袖の形の名前|コートの下で腕がつかえるときに見る肩の縫い目

**手持ちのコートの肩に、指を当ててみてください。**縫い目が肩の骨の真上にあるなら、下に着る服も、縫い目が肩の骨の上か、それより首寄りにあるものだけにしてください。縫い目が腕に落ちたゆったりしたニットは、そのコートの下ではつかえます。
コートの袖に腕を通すとつかえる。脇の下がもたつく。なぜか肩が大きく見える。秋冬にコートを出した日に起きるこの困りごとは、コートだけを見ても原因がわかりません。下に着た服の袖の形と、コートの袖の形が、かみ合っていないからです。
袖の形には名前があります。名前は、肩の縫い目がどこを通っているかで分かれます。この記事では、名前を覚えるためではなく、縫い目の位置を言い当てて、コートと下の服の組み合わせを決めるために、袖の形を見ていきます。最後に、自分で測れる3つの寸法と、どちらとも取れる組み合わせの決め方を書きました。
袖の形そのものを図で見たい方は袖の形の図解もあわせてどうぞ。ここでは、コートの下に着るという一つの場面に絞って書いています。
結論:下の服の縫い目が、コートより腕寄りにあるとつかえる
重ね着をするとき、肩の縫い目は、内側の服ほど首寄り、外側の服ほど腕寄りに並んでいるのが理想です。この順番が守られていれば、内側の服の布は肩をすべって、コートの袖の中に順に収まります。
逆に、下に着た服の縫い目がコートの縫い目より腕寄りにあると、下の服の肩の余った布が、コートの袖の付け根に押し込まれます。袖の付け根は袖の中でいちばん細い場所なので、そこに布が集まると腕がつかえ、脇がもたつき、外から見ると肩が盛り上がって見えます。
ですから、コートの下に着る服を選ぶときは、まずコートの縫い目の位置を確かめ、それより内側に縫い目がある服を選ぶ。これが最初の判断です。その次に、袖の太さの差と、脇の縫い目の深さを見ます。
袖の名前は、肩の縫い目がどこを通るかで分かれる
袖の形の名前は、肩まわりの縫い目の通り方で、大きく5つに分かれます。ここでは名前の一覧としてではなく、コートの下でどう振る舞うかを比べるために並べます。
| 名前 | 肩の縫い目の位置 | 触ってわかる目印 | コートの下での振る舞い |
|---|---|---|---|
| セットインスリーブ | 肩の骨の真上 | 肩の骨のところで縫い目が腕を一周する | いちばんコートの下に収まりやすい |
| ドロップショルダー | 肩の骨より腕側に3〜10cm落ちる | 上腕の途中で縫い目が腕を一周する | コートの肩がきちんとしているとつかえる |
| ラグランスリーブ | 首の付け根から脇の下へ斜め | 肩の上に縫い目がなく、首元から斜めに線が走る | 肩の余りが少なく、どのコートにも入りやすい |
| フレンチスリーブ | 縫い目がない(身頃と袖がひと続き) | 肩の上を布が切れ目なく腕へ続き、短い袖になる | 袖が短いので付け根はつかえないが、脇の布が寄る |
| ドルマンスリーブ | 縫い目がない(脇の下が深くえぐれる) | 脇の下の縫い目が腰の近くまで下がっている | 脇の布の量が多く、細身のコートには入らない |
5つのうち、ふだんのニットやシャツやブラウスで多いのは、セットインとドロップショルダーとラグランの3つです。フレンチとドルマンは、秋冬にはカットソーやニットのデザインとして見かけます。
この表で大事なのは「名前」ではなく「肩の縫い目の位置」の列です。売り場で名前が書かれていなくても、縫い目を触れば、どの形かがわかります。
セットインスリーブ|縫い目が肩の骨の真上にある
セットインスリーブは、袖を身頃に「はめ込む」形です。縫い目は肩の骨の真上を通り、脇の下までぐるりと腕を一周します。シャツ、ジャケット、きちんとしたニットに多い形です。
肩の骨の位置で布が切れているので、肩の幅がはっきり決まり、すっきり見えます。コートの下に着る服として、いちばん収まりがよいのがこの形です。縫い目が肩の骨の上にあるので、外側に着るコートがどの形でも、内側の縫い目より外に来ます。
ただし、セットインの服どうしを重ねるときは、縫い目の位置が同じ場所に2本重なります。コートもセットインなら、縫い目は同じ肩の骨の上に並びます。このとき、下の服の縫い目がわずかでも外にずれていると、つかえます。サイズの大きいシャツをゆったり着ていて、縫い目が肩の骨より1〜2cm外に来ている場合は、セットインのコートの下では、ずれた分だけ付け根がもたつきます。
セットインの服をコートの下に着るときは、縫い目が肩の骨の真上か、それより首寄りにあるかを確かめてください。肩の骨より外に出ているなら、それは形としてはセットインでも、着方としてはドロップショルダーに近い状態です。
セットインには、袖の付け根のふくらみ(袖山)が高いものと低いものがあります。ジャケットのように袖山が高く、袖の付け根が丸く立ち上がっているものは、腕を上げにくいかわりに、肩の形がきれいに出ます。ニットやカットソーのように袖山が低いものは、腕を動かしやすく、付け根の布が平らです。コートの下に着るなら、袖山の低いセットインのほうが収まります。袖山の高い服をコートの下に着ると、付け根の丸いふくらみがコートの中でつぶれて、脱いだときにしわが残ります。
袖山の高さは、服を平置きにして、袖の付け根の縫い目がどれだけ丸く盛り上がっているかで見ます。縫い目が肩の端からほぼまっすぐ脇の下へ下りていれば低く、丸く大きな弧を描いていれば高いと考えてください。
ドロップショルダー|縫い目が腕に落ちている
ドロップショルダーは、肩の縫い目が肩の骨より腕側に落ちた形です。落ちる幅は3cmほどのものから10cmを超えるものまであります。ゆったりしたニットやスウェット、カジュアルなシャツに多く、肩から腕にかけてやわらかく丸い線が出ます。
1枚で着るには楽で、肩の線がやさしく見える形ですが、コートの下ではいちばんつかえやすい形でもあります。縫い目が上腕の途中にあるので、肩の骨から縫い目までの布が、コートの袖の付け根に入り込みます。
つかえるかどうかは、落ちる幅と生地の厚さの掛け算で決まります。
- 落ちる幅3cm以内・薄手:セットインのコートの下でもほぼ収まります
- 落ちる幅3〜6cm・薄手:ラグランかドロップショルダーのコートなら収まります。セットインのコートでは、腕を前に伸ばすと付け根がつっぱります
- 落ちる幅6cm以上、または厚手:ドロップショルダーかラグランのコート、またはケープのように袖のない羽織でないと収まりません
秋冬に人気のある、肩の落ちたざっくりしたニットは、たいてい3つめに入ります。このニットを着る日は、コートを先に決めてから合わせてください。
落ちる幅は、着たときと平置きとで違って見えることがあります。肩幅の広い人が着ると縫い目は肩の骨に近づき、肩幅の狭い人が着ると腕のほうへ大きく落ちます。売り場でドロップショルダーと書かれていても、自分が着ると2cmしか落ちない服もあれば、8cm落ちる服もあります。名前で判断せず、着た状態で、肩の骨から縫い目までを測ることが大切です。同じ1枚でも、着る人によってコートの下に入るかどうかが変わる、いちばん個人差の大きい形だと考えてください。
落ちる幅が大きいニットほど、袖そのものは短く作られています。肩から縫い目までが長いぶん、袖を短くして全体の長さを合わせているからです。そのため、袖口の位置だけを見ると収まっていても、付け根の布の量が多いということが起きます。袖口ではなく、付け根で判断してください。
ラグランスリーブ|縫い目が首元から脇へ斜めに走る
ラグランスリーブは、肩の上に縫い目がなく、首の付け根から脇の下へ斜めに縫い目が走る形です。袖が首元から始まっているので、肩の骨のところで布が切れません。スポーツウェアや、ゆったりしたコート、カジュアルなニットに多い形です。
ラグランは、肩の骨のまわりに余った布がほとんど出ません。そのため、下に着る服としても、上に着るコートとしても、組み合わせを選びにくいのが特長です。ラグランのニットは、セットインのコートの下にもドロップショルダーのコートの下にも入ります。ラグランのコートは、セットインのニットもドロップショルダーのニットも受け止めます。
ただ、ラグランのコートにも弱点があります。肩の骨のところで布が切れないので、肩の位置がはっきりせず、なで肩のように見えます。下に肩の落ちたニットを着ると、さらに肩の位置がぼやけて、上半身全体が丸く見えることがあります。この組み合わせの決め方は、あとの「どちらとも取れるとき」の章で書きます。
フレンチスリーブとドルマンスリーブ|縫い目がない
フレンチスリーブとドルマンスリーブは、どちらも袖と身頃のあいだに縫い目がない形です。身頃と袖がひと続きの布で裁たれています。
フレンチスリーブは、肩から布がそのまま少しだけ伸びて、短い袖になった形です。秋冬はカットソーやニットのベストのような1枚に見かけます。袖が短いので、コートの袖の付け根にはほとんど布が入らず、つかえません。ただし、脇の下で布が寄りやすく、コートを着ると脇がもたつくことがあります。
ドルマンスリーブは、脇の下が深くえぐれて、袖と身頃がひと続きになった形です。腕を広げると、こうもりの羽のように布が広がります。脇の布の量がとても多いので、細身のコートの下には入りません。ドルマンの服を着る日は、ケープや、身幅も袖幅もたっぷりしたコートを合わせるか、コートを着ない時間に見せる1枚として扱ってください。
測る1|肩の縫い目が、肩の骨から何cm外にあるか
ここからは、手持ちの服で測れる寸法です。
最初に測るのは、肩の縫い目が、肩の骨から何cm外にあるかです。服を着て、肩の骨(腕を上げ下げしたときに動く、肩のいちばん外側の出っ張り)に指を当て、そこから縫い目まで何cmあるかを、もう一方の手で定規を当てて測ります。鏡の前で、横向きに立つと測りやすいです。
コートと下の服、それぞれ測ってください。
- 下の服の数字が、コートの数字より小さい:縫い目の順番が合っています。この時点でつかえる心配はほぼありません
- 下の服の数字が、コートと同じ:縫い目が重なります。生地が薄ければ収まり、厚手だともたつきます。次の「袖幅の差」で決めます
- 下の服の数字が、コートより大きい:縫い目の順番が逆です。下の服の肩の余りがコートの付け根に入ります。差が3cmを超えると、どの生地でもつかえます
ラグランやドルマンのように肩に縫い目がない服は、この測り方ができません。その場合は「0cm(肩の骨より内側)」として扱ってください。肩の骨のまわりに余る布が少ないので、縫い目の順番の点では、どのコートとも合います。
測る2|袖幅を平置きで測り、コートとの差を見る
縫い目の順番が合っていても、袖の太さが足りなければつかえます。2つ目に測るのは、袖幅の差です。
袖幅は、服を平らな場所に置き、脇の下の縫い目から2〜3cm下のところで、袖を横切るように測ります。平置きの数字なので、実際の腕まわりはこの2倍になります。
コートと下の服、両方の袖幅を測って、引き算してください。
- 差が3cm以上:すっと通ります。腕まわりで6cm以上のゆとりがあるので、下の服が厚手でも収まります
- 差が1.5〜3cm:通りますが、腕を前に伸ばすと袖が引っぱられます。下の服が薄手なら問題ありません
- 差が1.5cm未満:つかえます。腕まわりで3cmもゆとりがないので、下の服の袖の表面がコートの裏地とこすれて、袖がずり上がります
この差の目安は、下の服が薄手のときのものです。下の服が厚手のニットなら、生地の厚さのぶんだけ差を大きく見てください。厚手のニットの袖を指でつまんで、表と裏の2枚分で1cmあれば、袖幅の差は4cm以上ほしいところです。つまんだ厚さを、そのまま必要な差に足すと覚えておくと迷いません。
コートの寸法表に袖幅が書かれていない場合は、手持ちのコートを平置きで測ってください。一度測っておけば、それ以後は下に着る服を選ぶときに、寸法表の袖幅だけ見れば合うかどうかがわかります。
手首側も見ておくと安心です。袖口が細く絞られたコートの下に、袖口がふくらんだブラウスや、リブの太いニットを着ると、手首のところで布がたまります。袖口の幅も、コートと下の服で1.5cm以上の差があるかを確かめてください。
測る3|アームホールの深さ(脇の縫い目の位置)
3つ目は、アームホールの深さ、つまり脇の下の縫い目がどの高さにあるかです。
服を平置きにして、肩の縫い目のいちばん高いところから、脇の下の縫い目のいちばん低いところまで、まっすぐ下に測ります。ラグランやドルマンのように肩に縫い目がない場合は、首の付け根の高さから測ります。
コートのアームホールが、下の服のアームホールより深い(数字が大きい)ことを確かめてください。
- コートのほうが2cm以上深い:脇の下で下の服の布がコートの中に収まります
- ほぼ同じ深さ:脇の下で布が重なり、腕を下ろしたときにもたつきます
- 下の服のほうが深い:下の服の脇の布が、コートの脇の縫い目の下にはみ出します。外から見ると、脇の下がふくらみます
ドルマンスリーブの服が細身のコートに入らないのは、この深さの差のせいです。ドルマンは脇の縫い目が腰の近くまで下がっているので、ほとんどのコートより深くなります。
袖の長さ|コートの袖口から下の服がはみ出すとき
縫い目の順番も袖幅もアームホールも合っているのに、コートの袖口から下の服の袖がのぞいてしまう。これは袖の形ではなく、袖の長さの問題です。
測り方は、腕を軽く曲げた状態で見ることです。腕をまっすぐ下ろしたときに収まっていても、つり革をつかんだり、鞄を持ったりして肘を曲げると、袖は手首側へ引っぱられます。このとき、下の服の袖はコートの袖より身体に近いぶん、曲げたときに残る長さが多く、先に袖口から出てきます。
- コートの袖口が、下の服の袖口より2cm以上長い:腕を曲げても下の服は出てきません
- 差が1〜2cm:まっすぐ下ろしたときは収まり、曲げると少し出ます。袖口の色がコートと近ければ気になりません
- 差が1cm未満、または下の服のほうが長い:いつでもはみ出します。下の服の袖を手首の骨の上までたくし上げてからコートを着るか、袖の短いものに替えます
袖の長さは、袖の形によっても変わります。ドロップショルダーの服は、肩の縫い目が腕に落ちているぶん、袖そのものは短く作られていますが、肩から袖口までの長さで見るとセットインより長くなることがあります。ラグランの服も同じで、首元から袖口までの裄丈で見ないと、長さが比べられません。コートと下の服の袖の長さを比べるときは、どちらも腕に着た状態で、手首の骨から袖口までの距離を測ってください。形の違う服どうしでも、これなら同じ物差しで比べられます。
はみ出した袖をわざと見せる着方もあります。その場合は、はみ出す長さを2cm以上にして、色をコートとはっきり変えてください。1cm前後のはみ出しは「出てしまった」と見え、2cm以上で色が違えば「出している」と見えます。
組み合わせの早見|コートの形から、下に着られる袖を決める
3つの寸法をふまえて、コートの形ごとに、下に着る服の袖の形をまとめます。迷ったときは、手持ちのコートの行だけ見てください。
| コートの袖の形 | 下に着やすい袖 | 条件つきで着られる袖 | 避けたい袖 |
|---|---|---|---|
| セットイン(肩がきちんとしている) | セットイン、ラグラン | 落ちる幅3cm以内で薄手のドロップショルダー | 落ちる幅6cm以上のドロップショルダー、ドルマン |
| ドロップショルダー | セットイン、ラグラン、ドロップショルダー | ゆとりのあるドルマン(袖幅の差3cm以上) | コートより大きく肩が落ちた厚手ニット |
| ラグラン | ほぼすべて | ドルマン(アームホールの差2cm以上) | 肩の落ちた厚手ニット(肩の位置がぼやける) |
| ケープ・袖のない羽織 | すべて | ― | ― |
この表は、どの袖の形の服を買えばよいかを決めるためのものではありません。手持ちのコートに、手持ちのどの服を合わせるかを決めるために使ってください。たとえば、セットインのコートしか持っていないなら、ざっくりした肩の落ちたニットは、コートを着ない日の1枚にまわします。
どちらとも取れるとき1|セットインのコートに、少し肩の落ちたニット
ここからは、早見表で「条件つき」になる組み合わせの決め方です。いちばん多いのが、セットインのきちんとしたコートの下に、肩が少しだけ落ちたニットを着たい場合です。
落ちる幅が3cm前後で、薄手とも厚手とも言いにくいニット。早見表のどこに入るか迷うはずです。
このときは、コートを着たまま、腕を前にまっすぐ伸ばしてください。腕を伸ばしたときに、背中の肩甲骨のあたりでコートがつっぱるか、二の腕の外側が袖の付け根で締めつけられるか。どちらか一つでも感じたら、その組み合わせは合っていません。
腕を伸ばしても何も感じなければ、次に腕を下ろした状態で、横から鏡を見ます。肩の骨のすぐ下、コートの袖の付け根のあたりが、外にふくらんでいないか。ふくらんでいれば、外から見ると肩が大きく見えます。
両方とも問題がなければ、その組み合わせは着られます。どちらかが引っかかったら、ニットをラグランかセットインのものに替えるか、コートを替えてください。コートを替えられない日は、ニットの肩を少し首寄りに引き寄せてからコートを着ると、付け根に入る布が減ります。応急的な方法ですが、外出の数時間なら十分もちます。
どちらとも取れるとき2|ラグランのコートは何でも入るが、肩が丸く見える
ラグランのコートは、下に何を着てもつかえにくい便利な形です。そのぶん、肩の骨のところで布が切れないので、肩の位置がはっきりしません。下に肩の落ちたニットを着ると、さらに肩がぼやけて、上半身全体が丸く見えることがあります。
決め方は、肩の位置をどこか一か所ではっきりさせることです。
- 下の服をセットインにする:コートを開けて着たときに、内側の服の縫い目が肩の位置を示します。前を開けて着る日に向きます
- 首まわりに線をつくる:襟の高いニットや、首に巻いた布の端が、肩の始まる位置を示します。前を閉めて着る日に向きます
- コートの前を開けて縦の線をつくる:肩の位置がぼやけても、縦の線が通っていれば丸さは目立ちません
肩の落ちたニットをどうしても着たい日は、ラグランのコートの前を開けて、内側の色を縦に見せてください。肩はぼやけたままでも、縦の線で全体が締まります。
どちらとも取れるとき3|袖のふくらんだブラウスや、手首の詰まったニット
最後は、袖の付け根や手首にふくらみがある服です。パフスリーブやバルーンスリーブのブラウス、手首に太いリブがあるニットなど。
袖の付け根にギャザーを寄せたふくらみがある服は、ギャザーを伸ばしたときと寄せたときの差で決めます。袖の付け根を平置きで、ギャザーを寄せたまま測った幅と、伸ばして測った幅の差が4cm以内なら、ラグランかドロップショルダーのコートの下に収まります。4cmを超えると、どのコートでも付け根でつぶれて、脱いだときにふくらみが戻りません。
手首にふくらみや太いリブがある服は、コートの袖口の幅で決めます。コートの袖口を平置きで測り、下の服の袖口のいちばん太いところとの差が1.5cm以上あれば収まります。それより狭いと、手首で布がたまって、コートの袖口から下の服がはみ出したり、逆にコートの中でずり上がったりします。
ふくらみのある袖は、脱いだ場所で見せたい1枚であることがほとんどです。その日はコートを、袖幅のたっぷりしたものか、袖のない羽織にしてください。コートの下で形を守れれば、脱いだときにふくらみがきれいに出ます。
売り場とネットで、袖の形を先に見分ける方法
ここまでの寸法は、手持ちの服なら測れますが、買う前の服は測れません。売り場とネットで、袖の形を先に見分ける方法です。
**売り場では、肩に指を当てて縫い目を探します。**ハンガーに掛かったままでも、肩の縫い目がハンガーの端より内側にあるか外側にあるかで、だいたいの形がわかります。縫い目がハンガーの端より外の、腕の部分にあればドロップショルダー。首元から斜めに縫い目が走っていればラグラン。肩の上に縫い目が見つからなければ、ドルマンかフレンチです。
ネットでは、寸法表を見ます。
- 「肩幅」が書かれている:セットインかドロップショルダーです。肩幅の数字が、自分の肩幅より5cm以上大きければドロップショルダーと考えてよいでしょう
- 「裄丈(ゆきたけ)」だけが書かれている:ラグランかドルマンであることが多いです。裄丈は首の付け根の中心から袖口までの長さで、肩に縫い目がない服でよく使われます
- 「肩幅」も「裄丈」も書かれている:肩幅の数字を見て、上と同じように判断します
自分の肩幅は、手持ちのセットインのシャツを平置きにして、左右の肩の縫い目の間を測るとわかります。ぴったり合っているシャツを1枚選んで測っておけば、ネットで寸法表を見るたびに、その数字と比べられます。
ジャケットの丈と合わせて考えたい方は、ジャケットの丈 選び方 女性も参考にしてください。秋にニットを重ねたときのシャツの襟の扱いは、シャツの襟の名前|秋にニットを重ねると襟がつぶれる・はみ出すときに書いています。年代を問わず、重ね着全体の厚みの見方は60代ファッション 秋冬|着ぶくれする重ね着を何枚目で止めるかでも詳しく扱いました。
今日のうちに確かめる手順|手持ちのコート1着から始める
最後に、手持ちの服で、今日のうちに確かめる手順をまとめます。
- いちばんよく着るコートを1着出す。肩に指を当てて、縫い目が肩の骨の上か、腕に落ちているか、斜めかを確かめます。これでコートの形がわかります
- コートを平置きにして、袖幅とアームホールの深さを測る。メモしておけば、以後は寸法表と比べるだけで済みます
- コートの下によく着る服を3枚出す。それぞれ肩の縫い目の位置を確かめ、袖幅を測ります
- コートとの差を見る。縫い目の順番、袖幅の差(3cm以上か)、アームホールの深さ(コートのほうが2cm以上深いか)
- 合わなかった服は、コートを着ない日の1枚にまわす。捨てる必要はありません。合うコートが別にあれば、そちらと組みます
- 合った組み合わせで、腕を前に伸ばす。最後に身体で確かめて、つっぱりがなければ決まりです
袖の名前は、この手順の1と3で縫い目の位置を言い当てるために使います。名前を覚えていると、売り場の説明や寸法表を読んだだけで、手持ちのコートと合うかどうかが先にわかるようになります。秋冬にコートを出したその日に、一度だけやっておいてください。
よくある問い
- Q. 肩が落ちたゆったりニットは、コートの下に着られませんか
- 着られますが、コートの形を選びます。コートの肩もドロップショルダーかラグランなら、ニットの肩の余りがコートの袖の中に逃げるので、つかえません。肩の骨の上に縫い目があるきちんとしたコートの下に着るなら、ニットの縫い目の落ち幅が3cm以内で、薄手のものに限ってください。
- Q. ネットで買うとき、袖の形はどこでわかりますか
- 寸法表を見てください。「肩幅」が書かれていればセットインかドロップショルダーで、「裄丈」だけが書かれていればラグランかドルマンであることが多いです。肩幅がはっきり書かれていて、その数字が自分の肩幅より5cm以上大きければ、肩の落ちたドロップショルダーと考えてよいでしょう。
- Q. コートの袖に腕を通すと、中のニットの袖が上にずり上がります
- 袖の形より、袖の表面と長さが原因です。毛足のあるニットや、リブが手首で強く締まった袖は、コートの裏地に引っかかって一緒に持ち上がります。ニットの袖口を指でつまんでからコートに腕を通すか、袖口のリブがゆるめのものを選んでください。コートの裏地がすべりにくい素材の場合も起きやすくなります。
- Q. パフスリーブのブラウスをコートの下に着たいです
- 袖山に寄せたギャザーの量で決まります。袖の付け根を平置きで測り、ギャザーを伸ばしたときと寄せたときの差が4cm以内なら、ラグランかドロップショルダーのコートの下に収まります。それ以上ふくらむ袖は、どのコートでも付け根でつぶれて形が崩れるので、コートを脱いだ場所で見せる日だけにしてください。
— メグラシ編集部





