袖の部位の名称|コートの袖丈直しは袖口か肩かを部位で決める

**手元のコートの袖口を、いま裏返して見てください。**袖口に縦の切れ目やボタンがなく、ぐるりと1周つながっているなら、袖丈は袖口から詰められます。切れ目があってボタンが並んでいるなら、そのボタン穴が本当に開くかどうかで、直す場所が袖口か肩かに分かれます。
コートの袖が長いとき、直す場所は袖口か肩の付け根のどちらかです。どちらになるかは、腕の長さではなく袖の作りで決まります。作りを見分けるために、袖の部位の名前が要ります。
この記事では、袖丈直しで使う部位の名前を先に並べ、袖口の作りごとに直す場所を分けます。袖の形そのものの名前(セットインやラグランなど)は袖の種類と袖の形12種で、コートの下に着る服の袖が合わないときは袖の形の名前|コートの下で腕がつかえるときで扱っています。
結論:袖口に何が付いているかで、直す場所が決まる
| 袖口の作り | 直す場所 | 手間 |
|---|---|---|
| 何も付いていない・1周つながっている | 袖口から詰める | 少ない |
| 飾りボタンだけ(穴は開かない) | 袖口から詰めて、ボタンを付け直す | 中くらい |
| 開きがあり、ボタン穴が本当に開く | 肩の付け根から詰める | 多い |
| ベルトやタブが付いている | 袖口から詰めて、ベルトの位置を上げる | 中くらい |
| ゴム編みや別布の袖口 | 袖口を外して詰め、付け直す | 中くらい |
**袖口から詰められるかどうかが、最初の分かれ目です。**袖口から詰められれば、手間が少なく、仕上がりの見た目もほとんど変わりません。
袖丈直しで使う部位の名前
お直しの受付で使う名前は、次の8つで足ります。上から肩の側、下が手首の側です。
| 名前 | 場所 | 見分け方 |
|---|---|---|
| 袖山 | 袖のいちばん上、肩に乗る山の部分 | 袖を平らに置いたとき、丸く盛り上がる所 |
| 袖ぐり | 身頃と袖をつなぐ輪の縫い目 | アームホールとも呼ぶ。脇の下を通る輪 |
| 袖下 | 脇の下から袖口までの内側の縫い目 | 腕の内側を通る縦の線 |
| 袖幅 | 袖の太さ | 平らに置いて端から端まで測る |
| 袖口 | 手首の側の端 | 手が出てくる所 |
| 袖口の開き | 袖口に入った縦の切れ目 | ベントとも呼ぶ |
| カフス | 袖口に付いた別布や折り返し | 縫い目で袖と分かれている |
| 袖裏 | 袖の内側に付いた裏地 | 裏返すとつるりとした布が見える |
このうち、直す場所を決めるのに見るのは袖口・袖口の開き・カフスの3つです。袖山と袖ぐりは、肩から詰めるときに受付で使う言葉になります。
袖口から詰める|何も付いていない袖
袖口に開きもボタンもなく、ぐるりと1周つながっているコートは、袖口の端をほどいて短くし、もう一度縫い直します。裏地が付いていれば、裏地も同じ長さだけ詰めます。
この直し方は、袖の形も肩の位置も変わりません。2〜5cmくらいまでなら、詰めたことが外からはほとんど分かりません。ただし、袖口に向かって細くなっている袖は、詰めるぶんだけ袖口が太くなります。5cm以上詰めると、手首まわりが広がって見えることがあるので、受付で袖口の幅も詰めるかを相談してください。
飾りボタンだけの袖|付け直しで済む
袖口にボタンが並んでいても、ボタン穴が開かず、ボタンが布の上に縫い付けてあるだけのものがあります。これは飾りボタンで、袖口から詰めたあとにボタンを上へ付け直せば済みます。
見分け方は、ボタンの横の穴に指先を当ててみることです。穴が開いていれば本物、糸でかがってあるだけで布がつながっていれば飾りです。開きがあっても、開きの部分が縫い留められていて動かないなら、こちらに入ります。
開きがあり、穴が本当に開く袖|肩から詰める
袖口に開きがあって、ボタン穴が本当に開くコートは、袖口から詰めると開きの長さもボタンの位置も変わってしまいます。開きがあるのに穴が無い、といった形の崩れが起きるため、肩の付け根から詰める直しになります。
肩から詰めるときは、袖ぐりの縫い目をほどいて袖を外し、袖山の側を短くしてから付け直します。袖口の形はそのまま残りますが、袖を一度外すぶん手間がかかります。この作りのコートは、もともとかっちりした仕立てのものが多いので、長く着るつもりなら肩から直す価値があります。
詰めたい長さが2cm以内なら、直さずにそのまま着るという選び方もあります。袖口から中のニットがのぞかなければ、2cmの長さは手の甲にかかる程度で、冬場はかえって手元が暖かく感じます。
ベルトやタブが付いた袖|位置を上げる
袖口にベルトやタブが付いているコートは、袖口から詰めたうえで、ベルトの位置を同じだけ上げます。ベルトの留め具が袖口から何cmの所にあるかを、直す前に測っておくと、仕上がりの位置を受付で確かめやすくなります。
ベルトが袖の縫い目に挟み込まれている作りだと、一度縫い目をほどく必要があり、手間が増えます。ベルトの端が縫い目から出ているか、上に縫い付けてあるだけかを見てください。
ゴム編みや別布の袖口|外して付け直す
袖口にゴム編みや別布のカフスが付いているものは、カフスを一度外し、袖のほうを短くしてから付け直します。カフスの形は変わらないので、見た目は元のままです。
ダウンや中わたの入ったコートでこの作りのものは、中わたが出ないように縫い直す手間があるため、受けられる店が限られます。受付で「中わた入りで、袖口のゴム編みを外して詰めたい」と、作りまで先に伝えてください。
袖の付き方で変わること
直す場所は袖口の作りでほぼ決まりますが、袖の付き方によっては肩から詰められないものがあります。
ラグランスリーブのように、袖が首元から脇まで斜めにつながっている形は、肩の付け根という縫い目がありません。袖口から詰めるのが基本になります。肩の縫い目が腕のほうへ大きく落ちているドロップショルダーは、肩から詰めると肩の落ち方が変わってしまうため、これも袖口から詰めるほうが無難です。
| 袖の付き方 | 肩から詰められるか |
|---|---|
| 肩の骨の真上に縫い目がある | 詰められる |
| 縫い目が腕のほうへ落ちている | 形が変わるので避ける |
| 首元から脇へ斜めに縫い目が走る | 詰められない |
測り方|中に着る服を着てから
袖丈は、コートの下に着る服で変わります。薄いブラウスで測ると、厚手のニットを着た日に袖が短く感じます。冬にいちばんよく着る厚さの服を着てから測ってください。
- 中に着る服を着て、コートを羽織り、前を留める
- 腕を体の横に下ろす
- 袖口が親指の付け根から2〜3cm手前に来るまで、袖を内側に折る
- 折った幅をメジャーで測る
- 反対の腕も同じように測る
**左右の腕の長さは、同じでないことが多いです。**片方だけ測って両方に当てはめると、片側だけ長く見えます。両方の数字を受付に伝えてください。
どちらとも取れるとき|手袋をするか、袖口から何をのぞかせるか
袖口が親指の付け根から2〜3cm手前、というのは目安です。手袋をよくする方は、手袋の口がコートの袖口に1〜2cm入り込む長さにすると、手首が冷えません。この場合は目安より1cmほど長めに残します。
反対に、中のニットやシャツの袖口を少しのぞかせて着たい方は、目安より1cmほど短めにします。のぞかせる幅は1cm前後が、だらしなく見えない限度です。
どちらにするか決めきれないときは、詰める長さを目安より少なめにしてください。長いものはもう一度詰められますが、短くしすぎたものは戻せないことが多いからです。
長いのがコートではなく、中の服の袖のとき
コートの袖口から中のニットやブラウスがはみ出していると、コートの袖が短いように見えます。ところが測ってみると、コートの袖は目安どおりで、中の服の袖が長すぎるだけ、ということがよくあります。先に中の服だけを着て、袖口が手首の骨から何cm下にあるかを測ってください。
中の服の袖口が手首の骨より3cm以上下にあるなら、直すのは中の服のほうです。ニットなら袖口を1回折り返して着るか、ゴム編みの部分を手首の骨の上まで押し上げます。ブラウスなら、カフスのボタンを留めたまま肘の下で一度たくし上げると、コートの中で袖がたまらなくなります。
反対に、中の服の袖口が手首の骨の上で止まっていて、それでもコートからはみ出すなら、コートの袖が短い側です。この場合は詰めるのではなく出す直しになり、袖口の縫い代が2cm以上残っているかどうかで、できるかどうかが決まります。袖口を裏返して、折り込まれている布の幅を測ってから受付に持っていってください。
袖幅が太すぎるとき|袖下で詰める
袖丈ではなく袖の太さが気になる場合は、袖下の縫い目で詰めます。平らに置いた袖幅が、中に着る服の袖幅より4cm以上広いと、腕を下ろしたときに袖が体から離れて、上半身が大きく見えやすくなります。
袖下で詰めるときは、脇の下から袖口までを一続きに細くします。ただし、中に厚手のニットを着る日がある方は、細くしすぎると腕が通らなくなります。コートの袖幅は、いちばん厚い中の服の袖幅より2cm以上広く残すのが目安です。
受付での伝え方
部位の名前を使うと、受付で話が早く進みます。次の順に伝えると、聞き返されることが少なくなります。
- どの服か:コートで、裏地があるかどうか
- 袖口の作り:何も付いていない/飾りボタン/開きがあって穴が開く/ベルト付き/ゴム編み
- 直したい場所:袖口から詰めたい、または肩から詰めたい
- 長さ:右は何cm、左は何cm
たとえば「裏地付きのコートで、袖口に本開きのボタンがあります。肩から詰めて、右を3cm、左を2.5cm短くしたいです」と言えば、受付の方は作りを確かめるだけで見積もりに進めます。
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よくある問い
- Q. コートの袖丈直しは、袖口と肩のどちらが安く済みますか
- 袖口から詰めるほうが手間が少なく、仕上がりも早いのが一般的です。肩の付け根から詰める直しは、袖を一度外して付け直すため手間がかかります。ただ、袖口に開きやボタン穴があるコートは袖口から詰めると形が崩れるので、手間だけで選ばず、袖口の作りを先に確かめてください。
- Q. ラグランスリーブのコートは肩から詰められますか
- 肩から詰めることは難しいと考えてください。ラグランは袖が首元から脇まで斜めにつながっていて、肩の付け根という縫い目がありません。袖口から詰めるのが基本になります。袖口に開きがあるラグランのコートは、詰められる長さが限られるので、受付で何cmまで詰められるかを先に聞いてください。
- Q. お直しに出すとき、袖の長さは何cm詰めると伝えればいいですか
- 中に着る服を着てコートを羽織り、腕を下ろした状態で、袖口が親指の付け根から2〜3cm手前に来るまで内側に折ってください。折った幅をメジャーで測った数字が、詰める長さです。左右の腕の長さは違うことが多いので、片方ずつ測って両方の数字を伝えます。
- Q. ニットの袖が長いのも直せますか
- 袖口がゴム編みになっているニットは、ゴム編みの部分を一度外して詰め、付け直す方法になります。ゴム編みのないニットは、編み目がほどけないように始末する必要があり、受けられる店が限られます。ニットの場合は、直す前に袖を一度折り返して着てみて、折り返しで済むかを先に試すのがおすすめです。
— メグラシ編集部





