法事の服装|何回忌か・施主か参列か・平服指定かの3つで決まる

**法事の服装は「何回忌か」「施主側か参列側か」「案内に平服とあるか」の3つで決まります。**三回忌までは準喪服、七回忌からは略喪服まで下げられ、施主側は参列者より一段上で迎えます。案内に「平服で」とあれば、普段着ではなく黒・紺・灰の地味な服のことです。
どの段になっても、まず外さない3点があります。黒か濃い紺・灰の無地であること。光る素材や目立つ金具を避けること。正座しても膝が隠れ、腕を伸ばしても手首の骨まで袖があること。この3点を満たしていれば、段の選び方を少し間違えても、その場で浮くことはありません。
ここから先は、3つの問いに順に答えて自分の段を決め、季節・年代・子ども連れ・小物・髪とメイクで細部を詰めていきます。場面ごとに詳しく書いた記事へは、それぞれの見出しから案内します。
まず外さない3点|色・光・丈と袖
法事の席で人の目に入るのは、色と光と肌の出方です。この3つを外さなければ、服の段が多少ずれていても、悪目立ちはしません。
| 外さない点 | 目安 | 自分で確かめる方法 |
|---|---|---|
| 色 | 黒、濃い紺、濃い灰の無地 | 白い紙の横に置いて、紺や灰が明るく見えないか |
| 光 | 艶のない素材、金具は小さく黒か布張り | 天井の照明の真下で、生地や金具が光らないか |
| 丈と袖 | 正座して膝頭が隠れる、手首の骨まで袖がある | 座布団に正座する、腕を前に伸ばす |
色は、黒がいちばん迷いません。紺や灰でもよいのは、七回忌以降や平服を指定されたときです。光は、照明の下で生地が白っぽく反射するかどうかで見ます。サテンや光沢のある化学繊維、大きな金色のボタンは、黒でも華やかに見えます。
丈と袖は、立って鏡を見るだけでは分かりません。法事は本堂でも自宅でも、座る時間が長い場です。座ったときに膝が出る丈、腕を伸ばすと手首が出る袖は、立っているときより目立ちます。
3つの問いに順に答える|自分の段を決める手順
段を決める順番は、回忌、立場、案内の言葉の順です。この順で答えると、迷う場所が少なくなります。
- 何回忌かを確かめる。四十九日・一周忌・三回忌なら準喪服、七回忌以降なら略喪服を出発点にする
- 施主側か参列側かを確かめる。施主側なら、出発点より下げない。参列側なら、出発点のままでよい
- 案内に平服とあるかを確かめる。参列側で平服とあれば、一段下げてよい。施主側は下げない
たとえば三回忌に参列側で出て、案内に「平服で」とあれば、準喪服から一段下げて略喪服です。同じ三回忌でも施主側なら、平服と書いてあっても準喪服のままにします。
服の段の呼び方は、正喪服・準喪服・略喪服・平服の順に軽くなります。法事で正喪服を着るのは、施主が四十九日まで和装の喪服を着る場合くらいで、洋装ならほとんどの人が準喪服からの選択になります。表記ごとの服の段の読み方は、ドレスコード 女性|表記6段階と昼夜で、着る服を1枚の表で決めるにまとめてあります。
回忌ごとの服装の目安|四十九日から十三回忌まで
回忌が進むほど、服は軽くしていきます。故人を偲ぶ気持ちは変わりませんが、喪の期間から日常へ戻っていく節目として、服も段階的に下げるのが習わしです。
| 回忌 | 参列側の目安 | 施主側の目安 | 色の幅 |
|---|---|---|---|
| 四十九日 | 準喪服 | 準喪服(和装なら正喪服も) | 黒のみ |
| 一周忌 | 準喪服 | 準喪服 | 黒のみ |
| 三回忌 | 準喪服、平服指定なら略喪服 | 準喪服 | 黒が基本 |
| 七回忌 | 略喪服 | 略喪服、年配の親族が多ければ準喪服 | 黒・紺・灰 |
| 十三回忌以降 | 略喪服、平服指定なら地味な平服 | 略喪服 | 黒・紺・灰 |
この表は出発点です。地域や家によって、三回忌でも略喪服で集まる家、十三回忌でも全員が喪服の家があります。親族に年配の方が多い家ほど、表より一段上に寄せておくと安心です。
四十九日|まだ喪の中にいる日の服
四十九日は、亡くなってからの区切りとなる大きな法要です。参列側も施主側も、準喪服を着てください。黒の無地のワンピースかアンサンブル、またはスーツで、首元が詰まり、膝下までの丈のものです。
四十九日に「平服で」と案内されることもあります。それでも、葬儀からまだ日が浅いため、平服は略喪服を指すと受け止めて、黒の無地を選ぶのが無難です。案内の言葉の読み方は、49日法要の服装|四十九日に「平服で」と言われた日で詳しく書いています。
四十九日に納骨を同じ日に行う家も多くあります。本堂のあとに墓前へ移るなら、歩きやすい靴と、外で羽織る上着を足してください。同じ日に両方を行うときの段取りは、四十九日と納骨の服装 女性に分けてあります。
一周忌|喪服のままが無難な最後の年
一周忌は、亡くなってから満1年の法要です。ここまでは喪の期間の延長として、準喪服で集まる家がほとんどです。参列側も施主側も、黒の準喪服を選んでください。
一周忌で迷う声が多いのは、パンツスタイルでよいかどうかです。光沢のない黒の無地で、上着が腰骨にかかる丈のパンツスーツなら、参列側として受け入れられることが増えています。年配の親族が多い席や、施主側に立つときは、ワンピースかアンサンブルのほうが落ち着きます。パンツの判断と秋冬の組み方は、一周忌の服装、女性はパンツでいい?を見てください。
三回忌|家ごとに分かれ始める年
三回忌は、満2年の法要です。ここから家ごとの差が出始めます。準喪服で集まる家もあれば、案内に「平服で」と書いて、略喪服で集まる家もあります。
参列側で、案内に服装のことが書かれていなければ準喪服。「平服で」とあれば略喪服。施主側は、どちらでも準喪服です。迷ったら準喪服で行くほうが、場から浮く心配が少なくなります。喪服で来て浮く人はほとんどいませんが、軽い服で来て気まずい思いをする人はいます。
三回忌で喪服のまま行くか、下げるかの見分け方は、三回忌の服装は喪服のままでいいかで、案内状・立場・顔ぶれの3つから決める手順を書いています。
七回忌以降|略喪服へ下げていく
七回忌からは、略喪服が基本になります。黒に限らず、濃い紺や濃い灰の無地のワンピース、アンサンブル、スーツも使えます。親族だけで集まる小さな法要が増え、案内に「平服で」と書かれることも多くなります。
七回忌で略喪服に下げてよいかどうかの分かれ目は、七回忌の服装|喪服のままか、略喪服に落とすかの分かれ目に、案内状の言葉と顔ぶれから判断する方法は七回忌の服装 女性|喪服か平服かは案内状と顔ぶれでにまとめています。
十三回忌以降は、さらに軽くなります。略喪服を下限として、平服を指定されたら紺や灰の地味な服でも構いません。どこまで下げてよいかの下限は、13回忌の服装|略喪服の「下限」はどこまでかで確かめてください。
施主側と参列側の違い|迎える側は一段上で待つ
施主側とは、法事を出す家の人です。施主本人だけでなく、施主の配偶者、同居している家族、故人の子どもや兄弟姉妹も、参列者から見れば迎える側に入ります。
| 比べる点 | 施主側 | 参列側 |
|---|---|---|
| 服の段 | 参列者と同じか一段上 | 回忌と案内に合わせる |
| 平服と書かれたとき | 下げない | 一段下げてよい |
| 動き方 | 受付・配膳・案内で動く | 座っている時間が長い |
| 丈と袖 | 前かがみ・正座で崩れないもの | 正座で膝が隠れるもの |
| 上着 | 会場内では脱いで動く | 本堂では脱ぎ、墓前で着る |
施主側の服は、参列者が「自分の服は正しかった」と安心するための服でもあります。迎える側がきちんとしていれば、準喪服で来た人も平服で来た人も、どちらも浮きません。施主側の立場ごとの合わせ方と、配膳や受付で困らない丈と袖の目安は、法事の服装 施主側の女性|迎える家は参列者より一段上で待つで詳しく書いています。
自宅で法事を営み、台所に立つ時間が長い日は、袖の長さとエプロンの扱いが変わります。その日の服は法事の服装 女性|自宅で営む日は台所に立つかどうかでを見てください。
「平服で」と言われたとき|平服は普段着ではない
法事の案内の「平服で」は、「喪服でなくて構いません」という意味です。普段着でよいという意味ではありません。黒・紺・灰の無地で、光らず、肌を出さない、落ち着いた服を指します。
平服で使える服の目安は、次の通りです。
| 服 | 平服として使えるか | 条件 |
|---|---|---|
| 黒・紺・灰の無地ワンピース | 使える | 膝下丈、袖は七分以上、首元が開きすぎない |
| 黒・紺のアンサンブル | 使える | 上着を着たまま過ごせるもの |
| 紺・灰のパンツスーツ | 使える | 光沢がなく、上着が腰骨にかかる |
| 黒のニットとスカート | 条件つき | 毛足が短く、編み目の大きくないもの |
| 茶・濃い緑の服 | 条件つき | 十三回忌以降の家族だけの席に限る |
| 柄物・明るい色の服 | 避ける | 小さな柄でも、遠目に模様が分かるもの |
黒以外の色をどこまで使えるか、紺・灰・茶の境目は法事の服装 カジュアル|黒以外の紺・グレー・茶をで確かめられます。
平服と書いてあっても、施主側は下げません。参列側でも、四十九日や一周忌で平服と書かれていたら、黒の無地を選ぶほうが落ち着きます。回忌が浅いほど「平服」の幅は狭いと考えてください。
どちらとも取れるとき|案内に何も書かれていない
案内に服装のことが何も書かれていない法事は、珍しくありません。電話や口頭で日時だけ知らされることもあります。
その場合は、回忌の目安の表に戻って、出発点の段で行ってください。三回忌までは準喪服、七回忌以降は略喪服です。何も書かないのは、多くの場合「いつもの法事の服で」という意味だからです。
それでも迷うときは、一段上の服で行き、上着で下げられるようにしておくのが確実です。準喪服のワンピースに、黒の無地のカーディガンを合わせて持っていきます。会場に入って周りが略喪服ばかりなら、ジャケットを脱いでカーディガンに替えると、印象が一段やわらぎます。反対に、軽い服で行ってしまうと、その場で上げる方法はありません。
どちらとも取れるとき|親族の誰に合わせるか分からない
親族によって言うことが違う、ということもよくあります。「三回忌だから喪服で」という叔母と、「もう平服でいいよ」という施主の妹。どちらに合わせればよいか迷うときは、次の順で決めてください。
- 施主本人が何を着るかを聞く。施主の段より上にはしない
- 施主に聞けないときは、いちばん年配の親族に合わせる
- それでも分からないときは、一段上の服で行く
施主の言葉がいちばん重いのは、その法事を出す人だからです。年配の親族に合わせるのは、軽すぎる服に気づくのが年配の方だからです。どちらにも聞けなければ、上にずれるほうが困りません。
どちらとも取れるとき|家族だけの小さな法事
参列者が10人に満たない、家族だけの法事もあります。自宅に僧侶を招いて、読経のあとに食事をするだけ、という形です。
家族だけの法事でも、四十九日と一周忌は準喪服で行うのが基本です。三回忌以降は、家族で話し合って略喪服や平服まで下げても構いません。ただし、僧侶を迎える場では、家族の誰か一人が明るい色の服だと目立ちます。下げる場合も、家族全員で同じ段にそろえてください。家族だけの席でどこまで下げられるかは、法事の服装 家族のみ|身内だけの席で、どこまで下げていいかに書いています。
どちらとも取れるとき|パンツかワンピースか
パンツで行くか、ワンピースで行くかも、迷いやすいところです。どちらも略喪服としては使えますが、場によって落ち着く方が変わります。
決め手は、回忌の浅さと、正座の有無と、自分が動くかどうかの3つです。四十九日や一周忌で年配の親族が多い席なら、ワンピースかアンサンブルが無難です。七回忌以降で、自分が配膳や子どもの世話で動く日なら、パンツのほうがしゃがんだり立ったりしても裾を気にせずに済みます。
どちらとも決めきれないときは、ワンピースを選び、上に黒の無地の上着を重ねてください。上着の丈が腰骨にかかるものなら、正座したときに背中やお腹まわりが見えにくくなります。パンツで行く日は、太ももにゆとりのある形を選び、正座したときに生地が突っ張って膝の形が浮かないかを確かめておきます。
どちらとも取れるとき|黒か、紺や灰か
七回忌以降や平服の席では、紺や灰も使えます。ただ、親族が全員黒で来たときに、自分だけ紺だと気になる、という声も多く届きます。
迷ったら黒を選んでください。黒は、どの回忌のどの席でも外れません。紺や灰を選んでよいのは、案内に「平服で」と書かれていて、かつ七回忌以降のときです。そのうえで、紺なら白い紙の横に置いても黒に近く見える濃さ、灰なら木炭に近い濃さを目安にします。明るい紺や、銀色に近い灰は、法事の席では明るく見えます。
紺や灰の服で行く日は、靴とバッグと上着を黒でそろえると、全体が黒に寄って見えます。服の色だけが少し違う、という程度なら、周りが全員黒でも浮くことはありません。
地域や家ごとに違うこと
法事の服装の目安は、地域や家の習わしで変わります。三回忌でも全員が喪服で集まる地域もあれば、一周忌から平服で集まる家もあります。
初めて嫁ぎ先や親戚の法事に出るときは、その家のいつもの形を知っている人に聞くのがいちばんです。施主や、その家に長くいる年配の家族に「前回はどんな服で集まりましたか」と聞けば、角は立ちません。聞いた答えが表の目安と違っていたら、その家の答えを優先してください。法事の服は、その家で集まる人と同じ形で偲ぶためのものだからです。
喪服を一着用意するなら
これから喪服を一着用意するなら、法事でも通夜でも葬儀でも使える準喪服を選ぶと、出番がいちばん多くなります。形は、長袖か七分袖のワンピースに、上に重ねる上着がついたアンサンブルが使いやすい組み合わせです。
選ぶときは、売り場の照明の下だけで決めず、窓の明かりの近くでも黒の濃さを確かめてください。真っ黒なものほど、礼服として長く使えます。丈は、立って膝下10cm前後、正座して膝頭から5cm以上下に裾がくるもの。袖は、腕を伸ばしたときに手首の骨が隠れるものを目安にします。
体型が変わることを考えて、ウエストに少しゆとりのある形や、脇にファスナーのある形を選ぶと、数年先も着られます。季節を問わず使いたいなら、裏地つきで、夏は上着を脱いでも二の腕が隠れる袖の長さのワンピースが便利です。
冬の会食の席で気をつけること
冬の法事では、法要のあとに会食の席が設けられることが多くあります。会館や料理店の座敷は、本堂より暖かいことがほとんどです。
暖かい部屋に入ると、重ねた肌着やタイツで汗をかくことがあります。会食の席では、カーディガンを脱げるようにしておき、脱いだあとも袖と首元が整っているかを確かめてください。保温用に貼ったものは、暖かい部屋では熱くなりすぎることがあるので、会食の前に化粧室で外せる場所に貼っておくと安心です。
食事のあいだは、膝の上に黒か白の無地のハンカチを広げておくと、服に汚れがつきにくくなります。
会場で変わること|お寺・自宅・会館・墓前
同じ服でも、会場によって困る場所が変わります。
| 会場 | 気をつけること | 服で足すもの |
|---|---|---|
| お寺の本堂 | 冬は冷える、正座が長い | 厚手のタイツ、カーディガン |
| 自宅の座敷 | 正座、靴を脱ぐ、配膳を手伝う | 穴のない黒の靴下やタイツの替え |
| 会館・ホール | 椅子席が多い、空調が効く | 薄手の羽織り |
| 墓前 | 屋外、足元が悪い、風 | コート、歩ける靴 |
座敷で正座する会場では、座ったときの裾の位置と、靴を脱いだ足元が目に入ります。ワンピースの裾は、正座したときに膝頭から5cm以上下にあるものを選んでください。正座の時間が長い日の服の見方は、法事の服装 女性|正座する座敷では、座った裾と脱いだ足元で詳しく書いています。
季節で変わること|春・夏・秋・冬の目安
法事の服は、季節で素材と足すものが変わります。色と形は変えません。
| 季節 | 素材 | 足すもの | 外せないこと |
|---|---|---|---|
| 春 | 薄手のウール、ポリエステル | 薄手のコート | 花粉で白くならない生地 |
| 夏 | 裏地つきの薄手の生地 | 汗を吸う下着、扇子 | 袖は五分以上、素足にしない |
| 秋 | 中肉のウール、ポリエステル | カーディガン | 朝晩の冷えに上着 |
| 冬 | 厚手のウール、裏地つき | コート、厚手のタイツ、手袋 | 会場に入る前に脱げるもの |
夏は、半袖でも構いませんが、二の腕が隠れる五分袖以上を選んでください。お盆の時期の法事は暑さとの戦いになります。お盆の法事ならではの服装と、暑い日の段取りはお盆法事の服装マナーを見てください。
冬の法事|本堂・墓前・会食の寒さ対策
冬の法事でいちばん困るのは、寒さです。お寺の本堂は天井が高く、暖房が足元まで届かないことが多くあります。墓前では風を遮るものがありません。12月から2月の法要では、服の段と同じくらい、寒さの対策が大事になります。

寒さ対策は、外から見える場所と見えない場所に分けて考えます。
| 場所 | 見えるか | 足せるもの |
|---|---|---|
| 肌着 | 見えない | 首元の詰まった保温性の高い肌着、腹巻き |
| 足元 | 見える | 60デニール前後の黒タイツ(家によっては30デニールまで) |
| 腰まわり | 見えない | 薄手のレギンスをタイツの下に重ねる |
| 上半身 | 見える | 黒の無地のカーディガン、ボレロ |
| 外 | 見える | 黒・紺・灰の無地のコート、黒の手袋 |
| 貼る保温材 | 見えない | 背中と腰に貼る。座ったときに形が出ない場所 |
見えない場所は、いくら重ねても構いません。保温性の高い肌着は、首元から見えないように、ワンピースより襟ぐりが詰まったものを選んでください。袖も、腕を伸ばしたときに服の袖口から出ない長さにします。
本堂では、靴を脱いで畳や板の間に上がることがあります。足の裏から冷えるので、タイツの上から履ける黒の薄手の靴下を持っていくと、正座のあいだも冷えにくくなります。法要が始まる前に脱いでおけば失礼にはなりません。冬の寒さ対策を見える所と見えない所で詳しく分けた記事は、法事の服装 冬 女性|寒さ対策は外から見える所と見えない所でです。
冬の上着とタイツの決め方
冬の法事で迷う二つが、コートとタイツです。
コートは、黒、濃い紺、濃い灰の無地で、光沢と大きな金具のないものを選びます。ウールのコートがいちばん無難です。ダウンコートは、艶のない黒で、縫い目の膨らみが小さいものなら、墓前や移動では使えます。毛皮やファー、毛足の長い素材は、殺生を連想させるため避けてください。コートは本堂や会場に入る前に脱ぎ、腕にかけて持ちます。
タイツは、黒のストッキングが基本です。寒い季節の法事では、黒のタイツを許す家も増えています。目安は、肌がうっすら透ける30デニールから、透けない60デニール前後まで。三回忌までの席や、年配の親族が多い席では、透け感のあるほうが落ち着きます。60デニールの黒タイツがどこまで使えるかは、60デニールタイツ黒は法事や式で履ける?で、場の格と合わせて書いています。
冬の納骨式では、墓前で過ごす時間が長くなります。喪服の上のコートと、墓前で脱ぐか着たままかの判断は、納骨式の服装 冬|喪服の上のコートと、墓前で脱ぐかにまとめています。
年代別|20代から60代以降まで
法事の服の段は、年代で変わりません。変わるのは、一着をどれくらい長く着るか、どこに気を配るかです。
| 年代 | 選び方の軸 | 気を配るところ |
|---|---|---|
| 20代 | 長く着られる、形の定番な一着 | 丈を短くしすぎない、手持ちの黒で代用するときの光 |
| 30代 | 子ども連れでも動ける一着 | 前かがみで首元が開かないか、抱っこで裾が上がらないか |
| 40代 | 施主側に立つ機会が増える | 一段上で迎えられる準喪服を一着持つ |
| 50代 | 着心地と体に合うか | 袖と肩まわりのゆとり、座ったときの腹まわり |
| 60代以降 | 正座や移動の楽さ | 椅子席の有無を確かめる、靴のかかとの低さ |
20代は、初めて喪服を用意する人が多い年代です。最初の一着は、長袖か七分袖のワンピースと、上に羽織る上着がそろったアンサンブルが、季節を問わず使えます。
30代と40代は、子どもを連れて行く日と、施主側に立つ日が増えてきます。それぞれの年代で迷いやすい点は、法事 服装 30代の基本ルールと法事 服装 40代の正解は?に分けて書いています。
50代以降は、着心地を優先して構いません。前あきで着脱しやすいもの、ウエストを締めつけないもの、肩が動かしやすいものを選んでください。50代の喪服選びの考え方は、喪服は50代のマナーを意識してにあります。
子どもを連れて行くとき
子どもの服は、大人ほど厳しく見られません。大事なのは、色と柄で場に合わせることです。
| 子どもの年齢 | 基本の服 | 制服がないとき |
|---|---|---|
| 乳児 | 白・灰・紺の無地の服 | 柄の小さいもの、明るすぎない色 |
| 幼児 | 白のシャツ、紺や灰のズボンかスカート | 無地のトレーナーやカーディガン |
| 小学生 | 制服があれば制服 | 白のシャツに紺・灰・黒の下 |
| 中高生 | 制服 | 黒・紺の無地で大人に近い形 |
キャラクターの絵、大きな文字、光る飾りのついた服は避けます。靴は、運動靴でも黒・紺・灰など暗い色なら構いません。光る靴や音の鳴る靴は、法要のあいだに目立つので別の靴にしてください。
子どもは長い読経のあいだにじっとしていられないこともあります。親は、子どもを抱いたり、外へ連れ出したりできる服にしておくと安心です。制服がない子の服の組み方は法事の服装 子ども|制服がない子は手持ちの服を色でに、七回忌のように回忌が進んだ席での子どもの服は7回忌の子どもの服装に書いています。
妊娠中・手持ちの喪服が合わないとき
妊娠中は、お腹を締めつけない服を優先してください。法事は座る時間が長く、正座がつらいこともあります。会場に椅子を頼めるか、前もって施主に伝えておくと楽になります。
服は、黒の無地で、胸の下から広がる形のワンピースや、前あきの上着を合わせたものが使えます。専用の喪服を用意するか、手持ちの黒で足りるかの判断は、妊婦の喪服・マタニティ喪服で確かめてください。
手持ちの喪服がきつくなった、体に合わなくなったという相談も多く届きます。きつい場所がどこか、法事までに何日あるかで、直すか、別の服にするかが変わります。手持ちの喪服が入らないときの選び方は、喪服が入らない場合にまとめています。
靴の選び方
靴は、黒の無地のパンプスが基本です。
| 見るところ | 目安 |
|---|---|
| 色と素材 | 黒、艶のない革か布。エナメルは避ける |
| かかと | 3〜5cm程度。細すぎず、床に当たって音が響かない太さ |
| つま先 | 丸いか、やや角のある形。つま先の開いた靴は避ける |
| 飾り | 金具、リボン、ビジューのないもの |
| 脱ぎ履き | 座敷に上がるなら、片手で脱ぎ履きできるもの |
かかとの高さは、低すぎるより高すぎるほうが困ります。本堂の板の間や、墓前の砂利で歩きにくくなるからです。年配の方や、足元が悪い会場に行く日は、かかとの低い靴でも失礼にはなりません。
雨の日は、革の靴が濡れて傷むのが心配になります。行き帰りは雨用の黒の靴で歩き、会場で履き替える方法もあります。雨の日の靴の替え方は、雨の日の靴 女性|結婚式・法事・面接の日は、行き帰りの靴を分けるを見てください。
バッグの選び方
バッグは、黒の布製で、金具の目立たない小さめのものが基本です。
革のバッグは、艶のないものなら使えます。クロコダイル型押しなど動物の皮の模様が目立つもの、大きな金色の金具がついたものは避けてください。大きさは、数珠、袱紗、ハンカチ、財布、携帯電話が入る程度で十分です。
荷物が多い日は、黒の無地の布製のサブバッグを足します。法要のあいだは、サブバッグを足元に置き、手提げは膝の上に置くと、正座のときにも邪魔になりません。紙袋で代用するなら、柄やロゴのない黒か白の無地のものにしてください。
数珠とアクセサリー
数珠は、法事に持っていくものの中で、いちばん忘れやすい小物です。宗派ごとの正式な数珠でなくても、一連の略式の数珠が一つあれば、どの宗派の法要でも使えます。色は、黒や茶、透明に近い石のものなら、どの場でもなじみます。

アクセサリーは、つけるなら一連の真珠のネックレスと、一粒の真珠のイヤリングかピアスまでです。
| アクセサリー | 目安 |
|---|---|
| ネックレス | 一連の真珠。鎖骨にかかる長さ、粒は7〜8mm程度 |
| イヤリング・ピアス | 一粒の真珠。揺れないもの |
| 指輪 | 結婚指輪のみ。石のついたものは外すか石を手のひら側に |
| 時計 | 文字盤が小さく、金色でないもの |
| 髪飾り | 黒の無地のバレッタやゴム。光る飾りは避ける |
数珠は、焼香のときに左手にかけて持ち、使わないあいだは房を下にして左手首にかけるか、膝の上に置きます。畳や床に直接置かないようにしてください。家族で一つの数珠を回して使うのは避け、一人に一つずつ用意しておくと、焼香の順番が来たときに慌てません。数珠を持っていないときは、無理に借りなくても失礼にはなりませんが、法事に出る機会が増える年代になったら、一つ持っておくと安心です。
袱紗は、香典やお布施を包む布です。紫、紺、灰、深い緑など寒色系の無地を選べば、弔事にも慶事にも使えます。赤や桃色、明るい黄色は慶事用なので、法事の日には使いません。
二連の真珠は「不幸が重なる」とされるため避けます。真珠の色は、白のほか、黒や灰色も使えます。迷ったら、何もつけないほうが安全です。
髪とメイク・爪
髪は、肩につく長さなら、耳より下の低い位置でひとつにまとめます。焼香で前かがみになったとき、髪が顔や手元にかからないようにするためです。留め具は、黒の無地のバレッタやゴム、ピンを使い、光る飾りは避けます。まとめる高さと留め具の選び方は、法事の髪型|まとめる高さと留め具の選び方で詳しく書いています。
メイクは、色を足さないことを意識します。肌の色をととのえる程度にして、頬や唇の色は控えめに。艶やラメの入った化粧品は、照明の下で光ります。口紅は、肌になじむ落ち着いた色を、薄くつけてください。
爪は、色を落としておくのが無難です。どうしても落とせないジェルネイルなどの場合は、肌色や薄いベージュの色を上から重ねるか、黒やベージュの手袋を、焼香のとき以外につけておく方法もあります。香りの強い化粧品や柔軟剤も控えてください。お香の香りと混ざると、狭い座敷では目立ちます。
避けたい服|境目を自分で測れるもので
避けたい服は、「何となく派手」ではなく、自分で測れるもので見分けます。
| 避けたい服 | 境目 | 測り方 |
|---|---|---|
| 短い丈 | 正座して膝頭が出る | 座布団に正座して、裾の位置を見る |
| 短い袖 | 腕を伸ばして二の腕が出る | 鏡の前で両腕を前に伸ばす |
| 開いた首元 | 前かがみで胸元が見える | 鏡の前で30度ほどおじぎをする |
| 光る素材 | 照明の下で白く反射する | 天井の照明の真下に立つ |
| 透ける素材 | 腕や脚の形が透けて見える | 窓の明かりにかざす |
| 柄 | 2m離れて模様が分かる | 家族に離れて見てもらう |
| 大きな金具 | ボタンや留め具が金色で目立つ | 黒い布で覆えるか試す |
この表のどれか一つでも当てはまる服は、法事の日には別の服にしてください。
迷いやすいのは、黒のワンピースです。手持ちの黒のワンピースは、法事に使えるものと使えないものがあります。艶が強いもの、ドレープやレースが大きく入ったもの、背中が大きく開いたものは、黒でも華やかな場の服になります。冬の黒のワンピースが喪服に見えるか、お出かけ着に見えるかの境目は、冬の黒ワンピースコーデで艶と素材から確かめられます。
手持ちの服で組むとき|段ごとの組み合わせ
喪服を持っていない、または今の体に合わないときは、手持ちの服で組むことになります。段ごとに、手持ちで組みやすい組み合わせを挙げます。

| 段 | 手持ちで組む例 | 足りないときの補い方 |
|---|---|---|
| 準喪服 | 艶のない黒の無地のワンピースに黒の上着 | 上着だけ黒の無地を一枚そろえる |
| 略喪服 | 黒・紺のワンピース、黒のスーツ | 白いシャツを黒のニットに替える |
| 平服 | 紺・灰の無地のアンサンブル、パンツスーツ | 明るい色の小物を黒にそろえる |
手持ちの黒が、真っ黒でないこともあります。くすんだ黒や、少し茶色がかった黒は、準喪服の真っ黒な服と並ぶと色の差が出ます。準喪服の席に着ていくなら、上着とスカートの黒の濃さがそろっているかを、明るい窓辺で並べて確かめてください。
通夜や葬儀との違い
通夜や葬儀は、亡くなった直後に行うもので、法事は亡くなったあとの節目に行うものです。服の考え方も少し違います。
通夜は、急な知らせで駆けつける場なので、喪服でなく地味な平服でも許されてきました。葬儀と告別式は準喪服が基本です。法事は日程が前もって決まっているので、準備した服で行くことが前提になります。通夜で迷ったときの立場ごとの決め方は、お通夜の服装|喪服か地味な平服か、立場と知らせかたでにまとめています。
前日までに確かめる5つ
法事の前日までに、次の5つを確かめておけば、当日は服のことを考えずに済みます。
- 回忌、立場、案内の言葉の3つから、自分の段を決める
- 服を着て正座し、膝頭が隠れているか、手首の骨まで袖があるかを見る
- 照明の真下で、生地と金具が光らないかを見る
- 数珠、袱紗、黒のハンカチ、替えのタイツをバッグに入れる
- 会場が寒くなりそうなら、黒の無地のカーディガンとコートを用意する
当日の朝に慌てるのは、たいてい小物です。数珠や袱紗は、前日の夜のうちにバッグに入れておいてください。
法事の服は、故人と集まった人のための服
法事の服装に迷うのは、正解が一つではないからです。地域や家、回忌の数、集まる人の顔ぶれで、ちょうどよい服は変わります。
それでも、回忌、立場、案内の言葉の3つに答えれば、自分の段は決まります。あとは、黒か濃い紺・灰の無地で、光らず、正座しても肌が出ない服を選ぶだけです。どちらとも取れるときは、一段上の服で行き、上着で下げられるようにしておけば、困ることはありません。
**法事の服は、故人を偲ぶ気持ちを、集まった人と同じ形で表すための服です。**周りから浮かない服で静かに座っていられれば、その日の服としては十分です。
よくある問い
- Q. 法事の案内に服装のことが何も書かれていません。何を着ればいいですか
- 何も書かれていないときは、三回忌までは準喪服、七回忌以降は略喪服を選んでください。案内に書かないのは、多くの場合「いつも通りの法事の服で」という意味です。迷ったら一段上の服で行き、上着や小物で調整できるようにしておくと、どちらに転んでも困りません。施主の家族に一言聞けるなら、それがいちばん確実です。
- Q. 法事に黒いパンツスーツで行ってもいいですか
- 参列側なら、光沢のない黒の無地で、上着の丈が腰骨にかかるパンツスーツは、略喪服として受け入れられることが多くなっています。四十九日や一周忌で親族の年配の方が多い席では、ワンピースかアンサンブルのほうが落ち着きます。座敷で正座する会場では、ゆとりのある太さのパンツなら膝が突っ張らず、かえって楽に過ごせます。
- Q. 冬の法事でコートは何色を着ればいいですか
- 黒、濃い紺、濃い灰の無地で、光沢と大きな金具のないコートを選んでください。毛足の長い素材や毛皮の襟は避けます。コートは本堂や会場に入る前に脱ぎ、墓前に出るときに着直します。手持ちのコートが明るい色しかないときは、会場の外で脱いで腕にかけ、裏地を外側にしてたたむと目立ちません。
- Q. 子どもに着せる服がありません。何を着せればいいですか
- 制服があれば制服で十分です。制服がない子は、黒・紺・灰・白の手持ちの服で、キャラクターや大きな柄のないものを組み合わせてください。上は白のシャツや無地のトレーナー、下は紺や灰のズボンかスカートで、靴は運動靴でも黒や紺など暗い色なら構いません。
— メグラシ編集部





