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マタニティの喪服|手持ちの黒で足りる日と、足りない日の分かれ目

メグラシ編集部//読了 14分
黒の無地のワンピースと上着をハンガーに掛け、明るい照明の下で艶と丈を確かめている場面

急な知らせが届いたとき、いちばん先に知りたいのは作法ではありません。いま持っている黒が、着られるかどうかです。

だから最初に、その判定を置きます。家で5分、4か所を見るだけです。買う話も、格の話も、そのあとにします。

📋 手持ちの黒で足りるか|4つの関門

見るところ確かめ方足りる側足りない側
立って、膝の中心から裾まで5センチ以上膝の中心にかかる
ウエストの留め具ホック・ベルト・固いゴムの位置いちばん前に出る位置に当たらない当たる
動き腕を前へ・軽く前かがみ・椅子から立つ背中と脇が引かれない引かれる
艶と透け明るい照明で30センチ離して見る白い筋が映らない筋が映る/下が透ける

4つ通れば、その一枚で足ります。 通らないものがあったときの手は、この記事の後半に順番で書きます。

この記事は、可否を裁きません

弔事の服装には、地域や家によって受け取り方が違う部分があります。どちらが正しいかを、外から決めることはできません。

だからこの記事では、着てよい・着てはいけないという形で書きません。代わりに使うのは、場の格を見て、そこから何段落とすかという考え方です。

段は3つあります。

  • いちばん上の段 ── 遺族や近い親族が着る装い
  • 真ん中の段 ── 一般の参列者が着る黒の上下
  • 下の段 ── 急な知らせで駆けつけるときや、平服と案内されたときの黒・濃紺・濃いグレーの無地

参列する側が選ぶのは、真ん中か下です。 そしてこの時期に緩めるのは、体に沿わせる度合いだけ。色と素材の段は保ちます。緩める場所を分けておくと、当日の迷いが短くなります。

迷いが残る日は、濃いほうへ寄せてください。当日その場で下げることはできても、上げることはできません。

関門①|丈が残っているか

立った状態で、膝の中心から裾までを見ます。

  • 5センチ以上 ── 通ります
  • 2〜5センチ ── 境目。椅子に座って確かめてください
  • 膝の中心にかかっている ── 通りません

なぜ立った状態で見るのか。座ると裾はさらに上がるからです。 そして弔事の会場では、座っている時間が読経や式辞でまとまって続きます。

境目のときは、実際に椅子に座って膝の位置を見てください。会場の椅子は家の椅子より座面が高いことが多いので、判定は少し厳しめに取っておくほうが安全側です。

関門②|ウエストの留め具は、どこに当たるか

ここは、この時期にだけ効く関門です。

服を着て、ホック・ベルト・固いゴムの入った縁が、体のどこに当たっているかを手で確かめてください。

  • いちばん前に出る位置より上、または下に外れている ── 通ります
  • いちばん前に出る位置に、そのまま当たっている ── 通りません

留め具は伸びません。長い時間その位置に当たり続けると、生地がそこで止まって上下に横の線が出ます。

通らないときの手は決まっています。留め具のある一枚を本体から外して、留め具のない黒のワンピースに替える。 上着はそのまま使えます。

胸のすぐ下に切替があって、そこから下が全部落ちている形なら、この関門は自動的に通ります。切替が胸の下にあるかどうかを先に見ると、確かめが早く終わります。

関門③|記帳と焼香の動きが通るか

会場でする動作は、だいたい決まっています。3つ試してください。

  1. 腕をまっすぐ前に出す(記帳のとき)
  2. 軽く前かがみになる(焼香のとき)
  3. 椅子から立つ(席を離れるとき)

この3つで、背中と脇に引かれる感じが出なければ通ります。

引かれるのが上半身だけなら、上着の前を留めないで着るだけで解決します。 前を留めなければ、胸まわりと肩の寸法は判定から外れます。

引かれるのが胴の側面なら、その一枚は本体から外して、上に着るものとして使ってください。

関門④|黒の艶と、下の透け

黒は1色ではありません。弔事の場で見られているのは、色より光の返り方です。

明るい照明の下で、30センチ離して生地を見てください。

  • 面が均一に沈んでいる ── 通ります
  • 白い筋が斜めに映る ── 通りません
  • 下に着たものの線が透ける ── 通りません

艶が出るのは、織りが詰まっていて表面が平らな生地です。日常で着る黒には、こちらのほうが多くなります。

透けのほうは、この時期に起きやすい変化です。生地が張ると、同じ一枚でも透け方が変わります。 時期の前に問題がなかった一枚でも、必ず光の下で見直してください。

どちらも、上着を重ねても下半身は隠れません。艶と透けが出ているのが下半身なら、その一枚は使わないほうが収まります。

足りなかったとき|替えるのは上着からではありません

順番を間違えると余計に時間がかかります。替えるのは、通らなかった場所です。

通らなかった関門替えるもの
一枚まるごと(他が通っていても使わない)
ウエストの留め具下に着る一枚だけ。上着はそのまま
動き(上半身)何も替えない。上着の前を留めないだけ
動き(胴の側面)下に着る一枚だけ
艶と透け(上半身)上着で覆う
艶と透け(下半身)一枚まるごと

いちばん多いのは、下に着る一枚だけを替えれば済む形です。 黒の無地のワンピースが1枚あれば、上着は時期の前から持っているものと組めます。

上着は前を留めない前提で選んでください。留めないなら、肩の縫い目が肩先から落ちすぎていないかだけ見れば足ります。

急な知らせが届いた日|家を出るまでの30分

順番を決めておくと、迷わずに出られます。

  1. 本体を1枚決める(4つの関門で通るものを選ぶ/5分)
  2. 足元(黒のストッキング、前かがみにならずに履ける靴/5分)
  3. 小物(白か黒の無地のハンカチ、数珠、袱紗、黒の鞄/5分)
  4. 上着1枚(前を留めない前提/3分)
  5. 座る時間が長いことを前提に、脱ぎ着で調整できる形か確かめる/2分

本体が決まらないときは、黒の無地のワンピースに黒の上着を重ねる形へ寄せてください。 この組み合わせは真ん中の段に入り、探す時間がいちばん短くて済みます。

持ちものを1つ足すなら、替えのストッキングを1足です。会場までの移動と、席の出入りで伝線することがあります。

足元とストッキング

靴は、履くときに前かがみにならずに済むかで選んでください。この時期はその姿勢が取りづらくなります。

ヒールは、高さより床に触れる面です。底の前後と左右が、どちらも2センチ以上あるものだと、長く立つ場面でも安定します。

ストッキングは黒の30デニール前後が基準です。この時期は、お腹の前まで生地が上がってこない作りか、上端がゴムで締まっていない作りかを見てください。会場では座る時間が長いので、上端の位置が当日の負担を分けます。

どちらとも取れる場合①|親族側に入る日

親族として出る日は、下の段には落としません。色と素材の段は保ったまま、体に沿わせる度合いだけを緩めます。

具体的には、黒の無地で艶の出ない生地という条件を保ったうえで、胸の下に切替があって下が落ちている形を選びます。これで段は落ちません。

もう1つ。親族側は式の前後で立っている時間が長くなります。 足元の判定を先に済ませておくと、当日の組み立てが早くなります。

どちらとも取れる場合②|「平服で」と案内された日

平服という案内は、普段着という意味ではありません。下の段、つまり黒・濃紺・濃いグレーの無地を指します。

この時期は、下の段のほうが選べる形が広くなります。留め具のない無地の濃色があれば、そのまま使えることが多くなります。

ただし、案内があっても周りが真ん中の段でそろうことがあります。 そのときのために、上着を1枚腕にかけて出て、会場で周りを見てから羽織るかどうかを決める形にしておくと、朝に決め切らなくて済みます。

日付が先に分かっている法要のとき

急な知らせと違って、法要は日付が先に決まっています。この場合は、当日の寸法で選べます。

やることは3つです。

  1. 法要の日が、予定日から数えて何週目に当たるかを出す
  2. いま、いちばん前に出る位置の周囲を測って書き留める
  3. 2週間後に同じ位置を測り、その差を残りの週数に掛ける

出た数字が、見込む分です。今の寸法で決めてしまうと、当日に4つの関門が通らなくなります。

用意の形は3つあります。手持ちの黒をそのまま残しておく。黒の無地のワンピースに黒の上着を重ねる形を1組そろえておく。貸衣装で当日の寸法に合わせる。どれを選んでも段は変わりません。

ただし、急な知らせは法要とは別に届きます。今夜出られる1組だけは、法要の準備とは切り離して常に決めておいてください。 決めてあるかどうかで、当日の30分の中身が変わります。

通夜と告別式の両方に出るとき

2日続けて出る場合、同じ一枚を2日とも着てかまいません。 替えるのは中に着るものとストッキングとハンカチです。

この時期に1つだけ足すなら、2日目の朝にもう一度、関門①の丈だけを見てください。 前日に長く座ったあとは、同じ一枚でも裾の位置が変わって見えることがあります。

2日間の組み立てそのものは通夜に喪服を着るかの判断にまとめてあるので、そちらの段取りをこの4つの関門の上に乗せてください。

よくある誤解

「専用のものでなければ通らない」 ── 判定に入っているのは丈・留め具・動き・艶と透けの4つだけです。4つ通れば、専用のものでなくてかまいません。

「大きめのサイズを買えば足りる」 ── 全体を大きくすると肩の位置がずれて、記帳と焼香の動きで引かれます。大きくするのではなく、留め具がなく胸の下から落ちている形を選ぶほうが確実です。

「上着を重ねれば下半身も収まる」 ── 上着が覆うのは上半身だけです。下半身に艶や透けが出ているときは、一枚まるごと替えます。

「当日きつくなったら上着を脱げばいい」 ── 会場で調整できるのは上着だけです。本体は替えられないので、朝に4つの関門を通したものを着て出てください。

まとめ

急な知らせの日にまずすることは、いま持っている黒を4か所見ることです。丈、ウエストの留め具の位置、記帳と焼香の動き、黒の艶と透け。5分で終わります。

4つ通れば、その一枚で足ります。通らないのが1つで、それが上半身なら、上着だけを替えるか、前を留めないだけで収まります。

丈だけは例外です。座ったときの丈は当日その場では足せません。 ここが通らない一枚は、他が通っていても使わないほうが安全側です。

そして、可否は外から決められません。見るのは場の格と、そこから何段落とすか。この時期に緩めるのは体に沿わせる度合いだけで、色と素材の段は保ちます。 迷いが残る日は、濃いほうへ寄せてください。

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よくある問い

Q. いま持っている黒が着られるか、何を見れば分かりますか
家で5分、4か所を見てください。1つめ、立って膝の中心から裾まで5センチ以上あるか。座ると前の裾がさらに上がるので、立った状態で余裕が要ります。2つめ、ウエストのホックやベルトや固いゴムが、いちばん前に出る位置に当たっていないか。当たっていれば、その一枚は長い時間の着用に向きません。3つめ、腕を前に出す、軽く前かがみになる、椅子から立つ。この3つの動きで背中や脇が引かれないか。4つめ、明るい照明の下で30センチ離して見て、黒の面に白い筋が映らないか、下に着たものが透けないか。4つ通れば足ります。
Q. 通らない項目が1つありました。どうすればいいですか
どこが通らなかったかで手が変わります。ウエストの留め具か、動きの引きつれか、艶と透けのどれかであれば、上着だけを別の黒に替えて、下は無地の黒のワンピースにする形で収まります。上着は前を留めないで着てかまいません。留めない前提なら、時期の前から持っているものがそのまま使えることもあります。通らなかったのが丈だった場合だけは、その一枚を使わないほうが安全側です。座ったときの丈は当日その場では足せず、会場では座っている時間が長くなります。
Q. 場にふさわしいかどうかは、どう考えればいいですか
可否を外から決めることはできません。地域や家によって受け取り方が違うためです。代わりに、その場の格を見て、そこから何段落とすかで考えてください。段は3つあります。いちばん上が遺族や近い親族の装い、真ん中が一般の参列者が着る黒の上下、下が急な知らせで駆けつけるときや平服と案内されたときの黒・濃紺・濃いグレーの無地です。参列する側が選ぶのは真ん中か下です。この時期は、体に沿わせる度合いだけを緩めて、色と素材の段は保つ。緩める場所を分けておくと迷いが短くなります。
Q. 急な知らせで、今夜のうちに出なければなりません。何から手をつければいいですか
順番を決めておくと30分で出られます。最初に本体を1枚決めます。手持ちの黒を4か所で見て、通るものを1枚だけ選びます。次に足元です。黒のストッキングと、履くのに前かがみにならない靴。3つめが小物で、白か黒の無地のハンカチ、数珠、袱紗、黒の鞄。4つめが上着で、前を留めない前提で1枚。最後に、座る時間が長い場になるので、着替えではなく脱ぎ着で調整できる形になっているかだけ見ます。本体が決まらないときは、黒の無地のワンピースに黒の上着を重ねる形へ寄せてください。
Q. 何週も先に予定されている法要があります。今のうちに用意しておくべきですか
先に日付が分かっている場では、当日の寸法で選べます。今の寸法で決めず、2週間あけて同じ2か所を測り、その差を残りの週数に掛けて見込んでください。用意の形は3つあります。手持ちの黒を残しておく、黒の無地のワンピースに黒の上着を重ねる形を1組そろえる、貸衣装で当日に合わせる。どれを選んでも段は変わりません。ただし急な知らせは別に来るので、今夜出られる1組は常に決めておくほうが、結果として慌てずに済みます。

— メグラシ編集部

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