場 | 色の目安 |
|---|---|
| 施主本人・施主の家族 | 1段目、または黒 |
| 故人の子・孫で、施主ではない | 1〜2段目 |
| 親戚として招かれる | 2段目まで(席の硬さに合わせる) |
| 会食だけ参加する | 3段目まで |
生地の表面|艶・起毛・柄
色の濃さが同じでも、生地の表面で見え方が変わります。法事では、艶のない、平らな表面の生地がいちばん落ち着きます。
| 表面 | 段の動き | 理由 |
|---|---|---|
| 艶のない平らな生地 | そのまま | 色の濃さがそのまま見える |
| 光沢のある化繊・サテン | 半段明るく | 光を受けて色が浮く |
| 起毛したウール・フランネル | そのまま〜半段暗く | 光を吸って落ち着く |
| 霜降り・ミックス糸 | 半段明るく | 白い糸が混ざって見える |
| 目立たない織り柄 | そのまま | 1m離れると無地に見える |
| チェック・ストライプ | 1段明るく | 柄が遠くからでも見える |
秋冬の法事では、起毛したウールのように光を吸う生地が使いやすくなります。同じチャコールでも、起毛したものは艶のあるものより半段暗く見えるので、2段目の濃さでも1段目に近く扱えます。
反対に、夏から秋口に着るとろみのある化繊のブラウスは、同じ濃紺でも光を受けて表面が明るく光ります。9月末から10月の暖かい日の法事でこうした生地を使うなら、上に艶のない黒か紺のカーディガンを重ねて、光る面積を小さくしてください。
上下のどちらを黒にするか
手持ちに黒の服が1枚だけある場合は、上下のどちらかを黒にして、もう片方を紺やグレーにすると、全体の暗さを保てます。
法要では座って過ごす時間が長く、相手の目に入るのは上半身です。**黒を1枚だけ使うなら、上を黒にしたほうが、全体の印象が暗く落ち着きます。**下を黒にする場合は、上の色を1段目の濃さにしておくと、座ったときの見え方がそろいます。
| 上 | 下 | 見え方 |
|---|---|---|
| 黒 | 1〜2段目の紺・グレー | いちばん落ち着く。座った姿がほぼ黒 |
| 1段目の紺・グレー | 黒 | 落ち着く。上の色が少し出る |
| 2段目 | 黒 | 家族だけの席に向く |
| 1段目 | 1段目 | 同じ色でそろえると、上下が一続きに見える |
上下とも黒以外にするなら、上下を同じ色でそろえるか、同じ濃さの紺とチャコールのように、差の小さい2色にしてください。紺とグレーは、同じ濃さなら並べても落ち着いて見える組み合わせです。反対に、紺と茶、グレーと深い緑のように、色みの違う2色を組むと、どちらも1段目の濃さでも、2色の差のぶん全体が明るく見えます。
小物は黒のまま残す
服の色を1段ゆるめる日でも、靴・バッグ・ストッキングは黒のままにします。小物が黒なら、全体の中に黒い点が残り、法事の側にとどまって見えます。
| 小物 | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 靴 | 黒、艶のない革か布、金具なし | 足元の黒が全体を締める |
| バッグ | 黒、艶のない布か革 | 手元の黒が座ったときも見える |
| ストッキング | 黒、薄手 | 秋冬は厚手の黒タイツを使う家もある |
| ハンカチ | 白か黒 | 色柄のものは控える |
| 数珠 | 手持ちのもの | 宗派が分からなければ略式のもので |
秋冬の寒い日は、薄手の黒ストッキングの代わりに、黒のタイツを使う家もあります。どこまで許されるかは家によって違うので、迷うときは30デニール前後の、肌が少し透ける黒を選ぶと、どちらの家でも大きく外れません。
靴は、つま先の丸いプレーンなパンプスが基本ですが、家族だけの席で墓前まで歩く日は、ヒールの低い黒の革靴でも構いません。砂利道や石段を歩く予定があるなら、服の色を決める前に、まず靴を決めておくと、全体の組み立てがぶれません。
秋冬の法事|コートとニット
10月から2月の法事では、服の上にコートを着ていくことになります。コートは会場に入る前に脱ぐのが基本なので、服ほど厳しく見られることはありませんが、屋外の墓前では着たまま過ごすこともあります。
| 上着 | 色の目安 | 注意 |
|---|---|---|
| ウールのコート | 黒・濃紺・チャコール | 2段目までなら墓前でも落ち着く |
| ダウンコート | 黒・濃紺 | 艶の強いものは半段明るく見える |
| カーディガン | 1段目の紺・グレー・黒 | 室内で着たままにできる |
| ニット | 1段目、艶のない表面 | 首元の詰まったもの |
墓前で着たまま過ごすコートは、服より長く人の目に入ることがあります。墓参りのある日は、コートも2段目までの濃さにしておくと、墓前での写真や挨拶の場面でも落ち着いて見えます。
ワンピース1枚で行く日
黒以外のワンピースを1枚で着る場合は、上下が同じ色になるぶん、色の面積が大きくなります。紺やグレーのワンピースは、1段目の濃さのものを選んでください。
形は、首元が詰まっていて、袖が肘より下まであるものが落ち着きます。丈は、座ったときに膝が隠れる長さを目安にします。法要では正座や椅子で長く座るので、立って鏡を見たときより、座ったときの丈で確かめてください。
ワンピースの上に黒のカーディガンを重ねると、上半身の面の多くが黒になり、座ったときの見え方が1段目に近づきます。手持ちのワンピースが2段目の濃さでも、黒のカーディガンを重ねれば、家族だけの三回忌くらいまでは受けられることがあります。
パンツで行く日
パンツで法事に出るのは、家族だけの席ならほとんど問題ありません。黒以外のパンツを使う場合は、上を黒にするか、上下を同じ1段目の色でそろえると、全体の暗さが保てます。
パンツは、センタープレスの入った、裾幅がまっすぐなものが落ち着きます。スカートとの比べ方や丈の見方は一周忌の服装、女性はパンツでいい?にまとめてあります。
黒以外のパンツで気をつけたいのは、裾から見える足元です。座ると裾が上がり、足首とストッキングが見えます。パンツの色を2段目にした日は、足元の黒をしっかり見せると、下半身の面の中に黒が入り、全体が落ち着きます。裾がくるぶしより上で終わる短い丈のパンツは、座ったときに足首が大きく出るので、法事の日には丈の長いほうを選んでください。
アクセサリーと時計
服の色を1段ゆるめた日は、アクセサリーで華やかさを足さないようにします。着けるなら、一連のパールのネックレスか、小さな一粒のイヤリングまでにしてください。
時計は、金色の光るものより、黒や銀の革ベルトのもののほうが落ち着きます。結婚指輪以外の指輪は、外しておくのが無難です。
服の色を2段目や3段目までゆるめた日ほど、光るものを減らしておくと、全体が法事の側に戻ります。色をゆるめたぶん、光で足さないと覚えておくと、アクセサリーで迷いません。髪留めやバッグの金具も、光る金色より、黒や艶のない銀のもののほうが落ち着きます。
普段の黒と、喪服の黒は濃さが違う
「カジュアルでいい」と言われて、普段着の黒の服で行く場合にも、濃さの違いは出ます。喪服に使われる黒は、光を吸うように深く染められたもので、普段着の黒より一段濃く見えます。
| 黒の種類 | 見え方 | 法事での扱い |
|---|---|---|
| 喪服の黒 | 深く、光を吸う | どの席でも通る |
| 普段着の黒(新しいもの) | 喪服と並べると少し明るい | 1段目として扱える |
| 何度も洗った黒 | 灰色がかって見える | 2段目として扱う |
| 艶のある黒の化繊 | 光を受けて白く光る | 半段明るく数える |
| 黒のニット | 編み目の影で深く見える | 1段目として扱える |
喪服を着たほかの家族と並んで座ると、普段着の黒は少し明るく見えます。何度も洗って色の落ちた黒は、紺の1段目より明るく見えることがあるので、黒だからと安心せず、ほかの色と同じように黒い小物と並べて測ってください。
会食だけ出る日、お墓参りだけの日
法要には出ずに、あとの会食だけ参加する日や、別の日にお墓参りだけする日は、3段目の濃さまで選べます。ここでは、喪の席というより、故人を偲んで家族が集まる食事や外出として考えます。
| 出る場面 | 色の目安 | 小物 |
|---|---|---|
| 法要のあとの会食だけ | 3段目まで | 黒か、濃い色 |
| 別の日のお墓参りだけ | 3段目まで | 歩きやすい靴、濃い色 |
| 施主の家に手を合わせに寄る | 2〜3段目 | 黒か、濃い色 |
会食の席は明るいことが多いので、家で測った段より半段明るく見えます。3段目の服を着ていくなら、上に黒か濃紺のカーディガンを1枚持っていくと、席の雰囲気が思ったより硬かったときにすぐ寄せられます。
どちらとも取れるとき①|紺が、場所によって明るく見える
家では1段目に見えた紺が、会場に着いてみると明るく見える、ということがあります。明るい会食の席や、窓の大きい斎場では、同じ紺が半段から1段明るく見えるからです。
**会場が明るい場所だと分かっているなら、家で測った段より1段明るく数えてください。**会場の明るさが分からないときは、上を黒にしておくと、座ったときの見え方が安定します。
どちらとも取れるとき②|グレーのツイードや、目立たない柄
チャコールのツイードや、目立たない織り柄のグレーは、近くで見ると凹凸や柄が分かりますが、1m離れると無地に見えることが多い生地です。
1m離れて無地に見えるなら、色の濃さの段どおりに扱って構いません。**柄が1m離れても見えるなら、1段明るく数えます。**ツイードの糸に色の違う糸が混ざっているものは、霜降りと同じく半段明るく見えるので、家族だけの席に回してください。
どちらとも取れるとき③|ほかの家族は黒なのに、自分だけ黒がない
ほかの家族がみんな黒で来ると分かっている席に、自分だけ黒の手持ちがない場合は、1段目の濃さの紺かチャコールを選び、小物を全部黒にしてください。上下のどちらか1枚だけでも黒を借りられるなら、上を黒にすると、並んで座ったときに差が目立ちません。
それでも気になるなら、施主に「黒がないので濃紺で行きます」と一言伝えておくと、当日に周りから何か言われる心配がなくなります。事前に一言伝えてあるかどうかで、同じ服でも受け止められ方が変わります。
これから法事用に1枚買い足すなら、黒の艶のないワンピースか、黒のカーディガンが最初の候補です。どちらも普段にも回せて、黒以外の手持ちと組めば、全体を1段硬い側に寄せられます。
迷ったとき、誰に何を聞くか
色で迷ったときは、施主か、施主の家族のうち話しやすい人に聞くのがいちばん確かです。聞くときは「何を着ればいいですか」より、「濃紺のワンピースで行こうと思うのですが、大丈夫ですか」と、具体的な1枚を挙げて聞くほうが、相手も答えやすくなります。
施主は、法要の準備で忙しくしていることが多いので、聞くなら1週間ほど前までに済ませておくと、相手の負担になりません。電話や短いメッセージで、行く人数と一緒に伝えると、ついでの確認として受け取ってもらえます。
| 聞く相手 | 聞くこと |
|---|---|
| 施主 | 手持ちの色の服で行ってよいか |
| 施主の家族 | ほかの家族がどれくらいの服装で来るか |
| 同じ立場の親戚 | 自分と同じ立場の人が何を着るか |
前の晩に確かめる手順
| 順番 | 確かめること | 通らないときの直し方 |
|---|---|---|
| 1 | 回忌・会場・読経から、席の硬さを決める | 案内状を見直す |
| 2 | 手持ちの服を黒い小物と並べて、段を測る | 上か下を黒に替える |
| 3 | 艶・霜降り・柄で、段を半段〜1段動かす | 艶のない生地に替える |
| 4 | 小物をすべて黒にそろえる | 靴とバッグを先に決める |
| 5 | 座ったときの丈と首元を鏡で見る | 丈の長いものに替える |
よくある行き違い
| 思い込み | 実際 |
|---|---|
| 「平服で」なら普段着でいい | 法事の平服は、地味な色のきちんとした服のこと。普段着の意味ではない |
| 紺やグレーなら、どれでも法事に着られる | 濃さで段が分かれる。明るい紺やライトグレーは本体の席には向かない |
| 黒以外を着るなら、小物も色を合わせる | 小物は黒のまま残すと、全体が法事の側にとどまる |
| 茶色は紺と同じように使える | 同じ濃さでも、茶は半段明るく暖かく見える |
| 家で黒に見えれば、会場でも黒に見える | 明るい会場では半段〜1段明るく見える |
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 法事で「平服で」と言われたら、紺やグレーの服でもいいですか
- 黒に近い濃さの紺やチャコールグレーなら、多くの席で通ります。確かめ方は、手持ちの黒い靴かバッグの横に服を置いて、並べたときに色の差が分かるかどうかを見ることです。差がほとんど分からない濃さなら、三回忌までの法要でも使えます。並べると差は分かるけれど、1m離れると黒に見える濃さなら、七回忌以降の家族だけの席に向きます。1m離れても紺やグレーだとすぐ分かる明るさは、法要のあとの会食だけ参加する日や、お墓参りだけの日に回してください。
- Q. 茶色の服は法事に着ていってもいいですか
- 焦げ茶のように黒に近い濃さなら、家族だけの七回忌以降の席で使えることがあります。ただ、茶色は紺やグレーより暖かく華やいで見えやすい色なので、同じ濃さでも半段明るく見えると考えてください。上下のうち片方を黒にして、茶色の面積を半分以下にすると落ち着きます。迷う席では、茶色は避けて紺かチャコールを選ぶほうが安心です。
- Q. 法事で上下の色が違ってもいいですか
- 家族だけの席や「平服で」と言われた席なら、上下の色が違っても問題ありません。組み合わせるなら、下を黒にして、上に濃紺やチャコールのニットやブラウスを合わせると、全体の暗さが保たれます。上を黒にして下を色物にする組み合わせも使えますが、座っている時間が長い法要では、相手の目に入るのは上半身なので、上を黒にしたほうが全体の印象が暗く落ち着きます。
- Q. カジュアルでいいと言われたのに、黒を着ていくと浮きますか
- 黒の服で浮くことはほとんどありません。法事では、黒は誰が着ても外れない色です。気になるのは、喪服のような艶のある礼服を着ていくと、ほかの家族が普段の服で来ていたときに自分だけ硬く見えることです。その場合は、黒でも艶のないニットやワンピースを選べば、硬さを半段下げたまま、色の心配をせずに済みます。
— メグラシ編集部





