60デニールタイツ黒は法事や式で履ける?|場の格と透け方で決める

**手元の黒の60デニールタイツを、片手の甲にかぶせて、指を軽く開いてみてください。**指の関節のしわがうっすら見えて、肌の色はほとんど見えない。それが60デニールの透け方です。この1足を法事に履いていけるかどうかは、あなたが遺族側か参列者側か、そしてその法要が何回目かで、ほぼ決まります。
先に結論を置いておきます。葬儀・告別式と、一周忌までの法要に、遺族や近い親族として出るなら、黒は30デニール前後のストッキングにしてください。三回忌以降の法要、あるいは参列者として出る法要なら、寒い日には黒の60デニールを選んでよいとされることが多くなっています。
ここから先は、その境目にいる人のための記事です。年長の親族がいて決まりが読めない、外は寒いのに会場は暖かい、60デニールの1足しか持っていない。そうした「どちらとも取れる」場面で、何を見て決めればいいかを、手元で確かめられる形に置き換えます。黒の60デニールを普段の服に合わせる話は80デニールタイツの記事などに分けてあるので、ここでは改まった場に履く場合だけを扱います。
結論:立場と回数で決め、気温と外にいる時間で一段ずらす
黒の60デニールを改まった場に履いてよいかは、次の順で決めます。
- 立場:遺族・近い親族か、参列者か
- 場の格:葬儀・告別式か、一周忌までの法要か、三回忌以降の法要か
- 気温と外にいる時間:朝の気温が低い日か、屋外に30分以上いるか
1と2で「30デニール前後のストッキング」と出た場合でも、3の条件が強ければ、60デニールまで一段ずらすことを考えます。反対に、1と2で「60デニールでよい」と出た場合でも、会場がずっと屋内で暖かいなら、ストッキングのほうがより丁寧です。
この順番を逆にしないことが大事です。寒いから60デニール、と先に決めてしまうと、遺族として出る告別式に厚手のタイツで立つ、ということが起こります。まず立場と回数、気温はそのあと、と覚えておいてください。
もう1つ、地域や家による違いがあります。寒冷地では、冬の葬儀に厚手の黒タイツが当たり前という家も多く、反対に、昔からの決まりを大事にする家では、季節に関係なくストッキングを、と言われることもあります。この記事の目安は、そうした家ごとの決まりがはっきりしない場合に使ってください。決まりがあるなら、そちらが優先です。
自分の立場の数え方にも、少し迷うところがあります。故人から見て、配偶者・子・孫・兄弟姉妹とその配偶者は、遺族や近い親族の側に数えるのが一般的です。いとこ、甥や姪、配偶者の兄弟姉妹などは、家によって扱いが分かれます。受付を手伝う、親族席に座るように言われている、といった場合は、遺族側に近いと考えておくと外れません。
場の格は、案内状や連絡の文面で分かることが多いです。「平服でお越しください」とあれば略式に近く、案内に何も書かれていなければ、回数で判断します。親族だけで行うのか、故人の友人や仕事関係の人も招くのかでも、場の格は変わります。人数が多く、知らない人が多いほど、改まった側に寄せてください。
まず手の甲にかぶせて、透け方を確かめる
同じ「60デニール」と表示されたタイツでも、作りによって透け方は違います。改まった場に履く前に、手持ちの1足がどのくらい透けるかを、一度だけ確かめておきましょう。
- タイツの脚の部分に手を入れ、手の甲側に生地をかぶせる
- 指を軽く開いて、生地をふくらはぎを履いたときくらいの強さに伸ばす
- 明るい窓の近くで、手の甲を見る
見え方によって、次のように分けます。
| 手の甲での見え方 | 近いもの | 改まった場での扱い |
|---|---|---|
| 肌の色がはっきり見え、血管まで分かる | 20〜30デニールのストッキング | 弔事の正式なものに近い |
| 肌の色がうっすら、指の関節の形が分かる | 40〜60デニール | 略式。三回忌以降・参列者向け |
| 肌の色が見えず、手の形だけが分かる | 80デニール以上 | 普段着の印象が強い |
60デニールでも、編み方が細かく、伸ばしたときに肌がうっすら見えるものなら、ストッキングに近い見え方になります。反対に、同じ60デニールでも、糸が太めで、伸ばしても肌が見えないものは、80デニールに近い見え方になります。表示の数字より、手の甲での見え方を優先してください。
脚に履いたとき、いちばん透けるのは膝とすねの前、いちばん透けないのは足首です。膝を軽く曲げて鏡に映し、膝の上の肌の色がうっすら見えるなら、その1足は略式の場に向いています。
場ごとの目安
立場と場の格を組み合わせると、次のようになります。気温や外にいる時間の調整は、この表のあとに書きます。
| 場 | 遺族・近い親族 | 参列者 |
|---|---|---|
| 通夜 | 30デニール前後 | 30デニール前後。急な場合は60まで可とされることも |
| 葬儀・告別式 | 30デニール前後 | 30デニール前後 |
| 四十九日・一周忌 | 30デニール前後 | 寒い日は60デニールまで |
| 三回忌以降 | 寒い日は60デニールまで | 60デニールでよい |
| 家族だけの法要 | 60デニールでよい | ― |
表を見ると分かるとおり、黒の60デニールが選びやすくなるのは、回数を重ねた法要と、参列者として出る場です。葬儀・告別式は、立場にかかわらず、肌がうっすら透けるストッキングが基本と考えておいてください。
家族だけで行う法要の服装は、家族だけの法事の服装で詳しく扱っています。
通夜・葬儀・告別式|立場で分かれる
通夜と、葬儀・告別式は、喪の場の中でもっとも格が高い場です。ここでは、黒の30デニール前後のストッキングが基本です。
遺族・近い親族として出る場合は、季節を問わずストッキングを選んでください。参列する人の多くがあなたを見ていて、喪主や年長の親族が、服装を気にかけていることも多いからです。寒さが気になる場合は、タイツではなく、ほかの部分で防寒をします(後で書きます)。
参列者として出る場合も、基本は同じです。ただ、通夜は「急いで駆けつけた」ことを表す場でもあるので、手元に60デニールしかなく、買いに行く時間もない場合は、それで出向いても失礼にはあたらない、と考える人が多くなっています。告別式は日程が分かっていることが多いので、その場合はストッキングを用意して出るほうが丁寧です。
通夜の服装は、もともと「急な知らせに、取るものも取りあえず駆けつけた」ことを表すため、喪服でなく地味な平服でもよいとされてきました。そのため、タイツについても、告別式ほど厳しく見られないことが多いです。ただ、いまは通夜にも喪服で出る人が多くなっているので、時間に余裕があるなら、通夜でもストッキングを選ぶほうが周りと揃います。
葬儀・告別式の日の朝に、寒さが気になって迷う人も多いと思います。この日は、立場にかかわらず、タイツで調整しようとせず、コートやインナーで調整するのが基本です。会場の中は多くの場合暖房が効いていて、外にいるのは出棺の見送りの数十分ほどだからです。見送りの間は、コートを着たまま立っていて構いません。
火葬場への移動や、屋外での出棺の見送りなど、外にいる時間が長い場合もあります。こうした日の寒さ対策は、後の「気温と外にいる時間」の章を見てください。
法事|回を重ねるほど、60デニールを選びやすい
法事は、回を重ねるほど、服装の決まりがゆるやかになっていきます。一般的には、四十九日や一周忌までは葬儀に近い服装を、三回忌以降は略喪服や、地味な色の平服でもよい、とされることが多いです。
黒の60デニールも、この流れに沿って考えます。
- 四十九日・一周忌:遺族側はストッキング。参列者側は、寒い日なら60デニールまで
- 三回忌:遺族側も、寒い日なら60デニールまで。参列者側は60デニールでよい
- 七回忌以降:服装そのものが平服に近づくので、60デニールで問題になることはまずない
法事は、葬儀よりも、家族や親族が中心の小さな集まりになることが多く、季節に合わせた服装が受け入れられやすい場です。秋の終わりから冬の法事で、寒い寺の本堂や、墓前で過ごす時間があるなら、60デニールを選ぶ理由は十分にあります。
ただし、法事には正座の時間があります。正座をすると、足の裏とつま先が後ろの人から見えます。タイツのつま先に色の濃い補強の切り替えがある場合や、かかとに色の違う部分がある場合は、そこが目立ちます。法事に履く1足は、つま先まで同じ色と厚みのものを選んでください。
法事の会場が寺ではなく、自宅や、会食のできる料理店の座敷ということもあります。自宅の法事なら、遺族側でも、季節に合わせた服装が受け入れられやすいです。料理店の座敷なら、靴を脱いで上がるので、タイツの足先がそのまま人目に触れます。伝線や毛玉がないか、前の晩に確かめておいてください。
法事の案内で「平服で」と書かれていることもあります。平服とは、普段着のことではなく、喪服ほど改まらない、地味な色の服のことです。この場合、黒の60デニールは、紺やグレーのワンピースやスーツとも合わせやすく、むしろ選びやすい1足になります。
気温と外にいる時間で、一段ずらす
立場と回数で「30デニール前後」と出た場合でも、次の条件が重なる日は、60デニールまで一段ずらすことを考えてよいとされます。
- 家を出る時刻の気温が、10℃を下回る
- 屋外にいる時間が、合わせて30分を超える(墓前、出棺の見送り、火葬場の外での待ち時間など)
- 寒冷地で、雪や冷たい風の中を移動する
3つのうち2つ以上が当てはまるなら、一段ずらしてよい日、と考えてください。1つだけなら、タイツはストッキングのまま、ほかの部分で防寒するほうが丁寧です。
ほかの部分での防寒として使えるのは、次のようなものです。
- 膝下まで隠れる丈の、黒の厚手のコート(会場に入る前に脱ぐ)
- スカートの下に履く、膝上丈の黒の薄手のペチコートやインナー
- 移動中だけ履く、黒の厚手の靴下(会場の手前で脱ぐ)
- 貼るタイプのカイロを、腰や背中に(脚には貼らない)
屋外にいる時間を数えるときは、移動の時間も入れてください。駅から寺まで歩く、駐車場から斎場の入口まで歩く、といった時間は、意外に長くなります。
寒さの感じ方は人によって違うので、気温の数字だけで決めにくい場合もあります。冷えやすい体質で、ストッキングで長く外にいると体調を崩しそうだという人は、無理をせず、60デニールを選ぶ、または移動中だけ履き替える方法を取ってください。喪の場の服装は、故人を偲ぶ気持ちを表すためのもので、体調を崩してまで守るものではありません。年長の親族に何か言われたら、「寒さに弱いので」と一言添えれば、たいていは分かってもらえます。
光り方と編み目|同じ60でも、喪の場に向かない1足
60デニールのタイツは、普段着に合わせることを想定して作られたものも多く、喪の場に向かない作りのものが混ざっています。手持ちの1足を確かめるときは、次の点を見てください。
艶:窓の光にタイツをかざして、光が1本の線になって反射するなら、艶のある作りです。喪の場では、艶はできるだけ抑えるのが基本なので、こうした1足は避けます。マットな作りで、光がぼんやりと広がるものを選んでください。
編み目:リブ(縦の畝)、柄、ラメ、後ろの縫い目の線(バックシーム)、ワンポイントの刺繍があるものは、喪の場には向きません。無地で、編み目の見えない平らな作りのものを選びます。
ゴムの位置と足首のしわ:見落としやすいのが、足首と膝の裏にできるしわです。サイズが大きすぎるタイツは、足首に横じわがたまり、そこだけ色が濃く見えます。正座のあとや、長く立ったあとにしわが出やすいので、改まった場に履く1足は、ふだんよりワンサイズ小さめか、ぴったりのものを選んでください。ウエストのゴムが強すぎると、長い法要の間に苦しくなるので、一度履いて30分ほど座ってみると安心です。
色:同じ黒でも、少し茶色や紫に寄った黒があります。喪服の黒の隣に並べて、色が違って見えるものは避けてください。とくに、喪服の生地が深い黒の場合、タイツの黒が浅く見えることがあります。
裏起毛:裏に起毛のある厚手のタイツは、表から見て60デニールと表示されていても、膝や足首にしわが寄りやすく、脚の線がもたつきます。暖かさを優先したい日でも、喪の場では裏起毛は避けるのが無難です。
靴とスカート丈|タイツの見える面積を小さくする
黒の60デニールを改まった場に履くとき、印象を左右するのは、タイツそのものだけではありません。タイツがどのくらいの面積で見えているかです。
見える面積が小さいほど、タイツの厚みは目立たなくなります。決め方は2つです。
スカートの丈:喪服やワンピースのスカート丈は、ひざが隠れる丈から、ふくらはぎの中ほどまでが基本です。ふくらはぎの中ほどまで丈があれば、見えるタイツはふくらはぎの下半分と足首だけになり、60デニールでも厚みが目立ちにくくなります。ひざが少し見える丈なら、ストッキングのほうが落ち着きます。
靴:靴は、飾りのない黒のパンプスが基本です。甲が深く覆われる形のほうが、タイツの見える面積が小さくなります。ストラップや金具の付いたもの、つま先の大きく開いたものは避けてください。ヒールは低めで、太さのあるもののほうが、寺の畳や砂利の上でも歩きやすいです。
黒タイツと靴の色や甲の見え方の関係は、40デニールタイツ黒に合う靴|甲の見える量と靴の色で脚をつなぐでも詳しく扱っています。喪の場では、その記事でいう「つなぐ」より、全体を静かにまとめることを優先してください。
秋の結婚式・披露宴|黒の60デニールは控えめにしたい理由
秋は結婚式の多い季節でもあります。ここでは、黒の60デニールは控えめにしておくのが無難です。
理由は2つあります。1つは、黒の厚手のタイツが、弔事を思わせると考える人がまだ多いこと。もう1つは、厚手のタイツが普段着の印象を持っていて、お祝いの場の改まった服装に合わないと受け取られやすいことです。
結婚式でのストッキングは、肌の色に近い薄手のものが基本です。寒さが気になる場合は、次のような方法があります。
- 会場までの移動中だけタイツを履き、会場の化粧室でストッキングに履き替える
- 会場の外にいる時間を減らす(送迎や、駅から近い経路を選ぶ)
- 羽織りものや、ストールで上半身を温める
カジュアルなレストランでの食事会や、二次会であれば、黒以外の色、たとえばグレーやボルドーなどのタイツを選ぶ人もいます。会場の雰囲気と、同じ席に誰が座るか(年長の親族が多いか、友人が中心か)で判断してください。
七五三・お宮参り・式典|付き添いとして出るとき
秋から冬にかけては、七五三や、学校・地域の式典に、付き添いや来賓として出ることもあります。
七五三・お宮参りは、お祝いの場ですが、主役は子どもです。付き添いの服装に、結婚式ほどの決まりはありません。黒の60デニールは、寒い日の神社の境内で過ごすときの選択肢として、十分に使えます。気をつけたいのは、全身を黒でそろえないことです。黒のワンピースに黒のタイツと黒の靴なら、上に明るい色の羽織りを足すか、真珠などの明るい小物を付けて、お祝いの場の印を付けてください。
式典(学校の記念式典、表彰式、地域の式典など)は、来賓として出るか、保護者として出るかで変わります。来賓として壇上に近い席に座るなら、ストッキングのほうが丁寧です。保護者として後ろの席に座るなら、寒い季節は黒の60デニールでも違和感はほとんどありません。ここでも、全身を黒でそろえないようにすると、弔事の服装と区別がつきます。
どちらとも取れるとき①|年長の親族がいて、決まりが読めない
法事や葬儀でもっとも迷うのは、「自分の家ではどうなのか」が分からない場合です。義理の家族の法事に初めて出る、親族の中に服装に厳しい人がいるかもしれない、といった場面です。
この場合は、次の順で決めてください。
- 喪主か、喪主に近い人に、事前に聞けるなら聞く。「寒いので厚手のタイツでも失礼にならないでしょうか」と尋ねれば、答えはすぐに出る
- 聞けないなら、自分の立場が遺族側に近いほど、ストッキングに寄せる
- 迷ったら、ストッキングを履き、移動中の防寒を厚くする
3を選ぶときに使える方法が、30デニール前後の黒のストッキングを2枚重ねて履くことです。見た目はストッキングのまま、肌の透け方がわずかに弱まり、1枚よりも暖かくなります。2枚目は、1枚目と同じ色と同じ厚みのものにしてください。違う色を重ねると、色むらが出ます。
もう1つは、会場に着くまでは60デニールを履き、着いてから化粧室でストッキングに履き替える方法です。脱いだタイツは、小さな袋に入れて、バッグにしまっておきます。帰りにまた履き替えれば、行き帰りの寒さを避けられます。
どちらとも取れるとき②|外は寒く、会場の中は暖かい
秋の終わりの法事では、外は冷たい風が吹いていても、寺の本堂や会食の部屋は暖房が効いて暖かい、ということがよくあります。この場合は、人の目にいちばん長く触れる場所がどこかで決めます。
- 墓前での読経や、屋外での見送りが長い → 外にいる時間を優先し、60デニールでよい側に倒す
- 本堂での読経と会食が中心で、外は移動だけ → 中にいる時間を優先し、ストッキングに寄せる
人の目に触れる時間を数えるとき、とくに気をつけたいのが、焼香で並ぶときと、会食で座るときです。焼香では、前に出て一礼するので、脚の後ろ姿が並んだ人の目に入ります。会食で座敷に座ると、正座や横座りで、脚とつま先が目に入ります。こうした場面が中で長く続くなら、ストッキングに寄せるほうが安心です。
中が暖かい場合、60デニールのタイツで長く座っていると、脚が汗ばんで、膝の裏にしわが寄ることもあります。見た目のためにも、中にいる時間が長い日は、ストッキングのほうが快適なことが多いです。
迷ったときに使える、もう1つの見方があります。その日いちばん長く一緒にいる人が、誰かです。年長の親族と一緒に本堂で過ごす時間が長いなら、ストッキングに寄せる。親しい家族と墓前で過ごす時間が長いなら、60デニールに寄せる。服装は、その場にいる人への気づかいでもあるので、一緒にいる人の顔ぶれで決めるのは、決して的外れではありません。
会場で履き替えるなら、化粧室が混む時間を避けてください。法要の始まる直前は、同じように身支度を整える人で混み合います。始まる20〜30分前に着いて、先に履き替えを済ませておくと、落ち着いて席に着けます。
どちらとも取れるとき③|手持ちが60デニールの1足しかない
前の晩に気づいて、手元に黒の60デニールしかない。買いに行く時間がない。こうした場合の決め方です。
- 表の目安で、自分の立場と回数が「60デニールでよい」に入るなら、その1足を履いていく
- 「30デニール前後」に入るなら、手の甲で透け方を確かめる。肌がうっすら見えるなら、喪の場に履いても大きく外れない
- 肌がまったく見えない1足なら、行く途中でストッキングを買えるか考える。駅の売店やコンビニエンスストアでも、黒のストッキングはたいてい手に入る
3を選ぶときは、少し早めに家を出て、会場の手前で履き替える時間を作っておきます。慌てて履き替えて伝線させると、元も子もありません。予備に2足買っておくと安心です。
急いで買う場合、売り場には「20デニール」「30デニール」と並んで、「着圧」や「伝線しにくい」などの表示のあるストッキングも並んでいます。喪の場に履くなら、表示より、袋の外から見える色を優先してください。黒でも、パッケージの写真で艶が強く見えるものや、色が茶に寄って見えるものは避けます。分からなければ、いちばん飾りの少ない、無地の黒の1足を選べば大きく外れません。
この機会に、黒の30デニール前後のストッキングを、喪服と一緒にしまっておくことをおすすめします。喪服の収納の箱に入れておけば、次に急な知らせがあったとき、迷わずに済みます。喪服の箱には、ストッキングのほかに、黒の無地のハンカチ、数珠、袱紗、飾りのない黒のバッグも一緒に入れておくと、知らせが来た日に箱を1つ開けるだけで支度が整います。寒い季節に備えるなら、黒の60デニールも1足、マットで無地のものを選んで同じ箱に入れておくと、この記事の表で「60デニールでよい」に当たる日に、すぐ使えます。ストッキングは長く置くと伸縮が弱まることがあるので、1年に一度、衣替えのときに新しいものに替えておくと安心です。喪服そのものの備え方は、喪服が入らないときでも扱っています。
パンツの喪服や、パンツで出る法事なら
最近は、パンツの喪服や、黒のパンツスーツで法事に出る人も増えています。この場合、脚はパンツに隠れるので、タイツが見えるのは、座ったときや、靴を脱いだときの足首から下だけです。
パンツの場合の決め方は、次のとおりです。
- パンツの下には、黒の60デニールを履いてよい。見えるのは足首と足先だけで、ストッキングとの差はほとんど分からない
- 足首が見える丈のパンツなら、足首の透け方が分かるので、手の甲で確かめて、肌がうっすら見える1足を選ぶ
- 靴を脱ぐ場がある日は、つま先の補強の切り替えがない1足にする
パンツの下に厚手のタイツを履くと、パンツの生地とタイツがこすれて、静電気でパンツが脚にまとわりつくことがあります。喪服のパンツは裏地のないものも多いので、気になる場合は、静電気を防ぐスプレーを裏側にかけておくと、立ったり座ったりするときに裾がきれいに落ちます。
パンツの喪服そのものについては、スカートより略式と考える人もいます。遺族側として葬儀・告別式に出るなら、スカートのほうが無難な場合もあるので、立場と場の格は、タイツと同じ順番で考えてください。
よくある行き違い
「デニールの数字が小さいほど、改まって見える」 弔事で基本とされるのは20〜30デニール前後です。数字が小さすぎると(10デニール台)、肌の色が強く出て、かえって軽い印象になることがあります。数字だけでなく、手の甲での見え方で選んでください。
「黒なら、どのタイツでも喪の場に履ける」 色が黒でも、艶のあるもの、リブや柄のあるもの、色味が茶や紫に寄ったものは、喪の場には向きません。無地でマットな作りのものを選びます。
「寒い季節は、誰でも厚手のタイツで構わない」 寒さで許容される範囲は、立場と回数で変わります。遺族として出る葬儀・告別式では、寒い季節でもストッキングが基本です。防寒は、コートやインナーなど、ほかの部分で補ってください。
「ストッキングの上にタイツを重ねて履けば、暖かくて見た目もストッキング」 上にタイツを重ねると、見た目はタイツになります。重ねるなら、見えるほうを薄いストッキングにしてください。下に重ねるなら、同じ色と厚みのストッキング2枚にすると、見た目を保ったまま暖かさを足せます。
「タイツの判断は、当日の朝でいい」 当日の朝に伝線に気づいたり、手持ちの黒が艶のあるものだと分かったりすることもあります。前の晩に、手の甲で透け方と艶を確かめ、予備を1足用意しておくと、朝に慌てずに済みます。
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よくある問い
- Q. 法事に黒タイツはマナー違反ですか
- 一律に違反というわけではありません。もともと弔事では、肌がうっすら透ける黒のストッキング(20〜30デニール前後)が正式とされ、透けないタイツは略式とされてきました。ただ、寒い季節や寒冷地、屋外で過ごす時間の長い法要では、黒の厚手のタイツも許容されることが多くなっています。迷う場合は、遺族側なら30デニール前後、三回忌以降や参列者側なら60デニールまで、と分けて考えると判断しやすくなります。
- Q. 60デニールと80デニール、法事ならどちらがいいですか
- どちらか選ぶなら60デニールです。80デニールになると肌の色はまったく見えなくなり、脚が黒い面として見えるため、普段着の印象が強まります。60デニールは、手の甲にかぶせて伸ばしたとき、指の関節の形がうっすら分かる程度の透け方で、ストッキングとタイツのあいだに近い見え方です。
- Q. 秋の結婚式に黒の60デニールタイツは履けますか
- 避けたほうが無難です。黒のタイツは、弔事を思わせる、あるいは普段着に見えるという理由で、結婚式では控えるべきと考える人がまだ多いからです。肌色に近いストッキングが基本で、寒さが気になる場合は、会場までの移動中だけタイツを履き、会場で履き替える方法があります。カジュアルな会場や二次会なら、黒以外の色のタイツを選ぶ人もいます。
- Q. 七五三に付き添うとき、黒のタイツは喪服っぽく見えませんか
- 服の色と形が明るければ、喪服のようには見えません。七五三の付き添いは、喪の場ほど決まりがないので、黒の60デニールは寒い日の選択肢として十分に使えます。ただ、黒のワンピースに黒のタイツ、黒の靴と全身を黒でそろえると、弔事の服装に近づきます。上に明るい色の羽織や、ネックレスなどの小物を足して、お祝いの場の印を付けてください。
— メグラシ編集部





