喪服が入らない場合|きつい場所と式までの日数で、直すか替えるか決める

**式はいつですか。そして、きついのはどこですか。**この2つが分かれば、何をするかが決まります。
喪服は、数年に一度しか袖を通さない服です。そのあいだに体つきが変わるのは自然なことで、急いで体のほうを合わせる必要はありません。合わせるのは服の側と、式までの時間の使い方です。
急な知らせを受けたとき、慌てて全部を買い直そうとすると、かえって時間が足りなくなります。この記事では、きつい場所を4か所に分けて確かめ、式までの日数ごとに、そのまま着る・手持ちで組む・借りる・買う・直すのどれを選ぶかを決めていきます。喪服そのもののマナーはお悔やみの服装マナー 完全ガイドに、30代の急な訃報への備えは喪服がない・サイズが合わないときどうする【30代女性】にまとめてあります。
結論:きつい場所と、式までの日数で決まる
| 式まで | 選ぶこと | 見る場所 |
|---|---|---|
| 今夜(通夜) | 手持ちの黒で組む | 光らないか、肩と膝が出ないか |
| 1〜2日 | 借りるか、買う | 4か所のうち、どこがきついか |
| 1週間以上 | 直せるか確かめる | 縫い代が何cm残っているか |
**どの日数でも、最初に確かめるのは「どこがきついか」です。**同じ「入らない」でも、ファスナーが閉まらないのか、閉まるけれど動くと突っ張るのかで、打てる手がまったく違います。
先に確かめる|どこがきついか、4か所
喪服を一度着てみて、次の4か所を順に見てください。
- ファスナー……閉まるか。閉まらないなら、残りが何cmか
- 背中と袖ぐり……両腕を前に伸ばしたとき、背中や脇が突っ張るか
- 腰まわり……椅子に座ったとき、腰やお腹のあたりに横じわが出るか
- 丈……立ったとき、膝の下から裾まで何cmあるか
4か所のうち、当てはまるのが1か所だけなら、そこだけを手当てすれば着られることがあります。2か所以上なら、手持ちで組むか、借りるか買うほうが早く片づきます。
ファスナーが閉まらない|残りが何cmか
ファスナーが途中で止まったら、止まった位置から上端までを測ってください。
**残りが2cm以内なら、中に着ているものを替えるだけで閉まることがあります。**厚みのある肌着や、補正のための下着を薄いものに替えると、数cmの差が埋まることがあります。
**残りが3cm以上なら、その日のうちに閉めるのはあきらめてください。**無理に閉めると、ファスナーの歯が外れたり、縫い目に負担がかかったりします。式の最中に開いてしまうほうが、ずっと困ります。この場合は日数に応じて、手持ちで組むか、借りるか買うかに進みます。
閉まるが、腕を前に出すと突っ張る|お辞儀と焼香で見る
ファスナーは閉まるのに、どこか窮屈。このときは、式でする動作を試してください。
**両腕を前に伸ばす。45度くらい頭を下げてお辞儀をする。**焼香では腕を前に出し、挨拶では何度も頭を下げます。この2つの動作で背中に横じわが出る、袖ぐりが脇に食い込むなら、式の間ずっと同じ窮屈さが続きます。
背中と袖ぐりのきつさは、上に1枚羽織ると目立たなくなります。ジャケット付きの喪服なら、ジャケットを着たまま過ごせば背中のしわは表に出ません。ただ、窮屈さそのものは残ります。見た目より、1時間以上その姿勢を続けられるかで決めてください。
座ると横じわが出る|椅子か、正座か
葬儀は、座っている時間がいちばん長い場です。立った状態で問題がなくても、座ると腰まわりに横じわが出ることがあります。
**椅子の式場なら、座ったときの横じわは膝の上に置いた鞄やハンカチで目に入りにくくなります。**気になるのは、立ち上がったあとにしわが残るかどうかです。一度座って立ち、しわが数秒で戻るなら着て構いません。
**正座のある式場や、自宅での法要なら、腰まわりのゆとりはもっと要ります。**正座は椅子よりも腰まわりが横に広がります。椅子で横じわが出る喪服は、正座ではさらに窮屈になると考えてください。
丈が短く感じる|立って膝下何cmか
体つきが変わると、横だけでなく丈の見え方も変わります。前にくらべて裾が上がって見えることがあります。
**立ったときに膝の下から裾まで5cm以上あれば、座っても膝は出にくい丈です。**5cm未満なら、座ると膝が見えることがあります。椅子の式場なら、膝の上に黒いハンカチを広げておくとほとんど気になりません。正座の式場では、裾が膝の方向に引かれて短くなるので、丈に余裕のある服に替えるほうが落ち着きます。
今夜の通夜まで|手持ちの黒で組む
知らせを受けて、今夜が通夜。このときは喪服にこだわらなくて構いません。通夜は急を聞いて駆けつける場なので、喪服でなくても失礼にはあたりません。
手持ちの黒、濃い紺、濃い灰の服で組んでください。見るのは3つです。
- 光る素材ではないか
- 肩と膝が出ないか
- 飾りの金具や光る装飾がないか
上下が別々でも構いません。靴と鞄を黒にそろえ、光る飾りを外せば、全体として弔事の装いになります。上下で黒の濃さが少し違っても、式場の照明の下ではほとんど気になりません。気になるなら、濃いほうを上に着てください。顔に近い側が濃いと、全体が引き締まって見えます。仕事帰りに向かうときの組み方はお通夜へ仕事帰りに向かう服装にまとめてあります。
翌日の告別式にも出るなら、**今夜のうちに、明日の喪服をどうするかを決めておいてください。**帰宅してからでは、借りる手配も買いに行く時間も足りなくなります。
告別式まで1〜2日|借りるか、買うか
1〜2日あれば、借りることも買うこともできます。決め方は、次にいつ喪服を着る予定があるかです。
**半年以内に法要などの予定がある、または親族として出る場が続きそうなら、買うほうが落ち着きます。**同じ悩みを何度も繰り返さずに済むからです。
**次の予定が見えないなら、借りるほうが身軽です。**借りる場合は、届くまでの日数と、返す方法を先に確かめてください。どちらの場合も、4か所のうちどこがきつかったかを覚えておくと、サイズ選びで同じずれを繰り返しません。
買う場合も借りる場合も、サイズは手持ちの喪服の表示をそのまま基準にしないでください。きつかった場所の寸法を、手持ちの喪服で測っておくほうが確実です。ファスナーが閉まらなかったなら胸まわりか腰まわり、腕を前に出して突っ張ったなら背中の幅、座って横じわが出たなら腰まわり。その寸法に、きつかった分を足したものを目安に選ぶと、届いてから合わないということが減ります。
試着できる場合は、立った姿だけで決めないでください。両腕を前に伸ばす、お辞儀をする、椅子に座る。この3つを、手持ちの喪服で窮屈だった動作から順に試すと、短い時間でも判断がつきます。
法要まで1週間以上|縫い代を見て直せるか確かめる
四十九日や一周忌など、1週間以上先の式なら、手持ちの喪服を直すという選択肢が入ります。
喪服を裏返して、脇や背中の縫い目を見てください。縫い目の外側に布が何cm残っているかが、出せる量の目安です。左右の脇と背中で合わせて、数cm出せることがあります。ただ、出せる量は仕立て方によって違い、裏地のある喪服は表と裏の両方を直すことになります。
直すのにかかる日数は、数日から1週間ほどを見ておいてください。持ち込むときは、喪服と一緒に当日履く靴と、中に着る肌着も持っていくと、試着したときの寸法が実際に近くなります。直せること・直せないことの見分け方はお直しで直せること・直せないことにまとめてあります。
どちらとも取れるとき①|閉まるけれど、苦しい
ファスナーは閉まる、見た目もおかしくない、けれど苦しい。これがいちばん迷う状態です。
苦しさが、呼吸か、動作かで分けてください。深く息を吸ったときに苦しいなら、式の間ずっと続きます。読経を聞いている時間は長く、途中で直すこともできません。この場合は、日数に応じて手持ちで組むか、借りるか買うかに進んでください。
腕を前に出したときだけ苦しいなら、焼香と挨拶の数回だけです。ジャケットや黒い羽織りを重ねて、動作をゆっくりにすれば乗り切れることがあります。
どちらとも取れるとき②|親族として、喪服が必要な立場
親族は、弔問客より一段きちんとした装いを求められることがあります。それでも、通夜は喪服でなくて構わない場合が多いことは変わりません。
喪服が必要になるのは、主に告別式と法要です。ここで喪服が入らないときは、同じ立場のほかの親族にどうするかを一言聞いてみてください。並んだときに段がそろうことのほうが、1人だけ正式な装いであることより大切にされます。通夜と告別式で段をどう分けるかは通夜に喪服を着るかに書いてあります。
どちらとも取れるとき③|秋冬で、上着を羽織る季節
10月から冬にかけては、式場まで上着を羽織って向かいます。**上着を脱ぐのは式場の入り口です。**式の最中はジャケットやワンピースの姿になるので、上着でごまかせる場面は、実はほとんどありません。
一方で、秋冬の喪服はジャケット付きのものが多く、ジャケットを着たまま式に出るのが自然です。ワンピースだけがきつくて、ジャケットは着られるなら、ジャケットの前を留めずに羽織って過ごす形で乗り切れることがあります。前を開けると、背中と脇の突っ張りが和らぎます。秋の葬儀の冷え方は秋のお葬式のコーデが参考になります。
次に選ぶときの目安|ゆとりのある形
次に喪服を用意するときは、数年後の体つきの変化も受け止められる形を選んでおくと、同じことで慌てずに済みます。
- ジャケットとワンピースに分かれているもの……片方がきつくなっても、もう片方で調整できる
- ウエストに切り替えのない、まっすぐな形……腰まわりの変化を受けやすい
- 脇に縫い代が多く残っている仕立て……あとから直せる量が増える
試着のときは、立った姿だけで決めず、両腕を前に伸ばす、お辞儀をする、椅子に座るの3つを試してください。この3つで楽なら、数年後も着られる可能性が高くなります。
よくある行き違い
**「喪服でないと失礼になる」。**通夜は、急な知らせで駆けつける場です。手持ちの黒で、光らず、肩と膝が出ない形なら失礼にはあたりません。
**「ファスナーが閉まれば着られる」。**式でするのはお辞儀と焼香と、長く座ることです。閉まるかどうかより、その動作のときに苦しくないかで決めてください。
**「入らなかったのは自分のせい」。**数年に一度しか着ない服が合わなくなるのは、ごく自然なことです。決めるべきは、式までの時間をどう使うかだけです。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 喪服が入らないとき、今夜の通夜はどうすればいいですか
- 手持ちの黒か濃い紺・濃い灰の服で組んでください。通夜は急な知らせを受けて駆けつける場なので、喪服でなくても失礼にはあたりません。光らない素材で、肩と膝が出ない形であれば通ります。上下が別々でも構いません。靴と鞄を黒にそろえ、光る飾りを外せば、全体として弔事の装いになります。翌日の告別式にも出るなら、そちらで喪服をどうするかを今夜のうちに決めておくと慌てずに済みます。
- Q. ファスナーはなんとか閉まります。そのまま着ても大丈夫ですか
- 閉まったあとに、3つの動作を試してください。両腕を前に伸ばす、45度くらい頭を下げてお辞儀をする、椅子に座る。この3つで背中や腰に横じわが出ない、息が詰まらないなら着て構いません。どれかで突っ張るなら、式の間にその動作を何度も繰り返すことになります。焼香や挨拶でお辞儀が多い日なので、閉まるかどうかより、動いたときに苦しくないかで決めてください。
- Q. 喪服はお直しで大きくできますか
- 縫い代が残っていれば、ある程度は出せることがあります。脇や背中の縫い目を裏返して、縫い目の外側に布が何cm残っているかを見てください。左右で合わせて数cm出せる場合もありますが、出せる量は仕立て方によって違います。直す時間も数日から1週間ほどかかることが多いので、式まで1週間以上あるときの選択肢です。持ち込む前に、どこがきついかを4か所のうちから言えるようにしておくと、話が早く進みます。
- Q. 親族なので、喪服でないといけない気がします
- 親族でも、通夜は喪服でなくて構わない場合が多くあります。告別式や法要で喪服が必要な立場なら、式まで何日あるかで決めてください。1〜2日なら借りるか買う、1週間以上あれば直すという選択肢も入ります。迷うときは、同じ立場のほかの親族にどうするかを一言聞いておくと、並んだときの段がそろいます。
— メグラシ編集部





