パンツスーツ 着こなし 女性|秋冬の靴で裾の長さを決め直す

**秋になって靴を替えたら、パンツスーツの裾が合わなくなった。**そう感じているなら、あなたが直すべきなのはパンツの長さではなく、靴と裾の組み合わせです。
夏まではパンプスで履いていたパンツスーツ。秋冬に入って、ローファーやショートブーツ、厚みのある靴底の靴に替えると、裾の見え方が変わります。かかとの高さが変わると裾の後ろの位置が上下し、甲の高さが変わると裾の前の折れ方が変わるからです。
スーツを買ったときに合わせた裾の長さは、そのとき履いていた靴1足に対する長さです。靴を替えれば、合う長さは別のところへ移ります。ここでは、秋冬の靴に替えたときに裾をそのまま履くか、直すか、靴のほうを選び直すかを、自分で測れる2つの数字で決めていきます。
秋冬のスーツの生地をどうするかはスーツ 秋冬 女性|通年の生地で越すか、冬の生地を1着足すかに、ジャケットの下に着るものはスーツのインナー 女性 秋冬|ジャケットの下のニットが窮屈なときに書いています。ここでは足元と裾に絞ります。
先に1つだけ断っておくと、この記事で扱うのは、すでに持っているパンツスーツの裾を秋冬の靴にどう合わせるかです。新しく買うときの選び方も途中で触れますが、中心は手持ちの1本です。夏のあいだに裾を合わせたパンツスーツが1本でもあるなら、そのパンツと、秋冬にいちばんよく履く靴を1足、手元に用意して読み進めてください。測る道具は、定規か巻き尺、全身が映る鏡、背中側を見るための手鏡の3つがあれば足ります。
結論:裾は靴1足に1つの長さしかない
パンツスーツの裾について、最初に押さえてほしいことは1つです。裾の長さは、靴1足に対して合う長さが1つしかありません。
夏のパンプスに合わせて直した裾は、秋冬のローファーではかかとが低くなるぶん床に近づき、ショートブーツでは甲が高くなるぶん前の折れが深くなります。どちらも「裾が合っていない」と感じる原因です。
だから秋冬に靴を替えたら、次の順番で決めてください。
- 秋冬にいちばん多く履く靴を1足決める
- その靴のかかとの高さと甲の高さを測る
- その靴を履いた状態で、裾の後ろと前の位置を確かめる
- 合っていなければ、裾を直すか、靴を選び直すかを決める
靴を2足以上で使い回したい人は、後半の「パンプスとブーツの両方で履きたい」の節で、2足の差で判断する方法を書いています。
先に測る2つ:かかとの高さと甲の高さ
裾の位置を動かしているのは、靴のかかとの高さと、甲の高さの2つです。
かかとの高さは、靴を床に置いて、かかとの一番後ろの底から、靴の中でかかとが乗る面までを定規で測ります。外から見たヒールの高さではなく、足が乗る面の高さです。靴の中に中敷きが入っているなら、その厚みも含めてください。
甲の高さは、靴を履いた状態で、床から足の甲のいちばん高いところまでを測ります。靴を履いたときに、裾の前側が最初に触れる場所の高さです。ローファーやブーツは靴自体が甲を覆っているので、靴の甲の高さを測ります。
- かかとの高さが高いほど、裾の後ろは床から遠ざかる
- 甲の高さが高いほど、裾の前は甲に当たって折れが深くなる
この2つの数字は、スマートフォンのメモに靴ごとに残しておいてください。秋冬に履く靴が3足あれば、3組の数字ができます。裾の判断は、この数字の比較だけで決まります。
測るときに見落としやすいのが、靴の中に入れている中敷きです。秋冬に足元が冷えるからと、厚い中敷きを足している人は多いはずです。中敷きを1枚足すと、かかとの高さが数ミリから1センチ近く上がり、甲の高さも同じだけ上がります。秋冬の靴の数字は、冬に使う中敷きを入れた状態で測ってください。夏のパンプスと同じかかとの高さだと思っていた靴が、中敷きを入れると1センチ高くなっていて、それだけで裾の後ろが浮いて見えていた、ということがよくあります。
裾の基準点:後ろは床から何センチ、前は甲にどう乗るか
靴を履いて、全身が映る鏡の前にまっすぐ立ちます。背中を壁につけず、普段通勤で立っている姿勢にしてください。この状態で、裾の後ろと前を順に見ます。
後ろは、裾の一番下から床までの隙間を測ります。鏡に背を向けて、手鏡か家族に見てもらうと分かりやすいです。
- 床から1〜2センチ浮いている:秋冬の靴で扱いやすい長さ
- 床から3センチ以上浮いている:靴のかかとが見えすぎて、裾が短く見える
- 床に触れている:駅の階段や雨の日に裾が擦れて傷む
前は、裾が靴の甲に当たって、どのくらい折れているかを見ます。
- 甲に軽く触れて、折れ目がないか1つだけ:きちんとした印象に見える長さ
- 折れ目が2つ以上できる:裾がだぶついて、脚が短く見える
- 甲に触れずに浮いている:足首が見えやすい。座ったときにさらに上がる
後ろが1〜2センチ浮き、前が甲に軽く触れる。この2つがそろえば、その靴とその裾の組み合わせは合っています。どちらか1つが外れているなら、次の節以降で直し方を決めます。
鏡の前で確かめるときは、立ち止まった姿だけでなく、3歩ほど歩いた姿も見てください。歩くと裾は前後に揺れ、前に出した足の甲に裾が乗る瞬間と、後ろに残した足のかかとから裾が離れる瞬間があります。立ち止まった姿では合っているのに、歩くと後ろの裾がかかとを擦る、あるいは前の裾が甲の上で大きく跳ねる、という場合は、裾の長さより、生地の重さと裾幅の組み合わせが原因です。この場合は、あとの裾幅の節で確かめてください。
秋冬の靴4つで裾はこう動く
秋冬にパンツスーツと合わせることの多い靴で、裾がどう動くかをまとめます。夏のパンプスに合わせて裾を直してある前提です。
| 秋冬の靴 | かかとの変化 | 甲の変化 | 裾の見え方 |
|---|---|---|---|
| かかとの低いローファー | 夏より低くなることが多い | 甲が覆われて高くなる | 後ろが床に近づき、前は折れが深くなる |
| ヒールのあるローファー | 夏と同じくらい | 甲が高くなる | 後ろはそのまま、前の折れだけ深くなる |
| ショートブーツ | 夏と同じか高い | 筒があるぶん大きく高くなる | 前の折れが深くなり、筒が裾からのぞくことがある |
| 厚い靴底の靴 | 底の厚みのぶん高くなる | 甲も高くなる | 後ろは浮き、前は折れが深くなる |
表を見ると分かるように、秋冬の靴に替えたときにほぼ必ず起きるのは、前の折れが深くなることです。夏のパンプスは甲が開いていて低いので、裾の前は足の甲に直接乗ります。秋冬の靴は甲が覆われて高くなるので、同じ裾でも前で折れ目が増えます。
後ろの変化は靴によって分かれます。かかとの低いローファーなら床に近づき、厚い靴底なら床から離れます。自分の靴がどちらに当たるかは、先に測ったかかとの高さで分かります。
裾幅で許される長さの幅が変わる
同じ靴でも、パンツの裾幅によって、合う長さの幅が変わります。裾幅は、パンツを平らに置いて、裾の端から端までを測った長さです。
裾幅が狭いパンツ、目安として平置きで18センチ以下のものは、裾が甲に当たったときに逃げ場がないので、折れ目がすぐに増えます。前の折れが1つで止まる長さの幅が狭く、靴が変わると合わなくなりやすい形です。
裾幅が広いパンツ、平置きで22センチ以上のものは、裾が甲に当たっても横に広がって逃げるので、折れ目ができにくい形です。前の折れについては、靴が変わってもあまり気にしなくてかまいません。そのかわり、後ろが床に近づくと裾全体が床に触れやすくなります。
その間、19〜21センチくらいの裾幅は、多くのパンツスーツが当てはまる中間の幅です。前と後ろの両方を、先の基準点で確かめてください。
秋冬に新しくパンツスーツを足すなら、ブーツと合わせる日が多い人は裾幅の広いほうを、パンプスとローファーが中心の人は中間の幅を選ぶと、裾の悩みが少なくなります。
裾幅は、売り場では数字が書かれていないことも多いので、試着のときに自分で測る習慣をつけておくと便利です。メジャーを持ち歩かなくても、自分の手の幅を一度測っておけば代わりになります。たとえば指を閉じた手のひらの幅が8センチなら、裾幅は手のひら何枚ぶんか、で見当がつきます。手のひら2枚ぶんと少しなら中間の幅、3枚近くあれば広い幅です。
ショートブーツと合わせるとき:筒が裾からのぞくか隠れるか
秋冬のパンツスーツでいちばん迷いが多いのが、ショートブーツとの組み合わせです。裾の長さに加えて、ブーツの筒が裾からのぞくかどうかを見る必要があります。
まっすぐ立った状態で、裾の下からブーツの筒が見えるかを確かめてください。
- 立っても座っても筒が見えない:そのまま合う
- 座ったときだけ筒が見える:多くの場面で問題にならない
- 立った状態で筒が見える:裾幅とブーツの筒の太さが合っていない
立った状態で筒が見える場合、原因は裾の長さよりも、裾幅とブーツの筒の太さの差にあります。ブーツの筒のいちばん太いところの周りを測り、パンツの裾まわり、つまり平置きの裾幅の2倍と比べてください。裾まわりがブーツの筒まわりより6センチ以上大きければ、裾は筒の上にふわりとかぶさって隠します。差が6センチより小さいと、裾が筒に引っかかって持ち上がり、筒がのぞきます。
ブーツの筒の高さも見てください。筒がくるぶしのすぐ上で止まるブーツは、座ったときに裾が上がっても、筒と裾の重なりが残りやすい形です。筒がふくらはぎの下まであるブーツは、裾の内側で筒の上端が段差になり、立っている姿の裾の線が乱れることがあります。
ショートブーツの色も、裾の見え方に関わります。パンツと同じ濃さのブーツなら、筒が少しのぞいても色が続いて見えるので目立ちません。パンツより明るい色のブーツは、裾の下で色が切り替わる位置がはっきり出て、筒がのぞいたときにそこへ目が行きます。濃紺や黒、濃いグレーのパンツスーツには黒か濃い茶色のブーツ、明るいグレーやベージュのパンツスーツには茶色や灰色がかったブーツ、と、パンツに近い濃さを選んでおくと、裾の長さに多少のずれがあっても全身がまとまります。
ブーツの甲の形も見てください。甲の部分がまっすぐ立ち上がっている形は、裾の前が当たったときに折れ目ができやすく、甲がなだらかに足首へつながる形は、裾がすべるように甲に乗ります。同じかかとの高さでも、甲がなだらかなブーツのほうが、パンツスーツの裾とは合わせやすい形です。
どちらとも取れるとき1|パンプスとブーツの両方で履きたい
1本のパンツスーツを、パンプスの日とブーツの日の両方で履きたい人は多いはずです。仕事の予定で靴を替える、天気で替える、という人もいます。ここが、いちばん判断の分かれるところです。
まず、2足のかかとの高さを並べて、差を出してください。
かかとの高さの差が2センチ以内なら、1本の裾で両方に合わせられます。低いほうの靴を履いたときに、裾の後ろが床から1センチ浮く長さにしてください。高いほうの靴では後ろが2〜3センチ浮きますが、前の折れが靴の甲で調整されるので、短く見えすぎることはありません。
かかとの高さの差が2〜4センチなら、どちらの靴を秋冬の主役にするかを決める必要があります。主役の靴で基準点に合わせ、もう一方の靴の日は、裾の見え方を少し妥協する日と割り切ってください。妥協の仕方として、低い靴の日は裾が床に触れないよう階段で気をつける、高い靴の日はくるぶしまで覆う靴下を合わせて、裾の下の隙間を目立たなくする、という方法があります。
差が4センチを超えるなら、1本で両方に合わせるのは難しいと考えてください。高いほうの靴で裾を合わせ、低い靴の日は別のボトム、たとえば裾幅の広いパンツや、同じ色のスカートに替えるのが確実です。
迷ったときに見るべきなのは、靴を履く日数の比です。秋冬の平日を思い浮かべて、どちらの靴を何日履くかを数えてください。片方が7割以上なら、その靴に合わせて裾を決めて、もう一方は割り切る。5割前後で並ぶなら、かかとの差で上の3つに分けて決めます。
2足を交互に履く人がもう1つ考えておきたいのは、靴を替える日の決め方です。前の晩に天気予報を見て、雨や冷え込みの日はブーツ、それ以外はパンプス、と決めている人は多いはずです。その場合、ブーツの日は裾が濡れやすく、裾が床に近いと濡れた階段で裾の後ろを汚しやすくなります。ブーツの日が雨の日と重なりやすい人ほど、裾は短めの側、つまりブーツで後ろが床から2センチ浮く長さに寄せたほうが、手入れの手間が減ります。
どちらとも取れるとき2|立つと合うのに、座ると足首が出る
立って鏡で見ると裾はちょうどいいのに、椅子に座ると足首が大きく出る。これは秋冬に気になりやすい現象です。夏は素足でも気になりませんが、秋冬は足首の肌が出ると寒そうに見えます。
座ったときに裾が上がる量は、パンツの股上の深さと、太ももまわりのゆとりで決まります。座った状態で、裾がくるぶしの骨より何センチ上がるかを測ってください。
- くるぶしの骨が隠れたまま:問題なし
- くるぶしの骨が見えるが、その上の肌は見えない:秋冬の靴下かタイツで隠せる
- くるぶしの骨の上まで肌が見える:裾の長さではなく、座ったときの上がり方が大きい形
最後の場合、裾を長くしても、立ったときに床に擦れるだけで、座ったときの上がり方は大きく変わりません。足首の肌を隠すには、ふくらはぎの中ほどまである靴下か、薄手のタイツを合わせるのが確実です。靴下の色は、パンツと同じ濃さか、靴と同じ濃さにしてください。足首の位置で色が1回途切れると、そこだけ目が止まります。
会議や商談で座っている時間が長い人ほど、立った姿より座った姿で裾を決めたほうが、一日の印象が整います。
座っている時間が長い人は、裾直しの前に、職場の椅子と同じくらいの高さの椅子に座って確かめてください。家のソファや低い椅子では、膝の角度が変わり、裾の上がり方も変わります。座面の高さが膝の裏と同じくらいの椅子に浅く腰かけ、足を床にそろえて置いた状態で、くるぶしと裾の位置を見ます。脚を組む癖がある人は、組んだ状態でも確かめておくと、会議中の姿までを含めて裾を決められます。
どちらとも取れるとき3|秋冬に合わせて直したら、春に長すぎないか
秋冬の靴に合わせて裾を直すと、春にパンプスへ戻したときに長すぎるのではないか。直すかどうかを止めている理由として、よく聞く迷いです。
これは、春に履く靴のかかとの高さで決まります。秋冬に合わせた靴と、春に履く靴のかかとの高さが同じなら、裾は春もそのまま合います。前の折れは、甲が開いた靴に替わると浅くなるので、むしろ春のほうがすっきり見えます。
春の靴のほうがかかとが低い場合は、裾の後ろが床に近づきます。差が1センチ以内なら、床に触れるかどうかの境目なので、春に一度確かめれば足ります。差が1センチを超えるなら、裾直しのときに、縫い代を内側に残してもらってください。縫い代が残っていれば、季節ごとに裾を上げ下げできます。
縫い代を残して直すと、裾の内側に布が重なるぶん、裾がわずかに重くなり、落ち感が出ます。秋冬の厚めの生地のスーツなら、この重さはかえって裾の線をまっすぐに整えてくれます。
タイツと靴下の色で、裾の下の隙間を目立たなくする
裾直しに出すほどではないけれど、少し短く見える。そんなときは、裾の下の隙間を、タイツか靴下の色で埋めると目立たなくなります。
基本は、パンツの色か靴の色のどちらかに、タイツや靴下の色をそろえることです。濃紺のパンツスーツに黒い靴なら、靴下は濃紺か黒。グレーのパンツスーツに茶色の靴なら、グレーか茶色です。パンツから靴まで色が続いて見えると、裾が多少短くても、その間の隙間に目が行きません。
避けたいのは、裾と靴の間に肌の色か、明るい色が入ることです。秋冬にベージュのストッキングを合わせると、裾の下に細い明るい帯ができて、裾の短さがかえって目立ちます。パンツスーツの日は、ストッキングよりも、色のついたタイツか厚手の靴下のほうが裾の下が整います。
靴下の柄は、無地か、近くで見て分かる程度の細かい柄にしてください。遠くから見て柄が分かる靴下は、裾の下に目を集めてしまいます。
タイツや靴下は、靴と一緒に替えることも覚えておいてください。パンプスの日は薄手のタイツ、ブーツの日は厚手の靴下、と足元の厚みを替えると、それだけで甲の高さが数ミリ変わり、裾の前の折れ方が変わります。毎朝鏡の前で裾を確かめる時間がない人は、靴ごとに合わせるタイツや靴下を1組ずつ決めておき、組み合わせを変えないようにすると、裾の見え方が日によってぶれにくくなります。
上着の丈と裾の関係:全身の区切りの数
裾の長さは、上着の丈と組み合わせて見ると、もう1段整えられます。パンツスーツの全身は、上着の裾、パンツの裾、靴の3か所で区切られています。
上着の丈がヒップの一番高いところを覆う長めの丈なら、パンツの見えている部分が短くなるぶん、裾の長さの違いが目立ちやすくなります。この場合、裾はしっかり長め、つまり後ろが床から1センチ浮く位置に合わせてください。
上着の丈が腰骨のあたりで止まる短めの丈なら、パンツの見えている部分が長くなり、脚の線が目に入ります。裾が少し短めでも、脚の長さとして受け取られやすい形です。後ろが床から2センチ浮く位置まで許されます。
上着の丈そのものの選び方はジャケットの丈 選び方 女性|腰骨・ヒップ・太もものどこで止めるかに書いています。ここでは、上着が長いほど裾は長め、上着が短いほど裾は少し短めでも整う、という関係だけ覚えておいてください。
秋冬は、パンツスーツの上にコートを重ねる日も増えます。コートを着ると、全身の区切りは、コートの裾、パンツの裾、靴の3か所に変わります。膝より下まであるコートを着る日は、パンツの見えている部分がさらに短くなるので、裾が少しでも短いとそこだけが目立ちます。長いコートを合わせることが多い人は、裾を後ろが床から1センチ浮く長めの側にしておくと、コートを着ても脱いでも裾の見え方が変わりません。
裾直しに出すときに伝える3つの数字
裾を直すと決めたら、お店に伝える数字は3つです。
1つめは、合わせる靴のかかとの高さです。可能なら、その靴を持って行き、履いた状態で裾の位置をピンで留めてもらってください。持って行けない場合は、先に測ったかかとの高さと甲の高さを伝えます。
2つめは、裾の後ろを床から何センチ浮かせたいかです。この記事の基準なら1〜2センチです。
3つめは、縫い代を残すかどうかです。季節で靴を替える人は、残してもらってください。
裾の仕上げ方も選べることがあります。秋冬の厚めの生地なら、裾の内側を折り返して留めるふつうの仕上げで十分です。裾の後ろだけを少し長くして、前を短くする斜めの仕上げは、ブーツの日に前の折れを減らせますが、パンプスの日には後ろが床に近づきすぎることがあります。靴を1足に決めている人向けの仕上げです。
裾直しのときにもう1つ伝えておきたいのが、パンツの中央に入っている折り目線の扱いです。折り目線のあるパンツは、裾を短くすると、折り目線が裾の端で途切れる位置が変わり、裾の前の折れ方に影響します。直しのあとに一度アイロンで折り目線を整えてもらうと、裾が甲の上でまっすぐ落ちます。家で整える場合は、当て布をして、裾から膝に向かって折り目線をなぞるようにアイロンをかけてください。
秋冬にパンツスーツを毎日着るときの裾の傷み
秋冬はパンツスーツを着る日数が増える人が多い季節です。夏はスカートやワンピースに逃げていた人も、寒くなるとパンツの日が増えます。毎日のように着ると、裾は思った以上に傷みます。
いちばん傷みやすいのは、裾の後ろの、かかとが当たる部分です。歩くたびにかかとが裾の内側をこすり、生地が薄くなったり、糸がほつれたりします。裾の後ろが床から1センチ以内の長さで履いている人ほど、この傷みは早く出ます。
月に一度、裾を裏返して、かかとの当たる部分を見てください。生地が光って薄くなっていたら、そこが擦れ始めているしるしです。裾の内側に、かかとの当たる部分だけ補強の布をつける直し方もあります。長く着たいパンツスーツなら、裾直しのときに一緒に頼んでおくと安心です。
雨の日に裾が濡れたら、帰ってすぐ、裾を下にしてハンガーにかけて乾かしてください。裾を上にして干すと、濡れた部分から水が下りて、裾の折り目の線が崩れます。
秋冬の生地は、夏の生地より裾が落ちにくい
秋冬に向けて厚い生地のパンツスーツに替えた人は、裾の落ち方の違いにも気づくはずです。厚い生地は張りがあり、裾が甲に当たったときに、柔らかく折れずに、角ばった形で持ち上がります。夏の薄い生地と同じ長さで直しても、厚い生地のほうが裾が短く見え、前の折れが大きく見えることがあります。
確かめ方は、裾の前が甲に当たったところで、折れ目が丸くたわむか、角が立つかを見ることです。丸くたわむなら、生地の厚みと裾の長さが合っています。角が立って、裾の前だけが持ち上がるなら、その生地では裾をもう少し短くするか、裾の後ろを長めにして前を短めにする斜めの仕上げが向いています。
起毛した生地やウールの多い生地は、着ているうちに裾の端が丸く膨らんできます。購入したばかりのときに合わせた長さが、ひと冬着ると少し短く見えるのはこのためです。厚い生地のスーツを直すときは、裾の後ろを基準より5ミリほど長めにしておくと、ひと冬を通して見え方が安定します。
秋と冬で同じパンツスーツを履く場合、秋はまだ薄手の靴下にパンプス、冬は厚手の靴下にブーツ、と足元の厚みが変わります。足元が厚くなるほど裾の前は持ち上がるので、秋に合わせた長さが冬には短く見えることもあります。秋のうちに、冬に履く靴と靴下の組み合わせでも一度鏡の前に立っておくと、冬の朝になって慌てずに済みます。
通勤で歩く距離が長い日の裾
パンツスーツの裾の長さは、鏡の前で立っている姿だけでなく、通勤で歩く距離にも合わせて考えたい場所です。駅まで歩く時間、乗り換えで階段を上り下りする回数、外回りで歩く距離が長い人ほど、裾が受ける負担は大きくなります。
1日に歩く時間が合わせて30分を超える人は、裾の後ろを床から2センチ浮かせる側に寄せてください。1センチの長さで毎日長く歩くと、裾の後ろがかかとに当たる回数が増え、裾の傷みが早く出ます。階段の多い駅を使っている人は、階段を上るときに裾の前が段の角に当たらないかも見ておきます。裾が段に当たると、裾の前に擦れた跡が残りやすくなります。
逆に、通勤が車や短い距離で、職場では座っている時間が長い人は、裾の後ろを床から1センチの長めにして、座ったときに足首が出にくくするほうが、一日の見え方が整います。歩く距離と座る時間のどちらが長いかで、同じ基準の中でも長めと短めを選び分けてください。
外回りが多く、秋冬は雨や冷え込みの日にブーツで出る人は、パンツスーツの中に1本、裾幅の広いものを入れておくと、ブーツとの組み合わせで裾が筒に引っかかる悩みが減ります。
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よくある問い
- Q. パンツスーツの裾は、靴を履いた状態で床から何センチがいいですか
- まっすぐ立った状態で、裾の後ろ側が床から1〜2センチ浮く位置が、秋冬の靴では扱いやすい長さです。前側は靴の甲に軽く触れて、折れ目が1つできるかできないかの位置にします。裾幅の広いパンツは後ろを床から1センチ程度まで下げてもかまいませんが、床に触れると雨の日や駅の階段で裾が傷みやすくなります。
- Q. パンプスとショートブーツ、どちらに合わせて裾直しをすればいいですか
- 秋冬にいちばん多く履く靴に合わせてください。両方を同じくらい履くなら、2足のかかとの高さを測り、差が2センチ以内なら低いほうの靴で裾の後ろが床から1センチ浮く長さに合わせます。差が2センチを超えるなら、1本のパンツで両方に合わせるのは難しいので、高いほうの靴を秋冬の主役にして合わせ、低い靴の日は別のボトムにするのが確実です。
- Q. 秋冬に合わせて裾を長めにしたら、春に短い靴で履くと長すぎませんか
- かかとの高さが同じ靴を春に履くなら問題ありません。春に低い靴へ替える場合は、裾の後ろが床に1センチ以上触れるかを確かめてください。触れるなら、裾直しのときに縫い代を内側に残してもらい、季節で上げ下げできるようにしておくと、1本で通年回せます。
- Q. ブーツの筒が裾からのぞいてしまいます
- まっすぐ立ったときではなく、椅子に座ったときにのぞくなら、多くの人が気にしない範囲です。立った状態でものぞく場合は、裾の長さではなく裾幅とブーツの筒の太さが合っていません。裾幅がブーツの筒より3センチ以上広ければ立った状態では隠れるので、筒の細いブーツに替えるか、裾幅の広いパンツスーツに合わせてください。
— メグラシ編集部





