パンツスーツの着こなし|裾丈は、秋に履く靴のかかとの高さで決める

**パンツスーツを着るとき、いちばん多く履く靴のかかとは何cmですか。**0〜2cm、3〜5cm、6cm以上。その答えで、裾丈が決まります。
パンツスーツの着こなしが決まらないとき、原因の多くは上着ではなく裾にあります。上着は肩と着丈で一度合えば動きませんが、**裾丈は履く靴が替わるたびにずれます。**秋はちょうど、サンダルや薄い靴からローファー、パンプス、ショートブーツへ靴が入れ替わる季節です。夏に決めた丈が、ここで合わなくなります。
1着を選ぶところから考えるならリクルートスーツの選び方【女性】に、流行との距離はスーツのトレンドは着丈の止まる位置で決まるに分けてあります。この記事は、手元の1着を秋の靴で着るときの話です。
結論:裾丈は、いちばん多く履く靴で1回だけ決める
| かかとの高さ | 前の裾 | 後ろの裾 |
|---|---|---|
| 0〜2cm | 甲に触れる手前で止まる | かかとの上の端が少し見える |
| 3〜5cm | 甲に1〜2cm乗る | かかとの半分が隠れる |
| 6cm以上 | 甲に2〜3cm乗る | 床から1〜2cm浮く |
**測るのは、実際にその靴を履いた状態です。**裸足や室内履きで測った丈は、靴を履くと1〜5cmずれます。裾上げのときに試着室で借りた靴で決めてしまい、あとで合わなくなるのも同じ理由です。
先に測る2つ|かかとの高さと、裾幅
裾丈を決める前に、手元の2つを測ってください。
- かかとの高さ……靴を床に置き、かかとの後ろ側で、床から靴底の上端までを測る
- 裾幅……パンツを平らに置き、裾の端から端までを測る。これを2倍したものが裾の一周
かかとが高いほど、足の甲は立ち上がり、裾が乗る面は短くなります。裾幅が広いほど、裾は甲の上で折れずに落ちます。**この2つの組み合わせで、甲の上に裾がどう乗るかが決まります。**同じ丈でも、裾幅が狭いと甲の上で裾が折れて横じわが出やすく、広いと折れずにまっすぐ落ちます。
かかと0〜2cm|裾は甲に触れる手前で止める
ローファーやフラットな靴の日です。かかとが低いと、足の甲はほぼ平らになり、裾が甲に乗ると横に1本しわが出ます。
**裾は甲に触れる手前、靴の履き口から1cm以内の高さで止めてください。**歩いたときに裾が甲に当たって跳ね、止まったときには触れない。この丈がいちばんすっきり見えます。後ろはかかとの上の端が少し見えるくらいで構いません。
この段は、裾幅が狭いテーパードの形と合わせやすい段です。裾が甲に乗らないので、裾幅が狭くても折れじわが出ません。
秋にローファーへ替える人は、夏のサンダルやバレエ靴より甲が深くなることに気をつけてください。甲が深い靴は、同じかかとの高さでも裾が当たる位置が1cmほど上がります。夏に「甲に触れる手前」で合わせた丈が、ローファーでは甲に乗って折れることがあります。靴を替えた最初の日に、一度だけ鏡で確かめておくと安心です。
かかと3〜5cm|甲に1〜2cm乗せ、後ろはかかとの半分
低めのパンプスやヒールのある靴の日です。オフィスでいちばん多い高さでもあります。
前の裾は甲に1〜2cm乗る丈、後ろはかかとの半分が隠れる丈が目安です。前後で丈に差をつける仕立てもありますが、手持ちのパンツで合わせるなら、前が甲に1〜2cm、後ろがかかとの半分、の2点を同時に満たすかどうかを見れば足ります。
この高さは、裾幅が中くらいのまっすぐな形とよく合います。裾幅が狭すぎると甲の上で折れ、広すぎると後ろの裾が床に近くなります。
かかと6cm以上|後ろの裾を床から1〜2cmに
高いかかとの日は、前よりも後ろの裾を見ます。**後ろの裾が床から1〜2cm浮いていれば、脚の線が靴の先までつながって見えます。**床に触れると、歩くたびに裾が汚れ、擦れて傷みます。
前の裾は甲に2〜3cm乗る形になります。かかとが高いぶん甲が立っているので、乗っても折れにくくなります。この段は、裾幅の広いまっすぐな形やワイドな形がいちばん落ち着きます。
秋に増える靴|ショートブーツを合わせるとき
10月を過ぎると、パンツスーツにショートブーツを合わせる日が出てきます。ここで見るのは2つです。
**裾幅とブーツの筒。**裾幅が、ブーツの筒の太さより片側2cm以上広ければ、裾は筒の上に自然に落ちます。これより狭いと、裾が筒の上端に引っかかり、ひざ下に横のしわが出ます。細いテーパードのパンツスーツは、ショートブーツと合わせにくい形です。
**座ったときの足首。**座ると裾は3〜5cm上がります。筒の低いブーツだと、筒とパンツの間から足首が見えます。見えても問題はありませんが、色の差が大きいと目に入ります。筒の高い靴下かタイツで、パンツか靴のどちらかと色をそろえてください。
雨の日にショートブーツを選ぶ日は、裾が濡れた路面に近づくぶん、後ろの裾を床から2cm以上離しておくと汚れが上がりにくくなります。
ブーツの筒の形の選び方は骨格タイプ別のブーツの選び方にまとめてあります。
裾幅で変わること|細いか、まっすぐか、広いか
裾丈と同じくらい効くのが裾幅です。手元の1着がどれに当たるかで、合わせやすい靴が変わります。
- 細い(テーパード)……かかと0〜2cmの靴と合う。甲に乗せない丈にする
- まっすぐ……かかと3〜5cmの靴と合う。甲に1〜2cm乗せる
- 広い(ワイド)……かかと6cm以上か、ショートブーツと合う。後ろの裾を床から1〜2cmに
手元の1着の裾幅と、いちばん履く靴のかかとが、同じ行に並んでいるかを見てください。並んでいれば、丈を合わせるだけで決まります。行がずれているときは、丈を合わせても何かが落ち着きません。そのずれ方ごとの決め方を、次に書きます。
どちらとも取れるとき①|通勤と会議で靴を替える
通勤はローファー、会議や外出の日だけパンプス。こういう日が多い人は、かかとの差を測ってください。
**差が3cm以内なら、低いほうの靴で裾が床に触れない丈にします。**高いほうの靴に替えた日は、裾が甲から少し浮いて見えますが、甲がのぞく程度で済みます。逆に高いほうに合わせると、低い靴の日に後ろの裾が床に触れます。
差が3cmを超えるときは、1本で両方を受けるのは難しくなります。多く履くほうに丈を合わせ、少ないほうの日は靴の側を近づけてください。会議の日だけ、かかとの低いパンプスにするといった形です。
どちらとも取れるとき②|裾上げ済みの1着が、秋の靴で短く見える
まず、短く見える原因が丈なのか、靴の甲なのかを分けてください。
甲の高い靴に替えたことで裾が浮いているなら、丈は足りています。甲の低い靴に戻すと収まります。秋の靴は夏の靴より甲が深いことが多く、同じ丈でも短く見えやすくなります。
丈そのものが足りないなら、裾の内側の縫い代を見てください。1cm以上残っていれば、伸ばせることがあります。裾上げのやり方の違いはズボン裾上げの4つの方法の違いにまとめてあります。
どちらとも取れるとき③|上着の着丈とつり合わない
裾丈を合わせたのに、全身で見ると落ち着かない。そういうときは上着の着丈を見てください。
上着の裾がヒップのいちばん高い位置の近くで止まると、上下の長さが近くなり、縦の線が途中で切れて見えます。裾丈を決めたあとで、上着の裾から床までと、肩から上着の裾までの比を見ると、どちらが長いかがはっきりします。下が長いほうが、パンツスーツは縦の線がつながって見えます。
上着を替えられないときは、前を開けて着る日を増やしてください。前が開くと縦の線が2本できて、上着の裾で切れる横の線が弱まります。上着の着丈と流行の関係はスーツトレンドは、ボタンの留め位置とパンツの裾幅の関係で読むで詳しく扱っています。
秋の中に着るもの|前を開ける日と、留める日
パンツスーツは、上着の前を開けるか留めるかで、中の見え方が大きく変わります。
**前を留める日は、中は薄く、首元が詰まりすぎないもの。**上着のVの中に見える面積が小さいので、首元まで詰まった厚手のものを入れると、Vの中が窮屈に見えます。
**前を開ける日は、中が縦に長く見えます。**秋の薄手のニットや、胸まで開きのあるシャツなど、上着の前立てと平行に縦の線が出るものがよく合います。中の色を上着かパンツのどちらかと近づけると、縦の線がさらに長くなります。
座ったときに見えるもの|足首と靴下
パンツスーツは、座ると裾が上がります。会議や面談で座る時間が長い日は、座った状態で足首がどう見えるかを一度確かめてください。
素足に近い色のストッキングなら、裾が上がっても目立ちません。靴下を履くなら、パンツか靴のどちらかと色をそろえます。どちらともそろわない色の靴下は、座ったときにだけ急に目に入ります。
秋から冬にかけては、薄いタイツに替える日も出てきます。タイツの色は、パンツと同じか一段濃い色にすると、座っても立っても足元が1本につながります。
鏡の前で3分|裾丈を決める手順
裾丈は、次の順で確かめると3分で決まります。
- いちばん多く履く靴を履き、パンツスーツの下だけを穿く
- 鏡に正面を向けて立ち、前の裾が甲のどこで止まっているかを見る
- 横を向いて、後ろの裾がかかとのどこまでを覆っているかを見る
- 椅子に座って、裾がどれだけ上がるか、足首がどう見えるかを見る
- 10歩ほど歩いて、裾が甲に当たって跳ねるか、床に触れるかを見る
**2と3は止まった状態、4と5は動いた状態の確認です。**止まった状態だけで決めると、座る時間が長い日や、駅まで歩く日に合わなくなります。上着は、この5つが決まってから羽織ってください。上着を着た状態で裾を見ると、上着の裾に目が引かれて、足元のずれを見落としやすくなります。
測った結果を、靴ごとにメモしておくと便利です。「ローファー:甲の手前」「パンプス5cm:甲に1cm」のように書いておけば、秋に靴を買い足すときも、手元のパンツスーツに合うかを店で判断できます。
よくある行き違い
**「パンツスーツは長めの丈のほうがきれいに見える」。**かかとの高い靴の日だけの話です。かかとの低い靴で長い丈を履くと、裾が甲の上で折れ、後ろの裾が床に触れます。
**「裾上げは1回決めたら終わり」。**靴が替わる季節ごとに、同じ丈の見え方は変わります。丈を直さなくても、靴を丈に合わせることはできます。
**「スーツが決まらないのは上着のせい」。**上着は肩と着丈で一度合えば動きません。動いているのは裾丈と靴のほうです。まず靴を履いて、裾から見直してください。
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よくある問い
- Q. パンツスーツの裾丈は、どこで決めればいいですか
- いちばん多く履く靴を履いた状態で決めてください。裸足や、いつもと違う靴で測ると、実際に着る日の丈とずれます。かかとが0〜2cmの靴なら、裾が甲に触れる手前で止まる丈。3〜5cmなら甲に1〜2cm乗る丈。6cm以上なら、後ろの裾が床から1〜2cm浮く丈が目安です。前から見た丈だけでなく、後ろの裾がかかとをどこまで覆っているかも一緒に見てください。
- Q. 秋にショートブーツと合わせてもいいですか
- 合わせられます。見るのは裾幅とブーツの筒の太さです。裾幅がブーツの筒より片側2cm以上広ければ、裾は筒の上に自然に落ちます。これより狭いと、裾が筒に引っかかって横にしわが出ます。もうひとつは座ったときです。裾が上がって、ブーツの筒とパンツの間から足首が見えないかを確かめてください。見えるときは、筒の高い靴下かタイツで色をそろえておくと落ち着きます。
- Q. 通勤はローファー、会議の日だけパンプスです。丈はどちらに合わせますか
- かかとの高さの差が3cm以内なら、低いほうの靴に合わせて、裾が床に触れない丈にしてください。高いほうの靴に替えると裾は少し短く見えますが、甲が見える程度で済みます。差が3cmを超えるなら、1着で両方を受けるのは難しくなります。多く履くほうに丈を合わせ、少ないほうの日は裾幅の広いパンツを別に持つか、靴のかかとを近づける形で調整してください。
- Q. もう裾上げしてしまったパンツスーツが、秋の靴だと短く見えます
- 短く見える原因が、丈そのものか、靴の甲の高さかを先に分けてください。甲の高い靴に替えたことで裾が浮いているなら、甲の低い靴に戻すだけで収まります。丈そのものが足りない場合は、裾の折り返しの縫い代が残っていれば伸ばせることがあります。縫い代を見て、1cm以上残っているかを確かめてから、お直しに持ち込むかを決めてください。
— メグラシ編集部





