法事の服装 施主側の女性|迎える家は参列者より一段上で待つ

**法事を出す側の女性なら、あなたは参列者と同じか、一段上の服で迎えます。**案内状に「平服で」と書いた年でも、迎える家の服は略喪服より下げません。
参列者向けの服装の話は多く見かけますが、迎える側に立つと、迷う場所が変わります。案内に自分で書いた「平服」をどう受け止めるか。施主の妻や娘はどこまで施主に合わせるか。配膳や受付で動き回る日に、どんな丈と袖なら困らないか。
この記事では、回忌の数・案内に書いた言葉・自分の立場の3つから、迎える側の女性の服の段を決めます。参列する側で家族だけの法事に出るときの考え方は法事の服装 家族のみ|身内だけの席で、どこまで下げていいかに、表記ごとの服の段の読み方はドレスコード 女性|表記6段階と昼夜で、着る服を1枚の表で決めるに分けてあります。
結論:迎える側は、参列者の服の段より下げない
法事の服装は、参列者と迎える側で考え方が違います。参列者は、迎える側より目立たないように、少し控えた服を選びます。迎える側は、参列者を受け止めるために、参列者と同じか一段上の服で待ちます。
| 法要の時期・案内 | 参列者のおおよその服 | 施主側の女性 |
|---|---|---|
| 四十九日まで | 準喪服 | 準喪服 |
| 一周忌・三回忌 | 準喪服 | 準喪服 |
| 七回忌以降 | 略喪服 | 略喪服、迷えば準喪服 |
| 案内に「平服で」 | 略喪服か、黒・紺・灰の地味な服 | 略喪服、三回忌までなら準喪服 |
| 身内だけで10人ほど | 略喪服か地味な服 | 略喪服 |
ここでいう準喪服は、黒の無地で光沢のない、ワンピースやアンサンブル、パンツスーツなど、いわゆる喪服として売られている服です。略喪服は、黒・濃紺・濃い灰色の無地の服で、喪服として作られたものでなくても、丈と袖と素材が控えめなものを指します。
**表のどの行でも、右の列が真ん中の列より軽くなることはありません。**迎える側が参列者より軽い服を着ていると、きちんとした服で来た参列者のほうが浮いてしまうからです。
「平服で」と書いたのは自分たち|それでも喪服を着ていいか
案内状に「平服でお越しください」と書くのは、参列者の負担を軽くするためです。回忌が進んで、遠方の親族にわざわざ喪服を用意させたくない。仕事帰りに寄ってもらう人もいる。そういう気づかいから書く一言です。
この一言は、**参列者に向けた言葉であって、迎える側の服を下げる合図ではありません。**施主の家は、案内に何と書いたかに関わらず、自分たちの服を参列者の上に置いて構いません。
迷う人が多いのは、「平服で、と書いたのに自分たちが喪服を着ていたら、参列者が気まずいのでは」という心配です。実際には、迎える側が喪服を着ていて参列者が気まずく感じることは、ほとんどありません。参列者は、迎える家が喪服なのは当然だと受け止めます。
反対の場合を考えると分かりやすくなります。迎える家が紺のニットとスカートのような軽い服で、年配の親族が準喪服で来たとします。案内に「平服で」と書いてあっても、「法事には喪服で行くものだ」と考える人は一定数います。そのとき、いちばん居心地が悪いのは、きちんとした服で来た親族のほうです。
迎える側の服は、参列者の誰が来ても恥ずかしくない位置に置く。そう考えると、案内に何と書いた年でも、略喪服より下げる理由はなくなります。
施主本人か、施主の家族か|立場で一段変わる
迎える側と一口に言っても、立場によって合わせ方が少しずつ違います。自分がどこに入るかを先に確かめてください。
施主本人が女性の場合は、迎える側のいちばん上の段です。夫を亡くした妻が施主を務める、子どものいない家で娘が施主を務める、といった場合です。法要の時期と案内の言葉から決まる段の中で、いちばんきちんとした服を選んでください。
施主の妻、施主と同じ家に住む娘や嫁は、施主と同じ段にそろえます。迎える家として並んで立つので、施主と服の段がずれると、家族の中に差があるように見えます。
施主とは別の家に住む兄弟姉妹、故人の子どもで別に世帯を持つ人は、立場の上では参列者です。でも、参列者から見ると迎える家族の一員に見えます。服は施主の家に合わせ、施主が準喪服なら準喪服で並んでください。
孫の世代、とくに学生や小さな子どもは、制服があれば制服、なければ黒・紺・灰の無地の服で足ります。迎える家の大人がそろっていれば、子どもの服で家全体の印象が崩れることはありません。
故人の配偶者が、施主を子どもに任せている場合
夫を亡くした妻が、高齢を理由に施主を息子や娘に任せている家も多くあります。この場合、施主ではなくても、故人にいちばん近い人として、迎える側の中心に座ることになります。
服は、施主と同じ段か、それより一段上で構いません。施主の子ども世代が略喪服で迎える年でも、故人の配偶者が準喪服を着ていれば、参列者はそれを自然に受け止めます。故人を偲ぶ気持ちがいちばん強く表れる立場なので、服の段を高く保つことに違和感はありません。
ただし、高齢で正座がつらい、長時間の着席で体が冷える、といった事情があるなら、無理をしないことを優先してください。椅子を用意してもらい、黒の無地のカーディガンを重ねるなど、体への負担を減らす工夫は、服の段を下げることにはなりません。
回忌の数で下げていく目安|何回忌から略喪服に移るか
法要の服装は、回忌が進むほど少しずつ軽くしていくのが一般的です。迎える側も、回忌の数を目安に段を下げていきます。
四十九日までは、葬儀からの流れで準喪服を着るのが基本です。一周忌と三回忌も、多くの家では準喪服のまま迎えます。親族が多く集まり、お寺でお経をあげてもらうことが多い時期なので、服の段も高めに保ちます。
**七回忌からは、略喪服に下げても失礼にはなりません。**参列者の顔ぶれが近い親族に絞られ、規模も小さくなっていく時期です。十三回忌、十七回忌と進むにつれて、略喪服の中でもさらに控えめな、黒以外の濃紺や濃い灰色の無地も選べるようになります。
参列者の側から三回忌の服装を考える記事は三回忌の服装は喪服のままでいいか|案内状・立場・会場で決める可否にあります。迎える側は、そこに書かれた参列者の段の、同じか一段上に置いてください。
回忌の数は、家ごとに数え方が違うことはありません。命日から数えて1年目が一周忌、2年目が三回忌、6年目が七回忌です。何回忌かが分かれば、表のどの行に入るかはすぐに決まります。
二人分の法要をまとめて行う年
祖父の十三回忌と祖母の三回忌が同じ年に重なる、というように、二人分の法要をひとつの日にまとめて行う家もあります。親族が何度も集まる負担を減らすための、よくあるやり方です。
この場合、**服の段は、回忌の数が小さいほうに合わせてください。**十三回忌だけなら略喪服で迎えられる年でも、同じ日に三回忌があるなら、準喪服で迎えます。亡くなってからの年月が短い人を偲ぶ場では、服の段を高く保つのが自然だからです。
案内状に二人分の法要と書いておけば、参列者も回忌の小さいほうに合わせて服を選びます。迎える側がそれより下になると、表の右の列が真ん中の列を下回ってしまうので、気をつけてください。
会場で変わること|自宅・お寺・会館・墓前
同じ段の服でも、会場によって気をつける場所が変わります。迎える側は、参列者より長くその場にいて、よく動くので、会場の条件をとくに受けやすくなります。
自宅で法要をする場合は、迎える側の動きがいちばん多くなります。座布団を並べ、お茶を出し、お坊さんを迎え、読経のあいだは正座し、終わったら会食の配膳をする。立ったり座ったりが何十回も続くので、丈と袖と動きやすさを、ほかの会場より重く見てください。
お寺の本堂で法要をする場合は、正座の時間が長くなります。秋冬の本堂は暖房が弱く、足元から冷えます。迎える側は参列者より早く着いて準備をするので、冷える時間も長くなります。
会館やホテルの法要室を使う場合は、椅子席が多く、空調も効いているので、服の条件はいちばんゆるやかです。そのかわり、会食まで同じ会場で続くことが多く、迎える側は席を回って挨拶をします。
墓前でお参りをする場合は、屋外に立つ時間があります。風が強い日、砂利の上を歩く場面、しゃがんで花や線香を供える動きを考えておいてください。
迎える側は動く|正座・配膳・受付で困らない丈と袖
迎える側の服で、参列者と大きく違うのは、動く量です。服の段が正しくても、動いたときに困る服は、その日一日、気になり続けます。
スカートやワンピースの丈は、正座をして膝下5cmまで隠れる長さを目安にしてください。立って膝が隠れる丈でも、正座をすると裾は膝の上まで上がります。座布団に正座した姿で、裾が膝頭から5cm以上下にあれば、配膳で立ったり座ったりしても膝が出ません。
袖は、手首の骨が隠れる長さが目安です。お膳を出すとき、お茶を注ぐとき、腕を前に伸ばすと袖は手首から上がります。七分袖では、腕を伸ばすたびに肘近くまで肌が見えます。そのかわり、袖口が広がっている形だと、お膳の上の器に袖が触れやすくなるので、手首に沿って細くなる袖を選んでください。
前かがみになったときの首元も確かめます。座布団を並べる、仏壇の前で準備をする、お膳を置く。前かがみの姿勢で、首元から中が見えないかを、鏡の前で一度かがんで確かめておくと安心です。
受付を務める場合は、香典を受け取り、記帳をお願いし、返礼品を渡します。手元に袖口が何度も出てくるので、袖口に飾りのない、すっきりしたものが向いています。
パンツスタイルで迎えてもいいか
迎える側の女性が、黒のパンツスーツで法要を迎えるのは失礼ではありません。とくに自宅で法要をして、配膳や台所仕事で動き回る人には、正座と立ち上がりを繰り返しても裾を気にしなくていいパンツのほうが向いていることもあります。
パンツで迎えるときの目安は、ジャケットの丈がお尻の半分以上を覆うこと、パンツの裾が立った姿でくるぶしの骨を隠すこと、そして黒の無地で光沢がないことの3つです。正座をすると、パンツの膝に横じわが出やすいので、ウールの割合が高く、しわの戻りやすい生地を選んでください。
参列者の側からパンツの可否を考える記事は一周忌の服装、女性はパンツでいい?|秋冬の法要で見る丈と生地にあります。迎える側の場合は、年配の親族にパンツをよく思わない人がいないかを、前もって施主に確かめておくとより安心です。
秋冬の法要で足すもの|本堂の冷えと墓前の風
秋から冬の法要は、迎える側にとって寒さとの付き合いになります。参列者より早く着いて、遅く帰るからです。
本堂や自宅の座敷では、喪服の上に黒の無地のカーディガンを重ねても構いません。光沢のないウールや綿の、ボタンも黒か目立たない色のものを選んでください。読経や焼香のときも、黒の無地なら着たままで失礼にはなりません。
足元は、黒のストッキングが基本です。厚さについては、寒い時期にはやや厚手のタイツを許容する考え方と、薄手を守る考え方があり、家や地域によって分かれます。迷うときは、施主の家の年長の人に聞いてみてください。迎える側は参列者の手本になるので、年長の人の考えに合わせておくと、親族の中で浮きません。
墓前に出るときは、黒か濃紺の無地のコートを着ていきます。読経やお参りのあいだはコートを脱ぐのが丁寧ですが、風の強い日や高齢の参列者が多い日には、施主から「どうぞ着たままで」と声をかけるのも、迎える側の気づかいです。その場合、施主側も着たままで構いません。
使い捨てのカイロを背中や腰に貼っておくと、正座と立ち仕事が続いても冷えにくくなります。外から見えない場所に貼れば、服の段には影響しません。
雨の日の法要で、迎える側が用意しておくもの
秋は雨の多い季節でもあります。雨の日の法要では、迎える側は自分の服だけでなく、参列者の濡れた傘やコートを受け取る役目も増えます。
自分の服については、裾の長いワンピースやスカートは、玄関先や墓前で裾が濡れやすくなります。雨の予報が出ている日は、正座で膝下5cmが隠れる範囲で、いちばん短めの丈のものを選ぶと扱いやすくなります。靴は、布のパンプスより、水をはじく光沢の少ない革のものが向いています。
傘は、黒か紺、濃い灰色の無地のものを用意してください。墓前に出るとき、迎える側は参列者を案内しながら歩くので、明るい色や柄の傘は列の中で目立ちます。玄関に乾いたタオルを数枚置いておくと、濡れて着いた参列者にすぐ渡せて、迎える側の気づかいとして喜ばれます。
どちらとも取れるとき|参列者が何を着てくるか読めない
案内に「平服で」と書いたものの、参列者がどんな服で来るか読めない。年配の親族は準喪服で来そうだが、若い世代や仕事帰りの人は地味な普段着で来そうだ。迎える側の女性がいちばん迷うのは、この場面です。
**参列者の服が読めないときは、来る人の中でいちばんきちんとした服の人に合わせてください。**迎える側は、全員より下にならない位置に立つのが基本だからです。年配の親族が準喪服で来そうなら、迎える側も準喪服にします。そうすれば、準喪服で来た人も、平服で来た人も、どちらも迎える側より上に出ることはありません。
参列者のほとんどが平服で来るとはっきりしている場合、たとえば十三回忌以降で、近い親族数人だけが集まる法要なら、略喪服で迎えて構いません。それでも、迎える側が参列者と同じ地味な普段着になるのは避けてください。参列者が普段着で来たときに、迎える側は略喪服、という一段の差が、法要の場をきちんと支えます。
もうひとつ迷うのが、手持ちの準喪服が今の体に合わなくなっている場合です。何年も前に買った喪服がきつい、丈が今の好みと合わない。こういうときは、無理に準喪服を着るより、黒の無地で、丈と袖の目安を満たす略喪服で迎えるほうが、動きやすく、見た目も落ち着きます。迎える側に必要なのは、段が一段上にあることと、一日動いても乱れないことの両方です。
どちらとも取れるとき|施主の夫は準喪服、私は略喪服でいいか
施主の妻は、施主と同じ段にそろえるのが基本です。夫が準喪服なら、妻も準喪服で並ぶと、迎える家としてまとまって見えます。
ただ、妻の側に事情がある場合は、略喪服に下げても失礼にはなりません。小さな子どもを抱いて一日動く、妊娠中で体を締めつけたくない、介護の必要な親に付き添う、といった場合です。
下げるときに気をつけたいのは、夫の隣に立ったときに、色の差が出ないようにすることです。夫が真っ黒の準喪服で、妻が濃紺の服だと、並んだときに色の違いがはっきり見えます。略喪服に下げても、色は黒にそろえてください。光る素材、柄のあるもの、飾りのボタンを避ければ、形が喪服でなくても、隣に立って違和感はありません。
反対に、夫が略喪服で、妻だけ準喪服を着るのは、問題ありません。迎える側の中で女性のほうが一段きちんとしていても、参列者から見て不自然には映りません。夫がスーツしか持っていない、という家では、よくある組み合わせです。
どちらとも取れるとき|身内だけ、10人に満たない法要
施主の家族と、故人の兄弟姉妹など、10人に満たない身内だけで法要をする家も増えています。お坊さんを呼ぶかどうか、お寺で行うか自宅で行うかも、家によって違います。
**お坊さんを呼んで読経をしてもらうなら、迎える側は略喪服を下限にしてください。**身内だけでも、お坊さんを迎える場では、迎える家がきちんとした服で待つのが礼儀です。
お坊さんを呼ばず、家族でお墓参りをして食事をするだけ、という場合は、迎える側も黒・紺・灰の地味な服で構いません。ただし、身内のほかの人と比べて、迎える側が一段控えめにならないよう、柄や明るい色は避けておきます。
身内だけの法要で迷うのは、「家族しかいないのに、自分だけ喪服で浮かないか」という心配です。その場合は、前もって家族で何を着るかを話しておくのがいちばん確実です。迎える家の女性が「略喪服にするね」と一言伝えておけば、ほかの家族もそれに合わせやすくなります。
手持ちの黒い服が使えるかを見分ける|黒の濃さと光で確かめる
迎える側の服を、喪服として売られているものだけで用意する必要はありません。とくに略喪服の段なら、手持ちの黒い服で足りることも多いはずです。ただ、普段着の黒は、喪服の黒と並ぶと違いが目に入ることがあります。手持ちの服が使えるかは、2つの確かめ方で見分けてください。
1つ目は、黒の濃さです。手持ちの喪服か、黒い紙の上に、確かめたい服を並べて置きます。**並べたときに服のほうが灰色がかって見えるなら、その黒は迎える側の服には薄すぎます。**施主や家族が深い黒の喪服を着ている横に立つと、自分だけ色が抜けたように見えるからです。並べて差が分からないなら、使えます。
2つ目は、光です。部屋の照明の真下で服を少し傾けて、表面に白っぽい光の筋が走るかを見ます。光の筋が出る生地は、本堂や座敷の照明の下でも光って見えます。サテンのような艶のある生地、化学繊維で表面がつるりとした生地は、この確かめ方で外れやすくなります。
濃さと光の2つが通っていれば、あとは丈と袖の目安を確かめるだけです。正座で膝下5cmまで隠れる丈、手首の骨が隠れる袖。この4つがそろえば、普段着の黒でも、迎える側の略喪服として十分に使えます。
当日の流れで服を確かめる|朝の準備から見送りまで
迎える側の一日は、参列者より長く、動きの種類も多くなります。服を決めたら、当日の流れに沿って一度頭の中でたどってみると、困る場面が前もって見えてきます。
朝は、会場の準備から始まります。座布団を並べる、仏壇や祭壇を整える、お茶の用意をする。この時間はまだ参列者が来ていないので、汚れやすい作業は、喪服の上にエプロンをつけるか、着替える前に済ませておくと安心です。
参列者が集まり始めたら、玄関や受付で迎えます。お辞儀を何度も繰り返すので、前かがみになったときの首元と、髪が顔にかからないかが気になる時間です。お坊さんを迎えたら、読経のあいだは正座をして、焼香では立ち上がって前に進みます。
読経のあとは、墓前に出る家もあれば、そのまま会食に移る家もあります。墓前に出るならコートと靴の準備を、会食なら配膳とお酌のための動きやすさを。迎える側は、会食のあいだも席を回って挨拶をするので、座っている時間は思ったより短くなります。
最後は、参列者のお見送りです。玄関や門の外まで出ることが多く、秋冬は夕方の冷え込みの中に立つことになります。カーディガンやコートをすぐ手に取れる場所に置いておくと、慌てずに済みます。
アクセサリーと小物|迎える側が気をつけるのは数
迎える側のアクセサリーと小物は、参列者と同じ考え方で選びます。違うのは、参列者より長い時間、多くの人の近くで過ごすので、少しの光や音も目に入りやすいことです。
アクセサリーは、一連の真珠のネックレスか、何もつけないか、のどちらかにしてください。指輪は結婚指輪だけにします。配膳や台所仕事をするなら、ネックレスも外しておくほうが安心です。前かがみになったときにお膳や器に当たると、音が立ちます。
バッグは、黒の布製で光る金具のないものを選びます。迎える側は会場の中を動き回るので、バッグを持ち歩く時間は短く、控室や台所に置いておくことが多いはずです。数珠と、お布施を包んだふくさがすぐに取り出せるよう、バッグの中の位置を決めておいてください。
靴は、黒の布か光沢のない革のパンプスで、ヒールは3〜5cmほどの太めのものが歩きやすいでしょう。自宅で法要をするなら、迎える側は室内で黒の靴下かストッキングで過ごします。足袋のような白いものは避けてください。
髪と手元|配膳と焼香で見られる場所
迎える側は、配膳でお膳を差し出すとき、焼香で前に進むとき、お見送りで頭を下げるとき、参列者の目のすぐ前に立ちます。顔まわりと手元は、服よりも近くで見られる場所です。
髪は、肩につく長さなら、耳より下の低い位置でひとつにまとめてください。前かがみになったときに髪が顔にかからず、お膳にも落ちません。髪をまとめるゴムやピンは、黒の飾りのないものにします。
**手元は、爪の色を落としておくのが無難です。**お膳やお茶を差し出すとき、参列者の目線は自然と手元に向きます。爪を長く伸ばしている場合は、配膳のときに器に当たって音が立つこともあるので、短めに整えておくと動きやすくなります。
香りの強い化粧品や柔軟剤も控えてください。お香の香りと混ざると、狭い座敷では思った以上に目立ちます。迎える側は参列者一人ひとりと近い距離で言葉を交わすので、参列者より少し気をつけておくくらいでちょうどいいはずです。
前日までに確かめる5つ
法事の前日までに、迎える側の女性が確かめておきたいことを5つにまとめました。服を出してから当日の朝までに、ひと通り目を通してください。
- 回忌の数と案内に書いた言葉から、表のどの行に入るかを決める。参列者の中でいちばんきちんとした服の人を思い浮かべて、それより下にならないか確かめる
- 施主と、施主と同じ家の家族で、服の段をそろえる。別の家の兄弟姉妹にも一言伝えておく
- 服を着て座布団に正座し、裾が膝頭から5cm以上下にあるかを見る。腕を前に伸ばして、手首の骨が隠れているかを見る
- 前かがみになって、首元から中が見えないかを鏡で確かめる
- 会場が寒くなりそうなら、黒の無地のカーディガンと、墓前に出るときのコートを用意する
この5つが済んでいれば、当日は服のことを考えずに、参列者を迎えることに集中できます。
迎える家の服は、参列者が安心するための服
法事を出す側になると、準備することが多くて、自分の服は後回しになりがちです。それでも、迎える側の服は、参列者が会場に入ってきたときに最初に目にするものです。
**迎える家がきちんとした服で待っていれば、参列者は自分の服が正しかったかどうかを気にせずに済みます。**準喪服で来た人も、平服で来た人も、迎える家より上に出ることがないからです。
案内に「平服で」と書いた年でも、迎える側の服は一段上に。回忌の数と立場で段を決め、正座と配膳で困らない丈と袖を確かめておけば、当日はそれ以上迷うことはありません。
よくある問い
- Q. 案内に「平服でお越しください」と書きました。施主側の私たちも平服でいいですか
- 施主側は、参列者より一段上の服で迎えるのが落ち着きます。案内に書いた「平服」は、参列者に向けて「喪服でなくて構いません」と伝える言葉で、迎える側の服を下げる合図ではありません。参列者が黒や紺の地味な服で来るなら、施主側は略喪服、三回忌までなら準喪服で迎えてください。迎える側が喪服を着ていても、参列者が気まずく感じることはまずありません。反対に、迎える側が参列者より軽い服だと、喪服で来た年配の親族が浮いてしまいます。
- Q. 夫が施主で喪服を着ます。妻の私は略喪服でもいいですか
- 施主の妻は、施主と同じ段にそろえるのが基本です。夫が準喪服なら、妻も準喪服で並ぶと、迎える家としてまとまって見えます。ただ、小さな子どもを抱いて動く、妊娠中で体を締めつけたくない、といった事情があるなら、黒の無地で丈と袖の目安を満たす略喪服に下げても失礼にはなりません。その場合は、色を黒にそろえ、光る素材や柄を避けて、夫の隣に立ったときに色の差が出ないようにしてください。
- Q. 施主の妹ですが、別の家に住んでいます。施主側と参列者側、どちらに合わせればいいですか
- 立場の上では参列者ですが、服は施主の家に合わせてください。故人の子どもや兄弟姉妹は、参列者から見れば迎える家族の一員です。施主が準喪服なら、あなたも準喪服で並ぶと、親族の列がそろいます。施主の家が略喪服まで下げているなら、それに合わせて構いません。どの段にするかは、前もって施主に一言聞いておくのがいちばん確実です。
- Q. 法事の食事を自宅で用意します。配膳のときにエプロンをつけてもいいですか
- 配膳や台所仕事のあいだにエプロンをつけるのは、構いません。黒か濃紺の無地で、ひもや縁に飾りのないものを選んでください。参列者の前で読経を聞くとき、焼香をするとき、お見送りをするときは外します。つけたり外したりが多いので、首にかけずに腰で結ぶ形のほうが、髪や襟元を崩さずに済みます。
— メグラシ編集部





