一周忌 服装 女性|秋冬は脱げない上着とタイツの濃さを先に決める

**一周忌の案内状を手元に出して、会場と、法要のあとの予定を確かめてください。**秋冬の一周忌の服装は、立場と、その日に外にいる時間で決まります。
一周忌は、故人が亡くなってからちょうど1年目に営む法要です。年忌法要のなかでも節目にあたり、遺族や親族は喪服で集まるのが一般的です。友人や知人として招かれた場合も、喪服か、それに近い略喪服で参列します。
ここまでは、多くの人が一度は調べたことのある決まりです。けれど、秋冬の一周忌には、もうひとつ考えておきたいことがあります。それが寒さです。
本堂は天井が高く、暖房が効きにくいことがよくあります。法要のあとに墓前でお参りをすれば、外に立っている時間もあります。喪服は薄手の生地のものが多いので、寒さへの備えをしていないと、法要のあいだずっと冷えたまま過ごすことになります。
この記事では、脱がなくてよい上着と、脱ぐ上着を分けて、秋冬の一周忌を寒さに困らずに過ごすための服装の決め方をまとめました。四十九日と納骨を同じ日に行う場合は四十九日と納骨の服装、座敷での法要は正座する座敷の法事の服装で扱っています。
結論:秋冬の一周忌は、格を立場で決めて、寒さを上着とタイツで調整する
先に答えを書きます。秋冬の一周忌の服装は、次の3つを順に決めてください。
- 自分の立場から、喪服か略喪服かを決める
- 脱がなくてよい上着と、脱ぐ上着を分ける
- 外にいる時間と会場の暖房から、タイツの濃さを決める
格は立場で決まるので、寒いからといって下げることはしません。そのかわり、格を保ったまま寒さを防ぐ方法を、上着とタイツと肌着の3か所で考えます。
| 立場 | 服装の格 | 秋冬に足せるもの |
|---|---|---|
| 施主・遺族 | 喪服(ブラックフォーマル) | 見えない肌着、移動中のコート |
| 親族 | 喪服 | 見えない肌着、移動中のコート、薄めの黒タイツ |
| 友人・知人 | 喪服か略喪服 | 見えない肌着、コート、少し厚みのある黒タイツ |
立場で格を決める|施主・親族・友人
一周忌の服装は、まず自分の立場で格を決めます。
施主や遺族の立場なら、喪服を着ます。女性の場合は、黒のワンピースか、ワンピースとジャケットを組み合わせたアンサンブル、または黒のスーツです。いずれも光沢のない、深い黒の生地を選びます。
親族として参列する場合も、一周忌までは喪服を着るのが一般的です。三回忌以降になると、親族も略喪服でかまわないとする家が増えていきますが、一周忌はまだ喪服の側と考えておくと安心です。
友人や知人として参列する場合は、喪服でも、黒や濃紺、濃いグレーの略喪服でもかまいません。迷ったら喪服を選んでください。参列者が施主側より格の高い服を着ることはありえないので、喪服を着て外れることはありません。
喪服を持っていない場合もあるかもしれません。友人や知人の立場なら、手持ちの黒や濃紺の無地のワンピースやスーツで、略喪服として参列できます。親族の立場で喪服がない場合は、借りるか、この機会に用意することを考えてください。一周忌は親族がそろう節目の法要なので、ひとりだけ略喪服だと、本人がいちばん気にすることになりがちです。
立場があいまいな場合もあります。たとえば、故人の兄弟の配偶者や、遠い親戚にあたる場合です。このときは、施主と同じ席に座るかどうかで考えてください。施主の近くに座る立場なら喪服、一般の参列者の席に座るなら、喪服か略喪服のどちらでもかまいません。
会場を確かめる|本堂・自宅・斎場
格が決まったら、次は会場です。秋冬の一周忌では、会場によって寒さが大きく違います。
お寺の本堂で営む場合は、寒さへの備えがいちばん必要です。本堂は天井が高く、扉を開けたままにすることもあり、暖房があっても足元まで暖まりにくいことがあります。床に座る場合は、床からの冷えもあります。
施主の自宅で営む場合は、部屋は暖房が効いていることが多いものの、玄関や廊下は冷えます。また、人が集まって部屋が暖まりすぎることもあるので、重ね着をしすぎると、法要のあいだに暑くなることがあります。
斎場や法要のための会館で営む場合は、空調が整っていることが多く、寒さの心配は比較的少なくなります。ただし、会館から墓地へ移動する場合は、外にいる時間を考えておきます。
会場の寒さを見積もるときは、法要の始まる時刻も見ておきます。午前中の早い時刻に始まる法要は、本堂がまだ冷えきっていることが多く、暖房を入れていても足元まで暖まるのに時間がかかります。昼過ぎに始まる法要なら、日の光で建物がいくらか暖まっています。同じお寺でも、時刻によって寒さが違うことを覚えておいてください。
床に座るのか、椅子に座るのかも確かめておきます。最近は本堂にも椅子が並べられていることが増えましたが、床に座る場合は、床からの冷えが脚にじかに伝わります。椅子なら足元の冷えはいくらかやわらぎますが、扉の近くの席は外からの風が入ります。
会場の様子がわからないときは、施主に「本堂は寒いでしょうか」と一言聞いてかまいません。寒さを気にする質問は、失礼にはあたりません。施主の側も、参列者が寒い思いをしないかを気にかけていることが多いものです。
外にいる時間を数える
会場と同じくらい大事なのが、その日に外にいる時間です。案内状と、施主から聞いた予定をもとに、次の3つを足してください。
ひとつは、駐車場や駅から会場までの移動の時間です。ふたつめは、法要のあとに墓前でお参りをする時間です。みっつめは、会場の外で待つ時間です。受付の前や、本堂に入る前に、外で待つことがあります。
| 外にいる時間の合計 | 備え方 |
|---|---|
| 15分以内 | コートだけで足りる。タイツは薄い黒 |
| 15〜40分 | コートと見えない肌着。タイツは薄い黒か、少し厚みのある黒 |
| 40分を超える | コート、肌着、移動中だけの重ね履き。手袋も用意 |
墓前でのお参りは、思っているより長くかかることがあります。お坊さんの読経があり、参列者がひとりずつお参りし、そのあと記念に写真を撮ることもあります。大人数の法要なら、墓前だけで30分を超えることもあると考えておいてください。
墓地が会場から離れている場合は、車で移動することもあります。車の中は暖かくても、乗り降りのたびに外に出ますし、墓地の駐車場から墓前まで歩くこともあります。墓地は山の斜面や開けた場所にあることが多く、街なかより風が強く、体感ではずっと寒く感じられます。
当日の天気も、前の日に確かめておいてください。雨や雪の予報なら、外にいる時間が同じでも、備えは一段厚くします。傘は黒か紺、濃いグレーの無地のものを選びます。明るい色や柄のある傘しかない場合は、墓前で差すあいだだけでも、できれば濃い色のものを借りておくと、写真に残ったときにも目立ちません。
脱がなくてよい上着|喪服のジャケット
秋冬の一周忌で、いちばん頼りになるのが、喪服のジャケットです。
アンサンブルの喪服なら、ワンピースの上にジャケットを重ねます。このジャケットは喪服の一部なので、本堂の中でも、会食の席でも、着たままでかまいません。つまり、脱がなくてよい上着です。
秋冬の一周忌のために喪服を選ぶなら、ワンピースだけのものより、ジャケットを重ねられるアンサンブルのほうが、寒さに対応しやすくなります。手持ちの喪服がワンピースだけの場合は、同じ黒の喪服用のジャケットを足すことを考えてください。
ジャケットを着たまま過ごすと、暖房の効いた部屋では暑くなることもあります。そのときは、ジャケットを脱いでワンピースだけになってもかまいません。ワンピースだけでも喪服の格は保たれます。脱いだジャケットはたたんで膝の上か、自分の横に置きます。
ここで気をつけたいのは、喪服のジャケットの代わりに、ふだん着ている黒のジャケットを重ねることです。黒に見えても、喪服の黒とふだんの黒は深さが違い、並ぶと色の差がはっきり出ます。とくに施主側や親族の立場では、喪服のジャケットを使ってください。
ジャケットの下のワンピースの形も、寒さに関わります。襟ぐりが浅く、首の付け根が隠れる形のものは、首まわりから冷えが入りにくくなります。スカートの丈は、立ったときにひざが隠れ、座ったときにもひざ頭が見えない長さがよいとされています。秋冬の法要では、この長さがあると、床や椅子に座ったときの脚の冷えもやわらぎます。
ジャケットの袖の長さも見ておきます。手首の骨が隠れるくらいの長さがあると、手を合わせたときに袖口から腕が見えず、寒さも防げます。袖が短めのジャケットなら、下のワンピースを長袖にしておくと、袖口から黒い袖がのぞくだけで済み、見た目もそろいます。
脱ぐ上着|コートはどこで脱ぎ、どこで着るか
コートは、脱ぐ上着です。本堂や会場の中に入る前に脱ぐのが基本です。
脱ぐタイミングは、建物の入口の手前です。お寺なら、本堂に上がる前の外の場所で脱ぎます。会館なら、玄関を入る前か、入ってすぐのクロークで脱ぎます。脱いだコートは、裏返して内側を外にしてたたみ、腕にかけて持ちます。外のほこりや雨のしずくを、会場の中に持ち込まないためです。
墓前など屋外では、コートを着たままでかまいません。寒い中で読経を聞き、お参りをするので、コートを脱ぐ必要はありません。ただし、お参りのときに手を合わせる前に、手袋を外します。
本堂がとても冷える場合、お寺や施主から「コートを着たままでどうぞ」と声がかかることがあります。そのときは、案内に合わせて着たままでかまいません。声がかからないうちは、自分から着たままにするのは控えます。
コートの色は、黒か、濃紺や濃いグレーの無地を選びます。光沢のある生地や、目立つ金具の付いたもの、毛皮やファーの飾りの付いたものは避けます。毛皮や革は、殺生を連想させるとして、法要の場では控えるのが一般的です。手持ちのコートにファーの襟が付いている場合は、取りはずせるものならはずしていきます。
タイツの濃さを決める
秋冬の一周忌で、いちばん迷う人が多いのがタイツです。
喪服に合わせる足元は、黒の薄いストッキングが基本とされています。肌がうっすら透ける薄さで、光沢のない黒です。厚いタイツは、ふだんの装いに見えるとして、改まった場では控えたほうがよいと考える人もいます。
ただし、寒い地域や、墓前で長く外にいる法要では、少し厚みのある黒のタイツを選ぶ人が増えています。寒さに震えながら法要に出るより、透けにくい黒のタイツで落ち着いて過ごすほうがよい、という考え方です。
決め方の目安は、立場と外にいる時間です。施主や遺族の立場なら、薄い黒のストッキングを選びます。親族なら、外にいる時間が15分を超えるときは、少し厚みのある黒でもかまいません。友人や知人の立場で、外にいる時間が長いなら、透けない厚さの黒でも、光沢のない無地であれば大きく外れません。
濃さを数字で見たいときは、ストッキングやタイツの袋に書かれた厚さの数字を見てください。数字が小さいほど薄く、大きいほど厚くなります。肌がうっすら透けるのは、おおむね30前後までです。60を超えると、ほとんど透けなくなります。迷ったら、30前後の薄い黒を基本にして、寒さが厳しい日だけ厚いほうへ動かします。
厚さのほかに、表面の見え方も確かめてください。同じ厚さでも、表面につやのあるものは、光が当たると脚が光って見えます。法要の場では、つやのない、表面のさらりとしたものを選びます。柄や切り替えのあるもの、かかとやつま先の色が違うものも避けて、全体が同じ黒のものにしておきます。
新しく買うときは、家で一度履いてみて、立ったときと座ったときで色の見え方が変わらないかを見ておきます。薄いストッキングは、座るとひざの部分が伸びて、肌の色が強く透けることがあります。座ったときの見え方が気になる場合は、ほんの少し厚いほうを選んでおくと安心です。
どちらとも取れるとき|薄い黒を履いて、移動中だけ重ねる
ここまで読んで、自分の場合はどちらとも言えない、と感じた人もいると思います。親族として参列するけれど、墓前の時間がどのくらいになるかわからない。施主側の立場だけれど、寒い地域で、薄いストッキングでは耐えられそうにない。この記事でいちばん厚く書きたいのは、こうした境目のときの決め方です。
境目のときは、薄い黒のストッキングを履いて、移動中だけその上に重ねるやり方をおすすめします。
具体的には、家を出るときに、薄い黒のストッキングの上に、黒の厚手のタイツか、ひざ下までの黒の靴下を重ねて履きます。会場に着いたら、化粧室で上に重ねたものを脱ぎ、薄い黒のストッキングだけになって法要に出ます。墓前に移動するときに、もう一度重ねてもかまいません。
このやり方なら、法要のあいだは喪服の格を保ちながら、移動の寒さを防げます。脱いだタイツや靴下は、小さな袋に入れてバッグにしまっておきます。黒の布の手提げを、法要用のバッグとは別に持っていくと、脱いだものや手袋をまとめて入れられて便利です。
もうひとつの境目は、会場の中が暖かいのか寒いのかがわからない場合です。このときは、喪服の下に、首元や袖口から見えない薄手の保温の肌着を着ておきます。肌着なら、暖かい部屋でも暑くなりすぎることがなく、寒い本堂でも冷えを防げます。肌着は、喪服の襟ぐりや袖口からのぞかないように、首元の浅いもの、袖の短いものか七分くらいのものを選んでください。色は黒か、肌に近い色にすると、万が一のぞいても目立ちません。
さらにもうひとつ、施主と親族の間で考え方が違う場合もあります。施主は厚いタイツでもかまわないと言っているけれど、年配の親族の中には薄いストッキングでないと気にする人がいる、というようなときです。このときは、年配の親族に合わせて薄い黒を選び、移動中だけ重ねるやり方で寒さを防ぎます。法要は、故人をしのぶために親族が集まる場です。いちばん気にする人に合わせておけば、その日の空気を乱すことがありません。
寒い地域と暖かい地域で、許される幅が変わる
一周忌の服装の決まりは、全国どこでも同じというわけではありません。とくに寒さへの備え方は、地域によって許される幅がかなり違います。
雪の多い地域や、冬の朝が氷点下になる地域では、法要の参列者が厚手の黒のタイツを履くことは、ごく当たり前に受け入れられています。移動のためのブーツも、会場の入口まで履いてくる人が多く、履き替える場所が用意されていることもあります。こうした地域で薄いストッキングにこだわると、かえってまわりから心配されることもあります。
反対に、冬でも比較的暖かい地域では、薄い黒のストッキングが当たり前で、厚いタイツは目立つことがあります。
自分が住んでいる地域と、法要が営まれる地域が違う場合は、法要が営まれる地域に合わせてください。故人の実家が雪の多い地域にあり、自分は暖かい地域から向かう、というような場合です。わからなければ、その地域に住む親族に「冬の法要では、皆さんどんな足元で来ますか」と聞いておくと、当日に迷いません。
「平服で」と言われた一周忌
案内状に「平服でお越しください」と書かれている一周忌もあります。このときの平服は、普段着のことではありません。略喪服のことです。
略喪服は、黒・濃紺・濃いグレーなどの暗い色の、無地のワンピースやアンサンブル、スーツです。喪服ほど深い黒でなくてかまいませんが、明るい色や柄物、光沢のある生地は避けます。
秋冬の平服の一周忌では、略喪服の上着の選び方が少し広がります。喪服ではないので、暗い色の無地のジャケットやカーディガンを重ねても、場にそぐわないことはありません。会場が寒い場合は、光沢のない薄手の黒や濃紺のカーディガンを重ねてもかまいません。
平服の一周忌で迷いやすいのが、濃紺や濃いグレーをどこまで明るくしてよいかです。目安は、夜の室内の明かりの下で黒と並べたときに、黒と見分けがつきにくいくらいの濃さです。昼の光の下ではっきり紺やグレーとわかる色でも、それより明るくならなければ、略喪服として通ります。手持ちの服で迷ったら、黒い服の隣に置いて、部屋の明かりを少し落として見比べてみてください。
秋冬の平服では、素材にも気を配ります。ふわふわと起毛したニットや、厚手のツイードのように表情の強い生地は、色が暗くてもふだんの装いに見えます。表面の平らな、目の詰まった生地を選ぶと、略喪服としての落ち着きが保てます。
ただし、平服と言われても、施主や遺族の立場なら、喪服を着ておくほうが無難です。施主側が略喪服で、参列者が喪服という逆転が起きると、施主の側が気まずい思いをします。平服の指定は、参列者への気づかいとして書かれていることが多いからです。法事で黒以外の色を選ぶときの目安は、法事の服装 カジュアルでも扱っています。
足元|靴は布か光沢のない革のパンプス
靴は、黒の布か、光沢のない革のパンプスを選びます。かかとは低めから中くらいで、細く高いものは避けます。つま先の形は、丸みのあるものか、少しだけとがったもので、飾りのないものにします。
秋冬に迷いやすいのが、ブーツです。ブーツは、法要の場では控えるのが一般的です。寒い地域や雪の日に、移動のためにブーツを履いていく場合は、会場に着いてからパンプスに履き替えます。パンプスは布の袋に入れて持っていき、履き替えたブーツはその袋に入れて、目立たない場所に置かせてもらいます。
お寺の本堂に上がる場合は、靴を脱ぎます。このとき、足元はタイツやストッキングだけになり、床からの冷えをじかに受けます。座る時間が長い法要なら、厚手のタイツか、移動中に重ねたものを法要のあいだも履いたままにしておくか、どちらにするかを先に考えておいてください。靴を脱ぐ場では、ストッキングの伝線にも気をつけます。予備を1足バッグに入れておくと安心です。正座が続くときの裾や足元の考え方は、正座する座敷の法事の服装にまとめています。
小物|バッグ・数珠・手袋・ストール
小物も、秋冬ならではの選び方があります。
バッグは、黒の布製で、光沢や金具の目立たないものを選びます。秋冬は、手袋や脱いだタイツ、カイロなどを入れるので、法要用の小さなバッグとは別に、黒の布の手提げを用意しておくと便利です。
数珠は、自分のものがあれば持っていきます。宗派によって形が違いますが、参列者として持つなら、どの宗派でも使える略式の数珠でかまいません。
手袋は、黒の無地で、光沢のない布や毛の素材を選びます。革の手袋は、毛皮と同じ理由で避ける人もいるので、布か毛のものにしておくほうが無難です。お焼香や、お参りで手を合わせるときには手袋をはずします。
ストールやマフラーは、黒や濃い色の無地のものを、移動中だけ使います。本堂や会場に入る前に、コートと一緒にはずします。墓前では巻いたままでかまいません。
カイロを使うなら、服の外から見えない場所に貼ります。背中の腰のあたりや、肌着の上のおなかのあたりなら、喪服の上から形が浮くことはほとんどありません。貼るときは、肌に直接ではなく、肌着の上に貼ってください。手に持つタイプのものは、コートのポケットに入れておき、墓前で手が冷えたときに使います。
ハンカチは、白か黒の無地のものを持っていきます。寒い日は鼻をかむこともあるので、ティッシュも黒の手提げに入れておきます。
アクセサリーは、一連のパールのネックレスか、何も着けないかのどちらかです。二連以上のものは「不幸が重なる」として避けます。パールのイヤリングを着けるなら、一粒のものにします。
会食の席で気をつけること
一周忌のあとには、施主が用意した会食の席に移ることがよくあります。秋冬の会食では、暖房の効いた部屋で長く座ることになります。
会食の席では、喪服のジャケットを脱いでもかまいません。暑く感じたら、ジャケットを脱いで、たたんで横に置きます。ワンピースだけになっても、喪服の格は保たれています。
会食の席でも、コートやストールは身に着けません。席に着く前に、会場の入口かクロークに預けるか、たたんで自分の後ろに置いておきます。
厚手のタイツを移動中だけ重ねていた人は、会食の前に脱いでおきます。会食の席は座敷のこともあり、靴を脱いだときに足元が人の目に入りやすいからです。
会食の席で長く正座をするのがつらい場合は、膝を崩してかまいません。崩すときは、スカートの裾で脚を覆うようにして、横に流します。秋冬の座敷は、畳からの冷えもあるので、座布団の上にきちんと座り、脚が直接畳に触れないようにしておくと冷えにくくなります。
会食が終わって帰るときは、玄関でコートを着る前に、忘れ物がないかを確かめます。脱いだタイツを入れた袋や、手袋、カイロなど、秋冬の法要は持ち物が多くなります。黒の手提げにひとまとめにしておけば、置き忘れを防げます。
子どもや年配の家族と一緒に参列するとき
一周忌には、家族で参列することもよくあります。子どもや年配の家族と一緒の場合は、自分の服装だけでなく、家族の寒さへの備えも考えておきます。
子どもは、制服があれば制服で参列します。制服がない場合は、黒や紺、グレーの落ち着いた服を選びます。秋冬は、子どもの上着も黒や紺の無地にしておくと、墓前で着たままでも場になじみます。子どもの服装の考え方は、制服がない子の法事の服装でも詳しく扱っています。
年配の家族は、寒さを強く感じやすいことがあります。本堂で長く座る場合は、膝にかける黒や濃い色の無地のひざ掛けを持っていくと安心です。ひざ掛けは、寒さをしのぐための持ち物として、法要の場でも使っている人が多く見られます。
家族の分の手袋やカイロも、黒の手提げにまとめて入れておくと、墓前で慌てずに渡せます。
小さな子どもを連れて行く場合は、法要のあいだに子どもが本堂の外に出たがることもあります。そのとき付き添って外に出る大人は、コートをすぐ羽織れるように、たたんで膝の上ではなく、出入りしやすい席の脇に置いておくと動きやすくなります。本堂の後ろの、扉に近い席に座らせてもらうのもひとつの方法です。扉に近い席は寒くなりやすいので、その場合は肌着やタイツの備えを一段厚くしておいてください。
喪服を秋冬に用意し直すとき
一周忌をきっかけに、喪服を新しく用意し直す人もいます。そのときは、秋冬の法要を考えて選ぶと、長く使える1着になります。
選ぶなら、ワンピースとジャケットのアンサンブルがいちばん使いやすい形です。ジャケットを着れば寒い本堂でも過ごせ、脱げば暖かい会食の席でも暑くなりすぎません。ワンピースの袖は、七分か長袖を選ぶと、ジャケットを脱いだときにも腕が冷えにくくなります。
生地は、季節を問わずに着られる中くらいの厚さのものを選びます。暑い時期の法要にはジャケットを脱いで、秋冬にはジャケットを着る、というように、上着の有無で季節に合わせられます。
サイズは、ふだんの服よりわずかにゆとりのあるものを選ぶと、秋冬に肌着を重ねても窮屈になりません。喪服は何年も着るものなので、体つきが少し変わっても着られるように、ウエストまわりにゆとりのある形や、ベルトで調整できる形を選んでおくと、次の法要でも慌てずに済みます。
試着のときは、ワンピースの下に、秋冬に着る予定の薄手の肌着を着てみてください。肌着を着たうえで、首元や袖口からのぞかないか、ジャケットを重ねたときに窮屈でないかを確かめます。秋冬の法要では、その状態で数時間過ごすことになるからです。
三回忌以降に向けて、いまから決めておくこと
一周忌が終わると、次は三回忌、七回忌と年忌法要が続きます。回を重ねるごとに、服装は少しずつ略式になっていくのが一般的です。
一周忌の服装を決めるときに、寒さへの備え方もあわせて決めておくと、次の法要で迷いません。喪服のジャケット、黒の手提げ、移動中に重ねるタイツ、黒の手袋、薄手の保温の肌着。この5つを、喪服と一緒にしまっておけば、秋冬の法要の準備はそれで整います。十三回忌など回を重ねた法要の服装は、十三回忌の服装にまとめています。
服装の格は立場で決まり、寒さへの備えは会場で決まります。この2つを分けて考えれば、秋冬の一周忌でも、故人をしのぶ時間を落ち着いて過ごせます。**格は下げずに、寒さは見えないところで防ぐ。**それが、秋冬の一周忌の服装の基本です。
よくある問い
- Q. 一周忌に黒いタイツを履いてもいいですか
- 肌がうっすら透ける薄い黒のストッキングが基本です。ただ、寒い地域や、墓前で長く外にいる法要では、少し厚みのある黒のタイツを選ぶ人も増えています。施主側の立場なら薄いものを選び、参列者で寒さが厳しい日なら、透けにくい厚さでも、光沢のない無地の黒であれば大きく外れません。
- Q. 法要の最中、コートは着たままでいいですか
- 本堂や会場の中では、コートは入る前に脱ぐのが基本です。墓前など屋外では、着たままで構わないことが多いです。本堂がとても冷える場合は、施主やお寺から着たままでよいと声がかかることもあるので、その案内に合わせてください。
- Q. 「平服で」と言われた一周忌は、何を着ればいいですか
- 平服は普段着ではなく、略喪服のことです。黒・濃紺・濃いグレーの無地のワンピースやアンサンブル、またはスーツを選んでください。秋冬なら、そこに黒か濃い色の無地のコートを重ねます。
- Q. 喪服の上に黒いカーディガンを着てもいいですか
- 参列者で、会場がとても冷える場合なら、光沢のない黒の薄手のカーディガンを重ねる人もいます。ただ施主側の立場では控えたほうが無難です。寒さが心配なら、カーディガンを足すより、喪服の下に見えない薄手の保温の肌着を着るほうが、見た目の格を保てます。
— メグラシ編集部





