コートの形の名前|中に着る厚みでAライン・コクーンを選ぶ

**冬にいちばんよく着る厚手のニットを、胸の横で指でつまんでみてください。**つまんだ布の厚みが5mm以上あるなら、あなたが探すのはIラインではなく、コクーンか肩の落ちた形です。
コートの形の名前は、Iライン、Aライン、コクーン、Xライン、ガウン。売り場や通販でこの名前を見て、どれを選べばいいか迷う人は多いと思います。でもこれらは、見た目の好みで選ぶ名前というより、「どこにゆとりがあるか」を表す呼び名です。
ゆとりが必要な場所は、中に何を着るかで決まります。だから、形の名前は中に着るものから逆に選ぶと、迷いがほとんどなくなります。この記事では、中に着る服の厚みと、下にはくものの広がりの2つから、あなたが探すべき名前を決める方法を順に書きます。
コートの襟の名前はコートの襟の名前|冬はマフラーを巻くか、巻かないかで探し分けるで、袖の付き方の名前は袖の形の名前|コートの下で腕がつかえるときに見る肩の縫い目でまとめています。ここでは、コート全体の輪郭の名前だけに絞ります。
結論:中に着るいちばん厚い服で、形の名前を決める
先に結論を置きます。中に着るいちばん厚い服と、下にはくものの組み合わせで、探す名前はおおよそ決まります。
| 中に着るもの | 下にはくもの | 探す名前 |
|---|---|---|
| 薄手(つまんで5mm未満) | 細身のパンツ・タイトスカート | Iライン、Xライン |
| 厚手(つまんで5mm以上) | 細身のパンツ・タイトスカート | コクーン、肩の落ちたIライン |
| 薄手 | 広がるスカート・ワイドパンツ | Aライン |
| 厚手 | 広がるスカート・ワイドパンツ | 肩の落ちたAライン、ガウン |
この表は、売り場で最初に手に取る名前を決めるためのものです。同じ名前でもゆとりの量は1着ずつ違うので、手に取ったあとは下の章で書く測り方で確かめてください。
つまんだ厚みの5mmという境目は、指でつまむと布が2枚重なるので、実際の布の厚みでいうと2〜3mmにあたります。薄手のシャツやハイゲージのニットは5mm未満、ミドルゲージ以上のニットやフリースは5mm以上になることがほとんどです。
測る2か所|中の服の厚みと、着たままの胸回り
形の名前を決める前に、2つの数字を手元に用意します。どちらも家で5分あれば測れます。
1つ目:中に着る服の厚み
冬にいちばん厚い、コートの下に着るつもりの服を1枚着ます。脇の下から手のひら1枚分下がったあたりで、服の布だけを親指と人差し指でつまみ、つまんだ部分を物差しに当てて厚みを読みます。
ここで大事なのは、いちばん厚い服で測ることです。秋口のシャツで測ると、冬にニットを着たときにコートが窮屈になります。コートは秋から冬まで、中に着るものが変わり続ける服です。いちばん厚いときに入らない形は、真冬に着られなくなります。
2つ目:着たままの胸回り
いちばん厚い服を着たまま、胸のいちばん高いところを水平にメジャーで1周測ります。裸の胸回りではなく、服の上からの数字です。
この数字が、コートの身幅と比べる基準になります。コートの身幅(脇の下の横幅)を2倍した数から、この胸回りを引いた差が「胸のゆとり」です。たとえば身幅が55cmのコートなら外周は110cm、着たままの胸回りが92cmなら、胸のゆとりは18cmです。
胸のゆとりの目安は、腕を前に伸ばしても背中が突っ張らないために15cm以上、厚手のニットの上に着るなら20cm以上です。15cmを切ると、つり革を持ったり、車のハンドルを握ったりしたときに、背中の布が引っ張られて肩が上がります。
3つ目(下が広がる人だけ):下の服の一番広いところ
フレアスカートやワイドパンツをコートの下にはく人は、もう1つだけ測っておきます。下の服を着て立ち、裾から10cmほど上の、いちばん横に広がっているところの幅を、鏡の前で両手を当てて確かめます。両手のあいだを物差しで測れば、およその横幅がわかります。
この幅とコートの裾幅を比べて、コートの裾幅のほうが広ければ、下の服はコートの中に収まります。下の服のほうが広ければ、コートの裾から外にはみ出します。はみ出す場合は、Aラインを探すか、コートの丈を下の服より十分に短くするかのどちらかを選ぶことになります。
名前は「どこが広いか」で読む
形の名前を覚えるより、それぞれが「どこにゆとりがあるか」を1つずつ押さえておくと、売り場で迷いません。
| 名前 | ゆとりがある場所 | 裾の広さ |
|---|---|---|
| Iライン(ストレート) | 全体に均一 | 身幅とほぼ同じ |
| Aライン | 裾 | 身幅より広い |
| コクーン | 肩から胴 | 身幅より狭い |
| Xライン(フィットアンドフレア) | 裾(胴は絞る) | 身幅より広い |
| ガウン(ラップ) | 前の重なりで調整 | ベルトの締め方しだい |
名前の後ろに書いた言い方(ストレート、フィットアンドフレア、ラップ)は、同じ形を売り手によって別の名前で呼んでいるものです。通販で探すときは、両方の名前で検索すると見つかる数が増えます。
Iライン(ストレート)|薄手の中の服と、細身のボトムに
Iラインは、肩から裾まで、ほぼ同じ幅でまっすぐ落ちる形です。肩、胸、胴、裾のどこにも特別なふくらみがありません。ストレートやボックスと呼ばれることもあります。
中に着るものが薄手で、下が細身なら、Iラインがいちばん収まりのいい形です。コートの線と体の線が平行になるので、前を開けても閉めても、縦にまっすぐな印象が残ります。
ただ、Iラインは「どこにも余分なゆとりがない」形でもあります。中に厚手のニットを着ると、胸と腕の付け根にだけ布が詰まり、そこから下はまっすぐ落ちるので、上半身だけが窮屈に見えます。Iラインを厚手の服の上に着たいなら、肩の縫い目が肩先より下に落ちた形を選んでください。肩が落ちていると、腕の付け根に布の余裕が生まれ、厚手のニットの袖が入るようになります。
下に広がるスカートをはく場合も、Iラインは合わせにくい形です。スカートの広がりがコートの裾から外にはみ出して、裾の下で布が段になって見えます。広がるスカートの日は、次のAラインを選ぶか、コートの丈をスカートより長くするかのどちらかにします。
Aライン|広がるスカートとワイドパンツの上に
Aラインは、肩まわりは体に沿い、裾に向かって三角に広がっていく形です。アルファベットのAのように、上がせまく下が広い輪郭になります。トラペーズと呼ばれることもあります。
Aラインがいちばん活きるのは、下に広がるものをはく日です。フレアスカートやギャザースカート、裾の広いワイドパンツは、Iラインのコートの下だと裾からはみ出しますが、Aラインなら広がった裾の中に収まります。コートの裾の広がりとスカートの広がりが同じ方向を向くので、全体が1つの台形にまとまります。
確かめ方は、着たときに下のスカートやパンツの一番広いところ(裾から10cm上あたり)と、コートの裾の位置関係を見ることです。コートの裾が下の服の一番広いところより下まであれば、はみ出しません。
Aラインで気をつけたいのは、中に厚手のニットを着るときです。Aラインは肩まわりのゆとりが少ないので、厚手を中に着ると肩が詰まり、下だけが広がった形になります。厚手と広がるスカートを両方合わせたいなら、肩の縫い目が肩先より下に落ちたAラインか、袖が首から斜めに付いた形を選んでください。
コクーン|厚手のニットを中に着る人に
コクーンは、肩から胴にかけて丸くふくらみ、裾に向かってすぼまっていく形です。繭のような輪郭なので、この名前で呼ばれます。Oラインと呼ばれることもあります。
中に厚手のニットを着る人には、コクーンがいちばん素直に合う形です。ゆとりが肩から胴に集まっているので、ざっくりしたニットやフリースを中に着ても、胸や腕が詰まりません。それでいて裾はすぼまっているので、全体が膨らみっぱなしにならず、ひざのあたりで輪郭が締まります。
コクーンを選ぶときに見てほしいのは、裾のすぼまり方です。裾が体に近づいていくところが見えていれば、ふくらみがまとまって見えます。裾が体から離れたまま終わっていると、すぼまりが見えず、ただ大きいコートに見えます。鏡の前で横向きに立ち、裾が胴より体に近いところで止まっているかを確かめてください。
着丈もコクーンでは大事です。ふくらみがひざより上で終わり、裾がひざの少し上で止まる丈なら、ふくらみとすぼまりの両方が見えます。ひざ下まであるコクーンは、ふくらみの部分が長く続くので、どこで締まっているのかが見えにくくなります。
コクーンは、前を開けて着るか閉めて着るかで見え方が大きく変わる形でもあります。前を閉めると、肩から胴のふくらみと裾のすぼまりがそのまま見えて、繭の輪郭がはっきり出ます。前を開けると、左右の前の布が体の横に分かれて落ち、縦の線が2本できるので、ふくらみがやわらいで見えます。厚手のニットを中に着た日に全体が大きく見えて気になるなら、前を開けて、中のニットの色と縦の線を見せると落ち着きます。
下にはくものは、細身のパンツかタイトスカートが合います。コクーンの裾は体に近づくので、広がるスカートを下にはくと、すぼまった裾から下のスカートがはみ出して、輪郭が2段になります。
Xライン(フィットアンドフレア)|中を薄く保てる人に
Xラインは、肩は体に沿い、胴(ウエスト)で絞り、そこから裾に向かって広がる形です。上半身と下半身でアルファベットのXのような輪郭になります。フィットアンドフレアと呼ばれることもあります。
Xラインの特徴は、ウエストの位置がはっきり見えることです。そのぶん、中に着るものの厚みにいちばん影響を受ける形でもあります。胴を絞っている部分は、中に厚手のニットを着るとそのまま膨らみ、絞りが消えます。Xラインを選ぶなら、中に着るものを冬でも薄手のハイゲージニットか、シャツに留められるかどうかを先に考えてください。
中を薄く保てるなら、Xラインは下に何をはいても合わせやすい形です。細身のパンツなら裾の広がりが軽やかに見え、広がるスカートなら裾の中に収まります。
ウエストの絞りがどこにあるかも確かめてください。コートのウエストの絞りは、自分のウエストのくびれの位置と上下2cm以内に合っているのが目安です。絞りが自分のくびれより高いと胸の下が詰まり、低いとお腹のあたりに布がたまります。
ガウン(ラップ)|中の厚みが日によって変わる人に
ガウンは、ボタンではなく前の布を深く重ねて、ベルトで閉じる形です。ラップコートと呼ばれることもあります。前の重なりが深いので、ベルトの締め方で胴の幅を変えられます。
ガウンがいちばん助けになるのは、中に着るものの厚みが日によって大きく変わる人です。秋口はシャツ、真冬は厚手のニット、というように中が変わっても、前の重なりの量で吸収できます。薄手の日はベルトを締めて胴を細く、厚手の日はゆるめに結んで胴を広く取ります。
ガウンで確かめるのは、前の重なりの量です。いちばん厚い服を着た状態で前を閉じたとき、左右の前の布が10cm以上重なっていれば、歩いても前が開きません。重なりが5cmを切ると、歩くたびにひざの上あたりで前が割れて、中の服が見えます。
ベルトの位置は、Xラインの絞りと同じく、自分のウエストのくびれと合っているかを見ます。ベルト通しがくびれより下にあると、締めたときにお腹の上で布がたまります。
ベルトを前で結ぶと結び目が胴の真ん中に乗り、そこだけ厚みが出ます。中に厚手のニットを着る日は、ベルトを後ろに回して軽く結ぶか、結ばずに左右のポケットに入れておくと、胴に厚みが重ならずに済みます。秋口の薄手の日は前で結んで、結び目を少し横にずらすと、胴の細さが出ながら結び目が目立ちすぎません。同じ1着でも、中の厚みに合わせて結び方を変えられるのがガウンのいちばんの強みです。
肩の名前で、同じ形でもゆとりが変わる
ここまで、コートの輪郭の名前を書いてきました。実際に選ぶときには、もう1つ、肩の付き方の名前を見ると判断が確かになります。同じIラインでも、肩の付き方によって中に入る厚みが大きく変わるからです。
1つ目は、肩先に縫い目がある付き方です。肩のてっぺんの少し外側で袖が縫い付けられています。肩の線がはっきり出るので、きちんとした印象になりますが、腕の付け根のゆとりは少なめです。中が薄手の人に向いています。
2つ目は、首から脇に向かって斜めに縫い目が入る付き方です。肩に縫い目がないので、肩から腕にかけてのゆとりが体に合わせて動きます。中に厚手を着ても腕の付け根がつかえにくい付き方です。
3つ目は、肩の縫い目が肩先より下、腕のほうに落ちている付き方です。肩の幅そのものに余裕があるので、厚手のニットの肩がそのまま入ります。Iラインのコートでも、肩がこの付き方なら厚手の上に着られます。
袖の付き方の名前と、腕のつかえ方の見分け方は袖の形の名前とコートの袖付けとニットの厚みでもう少し細かく書いています。
どちらとも取れるとき① 秋は薄手、冬は厚手を中に着る
いちばん多い迷いがこれです。秋のはじめはシャツや薄手のニットの上に着て、真冬は厚手のニットの上に着たい。でも1着で両方に合わせたい。
この場合は、厚いほうに合わせて肩と胴のゆとりを取り、薄い日は余りを整えると決めてください。逆に、薄いほうに合わせて選ぶと、冬に厚手が入らなくなります。余ったゆとりは着方で整えられますが、足りないゆとりは着方では増やせません。
具体的には、肩の縫い目が肩先より下に落ちたIラインか、ガウン型を選びます。薄い日は、ガウンならベルトを締め、Iラインなら前を閉めてボタンを全部留めると、余ったゆとりが前の重なりに吸収されます。前を開けて着ると、薄手の日はコートが体から大きく離れて見えるので、閉めて着る日と開けて着る日を中の厚みで分けておくと迷いません。
それでも薄い日にコートが大きく見えて気になる場合は、首まわりに厚みを足すのも方法です。厚手のニットを着ない日に、首の詰まったハイネックや、マフラーを1本足すと、上半身のゆとりが首まわりに吸収され、全体が大きすぎる印象が和らぎます。ハイネックの名前と首の長さによる選び分けはハイネックの名前を見てください。
どちらとも取れるとき② Aラインとコクーンの中間に見える
売り場で手に取ったコートが、Aラインなのかコクーンなのか、名前の札がなくて判断できないことがあります。名前の札があっても、見た目がどちらとも言えないこともあります。
こういうときは、名前ではなく、身幅と裾幅の差で判断します。平らな台に置いて、脇の下の横幅(身幅)と、裾の横幅(裾幅)を比べてください。
裾幅が身幅より10cm以上広ければ、Aラインとして扱います。下に広がるものをはく日に合います。裾幅が身幅より5cm以上狭ければ、コクーンとして扱います。中に厚手を着る日に合います。差が5cm以内なら、どちらにも寄っていないIラインとして扱います。
中間に見えるコートの多くは、この「差が5cm以内」に入ります。その場合は、上で書いたIラインの見方で、肩の付き方を確かめてください。肩が落ちていれば厚手の上に、肩先に縫い目があれば薄手の上に向いています。
通販でも同じです。商品の寸法表に身幅と裾幅が書いてあれば、その差で判断できます。裾幅が書いていない場合は、問い合わせるか、全身を横から撮った写真で、裾が脇より外に出ているか内に入っているかを見てください。
どちらとも取れるとき③ 上は厚手、下は広がる
厚手のニットを中に着たい。でも下には広がるスカートをはきたい。この組み合わせは、上の結論の表でいちばん選べる形が少ないところです。
上が厚手ならコクーン、下が広がるならAライン。でもコクーンは裾がすぼまるので下が収まらず、Aラインは肩が詰まるので上が入らない。どちらを優先するか迷う人は多いと思います。
この場合は、肩の落ちたAラインか、ガウン型を選んでください。肩が落ちたAラインなら、厚手のニットの肩が入り、裾も広がります。ガウン型なら、ベルトをゆるく結べば上も下も入ります。
どちらも見つからないときは、優先順位を「上の厚み」に置いてください。下の広がりは、スカートの丈とコートの丈の関係で調整できます。コートの丈をスカートより10cm以上短くすれば、スカートの広がりはコートの裾の下で独立して見え、2段に重なっても不自然になりません。上の厚みは、コートの形を変えないと入りません。
もう1つの方法は、日によって組み合わせを分けることです。厚手のニットの日は細身のパンツ、広がるスカートの日は薄手のニット、と決めておけば、1着のIラインやコクーンで両方の日に対応できます。
中のニットをもう1枚買う予定があるとき
秋のうちにコートを先に買い、冬に入ってから厚手のニットを買い足す人もいると思います。この場合、いま手元にあるいちばん厚い服で測ると、冬に買い足したニットがコートに入らないことがあります。
買い足す予定があるなら、測るときに、いま手元のいちばん厚い服の上にもう1枚、薄手のカーディガンかスウェットを重ねて着てください。2枚重ねた状態の胸回りは、だいたい厚手のニット1枚を着たときの胸回りに近くなります。その数字でコートの身幅を選んでおけば、冬に厚手を買い足しても、腕を前に伸ばしたときに背中が突っ張りません。
逆に、冬はコートの下に薄手しか着ないと決めているなら、いま測った数字のまま選んでかまいません。決めておくことで、売り場で「念のため大きめに」と迷う時間が減ります。
通販で選ぶとき|身幅・裾幅・肩幅の読み方
最後に、通販でコートを選ぶときに寸法表をどう読むかを書いておきます。形の名前は売り手によって使い方がまちまちなので、寸法表の数字のほうが頼りになります。
身幅
脇の下の横幅です。2倍すると胸まわりの外周になります。いちばん厚い服を着たままの胸回りより15cm以上大きければ、腕を前に出しても背中が突っ張りません。厚手のニットの上に着るなら、20cm以上を目安にしてください。
裾幅
裾の横幅です。身幅との差で、AラインかIラインかコクーンかを判断します。上で書いた通り、裾幅が身幅より10cm以上広ければAライン寄り、5cm以上狭ければコクーン寄りです。
肩幅
肩の縫い目から縫い目までの長さです。手持ちのコートで、着ていて肩がつかえないものの肩幅を測り、その数字と比べてください。肩の縫い目が肩先より下に落ちた形は、肩幅の数字がふつうの形より大きく書かれていることが多く、数字だけで比べると大きすぎるように見えます。肩の落ちた形の肩幅は、手持ちの同じ付き方のコートとだけ比べるようにしてください。
着丈
首の付け根の後ろから裾までの長さです。コクーンなら裾がひざの少し上で止まる長さ、Aラインなら下にはくスカートの一番広いところより下まで届く長さを目安にします。自分の首の付け根の後ろから、ひざの少し上までをメジャーで測っておくと、寸法表と比べやすくなります。
手持ちのコートで、厚手が入るかを家で確かめる
新しく買う前に、いま持っているコートが今年の厚手のニットの上に着られるかを確かめておくと、買う形の名前がさらに絞れます。家でできる確かめ方は3つです。
1つ目は、腕を前に伸ばして10秒止めることです。いちばん厚いニットの上にコートを着て、両腕を前にまっすぐ伸ばします。電車のつり革を持つ、車のハンドルを握る、買い物袋を前で持つ、といった動作の代わりです。10秒のあいだに背中の布が突っ張って、肩が持ち上がる感じがあれば、胸のゆとりが足りていません。腕を下ろしたあと、肩の位置がもとに戻らずに浮いたままなら、そのコートは厚手の上には向きません。
2つ目は、椅子に浅く座ることです。座ると、コートの裾まわりと胴に布が集まります。前のボタンを留めたまま座って、ボタンのあいだの布が左右に引っ張られて横じわが出るなら、胴のゆとりが足りません。コクーンやガウンのように胴にゆとりがある形を探す理由になります。
3つ目は、肩にバッグをかけることです。いつも使うバッグをコートの上から肩にかけて、5歩ほど歩きます。ストラップに引かれて前の布が片側に寄り、反対側の裾が持ち上がるなら、肩のゆとりが少ない形です。肩の落ちた付き方か、首から脇に斜めに縫い目の入った付き方のコートなら、バッグをかけても前の布が寄りにくくなります。
3つのうち2つ以上で引っかかったなら、そのコートは薄手の日のための1着と決めて、厚手の日のために、この記事の表でいう「厚手」の行の名前を探してください。1つだけなら、着方の工夫(前を開ける、バッグを斜めがけにする)で続けて着られることがほとんどです。
迷いがちなことを、もう少しだけ
**ダウンでも同じ考え方で選べますか。**選べます。ただしダウンは中綿そのものに厚みがあるので、中に着るものの厚みの影響はウールのコートより小さくなります。ダウンの場合は、中の厚みより、肩の付き方と着丈で選ぶ場面が多くなります。形の名前としては、Iラインとコクーンが中心で、Aラインはウールのコートより種類が少なめです。
**中に着るものがいつも薄手です。どの形でも着られますか。**どの形でも着られますが、ゆとりが多い形ほど、体とコートのあいだに空気の層ができて、秋口は軽く、真冬は少し寒く感じます。中がいつも薄手なら、IラインかXラインを選ぶと、体とコートのあいだが近くなり、風が入りにくくなります。
**丈は長いほうが暖かいですか。**丈が長いほど脚まわりは暖かくなりますが、形の名前の選び方とは別に考えてください。コクーンを長い丈で選ぶと、上で書いた通り、ふくらみが長く続いて重く見えやすくなります。暖かさを優先して長い丈が欲しいなら、IラインかAラインの長い丈のほうが、輪郭がまとまって見えます。
**今年らしい形はどれですか。**形の流行は毎年少しずつ動きますが、中に着るものが変わらない限り、合う形はあまり変わりません。流行の形が自分の中の厚みに合わないなら、今年は見送ってかまいません。ゆとりの合わないコートは、流行の形でも着る回数が減ります。
**背が低いとコクーンは重く見えますか。**背の高さより、裾がどこで止まるかで決まります。ひざの少し上で裾がすぼまるのが見えていれば、背が高くなくても輪郭はまとまります。ひざ下まであるコクーンは、背の高さに関係なく重く見えやすくなります。
**50代・60代で選び方は変わりますか。**年代で形の名前の選び方は変わりませんが、肩や腕を動かしたときのゆとりは多めに取っておくと着やすくなります。年代ごとのコート選びは50代のコートの選び方 秋冬でも書いています。
**ジャケットの形も同じ考え方で選べますか。**ジャケットはコートより中に着るものが薄いので、ゆとりより丈で決まる場面が多くなります。ジャケットの丈の選び方はジャケットの丈 選び方 女性を見てください。
まとめ:売り場に行く前に、厚手のニットを1枚つまむ
コートの形の名前は、どこにゆとりがあるかを表す呼び名です。Iラインは全体に均一、Aラインは裾、コクーンは肩から胴、Xラインは胴を絞って裾を広げる、ガウンは前の重なりで調整する。
どの名前を探せばいいかは、中に着るいちばん厚い服で決まります。つまんで5mm未満ならIラインかXライン、5mm以上ならコクーンか肩の落ちた形、下が広がるならAライン、厚みが日によって変わるならガウン。
秋と冬で中が変わる人は厚いほうに合わせ、Aラインとコクーンの中間に見えたら身幅と裾幅の差で読み、上が厚手で下が広がるなら肩の落ちたAラインかガウンを探す。売り場に行く前に、冬にいちばん厚いニットを1枚出して指でつまんでおけば、形の名前で迷う時間はほとんどなくなります。
よくある問い
- Q. コクーンとAラインは何が違うのですか
- ゆとりのある場所が違います。コクーンは肩から胴にかけて丸くふくらみ、裾に向かってすぼまります。Aラインは肩まわりは控えめで、裾に向かって広がっていきます。上に厚いものを着る人はコクーン、下に広がるものをはく人はAラインが合いやすくなります。
- Q. 1着しか買えません。どの形が無難ですか
- 中に着るものが秋の薄手から冬の厚手まで変わるなら、肩の縫い目が肩先より下に落ちたIラインか、ベルトで閉じるガウン型が対応できる幅が広いです。ただし無難な形は人によって違うので、冬にいちばん厚い服を着た状態で胸回りを測り、ゆとりが20cm以上取れるものを選んでください。
- Q. 通販でコートの形の名前を見ても、届いたら思っていた形と違いました
- 形の名前は売り手によって使い方がまちまちです。名前より、表示されている身幅と裾幅の差を見てください。裾幅が身幅より10cm以上広ければAライン寄り、ほぼ同じならIライン、裾幅のほうが狭ければコクーン寄りです。
- Q. 背が低いのですが、コクーンは似合いますか
- 背の高さより、着丈と裾のすぼまり方で決まります。コクーンの裾がひざより上で止まり、裾が体に近づくところが見えていれば、ふくらみがまとまって見えます。ひざ下まであるコクーンは、ふくらみが長く続くので重く見えやすくなります。
— メグラシ編集部





